その躰は甘酸っぱいだけじゃない

湊戸アサギリ

文字の大きさ
上 下
3 / 4

初めてのデート

しおりを挟む
※ただデートに行きます




 「真白の行きたい所に連れてってよ」

山瀬にそう言われて俺は水族館を選んで誘った。キスとセックスだけする関係だと思っていたからビックリしたけど、これはデートでいいのか?

「お、おまたせっ」

「おはよう。今日はよろしく」

山瀬はすんなりOKしてくれて来てくれた。


「……あのオレンジの腕輪のペンギンがミカンちゃん」

「おー、可愛い」

「ヒトデ触れるけどどうだ?」 

「遠慮しとこう」

俺の好きな動物を山瀬は一緒に見てくれる。ヒトデは触らなかったけど。

「イルカショーとか小学生の時以来だな」

山瀬はあんまりこういう所には行かないみたいだ。

「わっ!」

「おわっ!」

イルカの飛ばした水しぶきを浴びて一緒に笑う。山瀬、楽しんでるよな……?


「はふっ」

「そのハンバーガーも美味そうだな」

売店のハンバーガー食ってる時の俺を見て笑う。俺が食ってるの見て何が面白いんだ?

「このペンギンの雛のぬいぐるみ、ちょっと真白に似てるな。これにしよう」

「どこがだよ。このカワウソが山瀬に似てるぞ」

ぬいぐるみ選んでる時も楽しそうだ。

コイツと勢いだけでセックスしてそのまま付き合うようになったけど、俺の事好きだって言ったけどそれがまだ本気なのかもわからない……

コイツがキスやセックスしたいだけ、俺の事性玩具だと思ってるんでは?と考え出したら、胸がズキズキと痛いのは何でだ?


「……お前、今日ヒトデ触る以外、嫌って言わなかっただろ? つまんなくないか?」

俺にとってはお気に入りの水族館だけど山瀬は滅多に行かない場所で、子供っぽいと思ったかもしれない。

「全然。真白と一緒ならどこでも楽しいよ」

気を遣った言い方ではないのはすぐ分かった。

「俺達まだお互いをよく知らないだろ? 真白の好きなもの知りたいんだよ」

「……」

俺の事エロいだとか可愛いとか言ってからかってるようにも見えるのに、なんで俺……嫌じゃないんだ?

「今日のこれデートだと思っていいか?」

「うん。ちゃんとデートだよ」

俺はまだコイツをよく知らない。

「今度はお前がどっか連れて行けよ」



 ※


二人の解説


戸田真白
カントボーイ。女性器以外の部分は男性と変わらない(骨格や筋肉量等)
人見知り多くて警戒心が強い。エッチな話題には積極的だが普通じゃない自分に欲情する奴なんていないだろと思ってる
19歳。お弁当屋勤務


山瀬秀人
普通の男性。20歳。大学二年生
ファッションと容姿がアヤシイだけで中身は真面目。ムッツリ。真白の可愛さを知ってからはドップリになってる
自分の名前をシワシワネームだと思っているので周囲には苗字を呼ばせてる


次回くらいに出会い編やります、多分
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

処理中です...