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その11 海斗と陸
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「俺はマリサちゃんかなー、正統派ギャルって感じでよくね?」
繁華街からやや離れた場所にある平日の飲食店の昼時。会社員の客があるアイドルについて語っていた。
「俺はユズミちゃんが好きですね。ロリっぽいとこが可愛い。でもアンナちゃんもいいなぁ」
二人の話に飲食店の黒髪の店員は少し気になる。その席に食事を持っていく。
「お待たせしました。ラーメン定食二つです」
「おー、うまそう」
会社員二人の席に二つの定食を店員が置いた。
「……最近多いな、マリサとかユズミって誰だろ?」
黒髪の店員、海斗は呟きながらカウンターから厨房を除く。最近、客の会話からアイドルらしき名前をよく聞く。
「なあ、陸。最近よく客から聞くマリサとかユズミとかアンナって誰のことか知っているか?」
厨房を除くと明るい茶色の髪をしたもう一人の店員、陸が調理をしている。
「さあ。俺も知らない」
「だよな」
陸は作ったチャーハンをトレイに乗せ海斗に渡し、海斗はそれを客に持っていく。
海斗と陸はマリサ、ユズミ、そしてアンナという人物が誰なのかわからずにいた。
「近くの繁華街の地下アイドルみたいだが……ユニット名だけがわからん」
海斗はスマートフォンを出し、三人のアイドルの名前で検索してみる。
「あ、これか」
検索結果にあるアイドルユニットの名前が出る。
Man made Lily。アンナ、マリサ、ユズミという三人はそのユニットのアイドルだった。しかも驚く点があった。
「え? これ三人とも女装してんの?」
ユニットの概要を見ると三人とも女ではなく女装した男、つまり男の娘だと記載されている。
「写真見る限り結構女装のレベル高いな」
「うん、かわいいかも」
海斗は陸にMan made Lilyの写真を見せる。陸はスマートフォンを覗く。
「ちょっと気になるな。ちょっと行ってみるか? 営業ついでに」
「行けるのか?」
「ああ、来月になるが行けるぞ」
海斗はその場でライブのチケットを二枚購入した。
「あ、いらっしゃいませー」
海斗は店に来た客の対応をする。
※
「『青月堂』?」
事務所内の練習場。ライブダンスの練習の休憩時間。敏郎はその見知らぬ店の名前を操から知った。
「うん。今流行っている中華屋だ。めっちゃうまそうだぞ。ほらこれ」
タブレットに写る写真を操は敏郎に見せる。
「あー確かによさそう。しかもちょっとおしゃれな……あ」
敏郎は写真に写る二人の男性を見る。
「ああ。それ海斗さんと陸さん。この店名物のイケメン店員。従兄弟同士だって」
「マジかぁ、確かにイケメンかも」
敏郎は写真と記事を見る。
「もしかして敏郎の好み?」
「そういうわけじゃないけど」
操は笑い敏郎は照れる。
「敏郎ー、操、そろそろ練習再開しよー」
そしてタケルに呼ばれるのだった。
繁華街からやや離れた場所にある平日の飲食店の昼時。会社員の客があるアイドルについて語っていた。
「俺はユズミちゃんが好きですね。ロリっぽいとこが可愛い。でもアンナちゃんもいいなぁ」
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「お待たせしました。ラーメン定食二つです」
「おー、うまそう」
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「……最近多いな、マリサとかユズミって誰だろ?」
黒髪の店員、海斗は呟きながらカウンターから厨房を除く。最近、客の会話からアイドルらしき名前をよく聞く。
「なあ、陸。最近よく客から聞くマリサとかユズミとかアンナって誰のことか知っているか?」
厨房を除くと明るい茶色の髪をしたもう一人の店員、陸が調理をしている。
「さあ。俺も知らない」
「だよな」
陸は作ったチャーハンをトレイに乗せ海斗に渡し、海斗はそれを客に持っていく。
海斗と陸はマリサ、ユズミ、そしてアンナという人物が誰なのかわからずにいた。
「近くの繁華街の地下アイドルみたいだが……ユニット名だけがわからん」
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「写真見る限り結構女装のレベル高いな」
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「ちょっと気になるな。ちょっと行ってみるか? 営業ついでに」
「行けるのか?」
「ああ、来月になるが行けるぞ」
海斗はその場でライブのチケットを二枚購入した。
「あ、いらっしゃいませー」
海斗は店に来た客の対応をする。
※
「『青月堂』?」
事務所内の練習場。ライブダンスの練習の休憩時間。敏郎はその見知らぬ店の名前を操から知った。
「うん。今流行っている中華屋だ。めっちゃうまそうだぞ。ほらこれ」
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「あー確かによさそう。しかもちょっとおしゃれな……あ」
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「ああ。それ海斗さんと陸さん。この店名物のイケメン店員。従兄弟同士だって」
「マジかぁ、確かにイケメンかも」
敏郎は写真と記事を見る。
「もしかして敏郎の好み?」
「そういうわけじゃないけど」
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そしてタケルに呼ばれるのだった。
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