5 / 23
その5 更に言えない
しおりを挟む
「兄ちゃん、飯うまい?」
「うん! うまいよ」
俺は幸男の作ってくれた夕飯を食べる。実際うまい、俺のために作ってくれたと思うと泣けてくる。
「兄ちゃんってさ、今恋人いる?」
「へ?」
幸男は俺が食べるのを見ながら問う。
「……なんでそんなこと聞くんだ?」
「だって兄ちゃんの恋愛対象、男の人だろ? その、変な人に騙されてないかなって……」
俺の恋愛対象が同性なのを幸男は知っている。ていうか幸男への好意で俺はそれを自覚した。
「別に何もないよ。今付き合っている人もいない」
「そう、ならよかった」
幸男は安堵する。
「もしもだけど、変な男に付き纏われたりしたらまず僕を頼ってよ。守ってあげるから」
「お、おう。ありがとう」
幸男の心配に俺の胸が痛む。実は、俺本当は付き合っている人がいるんだ。幸男にだけは言えないんだよ。
来栖社長と付き合っているなんて……
「でもそういう台詞はアンナにでも言ってあげなよ?」
「ええ!? 絶対きもがられるって!」
嘘と笑顔で幸男への隠し事がたくさん増えていく気がしてきた。
「兄ちゃん、変なことに巻き込まれてないかなって思ったけど大丈夫そうだね」
「うん、特に何もないって」
「暴行とかされかけたら、絶対に逃げてね」
「はいはい」
俺は食べ終わる。俺がアンナなのも言えないけど、社長と付き合っているのはもっと言えない。
「うん! うまいよ」
俺は幸男の作ってくれた夕飯を食べる。実際うまい、俺のために作ってくれたと思うと泣けてくる。
「兄ちゃんってさ、今恋人いる?」
「へ?」
幸男は俺が食べるのを見ながら問う。
「……なんでそんなこと聞くんだ?」
「だって兄ちゃんの恋愛対象、男の人だろ? その、変な人に騙されてないかなって……」
俺の恋愛対象が同性なのを幸男は知っている。ていうか幸男への好意で俺はそれを自覚した。
「別に何もないよ。今付き合っている人もいない」
「そう、ならよかった」
幸男は安堵する。
「もしもだけど、変な男に付き纏われたりしたらまず僕を頼ってよ。守ってあげるから」
「お、おう。ありがとう」
幸男の心配に俺の胸が痛む。実は、俺本当は付き合っている人がいるんだ。幸男にだけは言えないんだよ。
来栖社長と付き合っているなんて……
「でもそういう台詞はアンナにでも言ってあげなよ?」
「ええ!? 絶対きもがられるって!」
嘘と笑顔で幸男への隠し事がたくさん増えていく気がしてきた。
「兄ちゃん、変なことに巻き込まれてないかなって思ったけど大丈夫そうだね」
「うん、特に何もないって」
「暴行とかされかけたら、絶対に逃げてね」
「はいはい」
俺は食べ終わる。俺がアンナなのも言えないけど、社長と付き合っているのはもっと言えない。
0
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。




久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる