学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太

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後編

一つになりたい。

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 閉園を知らせる音楽を聞きながら、俺たちはテーマパークを後にする。りんは花宮から離脱して、俺は花宮と手を繋いで歩いていた。ゲートを抜ける前に俺たちは振り向いて、もう一度アーケードの方の景色を眺めた。きらびやかな電飾を施された同じ日本とは思えないその素敵な景色を、俺たちは忘れることはないだろう。

 バスターミナルからはシャトルバスに乗り、ホテルへ向かった。チェックインを済まして部屋に入ると、そこはシンプルなツインルームだった。

 一日中歩き回った俺たちは、さすがに疲れていた。「先にシャワー浴びていい?」と訊いてきたのは花宮だった。もちろん、と返すと、花宮は着替えを持ってバスルームへ入っていった。

 俺はテレビをつけてはみたものの、番組のニュースキャスターが話している内容が全然頭に入ってこなかった。シャワーを浴びている花宮の裸体が、頭の中でチラつく。俺は、俺たちは、これからどうなるんだろう。

 こういうとき、りんはその微妙な空気を読み取る。俺の緊張が伝わったのだろうか。『アタシ、あのアトラクションが一番よかった』『やっぱり食べ物は高かったよね』とか、差し障りのない話題を俺に振ってくる。お陰で俺は少し気を紛らわすことができた。

 しばらくすると、バスルームから花宮が出てきた。花宮は紺色の上下のシンプルなパジャマを着ていた。髪をタオルで巻きながら「お先に」と俺に声をかけた。

「パジャマ、可愛いな」俺はそう口にする。

「そうかな? シンプル過ぎない? もっと可愛いの買おうかなって思ったんだけど、結局家で着てるやつをそのまま持ってきちゃった」

「シンプルで花宮らしいと思う」

「それ、褒められてるのかな?」

「ああ、褒めてるよ」

 花宮は苦笑する。今度は俺が着替えを持って、シャワールームへ向かった。俺はいつも通りシャワーを浴びて部屋に戻ると、花宮はまだドライヤーをかけていた。髪が長いと大変だな。

 花宮が髪の毛を乾かし終えると、俺たち3人は明日の予定をどうするか話し始めた。東京駅まで出たあと、渋谷まで足を伸ばすのか。でも浅草もいいよね。いっそのこと横浜までいっちゃう? 

 そんなことをずっと喋っていたら、いい時間になってしまった。花宮は先に歯を磨いて戻ってきた。俺も歯を磨いて戻ってくると……花宮が俺のベッドの上に腰掛けている。そしてなぜか、りんの姿が見当たらない。

「あれ? りん、憑依しているのか?」

「う、うん……」りんは静かに頷いた。

 そのりんの様子に、俺の緊張度合いも高まった。俺はりんの横に腰掛けた。

「りん、どうした?」

「ナオ……あのね……琴ちゃんといろいろ話したの。旅行前に」

「……」

「それでさ……アタシも琴ちゃんも、ナオに我慢してほしくないんだ」

 りんはちょっと恥じらいながら、上目遣いに俺を見上げる。

「だからナオ……我慢しないで。アタシは……ナオと一つになりたい」

 りんはそう言って、俺の胸に自分のおでこをつける。

「ナオは……したくないの?」

「めちゃめちゃしたいさ」

「だったら……」

「でも……この状態で花宮はいいのか? 花宮は……感覚共有はできても、自分の意思では動けないんだぞ?」

「アタシも何回も訊いたんだよ。でも琴ちゃん、そうしたいって……」

「……花宮が?」

「うん。琴ちゃん、私に言ってくれたの」



「私だって城之内君とそういう関係になりたい。でも私、恥ずかしくてそういうこと言えないから……りんちゃんと一緒の方がいいの。それに城之内君が好きなのは、私とりんちゃんの両方なんだよ。だからその方が自然だと思わない?」



「花宮……本当にいいのか?」

「……琴ちゃん、恥ずかしいから何回も訊かないでって」

 りんはゆっくりと顔を上げた。俺の視線とりんの視線が交差する。

「琴ちゃん、『城之内君、大好き』って」

「花宮……俺も好きだ」

 俺は花宮の体を抱き寄せ、唇を軽く重ねた。

「ナオ……好きだよ。大好き。愛してる」

「りん……」

 りんは俺の首に手を回し、自分からキスをしてきた。キスが少しづつ深くなっていく。りんの舌が俺の口の中を遠慮がちに探検し始めた。俺は頭がクラクラする感覚を覚える。

 俺は花宮の体に触れた。胸に手が触れると、花宮の口から切ない声が漏れる。俺はパジャマのボタンを一つづつ丁寧に外していく。自分の手が少しだけ震えているのがわかった。

 パジャマを脱がしたあと、下着の上から体に触れる。ブラを外そうとしても、なかなか外れなかった。見かねたりんが「ちょっと待って」と言って、自分から外してくれた。

 部屋の中の電気は全部消していたが、カーテンの脇から差し込んでくる月明かりだけが、唯一の光源だった。生まれたままの花宮の姿は、本当に綺麗だった。豊満な胸も、細いウエストも、形の良いヒップも、全てが愛おしかった。

 俺は夢中で探検していた。山を登り谷を下り、丘を越えて茂みを探索した。俺の脳はりんと花宮、二人の女性を感じていた。俺の唇が彼女の体の至るところを這い回った。その度に彼女は何かから逃れるように、嬌声を上げながら体を捩った。

 俺は夢中だった。どうやって避妊具をつけたのかさえ記憶が定かではない。それでも俺は本能の赴くまま、彼女の中を貫いた。最初は浅く、だんだん深く。彼女は俺にしがみついて、俺の耳の横で愛の言葉をたくさん聞かせてくれた。気がついたときには俺の意識は快楽の中で弾け、そのまま深い眠りに落ちていった。
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