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後編
和幸さんの気持ち
しおりを挟む「カズ兄ちゃん、この学校はどう?」
『ああ、楽しいよ琴葉ちゃん。僕も生きてた時に、こんな学校へ通いたかったよ』
昼休みになり、俺と花宮はいつものように校舎の屋上へと続くドアの前で、一緒に弁当を食べていた。りんと和幸さんは、俺たちの前でその様子を眺めている。
『琴葉ちゃんは自分でお弁当をつくるのかい?』
「私はたまにだよ。ほとんどお母さんにつくってもらってるの」
『ナオは毎日自分で作ってるもんね』
「ああ。誰かさんに作らされてるっていう感じでもあるけどな」
『そんなこと言ったって、作らなかったらナオは菓子パンばっかり食べるじゃない。体に悪いよ』
「はいはい。感謝してますよ」
俺はちょっとふざけてそう言ったが、感謝しているのは本当だ。
『りん君は、生前は自炊していたのかい?』
『うん、毎日お弁当作ってたよ。ママは私が中学の時に死んじゃったしね』
『え? そうだったのか……大変だったんだね』
『まーね。でも今はそれが役に立ってるから、結果オーライだよ』
弁当を食べ終えた俺たちは、いろんな話題に話を弾ませた。和幸さんは花宮が小さかった時の話、中学の時の話、そして最近の話まで興味深く聞いていた。和幸さんが花宮を見ている時の表情……時には兄のような、そして時には好きな女子を見つめている高校生のような表情をしていた。
『琴葉ちゃんは……本当に可愛い女の子に成長したんだな』
俺は部屋でシャワーを浴びて、そろそろ寝ようかと思っていた時。和幸さんが部屋の隅でボソッと呟くのが聞こえた。
「まあ……そうですね。栄花の巫女様って呼ばれてるぐらいですからね。今でこそ俺と付き合ってるっていう話は広まってますけど、それまでは告白されまくってましたから」
『なるほど、それも頷けるよ』
『なによ。地縛霊の横恋慕はみっともないわよ』
『え? そんなこと言ったって、こういう気持ち自体は制御できるものじゃないだろ?』
『はあ!? マジで言ってるの? 変なことしたら、本当にアタシだって許さないから!』
『もちろん琴葉ちゃんにも君たちにも、迷惑がかかるようなことはしないよ。ただ……そう思うことは自由じゃないか?』
『……まあ思うぐらいだったらね。その気持は分からないでもないけどさ……』
結局栄花の巫女様は、人間も霊体をも魅了するということらしい。まあ和幸さん程度の霊力であれば、物理的な攻撃とかはできないはずだ。花宮への心情を考えても、おかしなことにはならないだろう。
◆◆◆
いままで俺と花宮とりんの3人で行動することが多かったのが、そこに霊体が一人加わって4人になった。これまでより拍車をかけて賑やかになったが、面白いことに和幸さんは3つ歳上ということもあって、ご意見番的な存在になっている。
授業中の和幸さんは、おそらくクラスの誰よりも真剣に授業を受けていると思うくらい熱心だ。俺があくびをしていると「教科書、ページめくって」「あ、ここ多分試験に出るよ」と助言をしてくれたりする。
たまに学校の帰りに寄り道もした。雄介も含めて5人でゲームセンターに行ったとき、再びクイズゲームをチーム対抗で勝負した。雄介 vs 俺 + 花宮 + りん + 和幸さんのチーム編成で勝負してみたのだが、博識の和幸さんを味方につけたことでかなり拮抗した勝負になった。3回勝負で雄介の2勝1敗だったのだが、「なんで今日こんなに強いんだ?」と終始不思議そうにしていた。
10月に入ると、俺と花宮の栄花大学への推薦の結果が出た。俺は仏教学部仏教学科、花宮は経営学部マーケティング学科。二人とも第一希望だったところだ。これで4月から晴れて大学生だ。
『二人とも4月から大学生なんだね。おめでとう』
「ありがとうございます」「ありがとう、カズ兄ちゃん」
『アタシもそれまでいられるかなー』
推薦の発表があった日。花宮が俺のアパートへやって来て、皆でお祝いしようということになった。お祝いと言っても、ケーキと飲み物だけのささやかな茶話会だ。
『それより、いったい僕は……それにりん君も、いつになったら成仏するんだろうね』
「俺のオヤジの話では、それは誰にもわからないらしいです。でも……俺は和幸さんもりんも成仏するまで、最後までサポートしますよ」
『城之内君……迷惑をかけるね。すまない』
『アタシは一応ナオの彼女だし、まだ成仏しなくていいよね』
『君はもう1年以上地縛霊のままなんだろ? いい加減成仏したらどうなんだい?』
『イヤよ! あんたこそ早く成仏しなさいよ。じゃないとアタシも琴ちゃんも、ナオとイチャイチャできないんだから』
りんの言う通り、和幸さんが来てからは花宮と、つまりりんともハグやキスができていない。さすがにそこは気を使っているが、俺もたまにはそういうことをしたいと思うときだってある。
『イ、イチャイチャなんてする必要はない! 学生の本文は勉強なんだ。まったく……君たちの生活態度は乱れているぞ』
『もー、昭和の教師かっ!』
俺も花宮も和幸さんに気を使っているわけだが……その和幸さんの花宮に対する態度や視線が、ある意味とてもわかりやすいのだ。
和幸さんは花宮と一緒にいるときはとても楽しそうなのだが、最近花宮のことをなかなか直視できないらしく、ちらちらと落ち着かない視線を送ることが多い。そして花宮が帰ったあと『ああ、今日も琴葉ちゃん可愛かったなぁ』と俺の前でしみじみ口にするのだ。
ひとことで言うと、「一昔前の思春期の男子高校生」とでも言うべきだろうか。とにかくその気持がまるわかりなのだ。
『あんたって本当にわかりやすいわね。あそこまであからさまだと、琴ちゃんだって引いちゃうわよ』
『し、仕方ないじゃないか。あんなに可愛い子が毎日のように側にいるんだ。好意を持たないほうがおかしいよ』
花宮が家に帰ったあと、りんからのツッコミにたじろぐ和幸さんだったが……俺としてもこれはどうしたもんか、頭を悩ましているところだ。
そんなことを考えていると……和幸さんは真剣な表情で、俺たちに向き直った。
『城之内君。それにりん君。君たちに頼みがあるんだ』
『ああ、楽しいよ琴葉ちゃん。僕も生きてた時に、こんな学校へ通いたかったよ』
昼休みになり、俺と花宮はいつものように校舎の屋上へと続くドアの前で、一緒に弁当を食べていた。りんと和幸さんは、俺たちの前でその様子を眺めている。
『琴葉ちゃんは自分でお弁当をつくるのかい?』
「私はたまにだよ。ほとんどお母さんにつくってもらってるの」
『ナオは毎日自分で作ってるもんね』
「ああ。誰かさんに作らされてるっていう感じでもあるけどな」
『そんなこと言ったって、作らなかったらナオは菓子パンばっかり食べるじゃない。体に悪いよ』
「はいはい。感謝してますよ」
俺はちょっとふざけてそう言ったが、感謝しているのは本当だ。
『りん君は、生前は自炊していたのかい?』
『うん、毎日お弁当作ってたよ。ママは私が中学の時に死んじゃったしね』
『え? そうだったのか……大変だったんだね』
『まーね。でも今はそれが役に立ってるから、結果オーライだよ』
弁当を食べ終えた俺たちは、いろんな話題に話を弾ませた。和幸さんは花宮が小さかった時の話、中学の時の話、そして最近の話まで興味深く聞いていた。和幸さんが花宮を見ている時の表情……時には兄のような、そして時には好きな女子を見つめている高校生のような表情をしていた。
『琴葉ちゃんは……本当に可愛い女の子に成長したんだな』
俺は部屋でシャワーを浴びて、そろそろ寝ようかと思っていた時。和幸さんが部屋の隅でボソッと呟くのが聞こえた。
「まあ……そうですね。栄花の巫女様って呼ばれてるぐらいですからね。今でこそ俺と付き合ってるっていう話は広まってますけど、それまでは告白されまくってましたから」
『なるほど、それも頷けるよ』
『なによ。地縛霊の横恋慕はみっともないわよ』
『え? そんなこと言ったって、こういう気持ち自体は制御できるものじゃないだろ?』
『はあ!? マジで言ってるの? 変なことしたら、本当にアタシだって許さないから!』
『もちろん琴葉ちゃんにも君たちにも、迷惑がかかるようなことはしないよ。ただ……そう思うことは自由じゃないか?』
『……まあ思うぐらいだったらね。その気持は分からないでもないけどさ……』
結局栄花の巫女様は、人間も霊体をも魅了するということらしい。まあ和幸さん程度の霊力であれば、物理的な攻撃とかはできないはずだ。花宮への心情を考えても、おかしなことにはならないだろう。
◆◆◆
いままで俺と花宮とりんの3人で行動することが多かったのが、そこに霊体が一人加わって4人になった。これまでより拍車をかけて賑やかになったが、面白いことに和幸さんは3つ歳上ということもあって、ご意見番的な存在になっている。
授業中の和幸さんは、おそらくクラスの誰よりも真剣に授業を受けていると思うくらい熱心だ。俺があくびをしていると「教科書、ページめくって」「あ、ここ多分試験に出るよ」と助言をしてくれたりする。
たまに学校の帰りに寄り道もした。雄介も含めて5人でゲームセンターに行ったとき、再びクイズゲームをチーム対抗で勝負した。雄介 vs 俺 + 花宮 + りん + 和幸さんのチーム編成で勝負してみたのだが、博識の和幸さんを味方につけたことでかなり拮抗した勝負になった。3回勝負で雄介の2勝1敗だったのだが、「なんで今日こんなに強いんだ?」と終始不思議そうにしていた。
10月に入ると、俺と花宮の栄花大学への推薦の結果が出た。俺は仏教学部仏教学科、花宮は経営学部マーケティング学科。二人とも第一希望だったところだ。これで4月から晴れて大学生だ。
『二人とも4月から大学生なんだね。おめでとう』
「ありがとうございます」「ありがとう、カズ兄ちゃん」
『アタシもそれまでいられるかなー』
推薦の発表があった日。花宮が俺のアパートへやって来て、皆でお祝いしようということになった。お祝いと言っても、ケーキと飲み物だけのささやかな茶話会だ。
『それより、いったい僕は……それにりん君も、いつになったら成仏するんだろうね』
「俺のオヤジの話では、それは誰にもわからないらしいです。でも……俺は和幸さんもりんも成仏するまで、最後までサポートしますよ」
『城之内君……迷惑をかけるね。すまない』
『アタシは一応ナオの彼女だし、まだ成仏しなくていいよね』
『君はもう1年以上地縛霊のままなんだろ? いい加減成仏したらどうなんだい?』
『イヤよ! あんたこそ早く成仏しなさいよ。じゃないとアタシも琴ちゃんも、ナオとイチャイチャできないんだから』
りんの言う通り、和幸さんが来てからは花宮と、つまりりんともハグやキスができていない。さすがにそこは気を使っているが、俺もたまにはそういうことをしたいと思うときだってある。
『イ、イチャイチャなんてする必要はない! 学生の本文は勉強なんだ。まったく……君たちの生活態度は乱れているぞ』
『もー、昭和の教師かっ!』
俺も花宮も和幸さんに気を使っているわけだが……その和幸さんの花宮に対する態度や視線が、ある意味とてもわかりやすいのだ。
和幸さんは花宮と一緒にいるときはとても楽しそうなのだが、最近花宮のことをなかなか直視できないらしく、ちらちらと落ち着かない視線を送ることが多い。そして花宮が帰ったあと『ああ、今日も琴葉ちゃん可愛かったなぁ』と俺の前でしみじみ口にするのだ。
ひとことで言うと、「一昔前の思春期の男子高校生」とでも言うべきだろうか。とにかくその気持がまるわかりなのだ。
『あんたって本当にわかりやすいわね。あそこまであからさまだと、琴ちゃんだって引いちゃうわよ』
『し、仕方ないじゃないか。あんなに可愛い子が毎日のように側にいるんだ。好意を持たないほうがおかしいよ』
花宮が家に帰ったあと、りんからのツッコミにたじろぐ和幸さんだったが……俺としてもこれはどうしたもんか、頭を悩ましているところだ。
そんなことを考えていると……和幸さんは真剣な表情で、俺たちに向き直った。
『城之内君。それにりん君。君たちに頼みがあるんだ』
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