60 / 85
新たなスタート
34
しおりを挟む
包帯を外したメリッサの顔は、愛くるしい犬っぽい顔であった。
「治ったの?アタイの目と足は治ったの?」
「ああ、多分ね。完全に治ったのならメリッサもこれから働いて貰うからね。」
「何でもするよ!死ぬしかないと思ってたアタイがまた働ける!!いっぱい働くよ!!」
「おいおいメリッサ。嬉しいのは分かるけど、工房内では走り回らないでくれよ。外に出て好きな様に走っておいで!」
「分かった!ケイタ様アタイ何でもするからね!」
嵐の様にメリッサは外に出ていった。
「材料がまだあるから、忘れないように何本か作るね。」
復習する様に、僕はエリクサーを製造した。
結局エリクサーは12本完成した。
「お見事ですじゃ。ケイタ様。」
「じゃあ、クルゴンも1本飲んでくれ!」
「え?私も?」
「クルゴンも魔力回路の病気で魔法が使えなくなったんだろ?エリクサー飲めば治るんじゃないか?」
「しかし……貴重なエリクサーを……」
「無くなればまた作れば良いよ。僕は錬金術師だよ!」
クルゴンは意を決してエリクサーをグビリと飲んだ。
「おお……なるほど、ピリピリとして……身体が熱い!魔力がみなぎるのが分かる。ああ……この感覚……久しぶりじゃ。」
クルゴンは急いで工房から飛び出た。
何もない上空に向かって手をかざしている。
「熱き火の矢を放て!ファイヤーアロー!」
上空に向けたクルゴンの掌からは、赤い閃光が放たれた。
「魔法が……魔法が戻ったようじゃ……」
クルゴンの目にも光るものが認められる。
失われた魔法を取り戻したクルゴンは、老けた身なりが一気に若返った様だった。
「ケイタ様、魔法を取り戻してくれて感謝するぞい。改めて忠誠を誓わせてくだされ。」
僕の前で片膝をつき、頭を垂れている。少し偉そうだったクルゴンが丁重な口調となっていた。
「エリクサーの作り方を教えてくれたおかげですよ。でもこんなに効果がある物は簡単には売らない方が良いかも知れませんね。」
「そうですな……争いの種になるやもしれませんの。しばらくは秘密にしておいた方が良いかもしれんのう。」
「痺れリキッドも?」
「そうですな……痺れリキッドの効果時間によるじゃろうが、悪党に使われると簡単に強盗など犯罪に使われてしまいそうじゃが……魔物に襲われた時などには、効果抜群でしょうな。」
「せっかくの新商品だけど、これもしばらくは商品にはしないでおこうか……上級ポーションと上級毒消しポーションは売っても良いよね?」
「それは大丈夫でしょうな。高値でも売れそうですな!」
「治ったの?アタイの目と足は治ったの?」
「ああ、多分ね。完全に治ったのならメリッサもこれから働いて貰うからね。」
「何でもするよ!死ぬしかないと思ってたアタイがまた働ける!!いっぱい働くよ!!」
「おいおいメリッサ。嬉しいのは分かるけど、工房内では走り回らないでくれよ。外に出て好きな様に走っておいで!」
「分かった!ケイタ様アタイ何でもするからね!」
嵐の様にメリッサは外に出ていった。
「材料がまだあるから、忘れないように何本か作るね。」
復習する様に、僕はエリクサーを製造した。
結局エリクサーは12本完成した。
「お見事ですじゃ。ケイタ様。」
「じゃあ、クルゴンも1本飲んでくれ!」
「え?私も?」
「クルゴンも魔力回路の病気で魔法が使えなくなったんだろ?エリクサー飲めば治るんじゃないか?」
「しかし……貴重なエリクサーを……」
「無くなればまた作れば良いよ。僕は錬金術師だよ!」
クルゴンは意を決してエリクサーをグビリと飲んだ。
「おお……なるほど、ピリピリとして……身体が熱い!魔力がみなぎるのが分かる。ああ……この感覚……久しぶりじゃ。」
クルゴンは急いで工房から飛び出た。
何もない上空に向かって手をかざしている。
「熱き火の矢を放て!ファイヤーアロー!」
上空に向けたクルゴンの掌からは、赤い閃光が放たれた。
「魔法が……魔法が戻ったようじゃ……」
クルゴンの目にも光るものが認められる。
失われた魔法を取り戻したクルゴンは、老けた身なりが一気に若返った様だった。
「ケイタ様、魔法を取り戻してくれて感謝するぞい。改めて忠誠を誓わせてくだされ。」
僕の前で片膝をつき、頭を垂れている。少し偉そうだったクルゴンが丁重な口調となっていた。
「エリクサーの作り方を教えてくれたおかげですよ。でもこんなに効果がある物は簡単には売らない方が良いかも知れませんね。」
「そうですな……争いの種になるやもしれませんの。しばらくは秘密にしておいた方が良いかもしれんのう。」
「痺れリキッドも?」
「そうですな……痺れリキッドの効果時間によるじゃろうが、悪党に使われると簡単に強盗など犯罪に使われてしまいそうじゃが……魔物に襲われた時などには、効果抜群でしょうな。」
「せっかくの新商品だけど、これもしばらくは商品にはしないでおこうか……上級ポーションと上級毒消しポーションは売っても良いよね?」
「それは大丈夫でしょうな。高値でも売れそうですな!」
0
お気に入りに追加
274
あなたにおすすめの小説
騎士団長のお抱え薬師
衣更月
ファンタジー
辺境の町ハノンで暮らすイヴは、四大元素の火、風、水、土の属性から弾かれたハズレ属性、聖属性持ちだ。
聖属性持ちは意外と多く、ハズレ属性と言われるだけあって飽和状態。聖属性持ちの女性は結婚に逃げがちだが、イヴの年齢では結婚はできない。家業があれば良かったのだが、平民で天涯孤独となった身の上である。
後ろ盾は一切なく、自分の身は自分で守らなければならない。
なのに、求人依頼に聖属性は殆ど出ない。
そんな折、獣人の国が聖属性を募集していると話を聞き、出国を決意する。
場所は隣国。
しかもハノンの隣。
迎えに来たのは見上げるほど背の高い美丈夫で、なぜかイヴに威圧的な騎士団長だった。
大きな事件は起きないし、意外と獣人は優しい。なのに、団長だけは怖い。
イヴの団長克服の日々が始まる―ー―。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
聖剣を錬成した宮廷錬金術師。国王にコストカットで追放されてしまう~お前の作ったアイテムが必要だから戻ってこいと言われても、もう遅い!
つくも
ファンタジー
錬金術士学院を首席で卒業し、念願であった宮廷錬金術師になったエルクはコストカットで王国を追放されてしまう。
しかし国王は知らなかった。王国に代々伝わる聖剣が偽物で、エルクがこっそりと本物の聖剣を錬成してすり替えていたという事に。
宮廷から追放され、途方に暮れていたエルクに声を掛けてきたのは、冒険者学校で講師をしていた時のかつての教え子達であった。
「————先生。私達と一緒に冒険者になりませんか?」
悩んでいたエルクは教え子である彼女等の手を取り、冒険者になった。
————これは、不当な評価を受けていた世界最強錬金術師の冒険譚。錬金術師として規格外の力を持つ彼の実力は次第に世界中に轟く事になる————。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
転生したらチートでした
ユナネコ
ファンタジー
通り魔に刺されそうになっていた親友を助けたら死んじゃってまさかの転生!?物語だけの話だと思ってたけど、まさかほんとにあるなんて!よし、第二の人生楽しむぞー!!
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる