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「叙勲式が終われば、後日叙勲パーティーとなります。叙勲式で知り合いになられた貴族の方や古くから付き合いのある方を招待するのが一般的です。が一度に2つもの叙勲を受けるナカムラケイタ様に近付こうとする貴族は多いでしょう。となると招待する人数は結構なものになるかもしれません。」
叙勲式で目を付けた貴族が近付いて来るのか……
「叙勲パーティーはさらにやり方が分かりません……」
「そうですね。それでは叙勲パーティーでは、当ギルドから適当な者を派遣致しましょう。その者がナカムラケイタ様のお屋敷を見てアドバイスする様に致しますので。それでいかがでしょうか?」
「是非お願いします。」
「了解致しました。では叙勲式についてもう一度説明致します。」
◇ ◇ ◇ ◇
叙勲式当日の朝となった。着慣れていない燕尾服に袖を通した僕は七五三の様だ。
約束通り商業者ギルドに到着すると、すでに馬車が用意されていた。
商業者ギルドのギルドマスター、ランドルフも正装をしているが、お腹周りが苦しそうだ。
ランドルフと馬車に乗り、王城に到着した。城の入り口の跳ね橋では厳重な審査が行われている。
叙勲式の通達を提示すると名簿を照らし合わせ確認している。
「ようこそ、ナカムラケイタ様。お待ちしておりました。どうぞそのまま中へお進み下さい。」
流石に王城は広く造りも立派である。
馬車に乗りながら、感心して王城の様子を観察していた。
王城内の大広間では、係の者に言われた場所に立たされていく。
「皆の者、領主様のおなーりー!」
太鼓が打ち叩かれ、のっそりと領主様が玉座に着く。
「皆の者、忙しい所よく来て下さった。腰掛けられよ。」
領主様の言葉に、起立していた叙勲者達は一斉に腰掛けた。
「それでは只今より叙勲式を執り行なう。皆の者ご起立下され!」
起立した叙勲者達は、領主様に向かい御辞儀をする。
「一同着席願います。」
お辞儀をした叙勲者達は腰掛ける。
「それでは騎士叙勲者!冒険者セルゲイ・レス!」
呼ばれた者は、恭しく領主様の前に行き、書状を貰う。書状を丸め片手に持ち、さらに短剣を下賜されるようだ。
片膝を床につき、両手で下賜される短剣を受け取る。書状と短剣の受け取りを叙勲式というのだ。
1人呼ばれるたびに、どんな奴だろうかと全員の視線が集まる。
いよいよ僕の順番が来た。緊張していたが、無難にこなす事が出来た。普通はこれで終わりなのだが、僕にはもう一度叙勲式をしないといけない。
叙勲式で目を付けた貴族が近付いて来るのか……
「叙勲パーティーはさらにやり方が分かりません……」
「そうですね。それでは叙勲パーティーでは、当ギルドから適当な者を派遣致しましょう。その者がナカムラケイタ様のお屋敷を見てアドバイスする様に致しますので。それでいかがでしょうか?」
「是非お願いします。」
「了解致しました。では叙勲式についてもう一度説明致します。」
◇ ◇ ◇ ◇
叙勲式当日の朝となった。着慣れていない燕尾服に袖を通した僕は七五三の様だ。
約束通り商業者ギルドに到着すると、すでに馬車が用意されていた。
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「ようこそ、ナカムラケイタ様。お待ちしておりました。どうぞそのまま中へお進み下さい。」
流石に王城は広く造りも立派である。
馬車に乗りながら、感心して王城の様子を観察していた。
王城内の大広間では、係の者に言われた場所に立たされていく。
「皆の者、領主様のおなーりー!」
太鼓が打ち叩かれ、のっそりと領主様が玉座に着く。
「皆の者、忙しい所よく来て下さった。腰掛けられよ。」
領主様の言葉に、起立していた叙勲者達は一斉に腰掛けた。
「それでは只今より叙勲式を執り行なう。皆の者ご起立下され!」
起立した叙勲者達は、領主様に向かい御辞儀をする。
「一同着席願います。」
お辞儀をした叙勲者達は腰掛ける。
「それでは騎士叙勲者!冒険者セルゲイ・レス!」
呼ばれた者は、恭しく領主様の前に行き、書状を貰う。書状を丸め片手に持ち、さらに短剣を下賜されるようだ。
片膝を床につき、両手で下賜される短剣を受け取る。書状と短剣の受け取りを叙勲式というのだ。
1人呼ばれるたびに、どんな奴だろうかと全員の視線が集まる。
いよいよ僕の順番が来た。緊張していたが、無難にこなす事が出来た。普通はこれで終わりなのだが、僕にはもう一度叙勲式をしないといけない。
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