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 「はい、頑張ります」

 ジルが答えている後ろでサブとシーナは飛び跳ねて喜んでいる。

 「じゃあ、僕はポーションの材料を仕入れに行かないと、あとは頼んだよ。また明日!」

 僕は日が落ちる前に急いで薬草、毒消し草、ガラス石などを採取した。今日中に明日の在庫を作製しておかないと……

 夜ご飯を食べる間も無く、ポーション製造を行っていた。

 「ケイタ様居ますか?」

 店舗の外から声がする。出てみるとジルだ。

 「お母さんがケイタ様に持って行くようにって。大したものじゃないけどお口に合えばどうぞって。」

 バスケットの中には、暖かい食事が入っていた。なんて気が効く女性だろう。

 「マリさんに喜んでたと伝えてくれ。ジルもわざわざありがとう。まだ食べてないんだろ?早く帰って腹一杯お母さんの料理を食べるんだよ。」
 
 マリさんの手料理の癒された僕は、やる気が出て、残りのポーション製造を終えた。

 翌日、開店記念の半額サービスを終えたが、効果が評判を呼んでようで、なかなかの客入りであった。

 初日までの客入りではなかったので、接客、販売はマリ一家に任せて心許こころもとなくなった在庫を製造しておく事にした。

 店舗横の工房に、僕が居ない時でも、在庫を回せるようにある程度の個数を用意しておく。その他は出来るだけ多く製造してアイテムボックスに収納しておく事にした。

 数日間、順調に商売も繁盛し、在庫管理も上手くいっている。

 「ケイタ様、現在売り上げ数は帳簿につけていますが、材料代などの経費を計上してませんが、いいのですか?」

 マリさんは、経理に詳しいのか?

 「材料も僕が採取してるから、タダなんですよね……容れ物も僕が作ってますし……」

 「そうですか……それだと支払う税が多くなりますね……貢献度は上がると思いますが。」

 「マリさん達の給料は経費になりますよね?」

 「はい、人件費は経費になります。」

 「それなら、他の店の準備もあるからまだ従業員を増やしたいですね。どなたかいい知り合いは居ませんか?」

 「……私が今住んでいるところは治安が悪く周りに胸を張って紹介出来るような方はいません……問題を起こす様な方はケイタ様も望んでないと思いますので……」

 そういえば、マリさんの家に以前行った時は、スラム街の中のバラック小屋だった。たしかにあの辺りでは、なかなか良い人材はいないだろう。むしろマリさん一家が特別だったのだ。

 「マリさん。安全な所に引っ越しますか?例えばこの店舗の裏の僕の住居の横に。」
 
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