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『少々お待ちください』

と奥の方に引っ込んだ受付嬢は、水晶の球を運んで来た。

『それでは、この水晶の上に手を置いて下さい』

私は言われるまま水晶の上に手を置いてみた。

【ヒロセック・スズリーナ】
12歳       女性
スキル:《聖女の輝き》

『スキル持ってないって言われてましたけど、スキルありますよ?《聖女の輝き》という抽象的なスキルですが……普通は、使える魔法属性や武術属性、鍛冶屋などの職業名が一般的なんですが……』

「スキルあります!?ホントに!?ああ~昨日の神殿での出来事は夢ではなかったんだわ!」

私は能無しのまま生きていかないといけないと思っていただけに、凄く嬉しかった。

「《聖女の輝き》!?どんなスキルかご存知ないですか?」

『私は聞いた事はございません。聖女スキルと言いますと、安寧を祈願する祈りのスキルや、怪我や病気の方を治療するスキルは聞いた事がありますが……』

「なるほど、祈りや治療のスキルですか。でもスキル名に《輝き》とついているので違うかもしれないんですね」

少しでもヒントになる事を聞けて嬉しかった。

『それでは、この内容で登録させて頂きますね。よろしいでしょうか?』

登録完了し、銅製のプレートを受け取った。プレート型のギルドカードであった。ギルドカードには、私の名前、年齢のみが記載されていた。

『紛失されると、ギルドランクや貢献度などの登録内容が分からなくなり、再登録しますと初期の状態からやり直しになりますので、紛失されないようにお気を付け下さい。だいたい首に掛けている方が多いみたいです。』

「ご丁寧にありがとうございます。こうですね!」

とギルドカードを首に掛けてみせた。

『良くお似合いです。それでは冒険者としての心得を簡単ですが説明させて頂きます。』

冒険者にはランクがあり、ランクに応じた依頼のみ受注する事が出来る。当然上位ランクの依頼の方が難しく報酬も良い。

依頼を達成していく事で、冒険者貢献度が溜まっていき、必要数溜まる事で、ランクアップする。

薬草採取など常時ある依頼は常設依頼。依頼主からの依頼を通常依頼。依頼主が特定の冒険者に依頼を指名して行う指名依頼の3通りの依頼がある。常設依頼より通常依頼。通常依頼より指名依頼の方が報酬が高くなる。

といった説明を受けた。

依頼を達成していく事で、ランクアップして受注出来る依頼が割りの良いものになっていくようだ。

『以上で説明は終わりです。何か質問があればいつでもお尋ね下さい。冒険者ギルドは、冒険者の手助けをする事が使命でありますので。それでは、素晴らしい冒険者になれますように!』

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