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街に残り、農作業や木工作業をする者を残して3万人の大兵力でフェリカ王国を目指した。
攻める立場であった、フェリカ王国が今度は逆の立場になったのである。
途中途中の土地に家族が住んでいる者は合流して一足先に建設する街に戻っていく。
◇ ◇ ◇ ◇
聖女が軍隊を吸収して逆に攻めて来る!
聖女に降る事を良しとしなかった兵士達はほうほうの体で王国に戻って来ていた。戻って来た兵士達から、噂が広まったのである。
フェリカ王国では、情報が錯綜している。
「陛下!陛下!」
「これが最後のチャンスです。なにとぞ聖女サラと融和を図り、穏便に収めて下さい。敵対したままでは絶対にいけません。陛下!陛下!なにとぞお願い致します。」
「宰相!そなたは煩いのう!我に説教する気か!もう良い!そなたには、しばらく暇を与える。しばらく我の前に姿を見せる事を禁じる!分かったか?」
「陛下!なんと!?」
「宰相!陛下のお言葉ですぞ!直ちにお引取りなされ!」
アルフォンス公爵は、意地悪そうにニヤついている。
「あとは公爵に任せれば良い!頼んだぞ公爵!今日はどんな趣向を用意しておるのじゃ?」
「陛下!国務の事は私に全てお任せ下さい。何も心配は要りません。陛下今日の伽は世にも珍しい両性具有という者を用意しております。必ずや陛下のお気にいる事と存じます。」
「さすが公爵よのう。お主は誠に優秀な男じゃ。そなたが居れば、この国は安泰じゃのう。」
「陛下勿体無きお言葉でございます。」
身のない言葉を尻目に、宰相は肩を落として部屋を出て行った……
元指揮官統率力◎のアーノルドと忠烈なる漢のトニー率いる3万人近くの軍隊はフェリカ王国の国境を越え、王都ペリシアに迫っていた。
家族と合流出来た者は、財産を積んだ馬車でフェリカ王国を後にしている。その様子を見ているフェリカ国民にも動揺が走っている。
寡兵となったフェリカ軍には、私達を制止する力はすでにない。私達の侵攻を見守るだけである。
大きな戦闘行為を交わす事もなく、家族を奪還する事が出来ていた。
多くの兵士は家族と財産と共に、建設する街に凱旋帰国を果たした。
森を切り開き、建物を建設し、田畑を切り拓く。
王都ペリシアに多くの兵士と練り歩いたのが宣伝となり、フェリカ王国に愛想を尽かした多くの人々が新たに移転して来ている。
廃れた街は、数ヶ月後には多くの住民と共に領土をどんどん広げて街の規模の大きくなっている。
攻める立場であった、フェリカ王国が今度は逆の立場になったのである。
途中途中の土地に家族が住んでいる者は合流して一足先に建設する街に戻っていく。
◇ ◇ ◇ ◇
聖女が軍隊を吸収して逆に攻めて来る!
聖女に降る事を良しとしなかった兵士達はほうほうの体で王国に戻って来ていた。戻って来た兵士達から、噂が広まったのである。
フェリカ王国では、情報が錯綜している。
「陛下!陛下!」
「これが最後のチャンスです。なにとぞ聖女サラと融和を図り、穏便に収めて下さい。敵対したままでは絶対にいけません。陛下!陛下!なにとぞお願い致します。」
「宰相!そなたは煩いのう!我に説教する気か!もう良い!そなたには、しばらく暇を与える。しばらく我の前に姿を見せる事を禁じる!分かったか?」
「陛下!なんと!?」
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アルフォンス公爵は、意地悪そうにニヤついている。
「あとは公爵に任せれば良い!頼んだぞ公爵!今日はどんな趣向を用意しておるのじゃ?」
「陛下!国務の事は私に全てお任せ下さい。何も心配は要りません。陛下今日の伽は世にも珍しい両性具有という者を用意しております。必ずや陛下のお気にいる事と存じます。」
「さすが公爵よのう。お主は誠に優秀な男じゃ。そなたが居れば、この国は安泰じゃのう。」
「陛下勿体無きお言葉でございます。」
身のない言葉を尻目に、宰相は肩を落として部屋を出て行った……
元指揮官統率力◎のアーノルドと忠烈なる漢のトニー率いる3万人近くの軍隊はフェリカ王国の国境を越え、王都ペリシアに迫っていた。
家族と合流出来た者は、財産を積んだ馬車でフェリカ王国を後にしている。その様子を見ているフェリカ国民にも動揺が走っている。
寡兵となったフェリカ軍には、私達を制止する力はすでにない。私達の侵攻を見守るだけである。
大きな戦闘行為を交わす事もなく、家族を奪還する事が出来ていた。
多くの兵士は家族と財産と共に、建設する街に凱旋帰国を果たした。
森を切り開き、建物を建設し、田畑を切り拓く。
王都ペリシアに多くの兵士と練り歩いたのが宣伝となり、フェリカ王国に愛想を尽かした多くの人々が新たに移転して来ている。
廃れた街は、数ヶ月後には多くの住民と共に領土をどんどん広げて街の規模の大きくなっている。
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