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 「古来より、国家の宝として聖女の存在を守るため聖スベリア会は成り立って来ました。聖スベリア会の後押しがあり聖女サラも民衆を救う事に尽力出来ておりました。その聖スベリア会を管轄するのは国務大臣の仕事です。しかし国務大臣はその権限を大臣ではない、アルフォンス公爵に譲り渡したのです。表向きは聖女サラの教育係という触れ込みで、アルフォンス公爵が聖スベリア会に侵入した模様です。」

 「そちの話は長いのう。簡潔に申せ!」

 早くも国王陛下は退屈してきたようだ。

 「はっ申し訳ございません。簡潔に申しますと、アルフォンス公爵が不当に権限を持ち、聖女の力を自分の思いのままに利用しようと企んでいるのです。正当に主張する者を、権力を持って不当に除外して、まさにに振舞っているのです。」

 ガチャ!

 執務室の扉が急に勢いよく開け放たれた!

 アルフォンス公爵と国務大臣だ!

 「陛下ご機嫌麗しゅうございます。そんな輩の讒言ざんげんを聞いてはなりません。私は、隣に居る国務大臣より、私の豊富な人生経験を見込まれ、聖女の教育係を仰せつかったのです。私の聖スベリア会に対する改革が気に食わない旧態然とした体制のあぐらをかく者達が、私を監禁するという暴挙に及んだのです。奴等の一味は国家に牙を剥く国家反逆罪として処罰しなければなりません。陛下どうか惑わせられませんように。奴等は国家の転覆を画策しております。私を信じて頂きたい。」

 アルフォンス公爵はぬけぬけと講釈を垂れている。

 「陛下!」

 「陛下!」

 「えーい、ウルサイ!いったいどうなっているのだ!宰相どちらの話が本当なのだ?」

 「畏れながら、私はこの男爵の話に信憑性を感じます。聖女の力は国家の宝です。庇護され国家の役に立って貰わなければなりません。」

 アルフォンス公爵は、宰相を睨みつけている。

 「そうか……となるとアルフォンス公爵よ。そちがちょっと出しゃばり過ぎたようだな。少し控えよ。良いか?これで一件落着だ。」

 「ははー、陛下名裁きでございます。」

 アルフォンス公爵は、うやうやしく身を屈めた。

 「陛下お待ち下さい!それだけでございますか?公爵様は、ご自分の意に反する者達を、不当に捕え、言われなき罪で牢獄に入れようと画策しております。なにとぞこの国の正義を御示し下さいませ。」

 「そちはウルサイのう。もう一件落着したと言ったろうが?さぁ出て行け!のう公爵?本日の伽をするなつめを口に含む女というのは、どういった者じゃ?」

 「陛下?陛下……」
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