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 かなり昔から聖女が存在していた文献があるようだ。国家がひんする危機の時に、聖女の存在が発見される事が多いらしい。

 どの地域から発見されるかは分からない。

 ひとたび聖女が発見され、国のために尽くせば、その国家は栄え、平和が訪れる。

 聖女により、発揮される能力は違えども、どのような能力でも、人を救い、幸せにする事が出来るようだ。

 私は、女神様の啓示の時に、祈り。占い。治療。の3つの能力を授けると告げられた。

 実際に、実家に幸運の祈りを授ける事に成功した実感があるし、すでに数人の資質や才能を[る]事も出来ている。この[る]力が占いの能力であろう。

 治療の能力も簡単に想像出来る。病気や怪我の人を治療出来る力であろう。

 デニス先生に質問してみたが、歴代の聖女で複数の能力を持つ者は居なかったらしい。3つも能力を授かった私は何かこの世に役割があるのだろうか?

 私の能力をデニス先生に伝えて良いものか迷ったが、歴代の聖女は皆能力を公表していたらしい。

 その公表された能力が一般に知られる事により、一般人に希望を与え、悪行を働く者に対しては抑止力になっていたようだ。

 占いで、起こるべき悲劇に予め備えたり、被害者や善人は治療して悪人は治療しないという事が行われていた。

 そこで私は、デニス先生に私の3つの能力の事を伝えた。複数もの能力がある事にデニス先生は驚いていたが、安定して能力を発揮出来るようになるまでは、しばらく能力の公表を伏せておく事となった。

 なんとなくデニス先生をてしまった。

 [腹黒い知略家]
 知識○弁舌○資産△武術✖️馬術✖️性分△

 ただけで、その人間の資質が分かってしまうのも考えものだ。その人に対する先入観が出来てしまう。

 おっと……デニス先生の講義を聞き逃していた。

 せっかくの個人講義をしっかり拝聴しておこう。

 その後も、昔の聖女様を守るために、聖スベリア会が発足した事。錬金術が使えた聖女様が様々な魔道具を産み出し世の中を便利にした事。など聖女様と聖スベリア会との繋がりまで教わった。

 現在では、しばらく聖女様が不在であったため、独立した機関であった聖スベリア会が、国務大臣直轄の機関として吸収合併されてしまったらしい。

 聖スベリア会の運営維持のための経費を国家機関から捻出してるため、中立性の担保が脅かされている。午後からの国務大臣の訪問に胸騒ぎがし始めていた。
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