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新たな船出
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「分かりました。私はアルテニア皇国とは、浅からぬ因縁がありますお代を頂けるならば、喜んで協力致しましょう。」
『おお~それは心強い!まるで聖女を得た気分だ。』
私が元聖女見習いだった事はバレるまで黙っていよう……
お互いの兵士の被害を少なくするため、私は武器の提供も提案してみた。
「商会には珍しい武器もございますが、どうされますか?この武器ならば、お互いの国の兵士の被害が少なくなるかと思いますが……」
『ほう?興味深いな。是非見せて頂きたいが。』
私は女神様の本に記載されたあった、シールドを作製して軍司令と将軍に見せた。
剣などの物理攻撃を防ぎ、魔法を弾く耐久性の高いシールドだ。
「これを装備する一隊が存在すれば、相手の攻撃を受け付けません。さらに……」
剣に麻痺の効果が付与されている魔法剣も見せた。
「これで相手に傷を負わすと、麻痺魔法が付与されており、相手は麻痺して動けなくなります。さらに……」
「これはバズーカと言います。この中に麻痺や睡眠の効果がある弾が込められており、相手に放つとその煙りを吸った相手は麻痺や睡眠に掛かり動けなくなります。」
『ちょっと待ってくれ!?こんな強力な効果を持った武器を、なぜ君のようなお嬢ちゃんが持ってるんだ?相当強い隊が組めるじゃないか?』
『司令!これらは非常に危険です。強力すぎます。外国に渡らせてはいけません。この娘を野放しにしておけません。』
これは素性を話した方が良さそうだな。黙っていれば拘束されそうだ。
「実は私は、アルテニア皇国で聖女見習いとして務めていました。しかし聖女スキルが発動せず、役立たずとして我が家族共々、アルテニア皇国を追い出されました。暴行を受け、我が家には火を放たれました。ほうほうの体で、アルテニア皇国を棄て、ルーミハイム王国に引っ越して来たのです。その度の途中、聖女スキルが発動し、現在私は錬金術のスキルを有しています。」
『なるほど、辛い事をよく話してくださった。貴方を疑って申し訳ない。しかし私は貴方を完全に信用した訳ではない。是非我が軍に所属して協力して頂きたい。』
この将軍という男は、愚直な男なんだなと理解した。
「私はまだ子供で軍に入っても剣も握れません……」
将軍は司令と顔を見渡し豪快に笑い声をあげた。
『お嬢ちゃんに戦って貰おうとは思ってないよ。ポーションの準備をしたり、武器の供給などいわゆる後方支援という役割だ。もちろんそのバズーカという武器を使って欲しいが。どうだい?私の補佐という事で、軍に所属してくれないか?』
『おお~それは心強い!まるで聖女を得た気分だ。』
私が元聖女見習いだった事はバレるまで黙っていよう……
お互いの兵士の被害を少なくするため、私は武器の提供も提案してみた。
「商会には珍しい武器もございますが、どうされますか?この武器ならば、お互いの国の兵士の被害が少なくなるかと思いますが……」
『ほう?興味深いな。是非見せて頂きたいが。』
私は女神様の本に記載されたあった、シールドを作製して軍司令と将軍に見せた。
剣などの物理攻撃を防ぎ、魔法を弾く耐久性の高いシールドだ。
「これを装備する一隊が存在すれば、相手の攻撃を受け付けません。さらに……」
剣に麻痺の効果が付与されている魔法剣も見せた。
「これで相手に傷を負わすと、麻痺魔法が付与されており、相手は麻痺して動けなくなります。さらに……」
「これはバズーカと言います。この中に麻痺や睡眠の効果がある弾が込められており、相手に放つとその煙りを吸った相手は麻痺や睡眠に掛かり動けなくなります。」
『ちょっと待ってくれ!?こんな強力な効果を持った武器を、なぜ君のようなお嬢ちゃんが持ってるんだ?相当強い隊が組めるじゃないか?』
『司令!これらは非常に危険です。強力すぎます。外国に渡らせてはいけません。この娘を野放しにしておけません。』
これは素性を話した方が良さそうだな。黙っていれば拘束されそうだ。
「実は私は、アルテニア皇国で聖女見習いとして務めていました。しかし聖女スキルが発動せず、役立たずとして我が家族共々、アルテニア皇国を追い出されました。暴行を受け、我が家には火を放たれました。ほうほうの体で、アルテニア皇国を棄て、ルーミハイム王国に引っ越して来たのです。その度の途中、聖女スキルが発動し、現在私は錬金術のスキルを有しています。」
『なるほど、辛い事をよく話してくださった。貴方を疑って申し訳ない。しかし私は貴方を完全に信用した訳ではない。是非我が軍に所属して協力して頂きたい。』
この将軍という男は、愚直な男なんだなと理解した。
「私はまだ子供で軍に入っても剣も握れません……」
将軍は司令と顔を見渡し豪快に笑い声をあげた。
『お嬢ちゃんに戦って貰おうとは思ってないよ。ポーションの準備をしたり、武器の供給などいわゆる後方支援という役割だ。もちろんそのバズーカという武器を使って欲しいが。どうだい?私の補佐という事で、軍に所属してくれないか?』
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