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新天地

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 商業者ギルドカードを受け取った私達は、早速商売ができる場所を探しに行った。

 人通りの多い賑やかな場所にはすでに多くの露店が並んでおり、後発店が出店する隙間はない。脇道よりは、大通りが良いだろうと、徐々に奥の方に進んで行った。

 通りは広いが、人通りがまばらな一画に目を付けた。両隣には、露店もないし、広々と使えそうだ。

 私は、意識を集中して[露店よ出ろ!]と念じてみた。結構な大きさの屋台であったが、一瞬で出す事が出来た。両親も弟もビックリしている。もちろん露店を出した私もだ。

 「ハハハ!念じたら、何でも出るみたいだわ。生物と金貨は出なかったけど。」

 露店に商品となる品物を並べないといけない。今まで両親が取り扱っていた品物を思い起こしていた。木製のコップ、皿、スプーン・フォークなどであった。

 聖女会館では、コップは、透明なガラスと言われる素材、皿は白磁の皿、スプーン・フォークは純銀製のスプーン・フォークを使っていた事を思い出し、聖女会館で使っていた様なコップ、皿、スプーン・フォークを生み出した。

 『ユリナ。こんなに立派なものを売ってもいいのかい?あまり高価な物は売れにくいから、木製の物も作製してくれないか?』

 そうか。高級品は売れにくいのもあるなと思い木製も作製する事にした。木製のコップ、皿、スプーン・フォークも作製したが、ワンポイントに飾りを入れてその辺にある品物とは一線を画した。

 私の露店の周りには人通りは少なかったが、いつもはない場所に、露店が出ている事に気付いた人が、商品の見学に訪れた。

 「いらっしゃいませ。お安くしますので、気に入った物があれば仰ってください。」

 『お嬢ちゃん!?この透明なコップや白磁の皿は貴族が使う品物じゃないのかい?何でこんな露店…って言ったら失礼だけど、こんな所で売っているのかい?』

 「真っさらな新品ですよ。お気に召したならいかがですか?」

 『これいくらだい?』

 私は相場が分からない……父親が出てきて

 『ガラス製の高貴なコップ。白磁の皿。純銀製のスプーン、フォークです。おひとつ金貨1枚です。4つまとめてお買い上げ頂けたら、金貨3枚と銀貨80枚に致しますよ。』

 お父様ふっかけすぎだよ……と思っていたら、

 『それは安いな…何セットあるかい?良ければ5セット欲しいけど。』

 『おお!それはありがとうございます。ユリナあと4セット出してきておくれ。全てで金貨19枚ですがよろしいでしょうか?』

 『いや~これは良い品物だよ。他にも何か変わった物はあるかい?』

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