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本当に聖女?

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『それでは、ユリナ様お部屋に案内させて頂きます。馬車の荷物はすでにお部屋に運び終えておりますのでご安心下さい。』

私が挨拶をしている間に、荷物を運んでくれていたのか?かなり優秀な女中だなと感じた。

聖女会館の中は、高級な品々で溢れていた。

飾ってある絵画や、置いてある調度品の格調の高さに圧倒された。床には刺繍が施された絨毯が敷き詰められている。

『こちらのお部屋をお使い下さい。本日はお疲れでしょうから、後でお部屋にお食事と身体を洗うためのお湯を持って参ります。明日は他の聖女様に御面会と聖女会館の案内をさせて頂く予定となっております。何がご用があれば、いつでも私達女中にお申し付け下さい。』

「色々お気遣いありがとうございます。よろしくお願いしますね。」

『いえ、私共に御礼の言葉なんて勿体のうございます。聖女様は国家を救う存在でありますので、堂々とされていて下さい。それでは、ごゆっくりとお寛ぎ下さい。』

女中頭のエザキには、丁寧な言葉使いと態度であるが、微妙に距離を感じる。初日だし仕方ないかな。徐々に仲良くなっていければいいな……

用意してくれた部屋は、1人では広過ぎる広さだった。実家の全ての部屋を合わせたより、この部屋の方が広いだろう。机と椅子。テーブルとソファー。調度品も全て高級品のようで、質が良い。ベッドも藁が敷きつめてある物ではなく、横になるとフカフカしている。横になった瞬間寝てしまいそうなほど気持ちが良い。

ここでこれから生活するのか!といった期待と、家族と離れて1人で生活していく不安の2つの感情が存在した。

しばらくすると、温かい料理が運ばれてきた。今まで食べた事がないようなフカフカ柔らかいパンと、美味しい料理であった。

お湯もたっぷり用意してくれ、身体を拭きさっぱりする事が出来た。身体の汚れを拭った後は、これまた用意してくれた部屋着に着替えた。肌触りの良い素材が使われており、部屋着には勿体ないほどである。

満腹でフカフカなベッドに横になっていると、いつの間にか、寝てしまっていた。

夢の中では、戦争をしている私が居た。




『ユリナ様、左翼側が押されています!』

伝令が慌てて報告に走ってくる。

「左翼で怪我をした者は一旦退きなさい!10秒後に敵側の動きを止めます!左翼側怪我人は一旦退きなさい!10秒後に敵軍は動けなくなります!」

私は拡声器を使い、左翼側に指示を出した。

左翼で味方が引いているのが見える。

私はアイテムボックスから、バスーカ砲を取り出した。

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