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第2部
宿敵2
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竜の鱗には、自分の身を守るという重大な意味があるという。その鱗を剥がし投げつけるという行為は、何もかもを捨てても、命を賭けて敵を滅するという意思表示なのだ。
僕は命懸けで滅するべき宿敵に任命されてしまった。1度鱗を投げつけられた者とは、関係を修復する事は出来ないと言われている。
つまり竜人族の中の一派閥であるサブライト族は常に僕の命を狙ってくる宿敵となってしまったのだ。
「ああ……なんて事だ……」
竜人族の長老サマークルは嘆いている。
僕の周りにいた竜人族は全員麻痺させて動けなくした。黒竜ウィーヴィルと闘っていた竜人族は哀れにも、丸焦げとなり大火傷を負っている。
『おい、くにどんよ。こんがりと焼けた竜人族を食べてもいいが、後々の面倒になりかねん。お主の魔法で治療してくれんかの?』
ウィーヴィルが鼻から煙を出しながら、話しかけてきた。
「よく殺さない様に手加減してくれたね。」
『当たり前であろう。此奴ら如きのトカゲの丸焼きを作るのは容易いが、思慮深いドラゴン様であるからの。このチビトカゲ共は、短絡的でいかんのう。一族の仇を調べているくにどんを宿敵と任命してからに。腹が立ってきたの。やっぱり全員丸焦げに焼き殺してやろうかの。』
「おいおい、ウィーヴィルやめてくれよ。しかし竜人族は直情型だね。竜型に変化すると余計にその傾向があるのかもね。」
無駄話をしながら、瀕死となっている焼けただれた竜人族を治療して回る。治療した瞬間に反撃してこようとする竜人族をさらに麻痺させていく。
敵対となった宿敵に治療してもらっているのに、反撃しようとする竜人族は、根性があるというのか……恩知らずというべきなのか……
少なくとも昨日飲み明かし、好意的に思っていた竜人族の印象は一夜にして逆のものとなっていた。
「これでよし…と」
治療を終え、その上から麻痺させて動けなくした竜人族に向かい僕は新たな魔法を試す気になっていた。
「服従せよ!」
ピコン!
『服従魔法レベル1を習得しました。』
思った通り習得出来た。
麻痺している竜人族を片っ端から服従魔法にかけていく。覚えたてのためレベルが低いため命令に応じるかは不明であるが……
団子を食べさせる工程を省いてしまったが、まあいいとしよう。
結局、昔話での人族の男と似た様な状況となってしまった。昔話の人型も直情型の竜人族とトラブルを起こして仕方なく服従させていったのかもしれないな……
いくら手加減していたからといってウィーヴィルの炎でも絶命しない竜人族はタフである。
僕は命懸けで滅するべき宿敵に任命されてしまった。1度鱗を投げつけられた者とは、関係を修復する事は出来ないと言われている。
つまり竜人族の中の一派閥であるサブライト族は常に僕の命を狙ってくる宿敵となってしまったのだ。
「ああ……なんて事だ……」
竜人族の長老サマークルは嘆いている。
僕の周りにいた竜人族は全員麻痺させて動けなくした。黒竜ウィーヴィルと闘っていた竜人族は哀れにも、丸焦げとなり大火傷を負っている。
『おい、くにどんよ。こんがりと焼けた竜人族を食べてもいいが、後々の面倒になりかねん。お主の魔法で治療してくれんかの?』
ウィーヴィルが鼻から煙を出しながら、話しかけてきた。
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『当たり前であろう。此奴ら如きのトカゲの丸焼きを作るのは容易いが、思慮深いドラゴン様であるからの。このチビトカゲ共は、短絡的でいかんのう。一族の仇を調べているくにどんを宿敵と任命してからに。腹が立ってきたの。やっぱり全員丸焦げに焼き殺してやろうかの。』
「おいおい、ウィーヴィルやめてくれよ。しかし竜人族は直情型だね。竜型に変化すると余計にその傾向があるのかもね。」
無駄話をしながら、瀕死となっている焼けただれた竜人族を治療して回る。治療した瞬間に反撃してこようとする竜人族をさらに麻痺させていく。
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少なくとも昨日飲み明かし、好意的に思っていた竜人族の印象は一夜にして逆のものとなっていた。
「これでよし…と」
治療を終え、その上から麻痺させて動けなくした竜人族に向かい僕は新たな魔法を試す気になっていた。
「服従せよ!」
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思った通り習得出来た。
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結局、昔話での人族の男と似た様な状況となってしまった。昔話の人型も直情型の竜人族とトラブルを起こして仕方なく服従させていったのかもしれないな……
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