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上級冒険者
男の行方
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「乗りかかった舟だからね。力になれるか分からないけど、出来る事は協力するよ。」
『くにどんよ!感謝するぞ!』
『くにどんよ!我が一族を代表して我も礼を言わせてくれ。ありがとう、くにどん。』
安全の確保の為、卵と玉石のウシュルガム様は、宝物庫のまま待機してもらう。
僕達は、転生してきたという男の生存を調査するということで話がまとまった。
「ウィーヴィルよ!一度王都に戻り王様に聞いてみるかな?」
『そうじゃのう…行きたくはないが、エルフ族、ドワーフ族、竜人族にも聞き取り調査をしたいのう。』
乗りかかった舟と言ったが、これは大変な事になるぞと僕は武者震いをした。
宝物庫に入った時と同じように、ドラゴンの封印をして、僕達は宝物庫から出た。
ドラゴン族の復興が、ウィーヴィルと僕の手にかかっている?
途方も無い計画に先が思いやられる。
「ウィーヴィルよ!王都[ローマン]に帰るか?」
『そうじゃのう…何が正しい行動か分からんのう……』
僕はウィーヴィルの背に乗り、古代都市アルテノンを後にした。
正直荷が重く、逃げ出したかった。
僕とウィーヴィルは黙ったまま空を飛んでいた。
途中、竜人族が近くにいるというエトナ火山を再び見る事が出来た。
◇ ◇ ◇ ◇
数日の飛行の後、僕達は王都[ローマン]に戻ってきた。
街の中に入るには、守衛の入場審査を受けなければならない。
ドラゴンに乗った僕に、入場審査を待つ行列は道を開けた。
僕は金色のギルドカードを首から出し見せたが、ドラゴンには身分証明書がない。
守衛もどうしたもんかと判断を迷っていた。
上空から入ってもいいが、衛兵達と揉め事は起こしたくない。
「ウィーヴィルちょっと悪いけど、森の所らへんで待っててくれない?許可が取れたら、呼び寄せるから。」
『仕方あるまい。何か狩りをして楽しむかのう!』
ウィーヴィルは森へ、僕は街の中に入っていった。
まずは、商会に向かった。
統括マネージャーのアントニオが従業員にテキパキと指示を出していた。
「くにどん様!お早いお帰りでしたね。もっと留守にされるかと思っていました。」
「僕ももっとかかると思ったんですが、一度戻ってきました。何か変わった事はないですか?」
「生活魔道具として販売した魔石の有効期限が切れてくる頃です。魔石の交換を都度していきたいため、時間があれば魔石に魔法付与をお願いします。」
「分かりました。今日は[くにどんハウス]に戻るようにしますので、材料を運んでいて下さい。」
「既に色々準備しておりますので、よろしくお願いします。」
流石に手際が良い。
「流石ですね!作製したら置いておきますので、頼みますね。」
「了解致しました。くれぐれもご無理をされないようにご自愛ください。それから居酒屋はまだ工事中ですが、立ち飲みはオープンしていますので、時間があれば是非ご覧下さい。」
『くにどんよ!感謝するぞ!』
『くにどんよ!我が一族を代表して我も礼を言わせてくれ。ありがとう、くにどん。』
安全の確保の為、卵と玉石のウシュルガム様は、宝物庫のまま待機してもらう。
僕達は、転生してきたという男の生存を調査するということで話がまとまった。
「ウィーヴィルよ!一度王都に戻り王様に聞いてみるかな?」
『そうじゃのう…行きたくはないが、エルフ族、ドワーフ族、竜人族にも聞き取り調査をしたいのう。』
乗りかかった舟と言ったが、これは大変な事になるぞと僕は武者震いをした。
宝物庫に入った時と同じように、ドラゴンの封印をして、僕達は宝物庫から出た。
ドラゴン族の復興が、ウィーヴィルと僕の手にかかっている?
途方も無い計画に先が思いやられる。
「ウィーヴィルよ!王都[ローマン]に帰るか?」
『そうじゃのう…何が正しい行動か分からんのう……』
僕はウィーヴィルの背に乗り、古代都市アルテノンを後にした。
正直荷が重く、逃げ出したかった。
僕とウィーヴィルは黙ったまま空を飛んでいた。
途中、竜人族が近くにいるというエトナ火山を再び見る事が出来た。
◇ ◇ ◇ ◇
数日の飛行の後、僕達は王都[ローマン]に戻ってきた。
街の中に入るには、守衛の入場審査を受けなければならない。
ドラゴンに乗った僕に、入場審査を待つ行列は道を開けた。
僕は金色のギルドカードを首から出し見せたが、ドラゴンには身分証明書がない。
守衛もどうしたもんかと判断を迷っていた。
上空から入ってもいいが、衛兵達と揉め事は起こしたくない。
「ウィーヴィルちょっと悪いけど、森の所らへんで待っててくれない?許可が取れたら、呼び寄せるから。」
『仕方あるまい。何か狩りをして楽しむかのう!』
ウィーヴィルは森へ、僕は街の中に入っていった。
まずは、商会に向かった。
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「くにどん様!お早いお帰りでしたね。もっと留守にされるかと思っていました。」
「僕ももっとかかると思ったんですが、一度戻ってきました。何か変わった事はないですか?」
「生活魔道具として販売した魔石の有効期限が切れてくる頃です。魔石の交換を都度していきたいため、時間があれば魔石に魔法付与をお願いします。」
「分かりました。今日は[くにどんハウス]に戻るようにしますので、材料を運んでいて下さい。」
「既に色々準備しておりますので、よろしくお願いします。」
流石に手際が良い。
「流石ですね!作製したら置いておきますので、頼みますね。」
「了解致しました。くれぐれもご無理をされないようにご自愛ください。それから居酒屋はまだ工事中ですが、立ち飲みはオープンしていますので、時間があれば是非ご覧下さい。」
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