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 「そうですよね?ってね!」

 普段なら川柳だか?標語だか?を出してきた笹川にツッコミを入れるとこだろうが、今はそんな気分では無い。笹川は僕を見捨てて逃げたのだから……

 「魔石を分配して今日はお開きにしよう。」
 僕の提案に笹川は待ってました!それが目的だ!と言わんばかりに、魔石を分配する場所を探している。

 取り分けると笹川は、やや多い配分に納得した様子だ。

 「いやぁ!想定よりだいぶ回収出来ましたね?どうしますか?今日もう換金しちゃいますか?それとも値上がり期待で、しばらく塩漬けにしちゃいますか?」
 明らかに笹川に塩対応しているのに、笹川は気にせずグイグイと来る。強メンタルには、感心させられる。

 「まぁ僕は疲れたから今日はこれで。」

 「了解です。本田さんお疲れ様でした。また明日職場で!」

 そうだった……今日は日曜日だ。明日から平日の普段通りの勤務の始まりだ。
 嫌な事を思い出してくれる……重くなった足を引きずりながら、帰途に着いた。


 ◇ ◇ ◇ ◇


 「ふぅ……大変な一日だったな……」
 買って来たコンビニ弁当をテーブルに置く。本来ならスパで汗を流し、焼き鳥けんちゃんで打ち上げの予定であったが、今日はそんな気分にはなれなかった。

 コンビニ弁当をストゼロで流し込む。腹が満たされると今日の収穫を思い出した。

 玄関先に放って置いたリュックの中身を確認する。中に入っているのは、昼飯にと余分に用意していた飲食物。それに戦利品である魔石。そして古びた肩掛けバックだ。

 ダンジョンの中でも少し試したが、やはりこれはアイテムボックスやインベントリと呼ばれるような魔道具だ。これがあれば、身軽でダンジョンに挑めるぞ!ダンジョン内で見た冒険者ダンナー達の大荷物が馬鹿馬鹿しく思えるようだ。

 それに僕の武器であったガス銃だけでなく、色んなタイプの武器も持っていけそうだ。ダンジョンに現れる敵と相性が良い武器で戦う事が出来れば効率が良い。

 命カラガラ帰って来たのに、次のダンジョンに行く日が待ち遠しくも思えてきていた。

 そして今日は換金しなかった魔石だ。二日目の今日は、初日より多くの魔石を集める事が出来た。魔石が今まで以上にエネルギー源として需要が上がると報道されていた。すでに今日も少し値上がりしていた様子だが、これからも値上がりは期待していいだろう。慌てて換金せずに高値の時まで保管しておこうと考えていた。
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