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明かされた秘密
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立太子を祝うためのパーティーは始まりこそ物々しかったが、和やかな雰囲気だった。王に子がいた衝撃や、次期国王と目されていたダミアンが罪人の身内として裁かれた衝撃を受けた人々は、王太子の話でもちきりで、エステルのことを噂する者は居ない。
参加者たちは次々と国王へ挨拶をしており、トマの側に控えたラウルはその場を護衛するように立ったままだった。
「俺たちも挨拶行きましょっか」
「はい」
シリル卿に促され、エステルが王の御前に出て挨拶すると、ラウルが顔色を変えた。
「どうして、貴女がここに……」
「え」
エステルがトマへの挨拶を終えるよりも先に、焦ったような声をあげたラウルに驚いて、エステルはつい国王の顔を見る。その視線を追ったラウルが、トマを見て眉間に皺を寄せる。
「陛下、彼女を呼んだんですか?」
「ああ、伝聞で知るよりも、断罪の現場を見た方がいいだろう?」
トマの答えを聞いたラウルは溜め息を吐いた。
(……この間も思ったけれど、ラウル様は陛下に対して態度が無礼じゃないかしら……)
はらはらとしながら見守るエステルに反して、トマは声を上げて笑い、手を振った。
「もう警護は良い。エステル嬢とパーティーを楽しむが良い。先日はすぐに帰って楽しむ余裕などなかったのであろ? 何、そなた一人抜けても、他にも護衛はおる」
「あら、こちらがヴァロワ卿の? 婚約者さんとパーティーを楽しんでいないの? それはいけないわ。ヴァロワ卿、陛下もこうおっしゃってるのだし、行ってらっしゃいな」
それまで黙っていた王妃が、トマの言葉を受けてそう声をかける。気安く言葉をかけるその様子に、ラウルは王妃からも可愛がられているらしいとエステルは察する。
「……では、お言葉に甘えて」
ラウルが礼をとると、トマと王妃の二人は頷いた。
「エステルさん、会えるのを楽しみにしていたのよ。今日は都合が合わないけれど、わたくしともまた遊ぶ時間をちょうだいね」
「もったいないお言葉でございます」
エステルが礼を取ると、王妃はふふっと笑った。その後でエステルを警護していたシリルを含めた三人の騎士を見て、「あら」と声を上げる。
「もうシリル卿たちは、二人にはお邪魔じゃないかしら? 陛下、シリル卿も任を解いてもよろしいのではなくて?」
「そうだな。そなたらもパーティーを楽しんで良いぞ。ただし、飲み過ぎぬようにな。特にシリル」
「もちろんっすよ! ありがとうございます!」
びしっと礼を取って、シリルは他の二人の騎士を連れて会場へと消えて行く。案外こういう采配になることを狙ってエステルを王の御前に連れてきたのかもしれない。
「俺たちも行こう」
ラウルの促しに、エステルはもう一度国王夫妻に礼を取ってその場を離れた。ラウルは無言でエステルをエスコートして会場内を歩くと、椅子のある場所で止まる。パーティーは基本的に立食形式だが、足を休めるために先ほどエステルが座っていた特別席とは別に、会場の隅には椅子がいくつか置かれている。
「……飲み物を取って来る」
「あ」
エステルを椅子に座らせると、話す間もなくラウルは立ち去ってしまったが、すぐにグラスを持って戻ってきた。ただ、その顔は終始気難しそうな顔をしている。
(どうされたのかしら……?)
ここ数日、顔を合わせられなかったが、先日の夜会でラウルに気持ちを伝え、わだかまりはないはずである。無理に聞き出すつもりもないが、ラウルが思い悩んでいる様子なのは気になった。
「……」
飲めと言わんばかりに差し出された飲み物を受け取って、しばらくラウルとエステルは無言でそれを口に運ぶ。
(少しきついお酒ね……ほどほどにしておいた方がいいかしら)
会場内はざわめいているが、ラウルとエステルの二人にはただ沈黙が降りる。さすがに何か喋った方がいいだろうかと思った頃、ほんのりと頬を染めたラウルがグラスの残りをぐいっと最後まで煽った。
「大丈夫ですか?」
(そういえば、お酒を飲んでるところを見たことないけれど、ラウル様はもしかしてあまりお酒強くないのかしら……?)
一杯ほどで顔を赤らめているラウルがつい心配になる。
「大丈夫だ……すまない」
「いえ……ですが、お酒はそのくらいに」
「そうじゃない」
眉間にぐっと皺を寄せて、エステルを見つめると、ラウルは溜め息を吐いた。
「ダミアンのことだ。貴女は……もう何も思ってないと言っていたが、あんな形で……罪人になったのを見たのは辛かっただろう。こんな場所に、貴女を呼ぶつもりではなかった」
そう吐きだすと、ギリ、と奥歯を噛んでラウルは辛そうにしている。
(ああ……ラウル様は、私の、心配をして……)
それに気付いた途端に、エステルは微笑みがこぼれている。すぐ側のテーブルにグラスを置くと、ラウルの手を取って、両手で包みこむ。
「心配かけてすみません。……ありがとうございます。正直に言うと、ヴァロワ卿のことはもう何にも思っていません。王妃様の件は……衝撃的ではありましたけど、彼が罪人として連れて行かれたことは不思議と何とも思わなかったのです」
そう言いながら、エステルはラウルの顔を見る。ダミアンの断罪中に彼のことを不憫だとも、いいざまだとも、何とも思わなかったのは、本当にエステルの中でダミアンがどうでもいい存在になってしまったからなのだろう。きっと、それはラウルのおかげだ。
「あ……でも」
ふと、断罪の間に気になっていたことを、エステルは思い出す。
「どうした?」
ラウルの問いかけに、口走ってしまった自分を内心叱咤するが、もう遅い。エステルは苦笑して、言葉を整理する。
「その……一つ腑に落ちないことがありまして。ヴァロワ卿は私の初恋だと言いましたけれど、そうじゃないかもしれなくて」
「どういうことだ?」
怪訝そうな顔つきのラウルに、エステルも困ったように眉尻を下げた。
「過去に会ったことがないかもしれない、と……」
「貴女は王都でダミアンに初めて会ったのではないのか?」
エステルは頷く。ダミアンがエステルの純潔を奪った相手であり初恋相手だというのを、ラウルが知っていることについては判っていたが、その『初恋』がいつなのかについてまで話した事はなかったことにここに至ってエステルは気付いた。とは言っても、そんな終わった恋の話をわざわざ婚約者に聞かせるようなことでもない上、話す機会もなかったのだからラウルが知らなくても仕方ない。
「ええと……何年も前に、ジルー家の領地……国境近くで出会った、はずだったんです。怪我をした彼を匿って介抱したはず……なのですが……」
エステルは自分で言いながら、道理に合わないと首を傾げる。
「断罪の時に、彼は戦地には行っていないと、陛下がおっしゃっていたので……もしかしたら、彼は私の初恋の人じゃなかったかもしれないのです。でも、確かに『レヴィ』という名前を聞きましたし、お父様にも『ダミアン・レヴィ・ヴァロワだろう』と言われていたのですが……だとしたら、私が会った彼は誰だったのでしょう」
考え考え話すエステルの言葉を、ラウルは恐ろしく真剣な表情で聞いている。それに気付いたエステルは、彼の手をきゅっと握りこんで首を振った。
「ごめんなさい、こんな話をして。もう終わった話ですのに」
「……その介抱した相手が、貴女の初恋の相手なのか?」
「あの」
「いいから答えてくれ」
じっと見つめるラウルの赤い目に圧されて、エステルは戸惑いながらも頷く。
「そう、です……」
「貴女の初恋が、介抱した騎士……」
呟いたラウルは口を引き結んで考えこむように目線を落とした。そこではた、とエステルは気付いた。
(私、騎士だって言ったかしら)
しかしその疑問をラウルに問う前に、ラウルは再びぱっとエステルを見つめる。
「貴女が会ったその騎士は」
「あーっこんなところに居たんスかあ!」
ラウルの言葉と被って、陽気な声が後ろから掛かる。それと同時にラウルの肩ががしっと組まれ、男が寄りかかって来る。人前で手を握ったままだったことに気付いたエステルはぱっと手を離した。
「シリル卿」
怒気を孕んだ声をあげたラウルに怯みもせず、シリルはへらへらと笑った。顔がずいぶんと赤いので、短時間で見事に酔っぱらっているらしい。
「え~なんなんスか、機嫌悪いっスね。まあいいや、ね~早く婚約者のお嬢さんを紹介してくださいよ」
「うるさい、お前、さっきまで彼女の護衛をしてたんだから名前くらい知ってるだろう」
「ええ~あんな他人行儀なご挨拶じゃなくってぇ~やぁっとご本人に出会えたんスから、ちゃぁんとレヴィ卿の口から紹介してくださいよ~麗しの星様のこと~」
へへへ、と笑いながら口を滑らせたシリルの腕を振りほどいて、ラウルは忌々し気にシリルを睨む。
「お前は酔っぱらうと本当にろくでもない」
頭を掴んで吐き捨てるように言うラウルに、エステルは呆然とする。
「……レヴィ、卿……?」
ぽつりと呟いた彼女の声に、シリルがはっとして、顔をヒクつかせる。
「あ、あ~……ええと、俺、酔っぱらうとすーぐ人の名前間違えちゃって、申し訳ないッスね、ヴァロワ卿!」
明らかにひきつった笑いを浮かべて、誤魔化すようにラウルの背を叩いたシリルに対して、彼は深く溜め息を吐いた。
「場所を移動しよう」
眉間に皺を寄せたラウルは、パーティーを楽しむ間もなく会場を後にしたのだった。
参加者たちは次々と国王へ挨拶をしており、トマの側に控えたラウルはその場を護衛するように立ったままだった。
「俺たちも挨拶行きましょっか」
「はい」
シリル卿に促され、エステルが王の御前に出て挨拶すると、ラウルが顔色を変えた。
「どうして、貴女がここに……」
「え」
エステルがトマへの挨拶を終えるよりも先に、焦ったような声をあげたラウルに驚いて、エステルはつい国王の顔を見る。その視線を追ったラウルが、トマを見て眉間に皺を寄せる。
「陛下、彼女を呼んだんですか?」
「ああ、伝聞で知るよりも、断罪の現場を見た方がいいだろう?」
トマの答えを聞いたラウルは溜め息を吐いた。
(……この間も思ったけれど、ラウル様は陛下に対して態度が無礼じゃないかしら……)
はらはらとしながら見守るエステルに反して、トマは声を上げて笑い、手を振った。
「もう警護は良い。エステル嬢とパーティーを楽しむが良い。先日はすぐに帰って楽しむ余裕などなかったのであろ? 何、そなた一人抜けても、他にも護衛はおる」
「あら、こちらがヴァロワ卿の? 婚約者さんとパーティーを楽しんでいないの? それはいけないわ。ヴァロワ卿、陛下もこうおっしゃってるのだし、行ってらっしゃいな」
それまで黙っていた王妃が、トマの言葉を受けてそう声をかける。気安く言葉をかけるその様子に、ラウルは王妃からも可愛がられているらしいとエステルは察する。
「……では、お言葉に甘えて」
ラウルが礼をとると、トマと王妃の二人は頷いた。
「エステルさん、会えるのを楽しみにしていたのよ。今日は都合が合わないけれど、わたくしともまた遊ぶ時間をちょうだいね」
「もったいないお言葉でございます」
エステルが礼を取ると、王妃はふふっと笑った。その後でエステルを警護していたシリルを含めた三人の騎士を見て、「あら」と声を上げる。
「もうシリル卿たちは、二人にはお邪魔じゃないかしら? 陛下、シリル卿も任を解いてもよろしいのではなくて?」
「そうだな。そなたらもパーティーを楽しんで良いぞ。ただし、飲み過ぎぬようにな。特にシリル」
「もちろんっすよ! ありがとうございます!」
びしっと礼を取って、シリルは他の二人の騎士を連れて会場へと消えて行く。案外こういう采配になることを狙ってエステルを王の御前に連れてきたのかもしれない。
「俺たちも行こう」
ラウルの促しに、エステルはもう一度国王夫妻に礼を取ってその場を離れた。ラウルは無言でエステルをエスコートして会場内を歩くと、椅子のある場所で止まる。パーティーは基本的に立食形式だが、足を休めるために先ほどエステルが座っていた特別席とは別に、会場の隅には椅子がいくつか置かれている。
「……飲み物を取って来る」
「あ」
エステルを椅子に座らせると、話す間もなくラウルは立ち去ってしまったが、すぐにグラスを持って戻ってきた。ただ、その顔は終始気難しそうな顔をしている。
(どうされたのかしら……?)
ここ数日、顔を合わせられなかったが、先日の夜会でラウルに気持ちを伝え、わだかまりはないはずである。無理に聞き出すつもりもないが、ラウルが思い悩んでいる様子なのは気になった。
「……」
飲めと言わんばかりに差し出された飲み物を受け取って、しばらくラウルとエステルは無言でそれを口に運ぶ。
(少しきついお酒ね……ほどほどにしておいた方がいいかしら)
会場内はざわめいているが、ラウルとエステルの二人にはただ沈黙が降りる。さすがに何か喋った方がいいだろうかと思った頃、ほんのりと頬を染めたラウルがグラスの残りをぐいっと最後まで煽った。
「大丈夫ですか?」
(そういえば、お酒を飲んでるところを見たことないけれど、ラウル様はもしかしてあまりお酒強くないのかしら……?)
一杯ほどで顔を赤らめているラウルがつい心配になる。
「大丈夫だ……すまない」
「いえ……ですが、お酒はそのくらいに」
「そうじゃない」
眉間にぐっと皺を寄せて、エステルを見つめると、ラウルは溜め息を吐いた。
「ダミアンのことだ。貴女は……もう何も思ってないと言っていたが、あんな形で……罪人になったのを見たのは辛かっただろう。こんな場所に、貴女を呼ぶつもりではなかった」
そう吐きだすと、ギリ、と奥歯を噛んでラウルは辛そうにしている。
(ああ……ラウル様は、私の、心配をして……)
それに気付いた途端に、エステルは微笑みがこぼれている。すぐ側のテーブルにグラスを置くと、ラウルの手を取って、両手で包みこむ。
「心配かけてすみません。……ありがとうございます。正直に言うと、ヴァロワ卿のことはもう何にも思っていません。王妃様の件は……衝撃的ではありましたけど、彼が罪人として連れて行かれたことは不思議と何とも思わなかったのです」
そう言いながら、エステルはラウルの顔を見る。ダミアンの断罪中に彼のことを不憫だとも、いいざまだとも、何とも思わなかったのは、本当にエステルの中でダミアンがどうでもいい存在になってしまったからなのだろう。きっと、それはラウルのおかげだ。
「あ……でも」
ふと、断罪の間に気になっていたことを、エステルは思い出す。
「どうした?」
ラウルの問いかけに、口走ってしまった自分を内心叱咤するが、もう遅い。エステルは苦笑して、言葉を整理する。
「その……一つ腑に落ちないことがありまして。ヴァロワ卿は私の初恋だと言いましたけれど、そうじゃないかもしれなくて」
「どういうことだ?」
怪訝そうな顔つきのラウルに、エステルも困ったように眉尻を下げた。
「過去に会ったことがないかもしれない、と……」
「貴女は王都でダミアンに初めて会ったのではないのか?」
エステルは頷く。ダミアンがエステルの純潔を奪った相手であり初恋相手だというのを、ラウルが知っていることについては判っていたが、その『初恋』がいつなのかについてまで話した事はなかったことにここに至ってエステルは気付いた。とは言っても、そんな終わった恋の話をわざわざ婚約者に聞かせるようなことでもない上、話す機会もなかったのだからラウルが知らなくても仕方ない。
「ええと……何年も前に、ジルー家の領地……国境近くで出会った、はずだったんです。怪我をした彼を匿って介抱したはず……なのですが……」
エステルは自分で言いながら、道理に合わないと首を傾げる。
「断罪の時に、彼は戦地には行っていないと、陛下がおっしゃっていたので……もしかしたら、彼は私の初恋の人じゃなかったかもしれないのです。でも、確かに『レヴィ』という名前を聞きましたし、お父様にも『ダミアン・レヴィ・ヴァロワだろう』と言われていたのですが……だとしたら、私が会った彼は誰だったのでしょう」
考え考え話すエステルの言葉を、ラウルは恐ろしく真剣な表情で聞いている。それに気付いたエステルは、彼の手をきゅっと握りこんで首を振った。
「ごめんなさい、こんな話をして。もう終わった話ですのに」
「……その介抱した相手が、貴女の初恋の相手なのか?」
「あの」
「いいから答えてくれ」
じっと見つめるラウルの赤い目に圧されて、エステルは戸惑いながらも頷く。
「そう、です……」
「貴女の初恋が、介抱した騎士……」
呟いたラウルは口を引き結んで考えこむように目線を落とした。そこではた、とエステルは気付いた。
(私、騎士だって言ったかしら)
しかしその疑問をラウルに問う前に、ラウルは再びぱっとエステルを見つめる。
「貴女が会ったその騎士は」
「あーっこんなところに居たんスかあ!」
ラウルの言葉と被って、陽気な声が後ろから掛かる。それと同時にラウルの肩ががしっと組まれ、男が寄りかかって来る。人前で手を握ったままだったことに気付いたエステルはぱっと手を離した。
「シリル卿」
怒気を孕んだ声をあげたラウルに怯みもせず、シリルはへらへらと笑った。顔がずいぶんと赤いので、短時間で見事に酔っぱらっているらしい。
「え~なんなんスか、機嫌悪いっスね。まあいいや、ね~早く婚約者のお嬢さんを紹介してくださいよ」
「うるさい、お前、さっきまで彼女の護衛をしてたんだから名前くらい知ってるだろう」
「ええ~あんな他人行儀なご挨拶じゃなくってぇ~やぁっとご本人に出会えたんスから、ちゃぁんとレヴィ卿の口から紹介してくださいよ~麗しの星様のこと~」
へへへ、と笑いながら口を滑らせたシリルの腕を振りほどいて、ラウルは忌々し気にシリルを睨む。
「お前は酔っぱらうと本当にろくでもない」
頭を掴んで吐き捨てるように言うラウルに、エステルは呆然とする。
「……レヴィ、卿……?」
ぽつりと呟いた彼女の声に、シリルがはっとして、顔をヒクつかせる。
「あ、あ~……ええと、俺、酔っぱらうとすーぐ人の名前間違えちゃって、申し訳ないッスね、ヴァロワ卿!」
明らかにひきつった笑いを浮かべて、誤魔化すようにラウルの背を叩いたシリルに対して、彼は深く溜め息を吐いた。
「場所を移動しよう」
眉間に皺を寄せたラウルは、パーティーを楽しむ間もなく会場を後にしたのだった。
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