傷物令嬢はリップサービスを信じない~政略の婚約者は星に愛を囁く~

かべうち右近

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侮辱を許せなかったのは

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 王の側近に案内されて、エステルは夜会の会場へと戻っていく。まだ廊下に人はいないが、会場ほど近くになったところでエステルは側近に声をかける。

「ここまでお送り頂き、ありがとうございました。ここからは会場にすぐ近いですから、私でも道が判ります」

「そうですか? では、夜会をお楽しみください」

 会場まで送るようにと言い含められていたはずの側近はあっさりとエステルの言葉に従って、来た道を戻っていく。その背を見送ってから、エステルが前を向きなおすと、廊下の先から男性が一人、エステルのほうに向かって歩いてくるところだった。

(……あの人は)

 姿を認識した途端に、エステルの拳にきゅ、と力が入る。口を引き結んで背筋を伸ばすと、エステルはしっかりと前を向いて歩き出す。

「何だ、いい女がいると思ったら、エステル・ジルー。君か」

 素通りすればいいものを、あえて声をかけてきたのはダミアンだった。

「こんばんは。それでは急ぎますので、失礼いたします」

 にっこりと微笑んだエステルは、略式の礼をして彼の隣を通り過ぎようとする。しかしその腕が掴まれた。

「まあ、待ちなよ」

「お離しください、伯爵」

 軽く掴まれただけの腕は、振りほどこうとすれば、簡単に解けるだろう。しかし、大仰な態度を取って騒ぎを起こす訳にはいかない。飽くまで静かに言ったエステルは、笑顔を崩さなかった。それをどう思ったのか、ダミアンはふっと口を歪めて笑う。

「他人行儀で寂しいじゃないか。以前のように『ダミアン』とは呼んでくれないのかい?」

 くすくすと笑いながら、ダミアンはからかうように言う。

「婚約者でもない方を名前で呼び捨てるなど、以前の私はどうかしておりました。無礼をお許しください」

「無礼なんかじゃないさ。私と君の仲、だろう?」

「……夜会で少しお会いしただけです。婚約者が待っておりますので、申し訳ありませんが」

 それでもまだエステルは笑顔を崩さず、そっとダミアンの手に触れると、それを穏やかに外して去ろうとする。しかし、ダミアンの空いた手が、更に彼女の手を押さえて遮る。

「俺の女にしてやる」

 ひそ、と声を小さくして囁かれた言葉にエステルは唖然とする。今の彼には以前エステルを口説いていた時のような品行方正な振舞いはない。エステルがよそゆきの淑女の顔を装っていたのと同様に、ダミアンもまた女の前でだけ被る都合のいい仮面を被っていたのだ。

「光栄だろう?」

「私には婚約者がいるとご存知の上でおっしゃってますか?」

 怒るべきではない。騒ぎを起こすべきでないと、心の中で念じながら、エステルは顔に笑みを貼り付けたまま、しゅっと腕を抜いて一歩下がる。しかしその空いた間をまた詰めて、ダミアンが下卑た笑みを浮かべた。その醜悪な笑みに、エステルはぞっとする。

(初恋の人だったからって、どうして私はこんな人に心を許してしまったのかしら)

 ふつふつと湧く自分への怒りを、自分の手をきゅっと重ねることで抑え込む。

「愛人など、珍しくもないだろう?」

 つまりは婚約者がいようと、結婚していようと、身体の関係を求めているという意味だ。更に言えば、『光栄』という言葉から考えて、次代の王は自分であると思い込んでいるのだろう。どこまでも救いようのない男である。最後に会った時に、あのような侮辱を受けて、なおエステルがこんな誘いに乗ると思っているところが愚かしい。

(どこまでも下劣な人ね)

 湧いていた怒りすら冷めて、こんな下衆は話をする価値もないと判断したエステルは、「ごきげんよう」と短く言って一歩横にずれてダミアンの前から去ろうとした。その瞬間である。

「どうせあの戦争狂にも股を開いたんだろうが」

 吐き捨てるような台詞に、思わずエステルの足が止まり、ダミアンの顔を見てしまう。その反応に、ダミアンは愉快そうに口を歪めた。

「戦うしか能のない男より、俺の愛人になったほうがよっぽど有益だと思うが?」

 顔を寄せて発せられたその台詞に、考えるよりも先に身体が動いていた。

「侮辱しないで」

 言葉と同時に、ぱしん、と乾いた音が響いて、手のひらのじんわりと痛みが走る。先ほどまでとりつくろえていた笑顔がエステルから剥がれ落ち、ダミアンの頬を平手打ちしていた。

 途端に下卑た笑みを浮かべていたダミアンが、がらりと不機嫌そうな顔になり舌打ちをした。

「……一度ならず二度までもこの俺に手をあげて、ただで済むと思うか? お前が尻軽な女だと告発して、婚約破棄されるように仕向けることだって俺はできるんだぞ?」

 ぐっ、とエステルの腕を掴んで引き寄せ、どすのきいた声でダミアンは脅す。これをただの恫喝だと切り捨てるには、伯爵であり国王の甥というダミアンの地位は高すぎる。それが判っていても、エステルは毅然と彼を睨みつけた。

「離して」

「婚約破棄なんかされたら、後ろ指をさされてさぞ惨めだろうな? それが嫌なら、大人しく俺の女になって股を開け。簡単だろう? お前に俺の子を孕ませてやれば、戦争狂のあの男がどんなに悔しがると思う? くくっ想像するだけで愉快だな」

「……っ」

(この人は、ラウル様を侮辱することばかり……!)

 掴まれていない方の手で、再びダミアンを頬を叩こうと振り上げる。しかしその手も捕まえられてしまい、じりじりと柱の影に引っ張りこもうと、ダミアンが彼女の腕を引っ張ってくる。

「いい加減にして!」

「静かにしろ、こんなところを人に見られて名前に傷がつくのはお前のほうだぞ」

 さらに力強く引っ張られる。このまま影に引きずり込まれれば、あの日の夜会の悪夢の再現になってしまう。それだけはどうにか避けたかった。会場が近いにも関わらず人気のない廊下は、助けを求められる人もいないだろう。それでもエステルは大きな声を張り上げた。

「望むところだわ。あなたがこんなに下劣な人間だって、他の人にも知ってもらえばいいのよ! どんなことになったって、私は絶対にあなたの女になんかならない! あなたに抱かれるくらいなら死んだほうがましよ! 私に触れていいのはラウル様だけだわ!」

「……お前……っ!」

「エステル!」

 色めきたったダミアンの声と、彼女の名前を呼ぶ声は同時だった。

「ラウル……様?」

 声の方向をぱっと振り返ると、会場のある方向からラウルが血相を変えて走り寄ってくる。

「……運のいい女だな」

「何をしている」

 掴んだままだったエステルの腕を引きはがして、ラウルは彼女の身体を抱き寄せると、唸るようにダミアンを睨む。

「別に? 戦争英雄様の婚約者様にご挨拶していただけですが?」

 馬鹿にした態度を隠すそぶりも見せずに言いながらダミアンは手を振って見せる。

「乱暴を働こうとしていたように見えたが?」

「言いがかりはやめてくださいよ。婚約者様に聞いてみたらいいんじゃないですか?」

「……エステル、大丈夫か?」

 はっとしたラウルが彼女の顔をうかがって、ピクリと震えて止まる。エステルの頬には、いつの間にか涙が流れていた。

「あ……す、みません。大丈夫です」

 ふい、と顔を背けたエステルの肩を抱いたラウルの手に、きゅ、と力がこもる。

「……もう行こう」

「はい」

 彼女の答えを聞くと、ラウルはエステルを支えながら踵を返す。しかし歩き出す前にダミアンを睨みつけた。

「彼女のために今は引くが、このままにはしないぞ」

「できるものならどうぞ?」

 鼻で笑ったダミアンに、ラウルは奥歯を噛んだが、そのままエステルを連れて会場のほうへと戻った。

 エステルを静かな場所で落ち着かせるため、ラウルはテラスに彼女を連れてきた。テラスに続くカーテンは下ろしたから、これで誰もこないだろう。

 静かに涙を流すエステルの肩を抱き寄せたまま、ラウルはテラスの柵の外を見ていたが、やがてちらりと彼女の顔をうかがう。

「あいつにまた・・何かされたか?」

 静かに問いかけられたのにエステルはびくっと震えた。

「……ラウル様は、ご存知だったんですね。私の相手が、ダミアンだって」

 怯えたような声で言うエステルに、ラウルは息を飲んで、それから溜め息を吐く。

「すまない。貴女に聞いてもいないことを」

「大丈夫です。私がお話すべきだったのに、申し訳ありません」

「貴女が謝ることじゃない。……さっきは、大丈夫だったのか?」

 涙を指で拭ってラウルが問いかけるのに、エステルは苦笑した。

「はい、腕を掴まれただけで、他には何も」

「怖い目にあったんだろう?」

 見たところドレスに乱れはないようだが、と言いかけたラウルは口をつぐむ。それに対して、エステルはふるふると首を振って、ラウルを見上げた。

「泣いたのは、ラウル様がいらっしゃったので、安心してしまっただけです。もう、大丈夫です」

「そう、か?」

 不安そうに聞き返されたのに対して、エステルは頷き返す。

 あんなに大声をあげてダミアンを罵れば、殴られていたかもしれない。無理やりまた強姦されていたかもしれない。あと少しラウルが駆けつけるのが遅ければ、もっと酷いことがきっと起きていただろう。

 あんな風にダミアンに抗うのは、本当はとても恐ろしかった。振りほどけない男の力に晒されて、操を散らされた時のことをどうしても思い出してしまった。それでも抗ったのは、どうしてもダミアンが許せなかったからだ。

 自分がばかにされるだけならまだ我慢できた。エステルは淑女の仮面を被って穏便にことを済ませる自信だってあった。けれど、ラウルを侮辱する発言だけは、どうしても怒りを抑えられなかった。

 だからみっともなく怒鳴り、手を挙げてしまったのだ。

 その張りつめた気持ちはラウルの腕に抱き寄せられて、ぷつりと途切れ、安堵の涙が溢れた。

(……こんな激情を御しきれないほど、ラウル様が好きなのに、私はずっとこの気持ちを無視しようとしていたんだわ)

 自身の気持ちを再確認したら、なんだか笑えてしまって、エステルはふふっと声を漏らす。

「どうした?」

「ラウル様、愛しています」

 驚くほどに素直に言葉が滑って、エステルは自分で「あ」と声をあげる。急に恥ずかしくなって、ぱっと目を逸らしたが、ちらりともう一度ラウルを盗み見る。

 ぽかんと口を開けて呆然としているラウルがおかしくて、エステルの口からはまた、ふふ、と笑い声が漏れたのだった。
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