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深まる疑心
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エステルは日中、マクロンに内政の実務を習ったり、お茶をしたりと様々に過ごしているが、基本的には屋敷か敷地内にこもっていた。王都に来てからしばらく経つが、夜会ではダミアンが張り付いていたし、ラウルと婚約して以降は夜会にも顔を出していない。だから、王都に知り合いもおらず、お茶会に呼ばれることもなく、出かける予定そのものがなかったのだ。
そんな風に決まった予定がなくとも、エステルは毎朝早くに起きている。しかし、この日に限っては少しだけ寝坊してしまった。昨晩は初めてラウルに中を突き上げられ、深くまで繋がり、随分と長いこと情事にふけっていたせいだ。ラウルの愛撫で何度も絶頂させられることは慣れたつもりだったが、身の内を抉る快感による疲労は想像以上だった。
内政の実務を習う予定はラウルが中止にしろと言いつけて出かけたらしく、今日は授業もない。倦怠感に包まれたエステルは、昼下がりに邸宅内でティータイムを楽しむことにした。
「お嬢様。仕立て屋より、服が届きましたよ」
給仕をしていたミレーヌが、取次のメイドの話を聞いてそれをエステルに伝える。
「もう……?」
ラウルが呼んでくれた仕立て屋でドレスや室内着を注文してから、まだ一カ月も経っていない。必要ないと言ったにも関わらず、刺繍や宝石の縫い付けが豪華なドレスを注文させられたので、それの完成にはどんなに見積もっても一カ月はかかるはずだった。
「ひとまず寝間着だけが出来上がったようです」
「寝間着なんて注文したかしら?」
「侯爵閣下がご注文なさったとか」
ミレーヌの返事に、エステルは首を傾げる。
(それは侯爵様の寝間着じゃないのかしら……?)
「お嬢様に確認して欲しいそうですので、こちらにお持ちしますね」
「わかったわ」
(もしかして……あのいやらしい寝間着の種類をもっと増やせ、ということなのかしら)
想像してエステルはげんなりする。毎日のようにエステルは抱かれているから、必然的に彼女が身に着ける寝間着も、メイドたちによってあの露出度の高く、性欲を煽りたてるいやらしいデザインのものだった。その種類をもっと増やして、色仕掛けしてみせよ、ということなのだろうか。
つい溜め息が漏れたエステルの目の前に運び込まれた寝間着を見て、彼女はぱちぱちとまばたきした。
「……これを侯爵様が?」
「はい、そうです」
服を持ってきてくれたのは、いつも世話をしてくれるソフィ、クロエ、シュゼットの三人だった。何着もある寝間着はデザインこそおしゃれで生地も上等ではあるが、いずれも生地はしっかりと厚く、露出面積も少ない、いたって普通の寝間着である。
「今夜からはこれをお召しになられますか? 侯爵閣下がご用意されたものなので、お咎めはないと思います」
「そうね。……でも、どうして普通の寝間着を増やされたのかしら?」
「えっちなのはお好みじゃなかったんですかねえ?」
「よしなさい、クロエ」
クロエの失言にソフィがたしなめるのも、この短期間でエステルは慣れたものだ。だからいつもなら聞き流すのだが、今日はそうできそうもない。
「それはないと思うわ」
真顔で断言したエステルにメイドたちは顔を見合わせて「ですよねえ」と笑う。それが妙に恥ずかしくて、エステルは口をつぐんだ。
ラウルが毎夜毎夜、激しくエステルを責め立てているのは、周知の事実だ。昨晩こそ途中からメイドが追い払われたが、エステルは普段ミレーヌを含めたこのメイドたちに身体を清められている。身体のあちこちに浮かぶ所有印や、少なくない白濁のせいで、現場を見ずともラウルが性欲旺盛なのはばればれである。
(とても色事がお好きな様子ですもの。それに……)
ラウルは、女の扱いに慣れすぎている。まるでどこを触れば悦ぶのか、はじめから知っているかのように、エステルの身体を暴く。その証拠に彼は、初めて触れてきた時に「 貴女の身体をどろどろに溶かして、俺とのセックスはただ気持ちのいいものだと覚えてもらうだけだ」などと破廉恥なことを言っていた。
あの時のエステルにはよく理解できていなかったが、あれは情事がどういうものか知り尽くしていなければ出てこない台詞だろう。
(侯爵様は、娼館によく通ってらっしゃったんだわ。だから、あの台詞を……)
「えっち大好きなのに何で普通の寝間着なんでしょうね? シない日はこれ着て欲しいとか?」
「クロエ、黙って」
「だぁってシュゼット、気にならない?」
いつもは無言のシュゼットが珍しくクロエに鋭く声をかける。
「主人が明かさない胸中を勝手に噂しない。メイドの基本。クロエ、バカ」
べちん、とクロエを叩いてシュゼットはすまし顔でエステルに頭を下げる。シュゼットはエステルに話しかけるときだけ、言葉が丁寧だ。
「大変失礼しました」
「気にしてないわ」
エステルはそう答えたが、嘘だった。寝間着を伽用ではないものに切り替える理由など、一つしか思い浮かばない。それは、もう情事を必要としていない、という意味だ。
エステルがこの屋敷に来てから、最初の二日以外はずっと、ラウルは毎晩彼女と同じベッドで寝ている。娼館は夜しか開いていない。だからエステルという婚約者が出来てから彼が他の女性と肌を重ねていないことは疑いようもないだろう。
けれど、これからは?
(……一度肌を重ねてしまえば、もういらない、という意味だったら……)
そこまで考えて、エステルはティーカップを手に取って止まる。ラウルはダミアンとは違う。ダミアンはエステルと娼婦だと勘違いし、一度きりの情事で彼女を捨てたのだ。
(馬鹿ね。私は『娼婦』じゃなくて、婚約者なのよ。でも、なら……どうして)
娼婦に使う口説き文句を、使い続けるのか。
「お嬢様、もしかして、具合が悪いのですか?」
「ううん、そうじゃないの。考え事をしていただけ」
無意識に暗い表情が表に出ていたらしいと、エステルは苦笑いする。
(気分転換をしなきゃね)
「寝間着のことは、今夜はそれを用意してくれればいいわ。それより、お茶会って、婚約者の身分でもこの屋敷内で開いてもいいのかしら? ソフィ、あなたは知ってる?」
ジルー家のある辺境では婚約者として相手の家に身をよせた状態なら、茶会を主催しても咎められないが、王都ではどうか判らなかったから、尋ねたのだ。
しかし、突然の質問に対して、ソフィは戸惑ったように眉を下げた。
「エステル様……ええ、婚約者の身分の方でも、茶会を開くことはございます」
言いにくそうに、けれどしっかりと答えてくれる。
「お嬢様、お茶会を開きたいのですか?」
エステルがこんなことを言い出したのは、いつまでも王都に知り合いがいないのはまずいと思ったからだ。夜会に出るならラウルと同伴すべきだが、彼は行く気がなさそうだし、茶会の誘いが来ないなら自分で開いて誰かを招き、知り合いを作るしかない。
「ええ。この屋敷にこもってばかりだけれど、王都で暮らしていくなら、社交界で知り合いを作っておかないといけないでしょう? できれば挙式よりも前に何人かいた方がいいと思うの。招待する方は、お母様のお知り合いの伝手で紹介していただけると思うのだけど、どうかしら?」
エステルの言葉に、メイド四人は何とも言えない表情になる。
「お嬢様」
迷ったように声をかけたのは、ミレーヌだ。
「侯爵閣下からうかがってらっしゃらなかったのですね。お茶会や夜会には、参加されないようにと申しつけられております」
「……どういうこと?」
ティーカップを持つ手が震えそうになって、エステルはゆっくりとそれを下ろす。
「ラウル様宛に、エステル様をお茶会や夜会にご招待したいという手紙が届いてらっしゃるようですが、それをラウル様は断ってるみたいです」
クロエが言った瞬間にシュゼットが彼女の頭を叩く。
「エステル様、わたくしどもが侯爵様の心中を説明することはできません。ですから、侯爵様に直接、お聞きください」
ソフィが言うのに、エステルは溜め息を吐いて、頷く。
「わかったわ。ありがとう」
返事をしたエステルはティータイムを終わらせた。
そうして、その日の夜、ごく普通の寝間着をまとったエステルは、寝室に向かった。いつも通り、エステルが来るのを待っていたラウルに、彼女は深呼吸してから告げる。
「お話があります」
自分でも驚くほどに冷たい声になったのを感じながら、エステルはベッドではなくテーブルに足を向けたのだった。
そんな風に決まった予定がなくとも、エステルは毎朝早くに起きている。しかし、この日に限っては少しだけ寝坊してしまった。昨晩は初めてラウルに中を突き上げられ、深くまで繋がり、随分と長いこと情事にふけっていたせいだ。ラウルの愛撫で何度も絶頂させられることは慣れたつもりだったが、身の内を抉る快感による疲労は想像以上だった。
内政の実務を習う予定はラウルが中止にしろと言いつけて出かけたらしく、今日は授業もない。倦怠感に包まれたエステルは、昼下がりに邸宅内でティータイムを楽しむことにした。
「お嬢様。仕立て屋より、服が届きましたよ」
給仕をしていたミレーヌが、取次のメイドの話を聞いてそれをエステルに伝える。
「もう……?」
ラウルが呼んでくれた仕立て屋でドレスや室内着を注文してから、まだ一カ月も経っていない。必要ないと言ったにも関わらず、刺繍や宝石の縫い付けが豪華なドレスを注文させられたので、それの完成にはどんなに見積もっても一カ月はかかるはずだった。
「ひとまず寝間着だけが出来上がったようです」
「寝間着なんて注文したかしら?」
「侯爵閣下がご注文なさったとか」
ミレーヌの返事に、エステルは首を傾げる。
(それは侯爵様の寝間着じゃないのかしら……?)
「お嬢様に確認して欲しいそうですので、こちらにお持ちしますね」
「わかったわ」
(もしかして……あのいやらしい寝間着の種類をもっと増やせ、ということなのかしら)
想像してエステルはげんなりする。毎日のようにエステルは抱かれているから、必然的に彼女が身に着ける寝間着も、メイドたちによってあの露出度の高く、性欲を煽りたてるいやらしいデザインのものだった。その種類をもっと増やして、色仕掛けしてみせよ、ということなのだろうか。
つい溜め息が漏れたエステルの目の前に運び込まれた寝間着を見て、彼女はぱちぱちとまばたきした。
「……これを侯爵様が?」
「はい、そうです」
服を持ってきてくれたのは、いつも世話をしてくれるソフィ、クロエ、シュゼットの三人だった。何着もある寝間着はデザインこそおしゃれで生地も上等ではあるが、いずれも生地はしっかりと厚く、露出面積も少ない、いたって普通の寝間着である。
「今夜からはこれをお召しになられますか? 侯爵閣下がご用意されたものなので、お咎めはないと思います」
「そうね。……でも、どうして普通の寝間着を増やされたのかしら?」
「えっちなのはお好みじゃなかったんですかねえ?」
「よしなさい、クロエ」
クロエの失言にソフィがたしなめるのも、この短期間でエステルは慣れたものだ。だからいつもなら聞き流すのだが、今日はそうできそうもない。
「それはないと思うわ」
真顔で断言したエステルにメイドたちは顔を見合わせて「ですよねえ」と笑う。それが妙に恥ずかしくて、エステルは口をつぐんだ。
ラウルが毎夜毎夜、激しくエステルを責め立てているのは、周知の事実だ。昨晩こそ途中からメイドが追い払われたが、エステルは普段ミレーヌを含めたこのメイドたちに身体を清められている。身体のあちこちに浮かぶ所有印や、少なくない白濁のせいで、現場を見ずともラウルが性欲旺盛なのはばればれである。
(とても色事がお好きな様子ですもの。それに……)
ラウルは、女の扱いに慣れすぎている。まるでどこを触れば悦ぶのか、はじめから知っているかのように、エステルの身体を暴く。その証拠に彼は、初めて触れてきた時に「 貴女の身体をどろどろに溶かして、俺とのセックスはただ気持ちのいいものだと覚えてもらうだけだ」などと破廉恥なことを言っていた。
あの時のエステルにはよく理解できていなかったが、あれは情事がどういうものか知り尽くしていなければ出てこない台詞だろう。
(侯爵様は、娼館によく通ってらっしゃったんだわ。だから、あの台詞を……)
「えっち大好きなのに何で普通の寝間着なんでしょうね? シない日はこれ着て欲しいとか?」
「クロエ、黙って」
「だぁってシュゼット、気にならない?」
いつもは無言のシュゼットが珍しくクロエに鋭く声をかける。
「主人が明かさない胸中を勝手に噂しない。メイドの基本。クロエ、バカ」
べちん、とクロエを叩いてシュゼットはすまし顔でエステルに頭を下げる。シュゼットはエステルに話しかけるときだけ、言葉が丁寧だ。
「大変失礼しました」
「気にしてないわ」
エステルはそう答えたが、嘘だった。寝間着を伽用ではないものに切り替える理由など、一つしか思い浮かばない。それは、もう情事を必要としていない、という意味だ。
エステルがこの屋敷に来てから、最初の二日以外はずっと、ラウルは毎晩彼女と同じベッドで寝ている。娼館は夜しか開いていない。だからエステルという婚約者が出来てから彼が他の女性と肌を重ねていないことは疑いようもないだろう。
けれど、これからは?
(……一度肌を重ねてしまえば、もういらない、という意味だったら……)
そこまで考えて、エステルはティーカップを手に取って止まる。ラウルはダミアンとは違う。ダミアンはエステルと娼婦だと勘違いし、一度きりの情事で彼女を捨てたのだ。
(馬鹿ね。私は『娼婦』じゃなくて、婚約者なのよ。でも、なら……どうして)
娼婦に使う口説き文句を、使い続けるのか。
「お嬢様、もしかして、具合が悪いのですか?」
「ううん、そうじゃないの。考え事をしていただけ」
無意識に暗い表情が表に出ていたらしいと、エステルは苦笑いする。
(気分転換をしなきゃね)
「寝間着のことは、今夜はそれを用意してくれればいいわ。それより、お茶会って、婚約者の身分でもこの屋敷内で開いてもいいのかしら? ソフィ、あなたは知ってる?」
ジルー家のある辺境では婚約者として相手の家に身をよせた状態なら、茶会を主催しても咎められないが、王都ではどうか判らなかったから、尋ねたのだ。
しかし、突然の質問に対して、ソフィは戸惑ったように眉を下げた。
「エステル様……ええ、婚約者の身分の方でも、茶会を開くことはございます」
言いにくそうに、けれどしっかりと答えてくれる。
「お嬢様、お茶会を開きたいのですか?」
エステルがこんなことを言い出したのは、いつまでも王都に知り合いがいないのはまずいと思ったからだ。夜会に出るならラウルと同伴すべきだが、彼は行く気がなさそうだし、茶会の誘いが来ないなら自分で開いて誰かを招き、知り合いを作るしかない。
「ええ。この屋敷にこもってばかりだけれど、王都で暮らしていくなら、社交界で知り合いを作っておかないといけないでしょう? できれば挙式よりも前に何人かいた方がいいと思うの。招待する方は、お母様のお知り合いの伝手で紹介していただけると思うのだけど、どうかしら?」
エステルの言葉に、メイド四人は何とも言えない表情になる。
「お嬢様」
迷ったように声をかけたのは、ミレーヌだ。
「侯爵閣下からうかがってらっしゃらなかったのですね。お茶会や夜会には、参加されないようにと申しつけられております」
「……どういうこと?」
ティーカップを持つ手が震えそうになって、エステルはゆっくりとそれを下ろす。
「ラウル様宛に、エステル様をお茶会や夜会にご招待したいという手紙が届いてらっしゃるようですが、それをラウル様は断ってるみたいです」
クロエが言った瞬間にシュゼットが彼女の頭を叩く。
「エステル様、わたくしどもが侯爵様の心中を説明することはできません。ですから、侯爵様に直接、お聞きください」
ソフィが言うのに、エステルは溜め息を吐いて、頷く。
「わかったわ。ありがとう」
返事をしたエステルはティータイムを終わらせた。
そうして、その日の夜、ごく普通の寝間着をまとったエステルは、寝室に向かった。いつも通り、エステルが来るのを待っていたラウルに、彼女は深呼吸してから告げる。
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自分でも驚くほどに冷たい声になったのを感じながら、エステルはベッドではなくテーブルに足を向けたのだった。
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