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28.歓迎されない客
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今にもセウラーヴァ王の拳が潰されそうだ。そんなとき、涼やかな声をかけたのはアルヤだった。獰猛な空気を醸し出したエーギルに、なんの躊躇もなくアルヤは寄り添って、その腕をとろうとする。そこで、エーギルの身体の影になっていたセウラーヴァ王に気づいたようだった。首を傾げてから、嫣然と微笑んだ。
「セウラーヴァ王陛下、本日はわたくしたちの結婚の祝いに駆けつけてくださり、ありがとうございます」
吊るされたままのセウラーヴァ王に美しいカーテシーをして、平然と挨拶をしてのける。その笑顔はよそゆきの淑女の微笑みだ。
「ば、ばかなことを言ってないで……くそっ俺をおろせ!」
「まあ。エーギル様、おろしてほしいそうですわ」
なんでもないことのように伝言した彼女に、エーギルは眉間の皺を深くした。
「アルヤ、しかし……」
エーギルたちがいる場所と化粧室は目と鼻の先だ。きっと先ほどの暴言も聞こえていたに違いない。それを彼女はことを荒立てないように、穏やかに部屋から出てきて話しかけているのだ。それを察せても、今のエーギルには怒りを抑えられそうにない。
(こんな男を、かばう必要なんかないのに)
「エーギル様の大事な手が傷ついてしまいますわ」
そっと腕に触れて、アルヤが心配そうな顔をする。握りしめているのはエーギルのほうなのだから、傷つくわけがない。だが、彼女は本気でそう思っていそうな様子である。
(俺の、心配か)
セウラーヴァ王など、眼中に入っていない。それがわかって、毒気が抜かれる。
「……ああ」
ぱっと手を離せば、セウラーヴァ王の身体が真下に落ちた。
「陛下!」
「ぐっお前……! そろいもそろって不敬な者どもだな……!」
よろよろと立ち上がり、苦しげに喚くセウラーヴァ王の拳は赤くなっている。潰されはしなかったものの、これは酷く腫れるだろう。痛みに歪んだ顔は、怒りで真っ赤だ。だが、もう一度つかみかかれば、エーギルから返り討ちに遭うことを恐れてか、近づいてはこない。
「おい! 衛兵を呼べ、タッサの男爵はセウラーヴァ王に狼藉を働いたとな!」
「しかし……」
王に駆け寄った護衛はちらりとエーギルを窺って、言い淀む。セウラーヴァはもはやタッサの属国だ。王族だからと言って、タッサの英雄に逆らうことなどできるのだろうか。そう護衛は思ったに違いない。
「お前もだ!」
「わたくしでございますか?」
指をさされたアルヤは、首を傾げる。
「セウラーヴァの公女だったくせに人殺しに取り入りやがって……クソ女が!」
「貴様……!」
「エーギル様」
いきり立って再びセウラーヴァ王に掴みかかろうとしたエーギルを、アルヤが制止した。腕に触れていたアルヤの手の力が強くなる。
「アルヤ、しかし……」
「わたくしは大丈夫ですわ」
ほんのりと微笑んだ顔は、いつも見せてくれるアルヤの素直な笑顔だった。またも毒気を抜かれて、エーギルはゆるゆると拳の力を弱める。
「ははっさすがに娼婦だな。男を手玉にとる技をよく知ってる。セウラーヴァを捨ててタッサに逃げた裏切者が。ライロの名前を取り戻して嫁ぐなんていい御身分だな」
嘲笑うセウラーヴァ王に、アルヤはふっと息を吐いた。
「それのどこがいけないのです?」
「はあ?」
「わたくしは、あなたがたセウラーヴァ王族の尻ぬぐいのためにこの身を捧げましたわ? 感謝されこそすれ、蔑まれるいわれはありません」
アルヤは堂々とよどみなく言ってから、可愛らしく首を傾げた。
「まあ、わたくしがあなたがたを捨てたのは事実ですけれど」
「お前……!」
「それに」
ふふっとアルヤは笑う。
「わたくしがエーギル様のお傍にいるためでしたら、ライロの名を名乗ることなんて、なんでもありませんもの」
「アルヤ……」
「過去のことでわたくしを貶められると思ったら大間違いでしてよ。エーギル様のお傍にいるのが、誇りですもの。ちっぽけな『王』の名にこだわってるあなたと違って、わたくしは自分の望む『自由』をつかむために手段は選びませんの」
「お前、王に向かってそんな口を……」
「わたくしは、タッサの民です」
「なに……」
「他国の負け犬に従ういわれはありません」
嫣然と微笑んで、アルヤはもう一度カーテシーをとる。唖然としたセウラーヴァ王は、口をぽかんとあけたまま彼女に見惚れていた。
きっと、今までセウラーヴァ王の中で、アルヤのことをどこかで自分のものだと思う気持ちがまだあったのだろう。敗戦の賠償金の代わりに身を捧げたのだから。それを今回のエーギルとの結婚で勝手に裏切られたような気がしていたに違いない。元より、アルヤはこの国に来たときからセウラーヴァごと元王太子のことなどとうに切り捨てていたというのに。
美しい彼女はもうセウラーヴァのものではない。ようやくそれをわからせられたらしいセウラーヴァ王は、アルヤをただ見つめている。まるでそのカーテシーは彼女がセウラーヴァ王に向けた最後の挨拶かのようだ。だが、アルヤが礼をしたのはセウラーヴァ王に対してではない。廊下の向こうからきていた別の人物だ。
「ゲストの姿が見えないと思ったら、こんなところにいたんだね」
歩いてきたのは、リクハルドだった。はっとしたセウラーヴァ王が顔を真っ赤にした。
「セタ公爵! こいつらが……!」
「困りますよ、セウラーヴァ王。陛下にあなたの接待役を任されたのに、傍を離れられては。僕が陛下に叱られてしまいます」
「ぐぁっ」
リクハルドはセウラーヴァ王の赤くなった拳をぎゅうっと握りこむ。そうして小声でセウラーヴァ王に囁いた。
「あまり騒ぎを起こされては、あとで困るのはあなたですよ。すぐにセウラーヴァの世代交代をしてもいいと陛下はお考えです。いつだって、いいんですから」
それはセウラーヴァ王を殺して、王妃の産んだ子どもに跡を継がせるという意味だ。それをいつでも実行できると仄めかす。ぶるりと震えたセウラーヴァ王は、先ほどまでの威勢が消えて、静かになった。土台、敗戦国の王が戦勝国に乗り込んできて偉そうにしているのがおかしいのだ。彼は、タッサの勝利を再度印象付けるために呼び寄せられたにすぎないのに。
ぱっとエーギルたちを振り返ったリクハルドは、人の良さそうな笑みを浮かべる。
「僕のゲストがごめんね。特に問題はなかったかい?」
「何もございませんわ。ですが、どうやらお客様はわたくしたちの披露宴がお気に召さないご様子です。ご気分も悪いようですから、お早めにお帰りいただいたほうがよろしいかと存じます」
「うーん、そうだね。それがいいか」
リクハルドは頷くと、エーギルに目を向ける。
「そういうことだからエドフェルト卿。邪魔者は退散するとするよ」
「……その前に、少しだけいいですか」
「ん? いいよ」
リクハルドの了承を得て、エーギルはセウラーヴァ王に一歩近づいて見下ろす。
「アルヤに免じて今は見逃すが……次、俺たちの前に現れたら命はないものと思え」
彼女に悲惨なものを見せたくないから、しないだけ。それをセウラーヴァ王の耳にだけ聞こえる低く小さな声で囁いて、エーギルは身体を離す。たったそれだけで、セウラーヴァ王はもう何も言えなくなった。
「ありがとうございました」
「ううん、気にしないで。ついでに、君たちももう披露宴は抜け出していいと思うよ」
「ですが」
「主役のもてなす時間は終わり。あとは陛下がこの場を締めてくださるさ」
ウィンクしての言葉に、エーギルは小さく頷いた。
「ありがとうございます」
「うん。じゃあまた」
そう言って、リクハルドは笑ってセウラーヴァ王を連れていく。それを見てから、エーギルたちもホールから離れていくのだった。
「セウラーヴァ王陛下、本日はわたくしたちの結婚の祝いに駆けつけてくださり、ありがとうございます」
吊るされたままのセウラーヴァ王に美しいカーテシーをして、平然と挨拶をしてのける。その笑顔はよそゆきの淑女の微笑みだ。
「ば、ばかなことを言ってないで……くそっ俺をおろせ!」
「まあ。エーギル様、おろしてほしいそうですわ」
なんでもないことのように伝言した彼女に、エーギルは眉間の皺を深くした。
「アルヤ、しかし……」
エーギルたちがいる場所と化粧室は目と鼻の先だ。きっと先ほどの暴言も聞こえていたに違いない。それを彼女はことを荒立てないように、穏やかに部屋から出てきて話しかけているのだ。それを察せても、今のエーギルには怒りを抑えられそうにない。
(こんな男を、かばう必要なんかないのに)
「エーギル様の大事な手が傷ついてしまいますわ」
そっと腕に触れて、アルヤが心配そうな顔をする。握りしめているのはエーギルのほうなのだから、傷つくわけがない。だが、彼女は本気でそう思っていそうな様子である。
(俺の、心配か)
セウラーヴァ王など、眼中に入っていない。それがわかって、毒気が抜かれる。
「……ああ」
ぱっと手を離せば、セウラーヴァ王の身体が真下に落ちた。
「陛下!」
「ぐっお前……! そろいもそろって不敬な者どもだな……!」
よろよろと立ち上がり、苦しげに喚くセウラーヴァ王の拳は赤くなっている。潰されはしなかったものの、これは酷く腫れるだろう。痛みに歪んだ顔は、怒りで真っ赤だ。だが、もう一度つかみかかれば、エーギルから返り討ちに遭うことを恐れてか、近づいてはこない。
「おい! 衛兵を呼べ、タッサの男爵はセウラーヴァ王に狼藉を働いたとな!」
「しかし……」
王に駆け寄った護衛はちらりとエーギルを窺って、言い淀む。セウラーヴァはもはやタッサの属国だ。王族だからと言って、タッサの英雄に逆らうことなどできるのだろうか。そう護衛は思ったに違いない。
「お前もだ!」
「わたくしでございますか?」
指をさされたアルヤは、首を傾げる。
「セウラーヴァの公女だったくせに人殺しに取り入りやがって……クソ女が!」
「貴様……!」
「エーギル様」
いきり立って再びセウラーヴァ王に掴みかかろうとしたエーギルを、アルヤが制止した。腕に触れていたアルヤの手の力が強くなる。
「アルヤ、しかし……」
「わたくしは大丈夫ですわ」
ほんのりと微笑んだ顔は、いつも見せてくれるアルヤの素直な笑顔だった。またも毒気を抜かれて、エーギルはゆるゆると拳の力を弱める。
「ははっさすがに娼婦だな。男を手玉にとる技をよく知ってる。セウラーヴァを捨ててタッサに逃げた裏切者が。ライロの名前を取り戻して嫁ぐなんていい御身分だな」
嘲笑うセウラーヴァ王に、アルヤはふっと息を吐いた。
「それのどこがいけないのです?」
「はあ?」
「わたくしは、あなたがたセウラーヴァ王族の尻ぬぐいのためにこの身を捧げましたわ? 感謝されこそすれ、蔑まれるいわれはありません」
アルヤは堂々とよどみなく言ってから、可愛らしく首を傾げた。
「まあ、わたくしがあなたがたを捨てたのは事実ですけれど」
「お前……!」
「それに」
ふふっとアルヤは笑う。
「わたくしがエーギル様のお傍にいるためでしたら、ライロの名を名乗ることなんて、なんでもありませんもの」
「アルヤ……」
「過去のことでわたくしを貶められると思ったら大間違いでしてよ。エーギル様のお傍にいるのが、誇りですもの。ちっぽけな『王』の名にこだわってるあなたと違って、わたくしは自分の望む『自由』をつかむために手段は選びませんの」
「お前、王に向かってそんな口を……」
「わたくしは、タッサの民です」
「なに……」
「他国の負け犬に従ういわれはありません」
嫣然と微笑んで、アルヤはもう一度カーテシーをとる。唖然としたセウラーヴァ王は、口をぽかんとあけたまま彼女に見惚れていた。
きっと、今までセウラーヴァ王の中で、アルヤのことをどこかで自分のものだと思う気持ちがまだあったのだろう。敗戦の賠償金の代わりに身を捧げたのだから。それを今回のエーギルとの結婚で勝手に裏切られたような気がしていたに違いない。元より、アルヤはこの国に来たときからセウラーヴァごと元王太子のことなどとうに切り捨てていたというのに。
美しい彼女はもうセウラーヴァのものではない。ようやくそれをわからせられたらしいセウラーヴァ王は、アルヤをただ見つめている。まるでそのカーテシーは彼女がセウラーヴァ王に向けた最後の挨拶かのようだ。だが、アルヤが礼をしたのはセウラーヴァ王に対してではない。廊下の向こうからきていた別の人物だ。
「ゲストの姿が見えないと思ったら、こんなところにいたんだね」
歩いてきたのは、リクハルドだった。はっとしたセウラーヴァ王が顔を真っ赤にした。
「セタ公爵! こいつらが……!」
「困りますよ、セウラーヴァ王。陛下にあなたの接待役を任されたのに、傍を離れられては。僕が陛下に叱られてしまいます」
「ぐぁっ」
リクハルドはセウラーヴァ王の赤くなった拳をぎゅうっと握りこむ。そうして小声でセウラーヴァ王に囁いた。
「あまり騒ぎを起こされては、あとで困るのはあなたですよ。すぐにセウラーヴァの世代交代をしてもいいと陛下はお考えです。いつだって、いいんですから」
それはセウラーヴァ王を殺して、王妃の産んだ子どもに跡を継がせるという意味だ。それをいつでも実行できると仄めかす。ぶるりと震えたセウラーヴァ王は、先ほどまでの威勢が消えて、静かになった。土台、敗戦国の王が戦勝国に乗り込んできて偉そうにしているのがおかしいのだ。彼は、タッサの勝利を再度印象付けるために呼び寄せられたにすぎないのに。
ぱっとエーギルたちを振り返ったリクハルドは、人の良さそうな笑みを浮かべる。
「僕のゲストがごめんね。特に問題はなかったかい?」
「何もございませんわ。ですが、どうやらお客様はわたくしたちの披露宴がお気に召さないご様子です。ご気分も悪いようですから、お早めにお帰りいただいたほうがよろしいかと存じます」
「うーん、そうだね。それがいいか」
リクハルドは頷くと、エーギルに目を向ける。
「そういうことだからエドフェルト卿。邪魔者は退散するとするよ」
「……その前に、少しだけいいですか」
「ん? いいよ」
リクハルドの了承を得て、エーギルはセウラーヴァ王に一歩近づいて見下ろす。
「アルヤに免じて今は見逃すが……次、俺たちの前に現れたら命はないものと思え」
彼女に悲惨なものを見せたくないから、しないだけ。それをセウラーヴァ王の耳にだけ聞こえる低く小さな声で囁いて、エーギルは身体を離す。たったそれだけで、セウラーヴァ王はもう何も言えなくなった。
「ありがとうございました」
「ううん、気にしないで。ついでに、君たちももう披露宴は抜け出していいと思うよ」
「ですが」
「主役のもてなす時間は終わり。あとは陛下がこの場を締めてくださるさ」
ウィンクしての言葉に、エーギルは小さく頷いた。
「ありがとうございます」
「うん。じゃあまた」
そう言って、リクハルドは笑ってセウラーヴァ王を連れていく。それを見てから、エーギルたちもホールから離れていくのだった。
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