高嶺の娼婦は嫌われ騎士に囲われて

かべうち右近

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20.ふたりのこれから

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 夜会の初日に、国王への挨拶もせずに帰って情事にふけっていた二人は、翌日王城へと呼び出されて、国王への謁見をするはめになった。もともと王に挨拶をするために夜会に呼ばれていたのに、声もかけずに帰ってしまったのだから仕方のないことだろう。

 人払いをされた謁見の間で二人を迎えたタッサ王は、機嫌が良さそうなのを隠すつもりもないようだった。挨拶を済ませ、顔をあげさせた二人に対し、にまにまと笑った国王は声をかける。

「そなたら、ずいぶんと仲がいいようだな」

 タッサ王の言葉ももっともだろう。アルヤは知る由もないが、エーギルは一人で歩くとき、いつも背筋を伸ばしたままサッサと大股で歩く男だった。その姿はまさに威風堂々という言葉が似合う立ち姿だったが、元の身分とその威容を誇る体躯のおかげで、より彼から人を遠ざけており、化け物であるかのような扱いをされていたのだ。

 歩幅を合わせてくれているのはアルヤも知っていたが、エーギルが彼女をエスコートしているときに、たびたび彼女と視線を合わせるために背中が丸くなっているその姿はまるで別人である。一人で歩いているときの彼が獰猛な熊であるならば、アルヤと歩くときのエーギルはさながら主人が大好きでたまらない大型犬である。

 そんなふうにしてエスコートで入ってきた二人を、タッサ王がからかわないわけがないのだ。だが、その言い草も表情にも、アルヤは面食らう。先ほど挨拶のときにも、カーテシーをしようとしたアルヤに対し、「堅苦しい挨拶はよい」と言って話し始めるほどに、形式ばらない態度である。

(こんな方だったかしら)

 タッサ王の言い草はまるで、世話焼きの親戚がからかうかのようだ。そこにアルヤが初めて謁見したときのような威圧感はない。本来の国王はこのような人間なのかもしれない。

「なにしろ、わしに挨拶をせずに宿へ戻るくらいだからな?」

「すみません……」

 この様子からして、夜会から帰る直前に二人がバルコニーで過ごしていたことも、待ちきれないように馬車に飛び乗って帰ったのも、そのあと部屋に翌日も昼頃までこもりきりだったことも筒抜けなのだろう。なんとも下世話なことだ。とはいえ、王にとってエーギルとアルヤの関係が落ち着いてくれている限りは国の安寧と直結しているのだから、重要事項として注視されるのは仕方のないことなのかもしれない。

「アルヤよ、エドフェルト卿はよくしてくれるか」

「はい。申し分ない暮らしをさせていただいておりますわ」

「ふむ……? そなたも変わったな」

「何がでございましょう?」

 しげしげとアルヤを観察するその視線の意味がわからず、彼女はきょとんとする。実のところ、アルヤがタッサ王と会ったのはこれが二度目である。彼女が娼婦になると宣言したあの日以来、タッサ王は一娼婦になど会わなかったのだ。無論、アルヤ自身も別にタッサ王に謁見したいと思うことも、その用事もなかったから当然なのであるが。

 だが、そのたった一度話したときのことを、タッサ王はよく覚えているのだろう。

 齢二十にも満たない小娘が、王に対して賠償金を身体で払うと言い切ったあのとき、アルヤは断られるかもしれないという恐れを、淑女の仮面をしっかりと被りこんで隠しているつもりだった。とはいえタッサ王には彼女の張りつめた心などお見通しだったのだろう。それに比べて、今の彼女はエーギルの隣で、気負わず、なんとも自然体だ。アルヤでさえ気づいていないその変化に、タッサ王は目ざとく察したのだろう。

「いいや。そなたが生娘であったならば、我が王太子に娶らせたものをな」

「御冗談を」

「いいや、あながち冗談でもない。そなたの賢さは戦中のこのタッサにまで響いておったからな」

 笑いを含んだタッサ王の言葉に、不敬にもアルヤは呆れの表情を隠さなかった。タッサの王太子には終戦当時、すでに婚約者がいたはずで、さらに言えばこの数年の間にすでに結婚しているのだ。呆れて物が言えないとはこのことだ。何年も前から決まっていた婚約者を退けて、敗戦国の王太子の婚約者をあてがうなんて世迷言を、誰が本気にするのか。アルヤが生娘でタッサの王太子にあてがわれたとして、よくて側妃、現実的なところでいえば身分を与えられない愛妾であろう。

 アルヤの賢さを褒めているだけの冗談だと受け止めたアルヤに対し、それを笑って流せなかったのはエーギルだ。

「陛下」

 殺気だった低い声をあげるエーギルに、かかか、とタッサ王は笑ってみせる。

「安心するがいい、エドフェルト卿。わしが紹介しておいて、そのわしがそなたの最愛を取り上げるわけがなかろうよ」

 タッサ王の言葉に安堵したのはエーギルで、驚いた顔をしたのはアルヤだ。タッサ王はアルヤの父であるライロ公を屠ったのはエーギルであることを知っていたはずだし、下手をすればアルヤがタッサに恨みを抱いてエーギルに反乱を唆す危険性も考えられただろう。あるいはエーギルを仇として閨で彼の寝首をかいた可能性だってある。

 一瞬のうちに様々なことが浮かび、タッサ王を見たアルヤだったが、王は笑ってみせるばかりだ。深慮遠謀を巡らせている王はもしかしたら、アルヤが復讐のつもりもなく、エーギルとこうなることを予想していたのかもしれない。

「そなたらが仲睦まじく、このタッサに骨を埋めてくれるならばそれでよい」

 アルヤの考えを見透かしたかのようにそう言われ、アルヤはまたも呆れる。

(掌で転がされていたのね。でも……おかげでエーギル様に巡り合えた)

 微笑んだアルヤは、そっと目礼でタッサ王に感謝を伝える。それが伝わったのかどうかはわからないが、タッサ王は上機嫌だった。

「エドフェルト卿には、今後も国のために働いてもらわねばならぬがの」

「は」

 すっかり毒気の抜かれたエーギルは、礼をとってタッサ王に恭順の意を示す。

「さて、そなたらの吉報を待っておるぞ?」

 こうして念押しのような会話を経て、アルヤたちは謁見を終えたのだった。

 その後、王都でちょっとした買い物を済ませたアルヤたちは、エドフェルトの邸宅へと戻った。エドフェルト邸に戻ってきてからすぐ、ある日の夕食の時間に、その事件は起きたのである。

「それで、旦那様がたはいつ結婚されるんですか?」

 切り出したのは空気を読むことのないうっかり者のポールである。「ちょっと!」と隣にいたドリスが肘でつついたが、ポールは当然の質問をしただけという顔をしている。その質問を投げかけられた当の二人と言えば、思ってもみないことを言われた顔でぽかんとしていた。

「何を言ってるんだ」

「何を言っているの、ポール」

 エーギルとアルヤが口を開いたのは同時で、それに驚いて顔を見合わせる。そうしてほんのりと笑いあってからポールに目を向けて、二人はまた同時に口を開いた。

「とっくに結婚してるだろう」

「愛人と結婚するはずないでしょう」

 声が重なって、笑顔だったエーギルが固まった。

「……あら?」

「アルヤ!?」

 がたん、と椅子を蹴立てたエーギルが、バンっと音をたててテーブルに手をつく。その正面に座るアルヤといえば、またも想定外のことに驚いた顔をしている。

「あ、貴女は……俺と一生を共にしてくれるんじゃないのか!?」

「ええ。もちろんですわ。エーギル様が許してくださる限り、わたくしはおそばにいます」

「愛してると、言ったじゃないか」

「愛しておりますわ」

「じゃあなぜ……!」

 そこではっとしたように、エーギルがわなわなと震える。

「……貴女に子ができないのは、まさか……避妊しているのか?」

 愕然とした表情でのエーギルの問いに、きょとんとしたアルヤは首を傾げた。

 もちろん、避妊はしている。王都で店に立ち寄って、なくなりかけていた避妊薬を買い足したから、これからしばらく安泰である。

「? はい。愛人の腹が膨らんだら、エーギル様は困るでしょう」

「ばかなことを!」

 エーギルが吼えた。それをぱちぱちとアルヤは驚いて見る。

(怒ってらっしゃるエーギル様を見るのは、初めてかしら)

 並みの人間なら恐れおののくであろう彼の咆哮に、アルヤはのんびりとそんなことを考えた。だが、おっとりと対応している場合ではない。

「エーギル様には婚約者はいらっしゃいませんが、今後ご結婚されたときに、私生児がいては困るのはエーギル様ですわ」

「俺は貴女以外の女と結婚するつもりなんかない!」

 叫んだエーギルが、肩を揺らしながら荒く呼吸をする。ぎりりと歯ぎしりをして黙った彼は、それ以上口を開けばもっと口汚い言葉が溢れてしまいそうなのを、かろうじて堪えているらしい。

(どうしよう。エーギル様を怒らせてしまったわ……)

 あまりの剣幕に、どう謝っていいものかとアルヤはおろおろとする。考えをまとめようとしてエーギルの言葉を反芻したアルヤは、聞き流しかけた言葉を改めて意識して、ぽかんとした。

(待って……わたくしと、結婚……?)

 自分はただの愛人。そのはずだ。何しろ娼婦の身分から身請けされただけで、エーギルからはプロポーズも何もされていない。こっそり内政を手伝ってはいるものの、それは正式な女主人として任された仕事ではないし、アルヤは彼と愛を囁きあっていても、その最後の自身の置かれた立場だけは忘れていなかったのだ。

(わたくしが、エーギル様と……?)

 肩を揺らしながら強く見つめてくる彼の赤い瞳を、ただただアルヤは見つめ返す。エーギルは紛れもない本気の顔だ。じわじわとその気持ちが伝わってくると、なんだか落ち着かなくなって余計にアルヤは言葉が出てこなくなってしまった。

「あの……旦那様、少し落ち着かれてください。認識に齟齬があるようです」

「なに……」

 仲裁を買って出たのはドリスである。渋面を浮かべた彼女は、野獣のごとき荒ぶるエーギルに対し、片手を挙げて、深いため息を吐くと、きりっと真面目な顔を作って宣言した。

「旦那様、まず、結婚されておりません」

「は……?」

 ぎゅうっと眉間の皺が深くなったエーギルが、低い声を出す。まだ興奮冷めやらぬ空気ではあるが、思ってもみないドリスの指摘に、少しは冷静になれたらしい。逡巡した様子の彼は、慎重に言葉を選ぶ。

「一生を誓って、一緒に暮らして、ベッドを共にしている男女が結婚してないなら、何が結婚なんだ」

 逆に言えばそれは結婚している夫婦を説明する言葉だろう。なるほど、エーギルの考えもあながち間違ってはいまい。だが、足りないものがある。そのことに思い至ったアルヤは、そこでようやくふわふわとしていた意識が戻って、ドリスに目を向けた。

「ねえ、ドリス。わたくし、セウラーヴァで育ったから知らないのだけれど、もしかしてタッサでは結婚するのに教会での誓いは必要ないのかしら?」

 アルヤが尋ねたのには、自分で信じ込んでいた常識が当たり前ではないかもしれないと思ったからだ。アルヤはセウラーヴァの国外のことも勉強はしていたが、結婚制度のような細かいことまでは知らない。だが、彼女の考えに対して、ドリスはしっかりと首を横に振った。

「いいえ、必要です」

「誓い?」

 ふたりのやり取りに、エーギルは初めて聞くような顔で声をあげる。そのエーギルにげんなりとした顔をしたドリスは、やれやれと首を振ったが、そのあとには幼子を諭すかのようないっそ慈愛に満ちた表情で彼に言い聞かせる。

「まず、旦那様。アルヤ様と旦那様は、まだ結婚していません。結婚には教会で誓いをたてて祝福を受ける必要があります」

「そう……なのか?」

 半信半疑の様子のエーギルが、ちらりとポールを見れば、彼は喋りを禁じられているなりにぶんぶんと頷いて見せる。続いてアルヤに向けられて、彼女も小さく頷いた。セウラーヴァもタッサと同様に、夫婦となるためには教会で誓いをなし、祝福を受けねばならない。

 自身の常識がこの国でも同じだったことに安堵したアルヤだったが、同時に胸が痛くなった。

(……ずっと戦場にいらしたから、エーギル様は常識をご存知ないんだわ)

 物心ついたときには両親は結婚していたし、周囲の知人が結婚する頃には戦場をかけていて地元に寄り付くことすらなかったのだから、知りようもないのだ。彼の中にある常識のようなものは、幼いころに家族に受けた知識と、そして戦場で知った上下関係などだけなのだろう。

「……そうか、まだ、してない……のか……」

 呆然と現実を受け入れ、すっかり怒気が消えうせたエーギルを見て嘆息したドリスは、次にアルヤに目を向けた。だが先ほどエーギルに向けていた呆れの表情ではなく、こちらは気づかわしげだ。

「それから、あの……アルヤ様は、どうして愛人だと?」

「どうしても何も……身請けをされた娼婦は普通、愛人でしょう?」

「ええ、まあ……一般的には、そうでしょうとも」

 ドリスは返事をして、頭を抱える。アルヤの回答は当たり前と言えば当たり前で、彼女の認識だって間違いではないのだ。このすれ違いは多分、誰も悪くない。身請けされた娼婦は普通は愛人だ。

 だからといって、本邸の主寝室に共に寝泊まりし、一般的な貴族の妻よりも妻らしくエドフェルト邸を切り盛りしておいて、この期に及んでアルヤがただの愛人の枠だと、誰が思っていただろう。

(でも……婚約をしたわけでもないもの。間違って、いない……はずなのに)

 ショックを受けた顔をしているエーギルをちらりと見て、アルヤは彼に酷い裏切りをしているような気持ちになる。確かに身請けした娼婦を妻に迎える者だっている。だがその場合は、身請けのときにプロポーズをするものだし、指輪なりなんなり、愛を誓うための贈り物をするものだ。

 アルヤはそのように他の娼婦たちに聞いていた。とはいえ、逆の立場になってみたら、とアルヤは考える。

(もしエーギル様がわたくしと一緒にいるのは嘘だって言われたら、辛いわ。ううん、そんな嘘をおっしゃられるわけないし、わたくしだってそんな嘘は言わないわ。でも……エーギル様にとって、わたくしは嘘をついていたようなものだわ)

 酷いことをしていたのだと自覚して、同時に結婚という繋がりにまでそこまで考えが及ばなかった自分自身に呆れる。その理由は明白だ。何かを言わなければと思った彼女は、浮かんだ言葉をそのまま舌に乗せた。

「わたくしは、エーギル様と一緒にいられれば、それでよくて……その……」

 アルヤはしどろもどろに言って、そこで目を伏せる。

「今が幸せすぎて結婚とか忘れてたってことですか?」

「ポール!」

 べちん、と頭を叩いてドリスがポールを再び黙らせたが、発した言葉は消えない。

「そ、そういうことになるわ」

(浮かれていたのね、わたくし……)

 今さらながらにそう気づいて、アルヤは頬が熱くなった。羞恥に染まった頬を隠すように両頬に手を当てたが、彼女が恥じ入っているのはバレバレだろう。

「……俺と結婚するのが、いやだというわけではないんだな?」

 大股に近づいてきたエーギルが、アルヤのすぐ隣まで来て、椅子に座ったままの彼女の足元に跪く。

「もちろんです」

 頬を染めた彼女の答えに、ほっとしたようにエーギルは息を吐く。そうしてからきゅっと口元を引き締めて、アルヤの手を取った。

「勘違いで怒鳴ったりして、すまなかった」

「いいえ、わたくしも……もっとちゃんと、エーギル様のお気持ちを確かめていたらよかったのに……ごめんなさい」

 エドフェルト邸にきてすぐの頃に、なんだって聞いてくれとエーギルに言われていたのに、関係性の確認を怠ったのはどう考えても彼女の落ち度だ。もっとも、それは言葉の足りていなかったエーギルも同罪である。

 なんだかそれがおかしくて、目を合わせたふたりは笑いあった。それからエーギルはアルヤの手の指先に優しく口づけると、目元を緩ませたまま、彼女に尋ねる。

「アルヤ。俺と結婚してくれるか?」

 改めての言葉に、アルヤも顔をほころばせた。

「……はい。喜んで」

 その手を握りこんで返事をしたアルヤの腕が引っ張られ、身体が傾いたと思えば、彼女はあっという間にエーギルの上に抱え上げられていた。たった今婚約者になったばかりの彼を驚きで見上げると、目に涙を浮かべたエーギルの顔が近づいてくる。

(可愛いお方)

 彼の頬に手を添えて、熱烈な口づけを受け入れて、アルヤは目を閉じた。

 本音で語り合っているにもかかわらず、意外とふたりは言葉たらずなことが多い。それはきっとこれからも起こりうることなのだろう。時折今みたいにすれ違って、互いを傷つけることもあるのかもしれない。それでも、ふたりが離れることはないのだ。

 こうして娼婦は嫌われ者の騎士に身請けされ、彼の伴侶として一生を共にすることになった。祝福を受けて夫婦となったふたりは、互いに愛しあって暮らしていくのだろう。
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