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【グランツには目を覚まして欲しい】
初恋をこじらせるとろくなことにならない
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グランツ・ゲムマの初恋は、幼馴染のアビゲイル・シェロンだった。グランツが生まれる前から両親の仲が良く、家同士の交流が多かったから、グランツがアビゲイルと初めて会ったのは物心つく前のことである。
好奇心旺盛なグランツに対して、アビゲイルは引っ込み事案なものの、遊びに誘えば必ず付き合ってくれた。穏やかながらもグランツが話しかければよく笑い、困ったときにはグランツを真っ先に頼ってくれる。そんなアビゲイルを好きだったのだ。
自分が良いと思った物は、何でもアビゲイルに見せてやりたかった。だから、森の奥で見つけた滝も、アビゲイルには見せてあげたかった。
そうして大人に黙って連れ出したアビゲイルに、怪我をさせてしまったのは、グランツにとって大きなショックだった。
「アビゲイルさんの傷は消えないそうだ」
項垂れてそう告げる父に、グランツは言葉を失った。
「元々お前たちは、ゆくゆくは婚約させるつもりだった。こんな形になってしまったのは残念だが、責任を取ってお前はあの子に結婚を申し込みなさい」
「結婚……俺と、アビゲイルが?」
「そうだ」
父に重々しく頷かれて、グランツはショックではなく、ふわふわと心が浮いたような心地になった。まだ7歳という年齢で、結婚という物が何なのかはきちんと理解の出来ていないグランツでも、結婚すればアビゲイルとずっと一緒にいられるのだということだけは判る。それが嬉しかった。
アビゲイルに消えない傷を残してしまったのは申し訳ないが、そんな傷跡など気にならないくらい、ずっと幸せにしよう。その時のグランツはそう思っていたのである。
その会話をした数日後、アビゲイルへの見舞いという名目で面会を申し出て、婚約の申し込みのためにシェロン家を訪れた。
頭に包帯を巻いて沈鬱な表情を浮かべたアビゲイルに、グランツはどきりとした。
「アビー」
アビゲイルとふたりきりの時にだけ、グランツはこの呼び方をする。親しみを込めてこう呼ぶと、アビゲイルはいつも笑ってくれたから。けれどこの時、アビゲイルは笑わなかった。むしろびくりと肩を震わせて、表情を更に強張らせる。
「……アビー?」
もう一度声をかけると、アビゲイルはようやくグランツの方を向いて、「こんにちは」と挨拶をしたが、包帯を隠すようにさっと顔に手を当てた。
「その包帯……痕になるって聞いた。こんなことになって、ごめん」
「……」
アビゲイルは答えない。グランツは結婚できるという事実に舞い上がっていたが、彼はアビゲイルに消えない傷を残してしまったのである。
「アビー……アビゲイル・シェロンさん。怪我をさせた俺が言うのもなんだけど、俺と結婚を」
「ううん」
グランツのプロポーズは、アビゲイルの冷たい声に遮られた。
「私が悪いの。グランツに責任なんて、ないよ。婚約なんて……義務で結婚なんてしなくていいから」
「義務なんかじゃ」
「グランツは優しいもの。グランツのお父様に言われてきてくれたのでしょう? 私は大丈夫、だから、婚約なんてしないで」
アビゲイルが拒絶する意味が判らなかった。婚約の話を持ち出されたのは確かに父からではあるだからアビゲイルの言っていることは正しい。けれど、求婚は義務心じゃないという言葉を否定されてしまえば、グランツはそれ以上何を言えばいいのか判らなかった。
「……好きな人と結婚してね、グランツは」
そう告げると、アビゲイルはグランツを部屋から追い出してしまったのだ。
アビゲイルは求婚を断ったが、それで彼女の傷跡が消える訳でもない。結局、婚約はしないものの、アビゲイルに他の婚約者が出来るまでは、グランツの結婚についても保留ということで話が落ち着いた。
それ以来、アビゲイルは一目を避けるようになり、たまに会った時も、ほとんどグランツと喋ってくれなくなった。そして、アビゲイルは傷跡を隠すようになったのである。それでもグランツは、まだアビゲイルに求婚を何度かしたが、アビゲイルは頑なにそれを断っていた。グランツが言葉を重ねても、アビゲイルはそれが義務から来ている物なのだと固く信じ込んでいたからだ。
そうしてアビゲイルの額に傷が出来てから一年が経つ頃、グランツはいつまでも心を開いてくれないアビゲイルに、とうとう怒ってしまった。
「いい加減にしてくれよ! その顔も! いつまで隠してれば気が済むんだ!?」
「……き、消えない痕があるんだもの……し、しかたないじゃない」
どもりながら、アビゲイルは嗚咽を上げた。そこでアビゲイルが泣いて初めて、グランツはアビゲイルの額に傷が残っていることが、彼女にとって大きく影を落としているのだと気付く。そして、その原因になった自分のことを、深く恨んでいるのだろうと思った。
だからこそ、彼女は求婚に応じてくれないのだと。
グランツはアビゲイルを泣かせてから、彼女の元を積極的に訪ねるのをやめた。そして、彼女から離れるために、他の女の子と親しくしようとした。
誰か他の女の子と仲良くする度に、アビゲイルの顔がチラついた。婚約者候補がいるというのに、他の女の子と付き合うグランツを両親は咎めたが、当のアビゲイルがグランツとの結婚を望んでいないのだ。これ以上嫌われようもないだろうと、グランツは思った。
どんなに望んでも自分の望む相手は、手に入らない。魔法学園卒業後に、アビゲイルと婚約すると言われていても、彼女はそれを拒むのだろうと思えば、気持ちが沈んだ。
両親に見放されたことをアビゲイルが知ったらしく、お弁当を作ってくれるようになったが、それは彼女が優しいからだろうとグランツは解釈している。いわば同情だ。
遠慮がちに渡してくるのを、嬉しいと想いながらも、勘違いしてはいけないと言い聞かせる日々。
そして、いつからか、アビゲイルは彼女の物でも、グランツの物でもないお弁当を用意するようになった。そしてグランツは、彼女と一緒に歩く他の男を見た。聖女も一緒に居たが、アビゲイルのお弁当のバスケットを、その男が持っているのを何度も見かけた。男は、聖女の補佐のアウレウスで、男の目線から見ても整った顔立ちだった。微笑まれたら、男性に免疫のないアビゲイルはすぐのぼせ上がるだろうと、グランツは思った。
毎日ではなかったが、アビゲイルがその弁当を作る日が増えて、とうとう、頑なに切らなかった前髪を切ったのだ。
あの男のためだとしか、グランツには思えなかった。胸が焼けつくような想いだった。
他の男とアビゲイルがくっつくのなら、いよいよ自分も他の相手を探さなくてはならない。そうしてほとんど当てつけのつもりで、聖女にグランツは声をかけたのである。
これが、グランツがこじらせた行動の理由である。求婚を断られていた理由も、アビゲイルの好きな相手も全て誤解である。初恋を拗らせた男のとる行動は大体ろくでもないことになる典型だった。
好奇心旺盛なグランツに対して、アビゲイルは引っ込み事案なものの、遊びに誘えば必ず付き合ってくれた。穏やかながらもグランツが話しかければよく笑い、困ったときにはグランツを真っ先に頼ってくれる。そんなアビゲイルを好きだったのだ。
自分が良いと思った物は、何でもアビゲイルに見せてやりたかった。だから、森の奥で見つけた滝も、アビゲイルには見せてあげたかった。
そうして大人に黙って連れ出したアビゲイルに、怪我をさせてしまったのは、グランツにとって大きなショックだった。
「アビゲイルさんの傷は消えないそうだ」
項垂れてそう告げる父に、グランツは言葉を失った。
「元々お前たちは、ゆくゆくは婚約させるつもりだった。こんな形になってしまったのは残念だが、責任を取ってお前はあの子に結婚を申し込みなさい」
「結婚……俺と、アビゲイルが?」
「そうだ」
父に重々しく頷かれて、グランツはショックではなく、ふわふわと心が浮いたような心地になった。まだ7歳という年齢で、結婚という物が何なのかはきちんと理解の出来ていないグランツでも、結婚すればアビゲイルとずっと一緒にいられるのだということだけは判る。それが嬉しかった。
アビゲイルに消えない傷を残してしまったのは申し訳ないが、そんな傷跡など気にならないくらい、ずっと幸せにしよう。その時のグランツはそう思っていたのである。
その会話をした数日後、アビゲイルへの見舞いという名目で面会を申し出て、婚約の申し込みのためにシェロン家を訪れた。
頭に包帯を巻いて沈鬱な表情を浮かべたアビゲイルに、グランツはどきりとした。
「アビー」
アビゲイルとふたりきりの時にだけ、グランツはこの呼び方をする。親しみを込めてこう呼ぶと、アビゲイルはいつも笑ってくれたから。けれどこの時、アビゲイルは笑わなかった。むしろびくりと肩を震わせて、表情を更に強張らせる。
「……アビー?」
もう一度声をかけると、アビゲイルはようやくグランツの方を向いて、「こんにちは」と挨拶をしたが、包帯を隠すようにさっと顔に手を当てた。
「その包帯……痕になるって聞いた。こんなことになって、ごめん」
「……」
アビゲイルは答えない。グランツは結婚できるという事実に舞い上がっていたが、彼はアビゲイルに消えない傷を残してしまったのである。
「アビー……アビゲイル・シェロンさん。怪我をさせた俺が言うのもなんだけど、俺と結婚を」
「ううん」
グランツのプロポーズは、アビゲイルの冷たい声に遮られた。
「私が悪いの。グランツに責任なんて、ないよ。婚約なんて……義務で結婚なんてしなくていいから」
「義務なんかじゃ」
「グランツは優しいもの。グランツのお父様に言われてきてくれたのでしょう? 私は大丈夫、だから、婚約なんてしないで」
アビゲイルが拒絶する意味が判らなかった。婚約の話を持ち出されたのは確かに父からではあるだからアビゲイルの言っていることは正しい。けれど、求婚は義務心じゃないという言葉を否定されてしまえば、グランツはそれ以上何を言えばいいのか判らなかった。
「……好きな人と結婚してね、グランツは」
そう告げると、アビゲイルはグランツを部屋から追い出してしまったのだ。
アビゲイルは求婚を断ったが、それで彼女の傷跡が消える訳でもない。結局、婚約はしないものの、アビゲイルに他の婚約者が出来るまでは、グランツの結婚についても保留ということで話が落ち着いた。
それ以来、アビゲイルは一目を避けるようになり、たまに会った時も、ほとんどグランツと喋ってくれなくなった。そして、アビゲイルは傷跡を隠すようになったのである。それでもグランツは、まだアビゲイルに求婚を何度かしたが、アビゲイルは頑なにそれを断っていた。グランツが言葉を重ねても、アビゲイルはそれが義務から来ている物なのだと固く信じ込んでいたからだ。
そうしてアビゲイルの額に傷が出来てから一年が経つ頃、グランツはいつまでも心を開いてくれないアビゲイルに、とうとう怒ってしまった。
「いい加減にしてくれよ! その顔も! いつまで隠してれば気が済むんだ!?」
「……き、消えない痕があるんだもの……し、しかたないじゃない」
どもりながら、アビゲイルは嗚咽を上げた。そこでアビゲイルが泣いて初めて、グランツはアビゲイルの額に傷が残っていることが、彼女にとって大きく影を落としているのだと気付く。そして、その原因になった自分のことを、深く恨んでいるのだろうと思った。
だからこそ、彼女は求婚に応じてくれないのだと。
グランツはアビゲイルを泣かせてから、彼女の元を積極的に訪ねるのをやめた。そして、彼女から離れるために、他の女の子と親しくしようとした。
誰か他の女の子と仲良くする度に、アビゲイルの顔がチラついた。婚約者候補がいるというのに、他の女の子と付き合うグランツを両親は咎めたが、当のアビゲイルがグランツとの結婚を望んでいないのだ。これ以上嫌われようもないだろうと、グランツは思った。
どんなに望んでも自分の望む相手は、手に入らない。魔法学園卒業後に、アビゲイルと婚約すると言われていても、彼女はそれを拒むのだろうと思えば、気持ちが沈んだ。
両親に見放されたことをアビゲイルが知ったらしく、お弁当を作ってくれるようになったが、それは彼女が優しいからだろうとグランツは解釈している。いわば同情だ。
遠慮がちに渡してくるのを、嬉しいと想いながらも、勘違いしてはいけないと言い聞かせる日々。
そして、いつからか、アビゲイルは彼女の物でも、グランツの物でもないお弁当を用意するようになった。そしてグランツは、彼女と一緒に歩く他の男を見た。聖女も一緒に居たが、アビゲイルのお弁当のバスケットを、その男が持っているのを何度も見かけた。男は、聖女の補佐のアウレウスで、男の目線から見ても整った顔立ちだった。微笑まれたら、男性に免疫のないアビゲイルはすぐのぼせ上がるだろうと、グランツは思った。
毎日ではなかったが、アビゲイルがその弁当を作る日が増えて、とうとう、頑なに切らなかった前髪を切ったのだ。
あの男のためだとしか、グランツには思えなかった。胸が焼けつくような想いだった。
他の男とアビゲイルがくっつくのなら、いよいよ自分も他の相手を探さなくてはならない。そうしてほとんど当てつけのつもりで、聖女にグランツは声をかけたのである。
これが、グランツがこじらせた行動の理由である。求婚を断られていた理由も、アビゲイルの好きな相手も全て誤解である。初恋を拗らせた男のとる行動は大体ろくでもないことになる典型だった。
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