194 / 316
第八章
第百八十七話 六大精霊との交流
しおりを挟む◆◇◆◇◆◇
帝都支店から屋敷へと戻り、庭先の方へと移動すると、そこには仲間達と六大精霊の姿があった。
六大精霊を手に入れて暫くして、大精霊達には暇な時にそれぞれのやり方で仲間達と交流してもらい、相性の良い属性の精霊との適性を高めさせている。
精霊との適性の上がり方次第では、いずれかの等級の精霊と契約出来るかもしれない。
そうなれば仲間達の強化へと繋がるだろう。
まぁ、主な目的は顔合わせなんだけど。
『床の、地面の、それらよりも更に深い地の底から発せられる力を足の裏で感じるんだ。その大地の力を正しく認識し、体に取り込むことで、普段以上の力を発揮することができるんだ』
「な、なるほど?」
視線の先では、地面に正座をしたシルヴィアが〈ノーム〉と俺が名付けた土の大精霊から指導を受けていた。
シルヴィアの様子を見る限り、ノームが言っていることをちゃんと理解できているか怪しいが、アレは感覚的な話なので自力で頑張ってもらうしかない。
ノームや他の大精霊達は、人の頭部より少し大きいぐらいのサイズまでダウンサイジングして魔力消費を抑えた形態ーー通称は省エネ形態ーーになっている。
そのため、シルヴィアが岩を組み立てて作った人形と向かい合っているようにしか見えない光景は、事情を知らない者からしたらかなり奇抜に見えることだろう。
噴水がある方に目を向けると、〈ウンディーネ〉と名付けた水の大精霊がリーゼロッテの目の前で水を操って何かを作っていた。
ウンディーネは水を動かして、省エネ形態である今の自分にそっくりな水人形を作ると、一瞬で凍らせて氷像に変化させていた。
氷と水の違い以外には、身体を水で構成しているウンディーネとの差は見当たらないほどの出来栄えだ。
『ほら。やってみて』
「……」
『あー、ダメよダメよ。ダメダメねー。ほらココ。ちょびっと後ろが短い! ワタシの髪型と違うじゃないの。氷像の表面もザラザラじゃない! 精密性が甘いわねー』
「……」
ウンディーネからの容赦無いダメ出しに、リーゼロッテの目元がヒクついているのが見える。
普通に注意するならまだしも、ウンディーネは実に愉しそうな声音でダメなところを指摘していた。
近いうちに、またリーゼロッテとウンディーネによる戦いが勃発しそうだな……。
『基本的に空気というのはどこにでもあるのよ? その空気を正確に感じ取れるということは、周囲の環境を認識することに繋がるの。それが出来るならば、大気の動きから生物の位置を知ることも、風の流れから物の形を知ることも容易いのよ? だから、先ずは自分の身体に触れる風の向きと強さを正しく認識出来なければ始まらないわ。さぁ、目を閉じて風を感じるのよ』
「「……」」
庭に置いてあるベンチに並んで座っているマルギットとセレナが、〈シルフ〉と呼んでいる省エネ形態の風の大精霊に言われた通りに目を閉じて、風を感じ取ろうとしている。
これまで当たり前のようにあったモノを、意識的かつ正確に認識しようとするのは地味に難しいらしい……俺は普通に出来たけど。
まぁ、風の大精霊が直々に教えているから近いうちに進展があるかもしれない。
〈ルキス〉という名を付けた光の大精霊は、エリンとカレンの二人に何やら講義を行なっていた。
『二人とも方向性は違うけど、光との親和性が高いね』
「そうなの?」
『うん。カレンは魔法属性という意味で単純に光との相性が良くて、エリンはなんて言えばいいのかなぁ。血筋的に光の性質があるのはカレンと一緒なんだけど、魔法……いや、武力と言うべきかも。戦いを経るごとに存在自体が輝いていく感じがあるねぇ』
「レベルアップとは違うのでしょうか?」
『違うよー。確かに、世界における自分という存在の格を上げるのはレベルアップと同じではあるんだけど、存在の質や希少性が高まっていっている感じなんだよぉ』
「よく分かりません……」
『まぁ、ご主人様から受けている寵愛も原因の一つみたいだから、これまでと同じように過ごしていればいずれ分かると思うよー』
「それなら分かります」
「その理屈だとリーゼさんとかも同じ状態なんじゃないの?」
『エリンに流れる血との相乗効果のようだから、同じではないかなー』
「そうなんだー。ハッ、ということは私もご主人様とセッ……寵愛を受けたらエリンお姉様と同じようなことに?」
『んー、たぶんだけど、同じようにはならないかなぁ』
「なんでよ!」
ルキスが言っているのは、エリンのほうにだけ流れている勇者の血のことだろう。
正確には〈勇者の因子〉と言うべきか。
俺が【大勇者】を持っているからか、エリンが持っている【勇者の血筋】が活性化していることには気付いていた。
カレンが言うところの寵愛を行う度に活性化しているようで、俺の中に流れる因子を取り込んでいるのかもしれない。
もしくは、この世界の〈勇者〉と〈聖者〉の関係性を考えれば、俺が【聖者】を持っているのが原因である可能性もある。
その可能性に気付いてからジョブスキルの【聖者】に意識を向けたところ、エリンと密着している時にだけ熟練度に動きがあった。
極小の動きではあるが、影響があったことに変わりはない。
原因が【大勇者】にせよ【聖者】にせよ、深く密着しない限りは影響は無いようなのでそこまで気にする必要は無いだろう。
エリンに【勇者】が発現するかどうかは分からないが、その時は【勇者】発現を祝ってエリン専用の聖剣でも作ってやるか……もしや、俺がエリンに聖剣モドキの剣を与えたことも原因だったりしないよな?
「……あるいは、それら全てが原因か?」
『どうしたよ、ご主人?』
『大丈夫、マスター?』
気付かぬうちにやらかした気がして軽くショックを受けていると、火の大精霊である〈サラマンダー〉と闇の大精霊である〈テネブレ〉がやってきた。
複数の属性と相性が良い者もいるのだが、同時に複数の大精霊とは交流出来ないため、この二体は今はフリーのようだ。
「ん、サラマンダーとテネブレか。ちょっと、自分の影響力について悩んでいてな」
『ご主人の影響力か……省エネ形態とはいえ、大精霊であるオイラ達六体をこっちにずっと顕現させ続けることが出来ている時点で今更じゃないか』
『うんうん』
「まぁ、それはそうなんだけどな……」
六大精霊の先代契約者であるエスプリが死んですぐに、捕らえておいた六大精霊との契約を試みた。
先代契約者を殺したから時間が掛かりそうだと思っていたら、意外にもあっさりと契約を結べてしまった。
契約できた理由は幾つかあるのだが、基本的に省エネ形態でいることなどの条件付きではあるが、こちらの世界にずっと顕現させてやることを契約の対価にしたことが大きい気がする。
エスプリを殺したことに関しては、必要な時にだけ召喚されて力を貸すというビジネスライクな関係であったことと、殺されるに至る原因を作ったエスプリの自業自得だから気にしていないそうだ。
エスプリの魔力よりも質が良くて保有量も多く、自分達の六つの属性の全てにおいて非常に高い適性を持っていたのもポイントが高いらしい。
六大精霊と契約した証である称号もエスプリの〈六大精霊の契約者〉とは異なり、〈六大精霊の主〉という称号になっており、これは適性と自分達への支配力の高さを証明しているんだとか。
そんなことを六大精霊達から説明されて一番最初に思ったのは、お前らそんなに喋れたんかい! というノリツッコミ的な感想だったりする。
戦闘中は全く喋らなかったし、本当にエスプリとはビジネスライクな付き合いだったのだと再確認できてしまい、なんか泣けてきたのと、何とかの大精霊と呼ぶのも面倒臭いので、六大精霊それぞれに名前を付けてやった次第だ。
身体の各部には精霊との契約を示す〈精霊紋〉が刻まれているのだが、俺の精霊紋はエスプリの精霊紋よりも範囲が広い。
これも〈契約者〉と〈主〉の違いであり、同時にそれだけ扱える力も大きくなっている。
エスプリや大精霊よりも下位の精霊と契約した者が持つ精霊紋は拳大のサイズなのだが、俺の精霊紋は腕一つ分とかの規模であるため、呼称も精霊紋ではなく〈大精霊紋〉と呼ぶんだそうだ。
火の大精霊の大精霊紋は右腕に。
水の大精霊の大精霊紋は右足に。
風の大精霊の大精霊紋は左腕に。
土の大精霊の大精霊紋は左足に。
光の大精霊の大精霊紋は背中の右半分に。
闇の大精霊の大精霊紋は背中の左半分にそれぞれ刻まれている。
活性化させない限りは目に見えないため、パッと見では大精霊紋の存在は分からない。
個人的には、常に全身タトゥー男にならずに済んだのでとても助かる仕組みだ。
『うおっ! あの二人、また始まったぜ』
『属性相性は悪くないのに……』
『性格の相性は悪そうだぞ?』
『……同族嫌悪?』
『いや、単に反りが合わないだけだろ』
強い冷気が吹き荒れている方に顔を向けると、省エネ形態から通常体である戦闘形態に戻ったウンディーネと、白い長杖を取り出して構えるリーゼロッテの姿があった。
互いに膨大な冷気を放出しているため、ただでさえ季節的に寒かった庭先が極寒の地へと変貌していく。
「リーゼなら水の大精霊と契約できる可能性があるくらいには適性があるのにな……サラマンダー、テネブレ」
『りょーかい』
『止める』
一瞬で戦闘形態になったサラマンダーとテネブレが、それぞれの属性権能を行使する。
サラマンダーが周囲の熱を操作して冷気の侵食の阻害と解凍を行い、テネブレは弱体化と拘束効果を持つ闇の鎖でウンディーネとリーゼロッテの動きを強制的に止めた。
「むっ」
『あ、ちょっと! テネブレ!』
『黙る』
ウンディーネはジタバタと暴れる一方で、リーゼロッテは俺が呆れて見ているのに気付き、視線が合わないように顔を逸らしている。
一人と一体のタイプの違う往生際の悪さに呆れつつ、ウンディーネに割り振っている顕現用の魔力を絞って強制的に省エネ形態に移行させた。
『ち、ちがうのよマスター! ちょっと訓練がヒートアップしただけなの! 成果は出ているのよ!』
「そうですよ、リオン。水の精霊への適性が上がった気がします」
「そりゃそうだろうな」
互いに本気で相手に魔力をぶつけてたんだし、多少なりとも影響は受けるだろうよ。
ま、これも属性的な相性が良すぎるからこそ起こる現象なんだけど。
「コホン。ところで、ロンダルヴィアの飛空艇と商会はどうでしたか?」
必死に弁解するウンディーネに張り付かれていると、リーゼロッテが醜態を誤魔化すように尋ねてきた。
省エネ形態になったサラマンダーとテネブレによって、俺から引き剥がされたウンディーネが離れたところへと連行されていく様子を横目に、それぞれの場所での報告を行う。
「ロンダルヴィアの最新型もリオンの物ほどではありませんでしたか。ま、予想通りですね。アリスティアから貰った就任祝いの霊薬は使える物でしたか?」
「ああ。二つとも役に立ちそうな品だよ」
「どのような効果を持っているのですか?」
「えっとだな、効果はーーどうした?」
足早に近づいてくる気配に気付き振り返ると、帝都の屋敷の管理を任せているノクス族の初老の執事長アインがやって来ていた。
「旦那様、ご歓談中に失礼致します。先ほど皇城のほうからコチラのお手紙が届けられました」
「ふむ……押されている印章からして、皇帝陛下からの私信か」
アインから受け取った手紙を開けて中身を読むと、魔塔主に選ばれたことを祝う言葉と内密に話したいことがあるということだけが書かれていた。
日時が書いてないから、都合の良い時間を使いの者に直接言えということだろうか?
「コレを持ってきた者は返事待ちか?」
「左様でございます。皇帝陛下の侍従長が応接室にてお待ちになられています」
「侍従長が? それだけ重要な話ということか」
「すぐに向かうのですか?」
俺が読み終わった手紙を読んだリーゼロッテが今から行くのかと尋ねてきたので、少し考えてから口を開く。
「皇帝陛下の都合次第かな。時間があるなら今から行ってくるよ。無いなら明日以降だな」
「分かりました。侍従長に会うなら今の格好でも構いませんが、皇城に向かう時はもっと良い服に着替えてくださいね」
「分かってるよ」
「私が選びますので」
「だろうな。じゃあ伝えてくる」
案内するアインの後に続いて侍従長が待つ応接室へと向かう。
まぁ、日時も書かずに出しているから、たぶん今からでもいいんだろうな。
何を話すつもりかは大体予想はつくが、詳細までは分からないので気を引き締めて向かうとしよう。
1
お気に入りに追加
210
あなたにおすすめの小説
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる