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第六章
第百五十六話 魔蟻のエリアボス 後編
しおりを挟む「GIYEEEEEEE!!」
産声を上げる人型魔蟻の名は〈戦錬煌騎の女王魔蟻ベルレギナ〉。
その名から分かる通り、たった今死んだばかりの巨大な魔蟻である女王蟻ベルレギナ本人(本蟻?)だ。
おそらくは、巨大な魔蟻の時のベルレギナが死んだ際に俺が獲得した【存在継承】の能力によるものだろう。
スキルとして入手した際に多少仕様が変わってはいるようだが、どうやら自分が死んだ時に予め生み出しておいた別の肉体へと存在ーー魂と言うべきかーーを移せる効果らしい。
ベルレギナは産卵系能力によって戦闘特化の魔蟻を生み出し、自らの新たな肉体とした際にエリアボス仕様に変質したようだ。
俺が使用する場合は、【化身顕現】によって生み出した分身体が魂を移せる対象になる。
つまり、例え本体が死んだとしても、予め生み出しておいた分身体の数だけ残機があるようなものと考えていいだろう。
唯一のデメリットは、新たな身体になって約一日の間は分身体の時の性能のままのようなので、必然的に弱体化を強いられることぐらいか。
「まぁ、良いスキルであることには違いない。ボス素材が増えたこと含めてな」
前のベルレギナは、巨体な女王蟻という戦闘向けではない身体だったからか、レベル七十二とエリアボスの中では下の方だった。
戦闘向けではなくとも、その巨体と頑強な甲殻にレベル七十越えという身体性能は普通に脅威な上に、護衛であるロイヤルガードアント達もいるので今まではそれで十分だった。
だが、今回は俺一人に一方的に蹂躙されたからか、これまでに確認されていない能力を行使することにしたようだ。
「いや、違うか。今までも使ったけど、この姿を目撃した冒険者は全て殺してきたのかもしれないな」
見るからに戦闘特化な人型魔蟻の肉体に変わったベルレギナのレベルは八十二。
深層や深層に近い極一部の下層のエリアボスのレベル帯であるレベル八十台にまで上がるとは、正直言って想定外だが……実に素晴らしい。
普通の挑戦者からすれば最悪なイレギュラーでしかないだろうが、強欲たる俺にとっては、まさにラッキーとしか言いようが無いイレギュラーだ。
これは、宝箱の中身も期待出来そうだ。
「さて、そろそろやろうか?」
「GIGI!?」
ベルレギナへの威圧と俺自身の身体強化も兼ねて【戦神覇気】を発動させる。
エリアボスの領域ーー通称ボス部屋の空間全体を満たすほどの威圧と気配を解き放ち、新生ベルレギナの出方を窺う。
「GIYEEEEEEEEEE!!」
対して、ベルレギナは自らを鼓舞するように声と魔力の波動を発するだけで、俺からの威圧を軽減させていた。
今のベルレギナもボス級魔物として、ダンジョンからの祝福や加護とも言える特別な強化を受けているらしく、即死攻撃などの一部の攻撃と同様に、威圧攻撃に対する高い耐性があるようだ。
無効化レベルの耐性がある即死攻撃と比べれば、まぁまぁ通じているので全く効果が無いわけではないみたいだが、仮にも神と名の付くスキルが簡単に軽減されるのは、少し理不尽だと思わなくもない。
「なら、更に重ねがけるか……ウォオオオオオオオオオー!!」
「GI、GIYEEEEEEEEEEEEEEEE!!」
今日手に入れたばかりの【鬨の声】を発動させて、敵に威圧と弱体化を、自らに鼓舞と身体強化を齎す。
ベルレギナは一瞬だけ俺の雄叫びに怯んだものの、対抗するように空間中に響き渡るほどの大声を上げるとともに、前のベルレギナの甲殻の紋様と似た紋様を輝かせて自らの身体能力を強化して弱体化にも抵抗していた。
これ以上俺に何かをされるわけにはいかないと判断したのか、ベルレギナが俺に向かって襲い掛かってきた。
今のベルレギナはロイヤルガードアントと同様に人型魔物に属するが、武具具現化能力は有していないようで無手のまま向かってくる。
人よりも長い両腕の先の鉤爪は非常に鋭く、全身を覆う紋様有りの甲殻は非常に硬そうに見えるので、武具具現化能力は不要なのだろう。
刹那の間に観察と考察を終えると、横にズレて鉤爪による振り下ろし攻撃を避ける。
鉤爪は先ほどまで俺がいた場所の地面を割り、その後方にまで続く斬撃痕を刻んでいた。
スピードもパワーもSランク魔物に相応しい戦闘力を持っているようだ。
このベルレギナに襲われたら、巨体のベルレギナとロイヤルガードアント達を想定して準備してきた冒険者達はひとたまりもないだろうな。
【魔装具具現化】で具現化させた魔剣で、攻撃直後のベルレギナの胴体を斬りつけるが、甲殻の表面を僅かに削るだけでダメージを与えられた様子は無かった。
「防御力も高い、と。見た目通りだな」
「GIYEEEE!」
横薙ぎに振るわれた鉤爪をしゃがみ込んで避けつつ、甲殻に包まれた足に対して足払いを仕掛ける。
地面を蹴って足払いを避けたベルレギナは、そのまま背中の翅を広げて宙に浮かんだ。
「飛べるのか……いや、翅があるならそりゃあ飛べるよな。行け!」
今更なことに軽く驚きつつ、待機させていた【星罰の煌剣】の十の煌剣に攻撃を命じた。
先ほどまでは一方的に全身を斬り刻まれていたが、今は……む、破壊されたか。
視線の先では、迫り来る煌剣を避けながら、その鉤爪で一つ一つ破壊しているベルレギナの姿があった。
煌剣の耐久性が高くないのもあるが、ベルレギナの鉤爪自体の攻撃力が思ったよりも高いようだ。
「ま、デュランダルなら大丈夫だけどな」
「GIGYEEA!?」
煌剣と空中戦を行なっているベルレギナとの距離を一瞬で詰めると、左右の腕と翅をデュランダルで斬り落とす。
そのままベルレギナの背中を蹴り抜いて地上へと落とし、残る二本の煌剣に追撃させる。
「これで終わ……ほう。なるほど、そうなるか」
地上に落ちたベルレギナは向かってきた煌剣を捕食すると、その特性を吸収したのか、甲殻の形状がより鋭利になり、新たに生えてきた尾の先の刃や再生した両腕の鉤爪や翅が煌剣に似た蒼色に変貌していた。
「GIYEEEEEEEEEE!!」
「面白い。だが、模倣するだけではな?」
「GIGYEEA!?」
背中から分離した二十を越える数の刃状の蒼翅が、まるで煌剣のように自律して飛翔し、空中にいる俺に襲い掛かってきた。
先ほどとは逆の立ち位置だが、所詮は二番煎じ。
数こそ煌剣よりも多いが、元より俺の方が格上なのだ。
そんな俺にただ模倣しただけの攻撃が通じるわけがない。
身に迫る蒼翅の刃を、デュランダルを三度周囲に向かって振るい、一つ残らず斬り捨てた。
「これで終わりか? なら、本当に終わらせるぞ?」
「GIGI、GIYEEEEEEE!!」
ベルレギナの尾の刃に蒼と翠の光が収束すると、その刃先から蒼翠色の光線が放たれた。
念のため避けてみると、その光線が直撃した地面が溶解していたため、おそらくは光以外にも酸に似た性質があるのだろう。
俺が避けたため有効な攻撃だと判断したのか、次々と光線を連射してくる。
それらの光線をデュランダルの【割断聖刃】で斬り払いながら、ベルレギナとの距離を詰めていく。
ベルレギナは更に尾の数を増やし、その数だけ光線も増やしてきたが、大したことはないので変わらず全ての光線を斬り捨てていった。
「GIYEEEE!!」
両腕の蒼い鉤爪と尾の蒼刃を更に伸ばすと、ベルレギナが近接戦を仕掛けてきた。
正面から襲い掛かってくる蒼刃の群れと、迂回して背後から迫る蒼刃翅の全てをデュランダルで斬り伏せていった。
この程度の攻撃密度ならば【剣神武闘】の任意発動能力を使うまでもない。
「GI……GI、YEEEE……」
なんとなくだが、『そ、そんな、馬鹿な……』と言っているような気がする。
「まぁ、中々面白い力だったが、これは……そうか。予め喚んでいたのか」
「GIGI」
全ての鉤爪と尾先の刃に翅を失ったベルレギナにトドメを刺そうとしたタイミングで、【万能索敵】に反応があった。
直後に地響きとともにボス部屋の上下左右の至る場所から様々なタイプの魔蟻達が姿を現す。
いつ喚んだかは分からないが、閉じていた【情報蒐集地図】のマップを開いて確認した限りでは、このエリア帯全域から集まってきているらしい。
「GIYE、GIGI、GIGI」
俺を取り囲むようにして現れた千を超える数の魔蟻達。
その背後にてベルレギナは近くに喚んだ多彩な魔蟻達を捕食していき、自らの甲殻を更に強化させているようだった。
ベルレギナの指示を受け、魔蟻達が時間稼ぎのために一斉に襲い掛かってくる。
「そう上手く時間が稼げるかな?」
攻撃系スキル【氷嵐炎雷の天葬君主】を発動させる。
俺の身体に纏わりつくようにして氷嵐炎雷の四属性の蒼翠紅金の四色のオーラが発生した。
その中から、右腕に炎と雷のオーラを収束させると、周囲の魔蟻達に向かって右の拳を放つ。
右の拳から放たれたオーラは即座に紅炎金雷の事象へと形を変えて、魔蟻達を焼き尽くし、貫き滅ぼしていく。
左腕に氷と嵐のオーラを収束させると右の拳撃と入れ替わりに左の拳で一撃を見舞う。
左の拳から放たれた蒼氷翠嵐の事象は、魔蟻達を芯まで凍て付かせ、斬り刻み砕いていく。
振り向きざまの右足の蹴撃とともに放たれた紅炎翠嵐の事象は、混ざり合って昇華され、白銀色の炎となって背後の魔蟻達を焼滅させていく。
大地を蹴り上げるようにして左の足から放たれた蒼氷金雷の事象は、大量の氷の粒で背後の空間を一瞬で満たし、その内部で増幅した雷は黄金色の雷光へと昇華されて、残る魔蟻達の悉くを滅ぼしていく。
「せっかくの機会だ。奥の手も見せてやろう」
我ながらテンションが上がってることを自覚しつつ、右の拳に紅炎金雷を、左の拳に蒼氷翠嵐を宿したまま柏手を打ち、【強化合成】を発動させる。
左右の手の間に生まれた虹色の光が暴れ出そうとするのを【強欲王の支配手】で強引に制御し、【空間把握】で攻撃対象を捕捉する。
「蟲の表情は分からんな」
暴れる力の手綱を握りながら、細長く縦に伸びて輝く虹色の光の先にいるベルレギナを見据える。
アレはどういう感情なんだろうか……まぁ、いいか。
「現に在れーー〈原初の裂け目〉」
虹色の光が一際輝いた次の瞬間、未だ生存している全ての魔蟻達の身体が、突然発生した虹色の光によって身体を両断された。
エリアボスであるベルレギナも例外ではなく、袈裟懸けに刻まれた虹色の光は、甲殻の耐久性や生命力など凡ゆる障害を無視してその生命を強制的に終わらせた。
[スキル【孤軍奮闘】を獲得しました]
[スキル【応戦改殻】を獲得しました]
[スキル【魔蟲の支配者】を獲得しました]
[保有スキルの熟練度が規定値に達しました]
[ジョブスキル【空間術師】がジョブスキル【次元術師】にランクアップしました]
[特殊条件〈魔蟲大量討伐〉〈魔蟲の天敵〉などが達成されました]
[スキル【魔蟲種殺し】を取得しました]
「煌剣や他のアリを捕食して得た性質形態の能力は無いのか……残念だな」
獲得した新規スキルを確認しつつ出現した宝箱をチェックする。
続けて周囲の状態を確認するが、まぁ、酷い有り様だった。
ガラス化した地面もあれば、氷河のようになった場所もある。
そして、まるで最初からそうだったかのように、綺麗に真っ二つになった一部の魔蟻達の死骸。
「強力だが、隙がデカいのだけが難点か」
ある意味奥の手だが、発動に時間がかかる上に他にも奥の手が幾つもあるので、この裂け目の力の優先順位は正直言って低いため、次使うのはいつになるやら。
宝箱と魔蟻達の死骸、そしてカルマダから魔蟻誘導の囮役にされた者達の遺体や遺品などの全てを回収すると、【復元自在】と【発掘自在】を併用してボス部屋の地形を元通りにした。
「さて、これで用件は済んだし、向こうに戻りたいところだが、まだ戦闘中か」
エリン達レベル上げ班で盾役を担っている分身体と【空間入替】で入れ替わって戻ろうと思ったが、向こうは現在戦闘中だった。
邪魔をするわけにはいかないので、戦闘が終わるまでの間、戦利品を確認したりスキルを強化したりしながら待つとする。
普段使い出来る良いスキルもあれば、使うか怪しいスキルもあるのはいつものことだ。
今日のように機会があれば意識して使ってやるとしよう。
[スキルを合成します]
[【燦爛たる緋焔竜爪牙】+【緋殻攻盾】+【紫晶矛盾】+【殺戮魔刃】+【猛毒魔刃】+【殲裂魔刃】=【紫燦死焔の緋竜装刃】]
[【星罰の煌剣】+【金炎雷聖刃】+【燦焔閃光】=【星焔雷聖の光煌剣】]
[【黒曜外殻鎧】+【煌殻護甲】+【応戦改殻】+【蟻針手甲】+【竜鱗障壁】=【黒煌護竜の外殻鎧】]
[【聖錬鎧殻】+【生錬鎧殻】=【神錬鎧殻】]
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