笑顔のギフト：異世界の模範生

第33話 「新たなる地へ」

川の流れはますます強くなり、筏は右岸に向かって猛スピードで進んでいた。リリー、エリザ、ジョンの息遣いも早くなり、彼らの目には真剣な光が宿っていた。

「エリザ、もう少し右に舵を切って！」ジョンが声を上げた。

エリザは力いっぱい櫂を操作し、「わかった、ジョン！でも、リリーの力も必要よ！」と返した。

リリーは即座に反応し、「もちろん、エリザ！私も手伝うわ！」と言いながら、櫂を取り、エリザとともに力を合わせた。

「よし、そうだ！もう少しで岸だ！」ジョンが興奮気味に叫んだ。

一方、リリーは目を見開き、「でも、岸には大きな樹木が…！」と警告した。

ジョンは瞬時に冷静さを取り戻し、エリザに指示を出した。「エリザ、すぐに左に舵を切って！」

エリザは命令に従い、樹木から筏を遠ざけることに成功した。

「うまくいったわ、ジョン！リリー、ありがとう！」エリザが安堵の声を上げた。

そして、彼らはついに川を渡り切り、新たな地へと足を踏み入れた。その瞬間、彼らの顔には安堵と喜び、そして冒険への期待が溢れていた。