笑顔のギフト：異世界の模範生

第32話 「川を越えて」

川の流れに乗せられ、筏はゆっくりと進んでいった。ジョン、リリー、エリザの息遣いが、川の音と一体となり、緊張感を高めていた。

「ジョン、右に大きな岩が見えるわ。」リリーが声を張り上げた。

ジョンは頷いて言った。「了解、リリー。エリザ、その岩に当たらないように、左へ舵を取るよ。」

エリザは筏の後ろで櫂を操り、筏を左へと向けた。「大丈夫、ジョン。岩は避けられるわ。」

その一方、リリーは前方を見つめながら言った。「でも、その先には急流が見えるわ。どうするの？」

ジョンはリリーの言葉に、考え込んだ。「エリザ、急流に突入する前に、右岸に向かって舵を取ることはできるか？」

エリザは櫂を力強く漕ぎ始めた。「分かった、ジョン。でも、それには全員の力が必要よ。リリー、手伝って！」

リリーは頷き、エリザと共に櫂を操った。その結果、筏は急流を避け、右岸に向かって進み始めた。

ジョンは二人に微笑んで言った。「よくやった、リリー、エリザ。これで川を渡りきることができるね。」