笑顔のギフト：異世界の模範生

第5話 「揺れる橋」

南へと進んでいくジョンたちは、突如として川に出くわした。その川は幅広く、水面は速く流れており、一見するとただの川だが、その風貌からは野生の激しさが伝わってきた。

ジョンは川を見つめ、一瞬、その流れの速さに息を呑んだ。「ここを渡るには何か良い方法を考えないと…」と言った。エリザは地図を広げ、「近くに橋があるわけでもなさそうね。」と返した。

すると、リリーが「あっ！」と声を上げた。彼女が見つけたのは、川辺に打ち上げられていた大きな木の枝だった。「これ、浮き橋に使えるかも！」

ジョンとエリザはリリーの発見に驚き、すぐに動き出した。三人で力を合わせて木の枝を川に浮かべ、なんとか浮き橋が完成した。安全性は多少心配が残るけれど、背に腹は代えられないだろう。

ジョンが最初にその枝の上を歩き始めた。足元が不安定で、枝が揺れた。そのたびに水しぶきが上がり、心臓が高鳴った。しかし、ジョンは冷静に一歩一歩着実に進んでいった。

次にエリザが渡り始めた。彼女もまた、揺れる枝に戸惑いつつも、ジョンの背中を見て勇気を得ていた。リリーは最後に渡った。彼女の小さな体は、枝の揺れに合わせてバランスを取りながら丁寧に進んでいった。

ついに、危険な川を渡り終えたとき、三人は互いに笑顔を交わした。「良くやった、リリー。」ジョンが言うと、リリーはにっこりと笑った。「ありがとう、ジョン！でも、みんなで協力したおかげだよね。」

新たな地域への道が開け、ジョン、エリザ、リリーの冒険は次のステージへと進んだ。彼らの絆は更に深まり、未知の世界での生活は彼らを一層強くした。