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噛み跡
お誘い
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絢斗の過去を聞いて要は同情したがかける言葉が分からずにただ、黙っていた。すると絢斗が要に謝って苦笑を零した。
「・・・折角、美味い酒が不味くなってごめんな。」
「そっそんな事ありません。僕の方こそ何も知らずに聞いてごめんなさい。」
「箕輪君が謝る事じゃないのよ?絢斗の事、聞けてよかったね!」
遥はビールを開けて要に渡しながら言ってくれたがまさかこんな重い話だとは思わなかった。
「そんでさ、箕輪君は絢斗の過去を踏まえてどうしたいのかな~?」
「おい、あんまり箕輪を困らせるなよ。」
絢斗は遥に注意をすると彼女はつまらなそうに頬を膨らませていたが、要は小さい声で少しずつ二人に話しかけた。
「・・・・これからも仲良くしたいです・・・・・。」
「・・・・・・箕輪・・・・・。」
遥は2人の様子を健気に見つめて微笑んだ後、彼女は部屋から出て行き大きいボストンバッグに荷物を詰め込んだ。
「良い雰囲気じゃない・・・そうだ!」
遥は詰め終えた後、2人の所にやって来たが右腕を後ろに隠してニヤニヤした顔だったので要には不思議な顔をされて絢斗に睨まれた。
「なんだよ、気持ち悪い」
「良かったらさ、今日の買い物で福引きがあったんだよね?そして、本当は彼氏と行きたかったんだけど、イジイジしている2人を見たら手助けしたくて・・・」
遥は隠していた手を出して2枚のチケットを取り出した。
「・・・豪華温泉旅館の招待券か?」
「そう、そこに2人で仲良く行ってきなさい!!」
遥は絢斗に強引にチケットを握らすと「おやすみ~!」と爽やかな笑顔で言って客間に向かった。
「・・・・たく余計なお世話だって・・・・・。」
呆れる絢斗を横目に要は見つめていたが絢斗はチケットの場所を見て少し考えた後に要の方を向いて呆れ笑顔で聞いてきた。
「この旅行、一緒に行くか?」
「えっ急にどうして?」
絢斗の考えている事が分からず聞くと彼は寂しそうな笑顔で理由を小さい声で言った。
「・・・さっき話してた木島のお墓が有るんだ。旅行はその次いでだな・・・。」
「・・・・僕が行く理由は?」
要の問に絢斗は目を逸らして少し言いにくそうに呟いた。
「・・・・・お盆の時、行けなかったからあいつに申し訳なくて場所も近いし行こうかなと思って後はチケットが勿体ないし・・・・。」
絢斗の言葉に要は苦笑いをしながら口を開いた。
「お友達なら静雄さんがいるでしょ?」
「遥はお前と行けって言ってるし、もし静雄となんか行けば絶対にあいつはヘタレ野郎って馬鹿にすると思うんだ。」
2人はケラケラ笑い転げる遥を普通に想像出来て要は苦笑を零し、絢斗はイラついた。
「では、お友達として御一緒しましょう。」
「あぁ、有難い。」
こうして2人は墓参りの温泉旅行が決まったがドアから隠れた遥が2人にバレないように覗いてその光景を微笑ましく見つめていた。
「・・・折角、美味い酒が不味くなってごめんな。」
「そっそんな事ありません。僕の方こそ何も知らずに聞いてごめんなさい。」
「箕輪君が謝る事じゃないのよ?絢斗の事、聞けてよかったね!」
遥はビールを開けて要に渡しながら言ってくれたがまさかこんな重い話だとは思わなかった。
「そんでさ、箕輪君は絢斗の過去を踏まえてどうしたいのかな~?」
「おい、あんまり箕輪を困らせるなよ。」
絢斗は遥に注意をすると彼女はつまらなそうに頬を膨らませていたが、要は小さい声で少しずつ二人に話しかけた。
「・・・・これからも仲良くしたいです・・・・・。」
「・・・・・・箕輪・・・・・。」
遥は2人の様子を健気に見つめて微笑んだ後、彼女は部屋から出て行き大きいボストンバッグに荷物を詰め込んだ。
「良い雰囲気じゃない・・・そうだ!」
遥は詰め終えた後、2人の所にやって来たが右腕を後ろに隠してニヤニヤした顔だったので要には不思議な顔をされて絢斗に睨まれた。
「なんだよ、気持ち悪い」
「良かったらさ、今日の買い物で福引きがあったんだよね?そして、本当は彼氏と行きたかったんだけど、イジイジしている2人を見たら手助けしたくて・・・」
遥は隠していた手を出して2枚のチケットを取り出した。
「・・・豪華温泉旅館の招待券か?」
「そう、そこに2人で仲良く行ってきなさい!!」
遥は絢斗に強引にチケットを握らすと「おやすみ~!」と爽やかな笑顔で言って客間に向かった。
「・・・・たく余計なお世話だって・・・・・。」
呆れる絢斗を横目に要は見つめていたが絢斗はチケットの場所を見て少し考えた後に要の方を向いて呆れ笑顔で聞いてきた。
「この旅行、一緒に行くか?」
「えっ急にどうして?」
絢斗の考えている事が分からず聞くと彼は寂しそうな笑顔で理由を小さい声で言った。
「・・・さっき話してた木島のお墓が有るんだ。旅行はその次いでだな・・・。」
「・・・・僕が行く理由は?」
要の問に絢斗は目を逸らして少し言いにくそうに呟いた。
「・・・・・お盆の時、行けなかったからあいつに申し訳なくて場所も近いし行こうかなと思って後はチケットが勿体ないし・・・・。」
絢斗の言葉に要は苦笑いをしながら口を開いた。
「お友達なら静雄さんがいるでしょ?」
「遥はお前と行けって言ってるし、もし静雄となんか行けば絶対にあいつはヘタレ野郎って馬鹿にすると思うんだ。」
2人はケラケラ笑い転げる遥を普通に想像出来て要は苦笑を零し、絢斗はイラついた。
「では、お友達として御一緒しましょう。」
「あぁ、有難い。」
こうして2人は墓参りの温泉旅行が決まったがドアから隠れた遥が2人にバレないように覗いてその光景を微笑ましく見つめていた。
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