30 / 40
噛み跡
お誘い
しおりを挟む
絢斗の過去を聞いて要は同情したがかける言葉が分からずにただ、黙っていた。すると絢斗が要に謝って苦笑を零した。
「・・・折角、美味い酒が不味くなってごめんな。」
「そっそんな事ありません。僕の方こそ何も知らずに聞いてごめんなさい。」
「箕輪君が謝る事じゃないのよ?絢斗の事、聞けてよかったね!」
遥はビールを開けて要に渡しながら言ってくれたがまさかこんな重い話だとは思わなかった。
「そんでさ、箕輪君は絢斗の過去を踏まえてどうしたいのかな~?」
「おい、あんまり箕輪を困らせるなよ。」
絢斗は遥に注意をすると彼女はつまらなそうに頬を膨らませていたが、要は小さい声で少しずつ二人に話しかけた。
「・・・・これからも仲良くしたいです・・・・・。」
「・・・・・・箕輪・・・・・。」
遥は2人の様子を健気に見つめて微笑んだ後、彼女は部屋から出て行き大きいボストンバッグに荷物を詰め込んだ。
「良い雰囲気じゃない・・・そうだ!」
遥は詰め終えた後、2人の所にやって来たが右腕を後ろに隠してニヤニヤした顔だったので要には不思議な顔をされて絢斗に睨まれた。
「なんだよ、気持ち悪い」
「良かったらさ、今日の買い物で福引きがあったんだよね?そして、本当は彼氏と行きたかったんだけど、イジイジしている2人を見たら手助けしたくて・・・」
遥は隠していた手を出して2枚のチケットを取り出した。
「・・・豪華温泉旅館の招待券か?」
「そう、そこに2人で仲良く行ってきなさい!!」
遥は絢斗に強引にチケットを握らすと「おやすみ~!」と爽やかな笑顔で言って客間に向かった。
「・・・・たく余計なお世話だって・・・・・。」
呆れる絢斗を横目に要は見つめていたが絢斗はチケットの場所を見て少し考えた後に要の方を向いて呆れ笑顔で聞いてきた。
「この旅行、一緒に行くか?」
「えっ急にどうして?」
絢斗の考えている事が分からず聞くと彼は寂しそうな笑顔で理由を小さい声で言った。
「・・・さっき話してた木島のお墓が有るんだ。旅行はその次いでだな・・・。」
「・・・・僕が行く理由は?」
要の問に絢斗は目を逸らして少し言いにくそうに呟いた。
「・・・・・お盆の時、行けなかったからあいつに申し訳なくて場所も近いし行こうかなと思って後はチケットが勿体ないし・・・・。」
絢斗の言葉に要は苦笑いをしながら口を開いた。
「お友達なら静雄さんがいるでしょ?」
「遥はお前と行けって言ってるし、もし静雄となんか行けば絶対にあいつはヘタレ野郎って馬鹿にすると思うんだ。」
2人はケラケラ笑い転げる遥を普通に想像出来て要は苦笑を零し、絢斗はイラついた。
「では、お友達として御一緒しましょう。」
「あぁ、有難い。」
こうして2人は墓参りの温泉旅行が決まったがドアから隠れた遥が2人にバレないように覗いてその光景を微笑ましく見つめていた。
「・・・折角、美味い酒が不味くなってごめんな。」
「そっそんな事ありません。僕の方こそ何も知らずに聞いてごめんなさい。」
「箕輪君が謝る事じゃないのよ?絢斗の事、聞けてよかったね!」
遥はビールを開けて要に渡しながら言ってくれたがまさかこんな重い話だとは思わなかった。
「そんでさ、箕輪君は絢斗の過去を踏まえてどうしたいのかな~?」
「おい、あんまり箕輪を困らせるなよ。」
絢斗は遥に注意をすると彼女はつまらなそうに頬を膨らませていたが、要は小さい声で少しずつ二人に話しかけた。
「・・・・これからも仲良くしたいです・・・・・。」
「・・・・・・箕輪・・・・・。」
遥は2人の様子を健気に見つめて微笑んだ後、彼女は部屋から出て行き大きいボストンバッグに荷物を詰め込んだ。
「良い雰囲気じゃない・・・そうだ!」
遥は詰め終えた後、2人の所にやって来たが右腕を後ろに隠してニヤニヤした顔だったので要には不思議な顔をされて絢斗に睨まれた。
「なんだよ、気持ち悪い」
「良かったらさ、今日の買い物で福引きがあったんだよね?そして、本当は彼氏と行きたかったんだけど、イジイジしている2人を見たら手助けしたくて・・・」
遥は隠していた手を出して2枚のチケットを取り出した。
「・・・豪華温泉旅館の招待券か?」
「そう、そこに2人で仲良く行ってきなさい!!」
遥は絢斗に強引にチケットを握らすと「おやすみ~!」と爽やかな笑顔で言って客間に向かった。
「・・・・たく余計なお世話だって・・・・・。」
呆れる絢斗を横目に要は見つめていたが絢斗はチケットの場所を見て少し考えた後に要の方を向いて呆れ笑顔で聞いてきた。
「この旅行、一緒に行くか?」
「えっ急にどうして?」
絢斗の考えている事が分からず聞くと彼は寂しそうな笑顔で理由を小さい声で言った。
「・・・さっき話してた木島のお墓が有るんだ。旅行はその次いでだな・・・。」
「・・・・僕が行く理由は?」
要の問に絢斗は目を逸らして少し言いにくそうに呟いた。
「・・・・・お盆の時、行けなかったからあいつに申し訳なくて場所も近いし行こうかなと思って後はチケットが勿体ないし・・・・。」
絢斗の言葉に要は苦笑いをしながら口を開いた。
「お友達なら静雄さんがいるでしょ?」
「遥はお前と行けって言ってるし、もし静雄となんか行けば絶対にあいつはヘタレ野郎って馬鹿にすると思うんだ。」
2人はケラケラ笑い転げる遥を普通に想像出来て要は苦笑を零し、絢斗はイラついた。
「では、お友達として御一緒しましょう。」
「あぁ、有難い。」
こうして2人は墓参りの温泉旅行が決まったがドアから隠れた遥が2人にバレないように覗いてその光景を微笑ましく見つめていた。
0
お気に入りに追加
108
あなたにおすすめの小説
アルファ貴公子のあまく意地悪な求婚
伽野せり
BL
凪野陽斗(21Ω)には心配事がある。
いつまでたっても発情期がこないことと、双子の弟にまとわりつくストーカーの存在だ。
あるとき、陽斗は運命の相手であるホテル王、高梨唯一輝(27α)と出会い、抱えている心配事を解決してもらう代わりに彼の願いをかなえるという取引をする。
高梨の望みは、陽斗の『発情』。
それを自分の手で引き出したいと言う。
陽斗はそれを受け入れ、毎晩彼の手で、甘く意地悪に、『治療』されることになる――。
優しくて包容力があるけれど、相手のことが好きすぎて、ときどき心の狭い独占欲をみせるアルファと、コンプレックス持ちでなかなか素直になれないオメガの、紆余曲折しながらの幸せ探しです。
※オメガバース独自設定が含まれています。
※R18部分には*印がついています。
※複数(攻め以外の本番なし)・道具あります。苦手な方はご注意下さい。
この話はfujossyさん、エブリスタさんでも公開しています。
振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話
雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。
諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。
実は翔には諒平に隠している事実があり——。
諒平(20)攻め。大学生。
翔(20) 受け。大学生。
慶介(21)翔と同じサークルの友人。
エリートアルファのできちゃった結婚
椎名サクラ
BL
アルファの菅原玄(すがわらげん)はアルファ校の先輩である桐生(きりゅう)の帰国の知らせを受けて、一緒に飲むことになった。最愛の末弟である碧(あおい)の個展が桐生の会社の関連で行われると知ったからだ。だが再会の席で酔いつぶれ間近の玄に桐生が告白してきた。初めて会った時から自分のものにしたかったと。拒否しようとするがそのままホテルの一室に連れ込まれ押し倒されてしまう。抗う玄に桐生は無理矢理に身体を繋げ、玄をビッチングするのだった。
アルファ×アルファ(のちにオメガ)の妊娠→結婚の話です。
「深窓オメガのお見合い結婚」で登場した長兄の話です。
一輝と碧もちょこちょこ登場します。
※エッチは予告なしで入ってきます。
※オメガバース設定ですが色々と作者都合で改ざんされております。
※受けが終始ツンツンする予定です。
※ムーンライトノベルズ様と同時掲載となっております。
不定期更新です、ご了承ください。
更新情報はTwitterで呟いています。
結婚式は箱根エンパイアホテルで
高牧 まき
BL
木崎颯太は27歳にして童貞処女をこじらせているオメガの男性だ。そんなある日、体調を崩して病院に診察に行ったところ、颯太は衝撃の事実を知らされる。妊娠。しかも10週目。だけど、当日の記憶が何もない。いったいこの子の父親は?
オメガバースものです。
イケメンエリート軍団の籠の中
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
唯一の女子、受付兼秘書係が定年退職となり
女子社員募集要項がネットを賑わした
1名の採用に300人以上が殺到する
松村舞衣(24歳)
友達につき合って応募しただけなのに
何故かその超難関を突破する
凪さん、映司さん、謙人さん、
トオルさん、ジャスティン
イケメンでエリートで華麗なる超一流の人々
でも、なんか、なんだか、息苦しい~~
イケメンエリート軍団の鳥かごの中に
私、飼われてしまったみたい…
「俺がお前に極上の恋愛を教えてやる
他の奴とか? そんなの無視すればいいんだよ」
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる