哀しい兎に笑ってほしくて

卵丸

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家族との関係

グレア

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グレア・・・Domの威嚇、強いDomのグレアに当てられると弱いDomは身体が震えて怯えてしまう。(Subも同様)※今回は特殊設定でグレアに当たるとDomでも命令に従ってしまう場合もある。

俺は中村陸の言葉に固まっていた。つまり・・・俺のレイプを手伝う事に動揺したし、普通に巻きこまれるのは誰だって嫌なのにどうしてと思ったのが顔に出ていたのだろう中村陸はクスッと笑い「わかりやすい」と呟いた。

「・・・・・過去に決着をつける圭兎君がかっこよくてね。だけど作戦が間抜けだから手伝わせてよ。」

「・・・・・・・・・。」

『やっぱ、こいつムカつく・・・。』

俺が言われた事による不満で唇を尖らせてるのを見て「キスしたいの?」とからかってきたので「ちげーわアホ!」と怒鳴っといた。

「・・・・でも、個人的には圭兎君を汚したくないんだよね・・・・。」

「えっでも、証拠を取るには俺が囮にならなくちゃ意味が無いだろ?」

俺が困惑しながら言うと中村陸は怒った顔をして俺の両頬を引っ張った。結構強めだったので凄く痛かった。

「にゃひすんだよ!」

「・・・自ら汚れなくていいんだよ。・・・まぁ、演技はしてほしいけどね。」

「へ・・・へぇんぎ?」

アイツは伸びた俺の顔を静かに笑いながら頬を離すと自分の机に向かい引き出しから1冊の青いノートを取り出して俺ベッドの横に座りノートを広げてペンを持った。

「今から圭兎君の動画削除作戦の会議をしよう。」

「・・・はい?」

「まずは咲真君だっけ?その子に今までの動画を消すように命令しよう!」

「・・・・あー・・・・・言ってなかったけど咲真はDomだよ。」

「・・・・・・成程・・・まぁ、俺は結構強いDomだからどうにかなるでしょ。」

「はぁ!?適当かよ!」

「確かにそうだね。・・・でも、圭兎君は傷つけさせないって約束するよ。」

中村陸の真剣な顔に少し胸が高鳴った気がしたが「気のせいだ」と思いながら見つめているとアイツがいきなり俺の手を掴んで囁いた。

「だからさ、自分から傷つく行動はしないで・・・約束できる?」

「・・・・・分かった」

「良かった・・・じゃあ、指切りげんまんしよ?」

「はぁ?小学生かよ!!」

「しないの?」

「しねぇよ、恥ずかしい!」

「・・・・・・"指切りげんまんしよう?"」

「なっ・・・お前!」

不貞腐れながら中村陸が命令をして俺はされるがまま小指を出して指切りげんまんをする羽目になったがアイツは満足そうに歌っていた。

「嘘ついたら針千本飲ーます指切った!」

「・・・・・・・・久しぶりにしたかも」

「そうだろうね。」

中村陸が微笑んだ後に急に立ち上がり「飲み物買ってくる」と言って部屋を出て行ってしまった。俺は欠伸をしてアイツの後ろ姿を眺めていた時に咲真の嫌な笑みを思い浮かべていた。

『中村陸には悪いけど多分・・・咲真に適うはずがない。』

と思いながらも俺は震える手でスマホを操作し咲真に電話をかけると直ぐに出てくれたが昼間からパーティしてるのか外野がうるさくて気分が悪くなった。

「咲真・・・あのさ、GWに友達連れて家に帰るよ。」

***

陸side

俺はとある部屋のドアを強くノックした。中の人は居て直ぐにドアを開けてくれて俺が微笑むと顔を赤くさせてアワアワとテンパっていて少し面白かったが今から交渉するために真面目な顔をして咳払いをしてからその人に話した。

「手伝って欲しい事があるんだけどいいかな?」

その人は更に大きい目を見開いてキョトンとした表情をしていた。

***

圭兎side

GWの初日、俺は中村陸と一緒に実家に帰るために電車に乗った。アイツはスマホで調べて驚いていた。

「えっ3時間も乗らなきゃ行けないの?」

「・・・遠い方が良かったからね。」

中村陸は目を見開きながらスマホを弄っていたので俺は少しだけ寝る事にした。
久しぶりに夢を見た。それはまだ咲真と仲が良い小さい頃に公園の芝生をあの子が走っていた時に昨日雨が降ったばかりで咲真が転んでしまい、痛かったのかギャン泣きをしたので怪我をした右膝を俺が手を翳して「いたいのとんでけ~!」と叫ぶと咲真が涙を浮かべて笑い、あの子は立ち上がって一緒に手を繋いでにこやかに笑っている母さんと父さんがいる日陰の方に歩いた・・・。

「---ねぇ、もうすぐ着くよ。」

中村陸に肩を揺さぶられて目を覚ますと窓から見覚えのある景色が見えて気が重くなった。俺が緊張して溜息を吐くと中村陸が頭を優しく撫でてきたがそれを若い女性達に見られて微笑んでいたので恥ずかしかった。

「やめろよ・・・人前で恥ずかしい。」

「やだ、やめない・・・緊張してるでしょ?大丈夫、絶対上手くいくよ。」

『この自信はどこから来るんだよ!』

「それに少しフェロモン出てるけど頭撫でられて嬉しいんでしょ?」

「・・・・出てねーし。」

「出てるよ」

くだらない会話を続けていると俺の住んでる駅に着いて中村陸は腕を伸ばして「やっと着いた」と小声で呟いて俺の方を向いた。

「・・・・全部、終わらせるよ」

「・・・・分かってる・・・あの動画を削除させてやる!」

こうして俺達は俺の家であるマンションの方にゆっくり歩いていると中村陸がずっとスマホを弄りながら歩いていたので注意した。

「おい、歩きスマホは良くねーよ。」

「・・・・知ってるけど爆弾を歩かせてるから」

「はぁ?爆弾?」

「散歩させるゲームだよ。」

「今する事じゃねーだろ!」

俺が怒鳴ったがアイツは完全に無視をして歩きスマホを止めなかったので「事故してしまえ!」と思いながらマンションに向かった。

***

マンションに着いて俺達が住んでいる番号のドアを確認して俺は息苦しくなった。その様子を中村陸が心配そうに見つめていたが未だにスマホを持っていた。
俺は深呼吸をしてからインターホンを押した。数秒後、ゆっくりドアが開いた。
相変わらず、サラサラの金髪に中村陸といい勝負の顔立ちだが咲真は俺と中村陸を交互に見て鼻で笑った。

「すげぇ、月とスッポンじゃん・・・ねぇねぇアンタが圭兎のセフレ?それともコイツはアンタのオナホ?」

「おっおい、咲真は余計なこと聞くなよ!」

「黙れ肉便器、今はイケメン君と話してんだよ!」

弟の下品すぎる言葉に唖然としていると中村陸が真剣な眼差しで咲真を睨みつけながら凛とした声で口を開いた。

「圭兎君は俺の大切なパートナーです。彼の暴言は控えさせて貰えませんか!」

「・・・・・・・・へぇ、パートナーねぇ・・・。」

咲真は馬鹿にして、また鼻で笑うと「まぁ、上がってよ?」と楽しそうに言ってきたので俺達はゆっくり自分の家に入っていったが中村陸はまたスマホを弄っていた。
その時・・・玄関には咲真のじゃない靴が乱暴に置いてあってゾッとしてしまった。

『俺の勘が当たりませんように・・・。』

その願いも虚しくリビングに向かうとそこには最初に俺を襲った茶髪のウルフカット男と短髪の金髪男が嫌な笑みを向けてソファに座っていた。

「ウサちゃんお久~」

「咲から連絡あった時から俺のムスコ勃起しててさぁ~早くフェラしてよ~!」

「ひぃ・・・!!」

俺は怖くなって後退りすると中村陸が俺の右手を繋いで微笑んでくれた。

「なになに、ウサちゃんの彼氏~まさかの4P?」

「・・・俺は兎君じゃなくて彼ピに咥えて貰おうかな~?」

2人はギャハハと下品に笑っていると中村陸がこの場に似つかない爽やかな笑顔で2人に話しかけてきた。

「ねぇ、ラパンちゃんの動画って誰が上げてんの?」

すると2人はキョトンとした後にウルフカットがニヤニヤしながら咲真を指さした。

「咲真だよ。まっさか、お兄ちゃんのレイプ動画をAVにして売るなんて思ってなくてさ。マジで頭がサイコだろ!」

「うるせぇな、圭兎は犯されて当然だよ!・・・でイケメン君はラパンの動画が欲しい訳?それならきちんと金を払って・・・」

「圭兎君、"目を閉じて、耳を塞いで!"」

「はぁ?」

「いいから早く!」

いきなり中村陸が俺に命令して慌てて目を閉じて両手で耳を塞ぐとアイツの顔が見えなかったがDomの物凄く強い圧を感じて身体中が一瞬で冷えていった。

***

陸side

「"今すぐ動画を全部消せ!!"」

俺は圭兎君が安全なのを確認して咲真達にグレアを放って命令するとソファに座った2人はグレアの圧に負けて青白くなりながら目を真っ白にさせて気絶したが咲真は汗だくで全力で運動をした後のように息を吐いていたが命令に従ってくれなかった。

「・・・おまぇ・・・タダじゃおかねぇぞ・・・・。」

咲真は充血した目で項垂れながら俺を襲いかかろうとした瞬間、俺は全力で叫んだ。

「裕太君!!」

俺が叫ぶと全力で走る足音が聞こえてきて、きっと咲真たちの会話が聞こえていたのが分かるように俺よりもDomの圧が強い裕太君が咲真を爛々と睨みつけて命令した。その時、俺も彼の圧にやられてしゃがんでしまったが目を閉じ、耳を塞いだ。

「"動画を全部消せ!!"」





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