哀しい兎に笑ってほしくて

卵丸

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家族との関係

綺麗に丁寧に ※少し性描写有り

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中村陸は泡だらけの手で腕と肩を丁寧に洗うから変な気分になって落ち着かなかった。

「あのさ・・・身体ぐらい自分で洗うけど?」

「それじゃあ意味ないの」

「・・・・・。」

本気で意味がわからなくてため息をつくとアイツが俺の腹を擦ってきたので少し驚いてしまった。

「なっやめろ!」

「・・・だいじょーぶ・・・洗うだけだから」

「・・・手つきがやらしいんだよ。」

俺が睨みつけてもアイツはニヤニヤしながら腹回りを洗い、何故か臍を指で弄った時は恥ずかしくて顔を赤くしたのを自覚してしまった。・・・後々分かっていたがアイツは俺が恥ずかしがる事が好きなので臍を洗った後に両手が俺の胸に触れた。
先に指で乳輪を優しく撫でると次に乳首を摩って洗ってきたので悔しいが立ってしまった。
取り敢えず、中村陸にバレないように下唇を噛み締めてやらしい声を出さないように必死に耐えた。


「・・・・・ん・・ふぅ。」

「・・・・声、我慢してる?」

「がっ我慢なんてしてな・・・アッ!?」

いきなり中村陸が俺の立っている右乳首を指で弾いたので高い声を上げてしまって死にたくなった。俺の声を聞いたアイツは肩を震わせて俺と同じように下唇を噛み締めて笑うのを耐えていた。

「・・・・くく・・・・・」

「・・・・マジ死ね!!」

俺は立ち上がりシャワーで泡を流すと風呂場から出ていこうとしたがアイツが止めようと声をかけた。

「ごめんって、それに髪洗ってないでしょ?」

それもムカついたので俺は温度を下げて冷水にするとシャワーを出して中村陸の身体にぶっかけた。

「にぎゃ!?」

変な叫び声に満足して出ていこうとしたらアイツがコマンドを放って床にペタンと座ってしまった。

「Kneel(お座り)・・・ちょっと調子乗ってた。ごめん・・・スポンジで洗うわ。」

「いや、普通に自分でやりたいけど」

「・・・・髪は洗ってあげたい」

「どうして、そんなにこだわるんだよ。」

すると中村陸が湯船の方に目を逸らして小さく呟いたがその言葉が意味不明すぎた。

「・・・だって圭兎君が汚いって言うから、俺が洗ったら汚くないかなと思って・・・。」

「・・・・マジで分からん。」

「俺も何いってんだろ・・・・取り敢えず言える事は汚いとか言わないでよ。」

「・・・・・・・それって命令か?」

いきなり優しい言葉に惑わされてはいけないと思いながら俺は慎重に言葉を選んでアイツに話すと何故か一瞬だけ悲しい顔をしたが直ぐに微笑んで言った。

「そう、命令」

俺はため息を吐いた後に立ち上がろうとしたがコマンドをされていたので立ち上がれないのに気づき睨みつけるとアイツは「立ち上がって」と言ってくれたので何とか立つことが出来た。

「・・・・髪洗うね?」

「・・・・・・・・・。」

俺は納得いかなかったが後が面倒くさそうなので椅子に座るとシャワーをかけられたが冷水のままだったので冷たくて「わぎゃ!」と悲鳴を上げてしまい中村陸は耐えること無くゲラゲラ笑い凄くムカついた。だけどアイツは俺の頭を丁寧洗い美容師顔負けで気持ち良かった。
そしてシャワーで泡を落とすとタオルで落ちないようにしっかり目に巻いてくれた。

「次は身体を洗うね?」

「自分でやるからやめろ」

「・・・次は胸触らないから・・・。」

「ぜってーヤダ!」

俺は完全に無視をしてスポンジで体を洗っていると中村陸が背後から俺の両頬を掴んでぐにぐに揉んできやがった。

「うぐぅ・・・何すんだよ!?」

「・・・顔マッサージ」

「いまぁいらへぇよ!?」

「何言ってるか分からない」

『こいつ!!』

中村陸が楽しそうな顔で言ったので腹立ちながらも俺は必死で身体を洗い何とか終わらせて、やっと湯船に浸かるとアイツも対面で入ってきてお湯が結構溢れて流れた。

「お前、洗ってないじゃん!」

「今日は圭兎君を綺麗にする事が目的だからそれでいいの。」

「意味わからん!」

「でも、今は汚くないでしょ?」

「お前が入ったから汚れた。」

「何それ、酷い!」

実にくだらない会話を続けていると中村陸が何故か穏やかな表情で見つめてきたのでむず痒くなり、そっぽを向くとアイツが絶対に俺が言わない事を言ってきた。

「入ってほしい時は言ってね?」

「・・・・・・ねーよバーカ」

俺の暴言が気に食わなかったのか中村陸が両手を湯に浸けて指で鉄砲を作り俺の顔にピュッとお湯をかけた。俺が慌てるのを見て笑いとても不愉快だった。

パジャマに着替えた後に中村陸がタオルを持ってきて強く頭を拭いてきたので慌てたがアイツは鼻歌を歌いながら俺を椅子に向かわせた。そしてドライヤーのコンセントを付けて俺の頭をガシガシ触りながら髪の毛を乾かしてきた。

「自分で出来るけど!」

「・・・今日は全部したい気分なんだよ。」

「・・・あっそ」

俺は諦めてアイツが満足するまで抵抗しないでいると完全に乾いたのか頭を優しく撫でた後に手では無い物が俺の後頭部に軽く触れた。

「・・・何したの?」

「・・・・・なんだろね?」

「・・・・・・・・・。」

俺は少しだけ怖くなり後頭部を撫でると何ともなくて安心した。納得はいってないが一応、お礼を言ったが中村陸が後ろを向いていたのでどんな顔をしていたか分からなかった。

***

陸said

圭兎君の丸い後頭部に顔を近づかせてキスをした。・・・理由は特に無いが・・・・・彼から少しフェロモンが漏れていた。

『頭に触れるのが嬉しいんだ。』

俺はニヤついた顔を圭兎君に見せないように後ろを向いてベッドに座りスマホを手に取った。
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