哀しい兎に笑ってほしくて

卵丸

文字の大きさ
上 下
20 / 35
家族との関係

汚い存在

しおりを挟む
圭兎side

俺は咲真の友達に犯され終わった後に中村陸の後ろ姿を見つけ、躓きかけながらも走りアイツの元に向かってアイツの名前を叫ぶと中村陸が振り向いたが俺を見た途端、嫌そうな目で見つめていたので混乱しながら自分を見ると全身が精液で汚れていて後孔からどろりと精液が沢山垂れて太腿に伝っているのを中村陸が見つめながら舌打ちをして一言だけ呟いた。

「気持ち悪い」

***

「ハッ・・・はぁはぁ・・・・ゆめか・・・・・。」

静かなアイツが気になり、ゆっくり背後から近づくと中村陸が見ていた動画はどう足掻いても俺が咲真の友達にレイプされた動画でそれをゲイ向けAVで流されているとは思っていなくて俺はアイツのベッドに吐いてしまった。
その後は覚えてなくて目が覚めると自分のベッドにいて訳が分からなくて混乱していると中村陸の綺麗な顔が目の前にあって驚いて悲鳴をあげると奴が鬱陶しそうに目を開けた。

「ぎゃあああああ!?」

「・・・・・るっせぇな」

「・・・・・・・・なんで一緒に寝てんの?」

「なんでって・・・誰かさんが俺のベッドにゲロをぶちまけたから眠たくなったのに寝れないからお前のベッドで寝たんだよ。」

「・・・あー・・・・ごめん」

「別に怒ってないけど・・・。」

「そっか」

その後、無言な空気になり俺は身体を起こそうとしたが急に気持ち悪くなり、またベッドに逆戻りした。

「あ・・・強制的なコマンド使ったんだよね・・・。」

俺は白黒をさせていると中村陸が子供がするように胸元を優しくポンポン叩いて慰めてきたので少し抵抗した。

「ガキっぽいことすんなよ!」

「圭兎君・・・"ゆっくり寝れた?"」

「・・・・寝れたけど・・・」

「俺さ、お前に眠れって身体を奪うコマンドをしたから体調が不安定だと思うんだ。だから・・・それはごめんね」

「・・・・・なるほど」

すると、アイツは俺の頭をまた優しく撫でて微笑みながら何もしてないのに褒めた。

「Good(良い子)」

確かに俺は嬉しいのには変わりないがなんか心がモヤモヤして黙っていると中村陸が少し戸惑った顔をして聞いてきた。

「あれ?良くなかった?」

「別にそうじゃないけど、何にもしてなにのにどうして褒めたの?」

「・・・褒めると、安心した表情を見せるからかな。」

「俺が?」

「うん、目が潤んで顔を真っ赤にして嬉しそうな顔をしてるから」

「・・・・えっ嘘!?」

「ほーんと」

本当は気づいていて全身が温かくなり褒められると泣けてくる。理由はきっと・・・褒められた事が少ないからだ・・・。

『悔しいけど・・・凄く嬉しい・・・。』

嬉しいが夢を思い出し下唇を噛み締めた後に小さい声で呟いた。

「もういいよ」

「どうして?」

「・・・・俺は汚いからお前が汚れてしまうから・・・・・。」

すると俺の頭を撫でていたアイツの手が止まり俺は「やっぱり」と思いながら目を閉じると直ぐに身体が苦しくなった。理由は中村陸が俺を急に抱きしめたからだ。

「なっ苦し・・・なっなんだよ!?」

「・・・・・汚せるもんなら汚してみろよ」

「・・・・・・・はぁ!?」

アイツのニヤつき笑顔に腹が立ったがもがいた所で更に強く抱き締めてきたので「ぐぇ」と情けなく鳴くとアイツは肩を震わせながら声を殺して笑ったので出来るだけ中村陸の足を必死に蹴った。

「・・・・汚されたんなら俺が汚して綺麗にしてあげる。」

「それって日本語おかしくないか?」

中村陸の訳分からん言葉に混乱しているとアイツは俺を抱きしめながら更にとんでもない言葉を囁きやがった。

「今日の夜、一緒にお風呂に入ろう?」

「・・・・・・・・・・・・はい?」

***

俺は意味が分からんし普通に裸を見られるのが嫌だったので1階にある宿泊届の紙を取りに行こうとしたが中村陸に「8時に一緒に入ろうね?」と命令された。

「・・・もし破ったら・・・・流石に分かるよね?」

中村陸の爽やか笑顔が逆に怖くて俺は夜の8時になりアイツと嫌々、お風呂に入る羽目になった。俺は体が重いまま、ゆっくり服を脱いでいると脱ぎ終わった中村陸がつまらなそうに言ってきた。

「まだシャツ着てるの?」

「・・・・うるせぇ」

俺は何とか脱ぎ終えて男子が二人が入るには少し狭さを感じる風呂場に向かうのは結構、滑稽で苦笑を零しながら桶に浴槽のお湯を入れて身体にぶっかけた後に入ろうとすると中村陸がコマンドを発した。

「Stop(止まれ)!!」

「はっ・・・なんで!?」

俺は固まっていると中村陸がボディソープを出して両手で泡立てると「座って」と命令され椅子に座るとアイツの泡だらけの手が俺の肩を掴んだ。

「今から洗って綺麗にするね。」

また中村陸の屈託の無い笑顔に俺は身体を震わせ怯えることしか出来なかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?

桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。 前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。 ほんの少しの間お付き合い下さい。

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

処理中です...