哀しい兎に笑ってほしくて

卵丸

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最悪な関係

話し合い

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電話の向こう側からまさか俺が出るとは思ってなくて慌てた声が聞こえ俺はため息を吐くのを堪えて相手に話した。

「・・・圭兎君には何もしてないよね?」

「しっしてないよ!」

「・・・・良かった・・・・結構、Domフェロモンを浴びてたから・・・酷い目にあってないか・・・。」 

『あれ?俺アイツの事を心配してるんだ?』

きっと、アイツの怯えた姿を知っているから俺も不安になってたと思う。すると悠太君が掠れた声で聞いてきた。

「あっ・・・あの、柊君は・・無事なの?」

「ああ、今はぐっすり寝てるよ。」

「・・・・・・・・・・ごめんなさい」

「・・・別に君が悪い訳じゃないし、それに水曜日あの時に君がDomだって気付いてたのに易々と向かわせた俺も悪いし・・・。」

「・・・僕の方こそダイナミクス関係無く誘ったのが悪かったから聞いとけば良かったよ・・・。」

「・・・次、泊まる時は抑制剤を飲みなよ?」

「・・・・・分かった。」

「じゃあ、切るね。」

「・・・・中村君、ありがとう」

「・・・・・・・・・。」

俺は悠太君のお礼に無言で返して電話を切ると起きたのか圭兎君が鋭い目で俺を睨みつけてきたので深い溜息を吐いた。

「睨まないでよ?」

「俺のスマホだろ返せよ!!」

俺はアイツのベッドにスマホを放り投げると「投げんな!」と怒鳴られたが無視をしてアイツのベッドの隅に座り目を合わせて命令と言うか言葉を放った。

「"話し合いをしよう"」

「!?」

圭兎君は目を見開いて口を金魚のようにパクパクさせてるのを見て俺は笑うのを堪えながらアイツに微笑んで俺から口を開いた。

「"悠太君のフェロモンを嗅いだ時どんな気持ちだった?"」

俺の質問に圭兎君は俯き加減のまま小声で答えてくれた。

「・・・怖かった。」

「どうして?」

「・・・・友達に支配されたくなかった。」

『確かに友達からの命令は嫌だよなぁ。』

「圭兎君、俺に質問はある。」

「・・・どうしてスマホが2台もあんの?」

「あれは爺ちゃんと婆ちゃんがまさか高校デビューで被ってくれたやつなんだよ。・・・2人とも相談して買えよな・・・。」

「・・・だからってわざと置いて俺を騙すなんて・・・悪趣味だな。」

「え~あれは圭兎君がちゃんと言うこと聞かないのが悪いでしょ?」

「・・・・・・ッチ」

俺はアイツに近づいて更に質問しようとしたがこれはプライバシーにかかるので1つ提案する事にした。

「圭兎君、safewordを考えよう。」

「・・・・・・・・・・今更?」

「そう、今更」

「じゃあ、中村陸」

「以外で考えよっか?」

「・・・・・・・"助けて"」

「・・・まぁいっか、じゃあ、質問するね?」

「・・・・・・・。」

アイツは怪訝そうな顔で俺を見ていたが気にせずに深呼吸をしてから目を見て質問をした。

「前に寝言で聞いたんだけど咲真って彼氏?"say"(教えて)」

「・・・・違う、弟」

アイツはバツ悪そうに答えたので少し気になり弟について掘り下げた。

「弟とは仲はいいの?やめてって言ってたけど何かあったの?」

「・・・弟とは仲は悪くて、次のやつは言えない・・・助けて」

「・・・・・・お母さんとは何かあったの?"say"(教えて)」

「・・・・・・助けて」

「言えないのか・・・じゃあ、最後の質問、俺との関係は続けたい?"say"(教えて)」

その質問をした時にアイツは顔を真っ赤気染めて目を泳がせて時間をかけながら小さい声で呟いた。

「・・・・・・・・・・・・ちゃんと・・出来た時に・・・・・褒めてくれるなら・・・・・・・・・良いよ。」

その後、恥ずかしかったのかアイツは布団に潜り込んで丸まってしまった。

「出てきたら?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

俺は深い溜息を吐いたあとに成る可く優しい声で丸まった圭兎君に近づき、多分顔だと思う所で囁いた。

「出てきたら褒めてあげる」

すると膨れ上がった布団がビクリと微かに動いてゆっくりと頭半分だけ出てきた。その時、圭兎君の目が恥ずかしさで泳いでいたので少しだけ吹き出してからアイツの頭をゆっくり丁寧に撫でてあげた。

「Good(良い子)」

その単語だけでアイツの瞳は蕩けたように潤んでいてフェロモンを放出したので俺は慌ててその部屋から出る事にした。

「・・・・危なかった・・・・・」

『後、少しでヤバイコマンドを放つ所だった。』

俺は仕方なく友達の部屋に泊めてもらう為に電話をかけると許可を貰い直ぐに部屋に向かうと奴はニヤニヤ笑いながら口を開いた。

「あ~あ、陸はゴミ出し決定だな!」

「・・・・・・・・・・。」

俺は奴の隣で座っている下着姿の女子と一緒に写真を撮ると奴は慌てて俺に謝った。

「すんません!!言わないので写真を流さないでください!!」

「・・・・失礼しまーす。」

奴こと澤村 誠司さわむら せいじは深い溜息を吐いた後に彼女に服を着替えるように指示をして帰らせた。

「・・・・で、何があった訳?」

誠司の三白眼が俺を逃がさないように見つめてきたので俺は目を伏せながら圭兎君の事を話した。

「・・・・俺の同室の奴がSubでSub女子達と遊ばなくて良くなったと思ったらトラウマが有りそうな奴だった。」

誠司はコーラをガラスコップに注いでテーブルに置きながら一言言った。

「そんなドラマみたいな事があるんだな」

「あるんだよ」

「まぁ、泊まらせる代わりにその話聞かせてよ?」

「別にいいけど同室の奴は?」

「彼女のとこでお泊まり~。」

「風紀乱れてんな。」

「お前が言うな!」

俺は誠司に思いっきり頭を叩かれて納得いかずにコーラを飲んだ。
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