お姫様になってもいいですか?

卵丸

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観覧車

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関節キス事件が有りながらも、僕達は遊んだ。 特にゲームセンターが個人的には面白かった。
八雲先輩はなんと太鼓のゲームが苦手らしく良より不可が多すぎて僕は少し笑い藤野先輩は大爆笑していた。

「アヒャヒャヒャ、恭弥酷すぎにも程があるやろー!」

「なんだよ!じゃあ、お前は得意なのかよ」

「おう おう おう、めっちゃ得意やでぇー・・・マキちゃんもやるか?」

「えっでも」

「ええやん、楽しもうや!」

藤野先輩にバチを渡されて、僕は渋々太鼓のゲームに挑んだ。 八雲先輩より叩けたけどレベルが簡単なので、何も言えないが藤野先輩はレベルを鬼をしていてフルコンボを叩き出していた。

「まぁ、こんなもんやろ!」

「藤野さん凄いですねー!!」

「せやろ、せやろ もっ~と褒めてもええんやで?」

「ワァースゴイナ、フジノカッコイイ」

「棒読みにも程があるやろ!!」


次にプリクラを撮ったが機能が全然分からなかった。

『変顔で撮ってね!3・2・1』

「へっ変顔?」

「マキちゃん取り敢えず、舌出し!」

「えっと・・・カメラはここか?」

パシャ

撮れた写真は舌をべーと出してる僕と黒目を上に向けて、歯茎と舌を思いっきり出している藤野先輩とカメラを探して変顔が出来ていない八雲先輩が写っていた。

「変顔せえや、恭弥のアホ!」

「仕方ないだろカメラ探してたんだから」

僕達は落書きコーナーに入り、写真をスタンプ貼ったり、フレームでオシャレにしたりした。

「ねぇマキちゃん可愛く顔面をデコったんやけど、どうやろ?」

「凄く可愛いです!」

「恭ちゃんは赤いリボン頭に付けたるでぇ~あらまぁ可愛い♡」

藤野先輩がふざけていると、八雲先輩が無言で藤野先輩の頭をハゲ頭にしていた。

「ちょっおまっ何すんねん!」

「何って禿げにしたんだけど?」

「イケメンフェイスを禿げさすな!!」

二人がギャーギャー騒いでて、少し呆れてしまった。

『本当に仲良いんだなぁ・・・。』

八雲先輩が御手洗に行ってる時に藤野先輩がある提案をしてきた。

「アキちゃん今から恭弥と観覧車に乗り!」

「えっどう言う意味ですか?」

「だって、アキちゃんは本当ほんまにせえへんけど、一応恭弥に"ちゅう"するんやし慣れといた方がええと思うんよ!」

「・・・・・二人でですよね?」

その問いに藤野先輩は笑いながら答えた。

「当たり前やろ! ほな俺はカメラ見に行くから、アキちゃんは恭弥のこと誘うんやで!」

無茶な発言を放つと藤野先輩は本当にカメラを見に行ってしまった。

「えぇ・・・ちょ・・先輩!」

『・・・・もういい、ヤケだ。ヤケ!!』



八雲先輩が御手洗から帰って来ると僕は腕を引っ張って先輩に耳元で囁いた。

「八雲さん、藤野さんに内緒で観覧車に乗りません?」

その言葉に八雲先輩は驚いて、僕に話しかけてきた。

「どうした? 藤野と喧嘩でもしたか?」

「・・・・してないですけど、今は二人でいたい・・・・かな。」

『うわーヤケで言ったけど普通に恥ずかしいよお!』

僕は内面アワアワしていたが八雲先輩は爽やかに微笑んで手を握ってくれた。

「・・・・八雲さん?」

「観覧車行こうか!二人っきりで話したい事あるしさ。」

『えっ話したい事?』

僕達は屋外になる観覧車に迎い、八雲先輩が払ってくれて二人でゴンドラに乗ったのはいいが話すことが無いので、箱の中は無の空間だった。

『どうしよう、何を話せばいいんだろうか?』

僕が指をモジモジさせていると八雲先輩から話してくれた。

「マキちゃんはオシャレさんだよね。」

「えっ・・あ・・ありがとうございます」

「・・・・・一つ聞きたいことがあるんだけど」

「なっ何でしょうか?」

八雲先輩は考えた素振りを見せた後、深呼吸をして暴露した。

「藤野は君がなの知ってるの?」

「・・・・・・・えぇ?」

「君、男の子だよね?」

まさかの暴露に戸惑いながら僕は八雲先輩に叫んでしまった。

「どっどうして!!!」

我ながら大きい声を出してしまい八雲先輩は掌で耳を抑えながら、言ってきた。

「いや、普通に声が低いし、喉仏あるから男性かな?と思って・・・。」

メイクで喉仏を目立たない様にしたけど駄目だったみたいだ。

「後・・・君、隠してない?」

すると八雲先輩はハシビロコウの様に僕を睨んできた。イケメンの睨みに僕はビビってしまった。

『まさか・・・先輩・・・・気づいて』

僕は観念して自分の正体をバラすことにした。

「・・・・申し訳ございません・・・・実は・・・・」

「・・・・・やっぱり、そうか」

二人のバラバラな言葉と同時にゴンドラは頂上に着いていた。

「僕、椎名 晃なんです!騙してすみませんでした!」

「藤野を騙してる悪い女?だな!」

「「・・・・・・・・・・・・えっ?」」

戸惑いの言葉はハモった。せっかくの頂上に着いたゴンドラは今下に動いていた。

「・・・・・えっ椎名くん?」

「・・・・はい、椎名です。」

「確かに、メイクをしてるけど顔が椎名くんだ!」

「・・・・・はい、椎名くんです。」

『顔が近い!!』

それから、無言が続き僕達を乗せたゴンドラは到着した。降りるとニヤニヤした藤野先輩がこちらに向かって走ってきた。

「マキちゃん、恭弥との観覧車どうやった?」

「・・・・・・。」

僕が黙っていると藤野先輩は戸惑い始めて「どうしたん?」と聞いてくれたが、藤野先輩の目の前にゴミを見る様な目をしてる八雲先輩が睨んでいた。

「おい 藤野、椎名くんを使って何がしたかったんだ?」

「・・・・・・・・アキちゃん、バレたの?」

僕は無言で頷くしかなかった。



「なるほど、僕に慣れるために態々、藤野のくだらない案にノって可哀想な椎名くんが女装をしてまで遊んでくれたんだね」

「ちょい待ち!くだらないってなんやねん!」

「くだらないじゃないか!態々女装して僕と遊ぶなんて・・・椎名くんも嫌だったでしょ?」

「いっ・・・いえ別にそんな事は・・・・キスシーンの時は女装なので、それにも慣れなきゃいけないので・・・えっと・・・その」

すると八雲先輩は ふはっと笑い、困った顔をして僕に囁いてきた。

「椎名くん、あんまり気を張らなくて良いんだよ。映画を楽しく皆で録ろうよ。」

その言葉に胸がストンと落ちて、僕は笑っていた。

「あははは、映画の事をそんな簡単に言って大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ、皆は役者じゃ無いんだから何回も録り直しする奴もいるしさ!気楽にね。」

僕らが笑っていると藤野先輩は頭をかいて、苦笑いをしていた。

「俺・・・蚊帳の外やん」



僕は電車に乗って帰ってくると今自分がをしているのを忘れて自宅の玄関のドアを開けてしまった。

「ただいまー・・・・」

「おかえり・・・・え?」

「和どうしたの・・・・どちら様?」

二人の姉の困惑した表情に気づき、僕は慌ててしまった。

「えっと・・その・・・えーと・・・・・。」

すると由香里姉さんが驚いた表情で叫んでいた。

「この声は・・・もしかして晃!?」

二人の姉に僕の趣味がバレた瞬間だった。
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