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ワンピース
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僕はとぼとぼ歩いて洋菓子店「lapin」に帰ってきた。僕は裏のドアから入ると甘い匂いを漂っていた。多分次女の由香里姉さんと三女の和姉さんが余った洋菓子を食べているんだろう。僕の予想は当たっており、二人がダイニングでショートケーキを食べていた。
「ただいま」
「おかえり~晃も食べる?」
由香里姉さんが僕に聞いてくれたが今日は断った。
「ごめん今日は要らないかな」
「えぇ~勿体ないな~!」
と言いながら由香里姉さんはショートケーキの次にチョコレートケーキを食べ始めた。由香里姉さんのお腹はくびれがある程スタイルがいいのに沢山食べるので相変わらずの異次元胃袋だなと思った。
「あっ!アキくん荷物届いてたから部屋の前に置いといたよ!」
和姉さんが僕に教えてくれた。僕は多分あの荷物だと思いニマニマ笑顔が姉達にバレないようにお礼を言った。
「ありがとう姉さん!」
*
僕は荷物を持って自分の部屋に入り早速、荷物を開けた。僕が思ってた通りピンク色の花柄のガーリーなワンピースが入っていた。僕は心を躍らせながら、鏡の前に立ちワンピースを合わせてみた。
『多分この組み合わせだとゆるふわ系のツインの三つ編みが似合うだろうなぁ。』
僕は茶髪の髪が長いウィッグを三つ編みにした後、ワンピースを着て軽くメイクをしてウィッグを被りまた鏡の前に立ってみた。
「やっぱりこのワンピースにはメイクはナチュラル系が似合うな」
僕が満足しているとピコンとスマホが鳴った。スマホを手に取ると藤野 鈴矢
先輩からだった。もしもの為に個人のと映画サークルのグループのを入れられたのだ。
『これからも仲良くしよな!アキちゃん』
そこにひよこの「よろしくピヨ」とスタンプが送られていた。僕は仕方なく返信をする事にした。
『こちらこそ、よろしくお願いします』
一応、映画サークルの方を見ると連絡が入っていた。送り主は僕と同じ一年の女性からだった。
『明日、男性の方荷物を運ぶのを手伝ってほしいです!』
*
授業が終わり男性達はサークルに届いたダンボール箱を運んだが凄くでかいので交代しながら、ダンボール箱を映画サークルの部室まで運んだ。
「皆さんありがとうございます!」
手伝ってほしいと頼んだ柚希 夏帆 さんはお礼を言うとダンボールを開けた。中身は真っ白い背もたれ付きのオシャレなテラスベンチだった。
「ジャーン!映画撮影の小道具としてどうですか?」
柚木さんは笑顔で紹介したが映画サークルのリーダーが苦い顔をして僕達の気になることを聞いてくれた。
「柚木さんこれは自腹それともサークルの部費?」
「勿論、自腹と部費半々です!」
まさかのドヤ顔で答えたので、リーダーを含め僕達は呆れるしかなかった。
「どうして相談無しに買ったんだ。」
「いえ、相談はしましたよ藤野先輩に」
柚木さんが答えるとリーダーが藤野先輩を睨んだ。それを藤野先輩は慌てて言い訳した。
「ちゃうねん!あんな柚ちゃんが映画の小道具を買いたいゆうてな、あんま部費使うことないから、少しだけええよって言うて・・・」
「結局言ってんじねーか!」
リーダーが藤野先輩にデコピンを食らわせた。
「あいた!」
藤野先輩は大袈裟に「いたたた!」と叫んでいた。
それを無視したリーダーが溜め息をつくと柚木さんに注意した。
「柚木さん部費を使う時は藤野とかじゃなく絶対に俺に言う事!わかった?」
柚木さんはすこし申し訳なさそうに謝った。
「はぁ~い、すみませんでした。」
謝った後ペロリと舌を出した。その顔にリーダーはやれやれと微笑んだ。
『僕、少し柚木さんの事苦手かも・・・。でも、このベンチ凄くいいかも』
僕は頭の中でベンチに座って、ワンピースを着ている僕をイメージしてみた。
『うん!ピッタリ合うかも!』
僕はあることを閃いたがバレないように作戦を考えた。
*
白いベンチが届いてから二日後、映画のストーリーの内容を皆で考えた後、僕はリーダーに鍵は僕が閉めると立候補をして鍵を貰い、皆が解散した後に僕は誰もいない部室に入り、リュックから紙袋を取り出した。
「よし、始めるか!」
紙袋からワンピースと三つ編みのウィッグを取り出し、僕はワンピースを着てナチュラルメイクをするとウィッグを被り微調整をした後ワンピースの裾を少し上げてクルリと一回転してみた。
「我ながら可愛いかも!」
僕は早速、机に撮影モードにしたスマホを置き急いで白いベンチに腰を掛けるとおずおずピースサインをしてみた。
写真を確認するとぎこちない顔をしている女装をした男性がいた。
「・・・どうして可愛く撮れないんだろう」
僕の呟きは誰にも拾われないと思って言ったが・・・
「自分が世界一可愛いと思ってないからちゃうか?」
僕はびっくりして声の方を振り向くとニヤニヤしている藤野先輩がいた。
「藤野先輩どうして?」
藤野先輩は部室の中に入ってきて僕の方に近づいて藤野先輩もベンチに腰を掛けてきた。
「いや、アキちゃんが鍵閉めるだけやのに遅いな~と思て部室に行くとアキちゃんが可愛くおめかしをしとるから、こっそり見学しとったんやけど、そしたら泣きそうだったから話しかけたんや・・・余計なお世話やったかな?」
僕はワンピースのギュッと握ると、下を向いて藤野先輩に呟いていた。
「僕可愛いのが大好きだけど、可愛くなれないんです。やっぱり身長がでかいし、喉仏はあるし、中性的な顔じゃないから似合わないんです!」
藤野先輩に言った処でどうにもならないのに迷惑をかけたと思って謝ろうとするとじーと顔を近づけてきた。僕は慌てながら「藤野先輩」と呼ぶと藤野先輩はリュックから淡いピンク色のチークを出して僕の頬に付けたかと思うと次に撫子色の口紅を取り出して「ジッとしといてな」と忠告を受けて、僕はされるがままに唇を口紅で塗られた。
「うん、元から可愛ええけど更に可愛なったで!ほら見てみ?」
藤野先輩は僕に手鏡を渡してきたので鏡の中の自分を見ると、自分とは思えない可愛い女の子がいた。
「・・・これが・・・・僕?」
「アキちゃんこっち向いて」
僕は感動していると藤野先輩に言われ先輩の方を向くとパシャリとスマホのカメラで撮られた。
「ちょっと先輩!」
「アキちゃん自分に自信持ち自分可愛いで!」
藤野先輩がスマホの画面を見せてくれると三つ編みが靡き、 頬を赤く染めているあどけない少女がそこにいた。 僕は呆然としていると藤野先輩はスマホをベンチに置いて、僕の手を取りいつも通りのにこやかな笑顔で僕に提案してきた。
「自分めっちゃ可愛いやん!よろしかったら俺のマネキンになってくれへんか?」
僕はその告白に唖然とするしかなかった。
「ただいま」
「おかえり~晃も食べる?」
由香里姉さんが僕に聞いてくれたが今日は断った。
「ごめん今日は要らないかな」
「えぇ~勿体ないな~!」
と言いながら由香里姉さんはショートケーキの次にチョコレートケーキを食べ始めた。由香里姉さんのお腹はくびれがある程スタイルがいいのに沢山食べるので相変わらずの異次元胃袋だなと思った。
「あっ!アキくん荷物届いてたから部屋の前に置いといたよ!」
和姉さんが僕に教えてくれた。僕は多分あの荷物だと思いニマニマ笑顔が姉達にバレないようにお礼を言った。
「ありがとう姉さん!」
*
僕は荷物を持って自分の部屋に入り早速、荷物を開けた。僕が思ってた通りピンク色の花柄のガーリーなワンピースが入っていた。僕は心を躍らせながら、鏡の前に立ちワンピースを合わせてみた。
『多分この組み合わせだとゆるふわ系のツインの三つ編みが似合うだろうなぁ。』
僕は茶髪の髪が長いウィッグを三つ編みにした後、ワンピースを着て軽くメイクをしてウィッグを被りまた鏡の前に立ってみた。
「やっぱりこのワンピースにはメイクはナチュラル系が似合うな」
僕が満足しているとピコンとスマホが鳴った。スマホを手に取ると藤野 鈴矢
先輩からだった。もしもの為に個人のと映画サークルのグループのを入れられたのだ。
『これからも仲良くしよな!アキちゃん』
そこにひよこの「よろしくピヨ」とスタンプが送られていた。僕は仕方なく返信をする事にした。
『こちらこそ、よろしくお願いします』
一応、映画サークルの方を見ると連絡が入っていた。送り主は僕と同じ一年の女性からだった。
『明日、男性の方荷物を運ぶのを手伝ってほしいです!』
*
授業が終わり男性達はサークルに届いたダンボール箱を運んだが凄くでかいので交代しながら、ダンボール箱を映画サークルの部室まで運んだ。
「皆さんありがとうございます!」
手伝ってほしいと頼んだ柚希 夏帆 さんはお礼を言うとダンボールを開けた。中身は真っ白い背もたれ付きのオシャレなテラスベンチだった。
「ジャーン!映画撮影の小道具としてどうですか?」
柚木さんは笑顔で紹介したが映画サークルのリーダーが苦い顔をして僕達の気になることを聞いてくれた。
「柚木さんこれは自腹それともサークルの部費?」
「勿論、自腹と部費半々です!」
まさかのドヤ顔で答えたので、リーダーを含め僕達は呆れるしかなかった。
「どうして相談無しに買ったんだ。」
「いえ、相談はしましたよ藤野先輩に」
柚木さんが答えるとリーダーが藤野先輩を睨んだ。それを藤野先輩は慌てて言い訳した。
「ちゃうねん!あんな柚ちゃんが映画の小道具を買いたいゆうてな、あんま部費使うことないから、少しだけええよって言うて・・・」
「結局言ってんじねーか!」
リーダーが藤野先輩にデコピンを食らわせた。
「あいた!」
藤野先輩は大袈裟に「いたたた!」と叫んでいた。
それを無視したリーダーが溜め息をつくと柚木さんに注意した。
「柚木さん部費を使う時は藤野とかじゃなく絶対に俺に言う事!わかった?」
柚木さんはすこし申し訳なさそうに謝った。
「はぁ~い、すみませんでした。」
謝った後ペロリと舌を出した。その顔にリーダーはやれやれと微笑んだ。
『僕、少し柚木さんの事苦手かも・・・。でも、このベンチ凄くいいかも』
僕は頭の中でベンチに座って、ワンピースを着ている僕をイメージしてみた。
『うん!ピッタリ合うかも!』
僕はあることを閃いたがバレないように作戦を考えた。
*
白いベンチが届いてから二日後、映画のストーリーの内容を皆で考えた後、僕はリーダーに鍵は僕が閉めると立候補をして鍵を貰い、皆が解散した後に僕は誰もいない部室に入り、リュックから紙袋を取り出した。
「よし、始めるか!」
紙袋からワンピースと三つ編みのウィッグを取り出し、僕はワンピースを着てナチュラルメイクをするとウィッグを被り微調整をした後ワンピースの裾を少し上げてクルリと一回転してみた。
「我ながら可愛いかも!」
僕は早速、机に撮影モードにしたスマホを置き急いで白いベンチに腰を掛けるとおずおずピースサインをしてみた。
写真を確認するとぎこちない顔をしている女装をした男性がいた。
「・・・どうして可愛く撮れないんだろう」
僕の呟きは誰にも拾われないと思って言ったが・・・
「自分が世界一可愛いと思ってないからちゃうか?」
僕はびっくりして声の方を振り向くとニヤニヤしている藤野先輩がいた。
「藤野先輩どうして?」
藤野先輩は部室の中に入ってきて僕の方に近づいて藤野先輩もベンチに腰を掛けてきた。
「いや、アキちゃんが鍵閉めるだけやのに遅いな~と思て部室に行くとアキちゃんが可愛くおめかしをしとるから、こっそり見学しとったんやけど、そしたら泣きそうだったから話しかけたんや・・・余計なお世話やったかな?」
僕はワンピースのギュッと握ると、下を向いて藤野先輩に呟いていた。
「僕可愛いのが大好きだけど、可愛くなれないんです。やっぱり身長がでかいし、喉仏はあるし、中性的な顔じゃないから似合わないんです!」
藤野先輩に言った処でどうにもならないのに迷惑をかけたと思って謝ろうとするとじーと顔を近づけてきた。僕は慌てながら「藤野先輩」と呼ぶと藤野先輩はリュックから淡いピンク色のチークを出して僕の頬に付けたかと思うと次に撫子色の口紅を取り出して「ジッとしといてな」と忠告を受けて、僕はされるがままに唇を口紅で塗られた。
「うん、元から可愛ええけど更に可愛なったで!ほら見てみ?」
藤野先輩は僕に手鏡を渡してきたので鏡の中の自分を見ると、自分とは思えない可愛い女の子がいた。
「・・・これが・・・・僕?」
「アキちゃんこっち向いて」
僕は感動していると藤野先輩に言われ先輩の方を向くとパシャリとスマホのカメラで撮られた。
「ちょっと先輩!」
「アキちゃん自分に自信持ち自分可愛いで!」
藤野先輩がスマホの画面を見せてくれると三つ編みが靡き、 頬を赤く染めているあどけない少女がそこにいた。 僕は呆然としていると藤野先輩はスマホをベンチに置いて、僕の手を取りいつも通りのにこやかな笑顔で僕に提案してきた。
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