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過去6 R18
しおりを挟むオレは箱からそれぞれ袋を出して、その片方の封をあけると柊の臍に付くぐらい反り返ったそれに、くるくると装着をした。
これは確かにXLじゃないと無理だわ。
「朔?」
なんか不服そうな声が聞こえたので、顔をあげてその顔をみる。
「朔の方こそなんか慣れてる」
「あ~、オレの学校、って言うか、オレらみたいな身体に不自由なところがあるやつって」
自分のにも装着しながらそう続ける。
普通の会話になっても萎えないお互いのものを見ながら、若いって素晴らしいなんて思いながら。
「性犯罪に遭うことが多いから、中学生の時から性教育の時間が多いんだよ」
肩を引き寄せ、柊の身体ごと後ろ向きに倒れる、さっきまでと違う素肌同士の触れ合いに、ドキドキして柊の心臓の上に手のひらをあてると、同じような早い鼓動が聞こえる。
「だから、ゴムの使い方とかも詳しく聞いたし、器具使って練習したり、でも実際に使うのはじめてだから、サイズとかわかんなかったんだけど」
あのLサイズどうしよう?智にでもあげるか?
「智も身長高いから多分Lじゃ…って、今する話じゃない」
不機嫌そうに、そう言った口が、すぐにオレの口を捕え、舌を絡めらにくる。
「ふぁ、ふぁああっ、はげっしっ」
「…イッ」
一通り貪ぼると、身体を横向きに返されその腕に枕を抱かされ、腰の下にもクッションが当てられた。
「しっかり握っておけよ」
後ろから抱き込まれ、全身をゆっくりまさぐった大きな手は、オレの蕾へとたどり着いた。柊の手で触れられるとどこもかしこも気持ちいい。
「っん」
身体が一段と跳ねた。
「朔、これ…」
入口をほぐし、少し指を入れながら問いかけてくる。
「…んっ、ふっ、ろっで、じゅん、びした、からっ」
背後でヒュッと息をのんだ気配がしたけど、それどころじゃない。
確かめるように、ローションをまとった柊の指がゆっくりと入ってくる。
「次からは、最初からオレが準備する」
ゆっくり、ゆっくりとオレの中を柊の指が動く。
バスケットボールを握る強さも、手を握るときにオレの指を離さないと絡める強さも今は無い。
ただ、ひたすら優しく、優しく。
「ふぁ、んっしゅ、しゅう、しゅうぅぅ」
オレは喘ぐことしか出来なくて、
「んっ!!!!」
ある一点を指がかすった瞬間に、一際大きな声が出た。
「ここか…」
いつの間にか二本に増やされた指がバラバラと、その部分を攻めたてる。
「あっ、もう、オレっがまっあっ」
思わず、自分のを掴もうとした手を止められた。
「いかっいかせて、もう、がまっ、で、きっなつ」
「朔、先にいくとしんどい、もう少し我慢して、俺もっ」
「しゅっも、つらそっ、オレもっだいじょうだからっ」
指はいつの間にか三本になっていた。
早く、早く、早く、
「1つになりたいっっ」
指が抜かれ、その刺激に「あっ」と跳ねた腰を掴みながら、早急に
でも、ゆっくりと柊のものが入ってくる。
「もっと、もっと奥にっ」
ハクハクと息をしながら、顔を後ろに向けると、すぐに唇があわさり、と同時に、ドスっと奥まで刺激が届いた。
「~っアッっアッ」
無意識に握っていた自分のものから、いつの間にか白濁が出ていて、それをさらに柊の手に握りこまれ、ゆっくりと上下に動かされている。
「朔のイキ顔可愛い」
髪を撫でながらそんなこと言うから、顔が熱をもつ。
(柊にはかわいいって言われるの嬉しい)
オレの中で柊が一回り大きくなったと思ったら
トントントンと優しく奥をノックし始めた。
密着している背中を伝わる汗で柊も余裕がないのがわかる。
「もっ、うごって、いっから、しゅ、お、い」
「ンッ」
タンタンタンと優しく打ち付けられる音はしだいに
パンパンパンと激しい音に変わる。
脇の下から入ってきた柊の両腕が抱えるように、オレの背中を後ろに反らし、腰を打ち付ける速度が早くなる
最初はくすぐったかったオレの尻をこする柊の下生えの刺激も、もう快感にしか感じない。
「…ンッ、フッ、アッ、シュ、シュ、ウゥ~」
パンパンパンパン打ち付ける音が早くなっていく。
「サク、サク、サクっ!」
「スッ、シュ、ッキ」
パンパンパンパン
「ッン、ッイ、オレも好き、っもうイクっ」
「イクッン、イクッ!」
ドピュっと、最奥で柊がはじけたのと、オレが2度目に吐精したのは、どっちが先か、
背後から一際強く抱きしめられ、ドクドクドクドクと最後の一滴までゴム越しに注ぎこまれると、挿入された時よりもっと2人が混ざりあったような不思議な感覚を覚える。
「朔、身体大丈夫か?」
ハァハァハァと荒い息を整えながら、背後から聞こえる心配そうな声に顔を向けると、身体を向き直され正面から抱きしめられた。
「うん、めっちゃ幸せ」
そう言う目元に口付けられて、自分が泣いていることに気付く。
そして
「柊も泣いてる」
頬に手をのばすと、じんわりと手の平が濡れた。
ポコポコポコと、暖かい気持ちが湧いてくる。
「幸せだな!」
そう笑ったオレに、顔を覆った柊が、
「煽るなよ」
と耐えるように呟く。
さっきから、まだお互い硬いものが当たってるもんな。
「ッハ」
軽く笑って、そこに手をのばし、ゴムを外すと、枕元の箱から新しい袋を出して柊に装着する。
「朔、身体に負担かかるから駄目だって」
焦る声が聞こえるけど…
「オレだって健全なやりたい盛りの男だぜ?」
だから
「もっかいしよっ?」
ブチッと聞こえた音は理性が切れた音だったのか?
まだ柔らかいそこに、ズドンッと勢いよくXLのデカいやつがねじ込まれる。
「っん、あ~ッッ!」
一際大きな喘ぎ声と、打ち付ける音だけの部屋。
パンパンがダンダンダンになる頃にはお互い獣みたいに交わって。
でも優しく抱かれた1回目より、満たされて、混じり合って。
「あっしてる、あいっしてる」
「愛してる」
好きよりもっと気持ちも溢れて。
いつ始まったのかもわからない3回目の終わりに柊がオレの奥で出したそれは、
(あっ、ゴムしてない)
ピュッピュッピュと量は減ったものの、温かく染み込むようなものだった。
その温かさに今日一番の幸せを感じながら、意識が飛ぶのがわかった。
――柊が。
(おまえが意識とばすんかい!!)
でも、それもそっか、
「朝一から夕方までずっと試合だったもんな~」
遠征先からは位置的に多分走って来たんだろう。
オレを起こした声も眠そうだったな。
やっと萎えた柊を抜きながら、髪をなでる。
ドロッと白濁が溢れ落ちる感覚に慣れない、それでも、
「幸せだったな~」
むしろ終わった今は寂しくてしかたない――
時間はとっくに日を跨ぎ深夜になっていた。
しばし余韻に浸ったオレは上半身の力を使って部屋の壁に付けられた手すりまで移動する。
この十年間以上で鍛えた腕の力はだてじゃない。
手すりを使って身体を起こすと、手すりに力を預けながらゆっくりと扉まで行きスライドさせる。
左右どちらからも開けることの出来る扉を出ると手すりが続いており、それを伝って風呂場に移動する。
風呂とトイレはオレの部屋からも直接行けるようになっていて、この家を建ててくれた両親に感謝だな~。
脱衣所のベンチに腰掛けて、湯がたまるのを待ったオレは風呂場でゆっくり自分の尻の中からそれを掻き出す。
これも自分の身体を守るために授業で習ったことの1つだ。
そして、身体をキレイにしてもう一度脱衣所のベンチに座る頃には、半分夢の中だった。身体をベンチに横たえると瞼が落ちてくる。
(柊の身体も拭いてあげたかったな…あっ、あとシーツもオレのでドロドロじゃん、替えてせんた…くっ…)
柊より1時間ほど遅れてオレもそこで意識を失った。
◇ ◇ ◇
額に当たるひんやりとした感触を瞼をあけると、見慣れた天井の景色がぼんやりと見える。
「朔!!」
あせったような柊の声
「ごめん、俺、寝てしまっ、無理もさせてっ!」
そんな後悔してるみたいなこと言うなよ。
「オレ幸せだぜ?」
しょうがないな~って、頭なでてやって、
「準備だけじゃなく、掻き出すのも今度から柊がしてくれよ」
とニヤリと笑ってやった。
柊の顔が赤くなるのがわかる。
「あと、シーツ洗濯しといて、恥ずかしいから父さんたち帰ってくるまでに証拠隠滅したい」
コクコクと柊の頭が上下するのを見ながらもう一度眠りにつく。
「…手、握って…て」
その日は熱を出して1日ベッドの住人で、夜には熱もさがったけど準備とかはまた次な、
その日ははいつもみたいにいっぱい話をしながら一緒に寝た。
――オレの一番幸せだった記憶――
結局、人より準備とかが大変なオレたちが次にセックス出来たのは
、大学入学前に柊が一人暮らしを初めてからで。
毎回きちんとコンドームをしてくれる柊が後始末で掻き出すことは一度もなく。
オレがねだっても一晩で2回以上抱かれることはなかった。
ゲームの世界に転生したオレは、いつまでその幸せな記憶を覚えていられるんだろう。
今の新しい身体には柊の手が激しく這い回った感触は残っていない。
あのときみたいに抱きしめて、この身体にも跡を残して欲しいよ、柊。
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