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現代1
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分厚いレンズ越しでも間違えるはずもないあいつが、前に立つ女性の腕を引き寄せマンションに入って行くのを呆然とながめる。
『カラン』
と何かが落ちる音が直ぐ側でしたのにも気が付かず、オレはまわれ右をすると駅までの道を急いだ。
西の空はオレの胸の中のような鈍い色をしていて、近づく嵐を知らせていた。
◇ ◇ ◇
【忘れ物回収したいから、家に寄るぞ】
駅のベンチでタブレットからメッセージを入れると、鞄の中にあいつの家の鍵があるのを確かめてから、『ヨシっ!』と気合いを入れて立ち上がり歩き出す。
今あいつはバスケ部の合宿に参加しているので、家に居ないんだけどな。
『俺がいなくても、いつでも来てくれていい』
って言いながら合鍵を渡されてから3年近くたつけれど、家主留守の家に入るのはやっぱ遠慮してしまい、使う機会がなかなかない、入れっ放しのキーケースは青い鳥の刺繍が使われないまま褪せていっている。
そんな事を考えながらいつもの倍以上の時間をかけてだどりついたあいつの住むマンションの手前で、ここに居るはずのない姿を見つけ立ち止まった。
(合宿中のはずだよな、えっ?帰ってくるなんて連絡なかったよな?)
そんな戸惑いよりも気になったのは、あいつの前にいる小柄な女性の姿。
距離があるからよく見えないけれど、話し込んでいるのはわかる。
そして、その女性の腕を掴むとマンションのエントランスへと二人で入っていった。
『あいつマネージャーと付きあってるんだろ?』
『半同棲らしいね』
『絶倫だって自分でも言ってたんだろ、あんな小柄なマネージャーが抱き潰されてるとか可哀想だよなー』
『でも、あの可愛さならわかる』
『俺も』
『あいつも、いつも「彼女がかわいい」ってのろけてるもんな』
『あー羨ましい、イケメンはやっぱ得だよなー』
先月、試合会場であいつのチームメイトたちに『幼馴染くん』と呼び止められ矢継ぎ早にされた質問を思い出し、痛み始める胸の辺りをギュッと掴む。
『お前、マネージャーと付き合ってるのか? この部屋にも入れてるのか?』
問い詰めたオレに、きっぱりと否定して、この部屋にも誰も入れたことないって言ってくれた。
ーーだけど
オレはあいつにかわいいなんて言われたことなんかないし、はじめて以来オレがどんなに求めてもあいつに一晩で一回以上抱かれたことなんかない。
(お前が絶倫になる、かわいい相手って誰なんだよ?なぁ柊?)
合宿前日にあいつの部屋でそんな話をして、なんだか気不味い雰囲気のまま、並んで眠りにつき、駅であいつを見送った。
『帰ってきたらちゃんと話をするから』
(なぁ、その話はもしかして別れ話だったのか?)
◇ ◇ ◇
気がついたら、電車の中だった。
近づく嵐に帰路を急ぐ人たちでこの時間にしたら車内は混んでいた。
いつもはもう少し遅い時間にみかける制服が多いのをみるに、予想より大きい嵐がくるのかもしれないな。
空いてる席がないならせめて扉付近に移動しようとして、オレは杖を持っていない事に気がついた。マンション近くでした『カラン』と言う音は杖を落とした音だったのか?。
落とした事にも気が付かず、気づけば電車の中って、どんだけオレテンパってたんだよ、ってかあんな場面見たら取り乱すに決まってるだろう。
(部屋に入れてるじゃん、柊の嘘つき)
身体のダルさを感じ、目を閉じると先程の二人の姿がよみがえる。
「あのっ」
前から聞こえた声に目を開くと、女子高生が立ち上がり
「よかったら、座って下さい」
と話しかけてきた。
杖を持っている時はよくかかる声だが、今日は落として持っていない。よっぽど顔色が悪かったのだろうか? 年下の子に気づかわれるくらいに。
本当は座りたいぐらいダルかったのだけど、なんだか自分が情けなくて、
「大丈夫です、よかったらあそこにいる妊婦さんとかわってあげて」
と、目に入ったキーホルダーを指さした。
女子高生は、こちらを気にかけながらも、席を譲ると扉付近に移動していった。
(柊の相手がこの子みたいないい子だったらいのいに)
そんな事を考えながらオレはポールにつかまり、電車の揺れに身を任せた。
◇ ◇ ◇
駅につく直前に降り出した雨は、降りる頃にはバケツをひっくりかえしたようになっていて、すでにバス停には長蛇の列が出来ている。
幸いにも空いてるベンチを見つけると、腰掛けスマホを取り出す。
[着信あり]
のメッセージにドキッとしたが、母さんからだった。
(あいつ今頃あの彼女と過ごしてるはずだから、かけてくるはずないか)
そう思いながら母さんに電話をかける。
「あんた今日出かけるって言ってたけど、雨大丈夫?」
「駅まで帰って来たけど、バスもすごい列だし、大丈夫じゃないかも、それに脚が痛い」
「…っ、お母さん今から職場でるけど、道混んでるから駅まで一時間くらいかかりそうだわ、時間潰せる? VRカフェにでも入って待っててよ」
普段弱音をあまりはかないオレの珍しい言葉に母さんは少し言葉を詰まらせていた。大丈夫だと言っても「母さんが迎えに行きたいから行く」なんて言いながら迎えに来てくれるんだけど、今日はつい弱音が出てしまう。
「うん、あーわかった、着いたら連絡頂戴」
そう言って電話を切ると、オレはバス停に背を向け駅ビルに向かって重たい脚をすすませた。
《VRカフェ》ーー自分専用ギアを持っていれば(貸出あり)ゲームや、リモートワーク、VR漫画喫茶など色々なサービスか利用出来るどんな田舎の駅にも一つはあるお店である。
雨が降る前にと、店を出た客が多かったのか、予約無しでもベッド席が空いており、部屋に入るとともにベッドに大の字で寝転がり大きく息を吐く。
【VRカフェでベッド席入れた、いくらでも待てるから母さん雨に気を付けて安全運転で】
タブレットでメッセージを入れた後、《柊斗》という文字をタップする。
本来合宿から帰ってくるのはあさっての予定だった。
帰る日にちを誤魔化していたならそれまで連絡がくることは無いだろうが、万が一、連絡が来ても動揺して話せる気がしない。
(今だけだから)
そう思いながら《ブロック》をタッチしてタブレットを鞄にしまい、かわりにギアを取り出し頭に装着すると、オレはゲームの世界に意識を沈ませたのだった。
◇ ◇ ◇
《pass through a gate》
通称、《パスゲー》と呼ばれてているこのゲームは、父さん母さんが生まれる前の時代に、ドット絵のカセットゲームとして発売されたRPGゲームで、当時は発売日におもちゃ屋に長蛇の列が出来たらしい。シリーズ作品は時代とともに、対応ハードがかわっていき、発売50周年の記念に満を持して発売されたのが、オンラインVRMMOタイプの今俺がプレイしているゲームである。
発売から10年たっても人気が衰えることがなく、常にランキング上位に入っていたり、SNSを賑わしているのは、もともと人気タイトルだというだけでなく、企業や団体との提携がうまくいっているのも理由だと思う。
例えば、ゲーム内で色んなコンクールを行い、実際それが現実世界でも商品化されたり、有名なカルチャースクールのオンライン教室がゲーム内で開かれていたり。
もちろん本筋のゲームもMMOだけあって、常に新しいイベントが増えていき飽きることも無い。
オレの友達が、中学生の時にゲーム内のプログラミング教室に通った事をきっかけに、今やこのゲームのゲーム会社のプログラマーとして働いていたりもする。
まぁオレもこのゲームで自分の道を見つけた一人なんだけど。
なんて事を思いながら、オレはゲーム内のマイルームと呼ばれる部屋で目を覚ました。
現実世界と比べムキムキのデカい図体が鏡にうつるのを、なんとも言えない表情で見つめるのは毎度のことだ。
最初に決めた姿と名前は個人情報と結びついていて、アカウントはきっちり守られている。
ので、最初に決めた姿を変えることはよっぽどじゃないと出来ないんだよな~。
最初の頃は、
『でかい!強い!かっこいい!』
なんて喜んでいたけど、今は現実との差にむなしくなる事もしばしば。
しかもゲームのモンスター討伐!なんてそっちのけで、生産ゲームとして楽しんじゃってるから、ムキムキにエプロン姿である。そのエプロンの胸部分はハートの形だ。しょうがないだろ、こんなんでも生産成功率80%アップの生産職には夢のような装備なんだから。
それは置いといて、まずはメッセージの確認である。
運営からのお知らせ数件と、フレンドからの個人的な依頼と、あと冒険者ギルド本部からの納品依頼。
それを読んだあとは、所属ギルドのチャットを遡りながら流し読みする。とは言っても、あまり討伐に参加してないオレがチャットに参加することないんだけどな。
母さんが迎えに来るまで1時間、メッセージの確認なんかで10分くらいたってるけど、ギルド本部まで商品の納品に行く時間はあるなと、
門を出現させてオレはギルドのある街へと移動した。もちろんエプロンは脱いでいくよ。
《pass through a gate》
との名前の通り、このゲームには《門》がたくさん出てくる。町や村に入るとき、洞窟や塔に入るときにも、門をくぐる。
門をくぐった先に何があるのかドキドキしたとは、初代が発売された時子どもだった人たちの共通認識だ。
当時は読み込みにかかる時間を重厚な門をあける絵でごまかしてた、みたいな裏話もあるけど。このゲームといえば門が出てくる。
今では、容量がとにかくデカいこのゲーム、町や村、地域ごとに別のサーバーを使っているらしくそのサーバー同士を移動するときに門がでてくる、といっても、データ高速化のこの時代読み込みに時間はかからないんだけど。
さっきオレは、各自のマイルームが収められてるサーバーからギルドがある町のサーバーへと移動したことになるんだけど、まぁこの辺は知らなくてもゲームに支障はないし、他のゲームで言うところのワープを使った感じだ。
んでギルド本部があるところは、ゲームの中心で城もある一番デカい城下町で、そこの門へと出てきたオレは、ギルド本部がある塔へと歩いて行く。
本部へもさらに門で跳べるんだけど、歩いて10分くらいだし、現実世界と違いここは本日快晴、沈んだ気持ちを上げるために、オレは青空の下をしっかりとした足どりで歩いて行った。
目の前に2つの塔が近づいてくる、片方は冒険者ギルド本部、もう片方の塔にはそれぞれのギルドのギルドルームが入っている。
この世界にはあちらこちらにギルドルームが集まった塔があるんだけど、この一番でかい町にある塔に所属ギルドのギルドルームが入ってるのはちょっとしたステータスである。
まぁ移動なんてすぐだからどこの町にあってもゲームには支障ないんだけど、各塔に入れるギルドは30組、しかもこの街の塔はゲームが発売されて最初のログインキャンペーンの抽選で権利が当たるってやつで、全プレイヤー憧れなのである。
実はオレの所属するギルド《スリーポイント》もこの塔にギルドルームがあるんだけどな!(えっへん)
といっても、作戦会議や集まってダラダラ喋ったり、なんかに参加する事が少ないオレが利用することは最近あまりないんだけど。
ログイン、ログアウトもギルドルームじゃなく、マイルームですることが多いしな。
◇ ◇ ◇
「ピロン♪」
ズンズン歩いてあと1分ほどで到着って時に、通知音が聞こえた。
立ち止まり、メッセージを確認する。
「はぁ!?」
『Shoot11さんがログインしました』
それは、フレンドがログインしたら教えてくれる通知で、オレはこの『shoot11』のみ、通知オンにしてある。
『shoot11』は『柊斗』だ。
今、一番会いたくて会いたくないあいつ。
あいつのログインがわかるってことは、オレのログインもわかってるだろう、いつもならこのあとすぐに連絡がくるはず…
あいつは、ログアウトをマイルームやギルドルーム、時々で変えている。もしかしたら目の前の塔にいるかもしれない。
そこから門で移動する可能性もある。あいつはだいたいログインするとオレのマイルームにやってくる事が多いし(許可したフレンド同士はマイルーム間の移動が出来る。オレはshoot11だけだ)
ぐるぐると思考が回る。
心の準備ができていない、会うのが嫌なわけじゃないけど、今は無理、いつも通りにマイルームに来られても困る、
(どうしよう、どうしよう)
考えのまとまらないオレは、フレンド欄を開くと、一番上にある
『shoot11』をタップし、ブロックボタンを押して…しまった。
「はぁ~」
オレ、自分がこんなに弱いと思ってなかった。
聞きたいことは聞いて、言いたいことは言って。
人生何があるかわかんないんだから、逃げて後悔したくないって、いつも思ってたじゃん。
携帯もゲームもブロックして、って卑怯だよな。
きっとあいつも、オレがログインしてるの知って、自分もログインしてるはずだ。この前はなんだかはぐらかされたし、今日もあんな場面見たけど、きちんとあいつの口から何も聞いてないし、話したら誤解かもしれない。誤解じゃなかったとしてもあいつの口から聞きたい。
ー逃げて後悔したくないー
こぶしに力を入れると、「ウン」ってひとりごちて、もう一度フレンド欄を開く。
そしてブロックボタンを解除、か、解除しようと思ったんだよ。
思ったんだよ。
目の前の塔の門が開いて…
『shoot11』の大きな剣を背中に背負った小柄なキャラが、妖精みたいな羽をつけたかわいいキャラに腕をからめられながら…
連れ立って出てくる場面をみるまでは。
思わず、その場でスクショを撮ったオレは
(浮気現場抑えたみたいになってる)
なんて思いながら、マイルームへと扉を開き移動すると、すぐさまログアウトをした。
◇ ◇ ◇
VRカフェのベッドの上で目をあけた時には、全身冷や汗だらけだった。心臓もドクドクと早鐘を打っている。
自分でしなくても、体調の悪さで強制ログアウトさせられそうなほどだ。
そこから起き上がれるまで10分ほどかかった。両手で顔を覆い肩を落とし、そここら立ち上がるまでさらに10分。
それでもまだ母さんが迎えに来るまで時間もあるし、この雨だと遅れるかもしれない。
迎えがくるまでここで待ってるのが一番なのはわかっているけど、ここにいたくない。
部屋を出ると精算をして店を出て、ゆっくりとエレベーターに向かう。
レジで店員さんが何か言いたげだったけど、まぁいいか。
そのままぼんやりエレベーターを待っていたけど、一向に来ないことに気付き顔を上げると、【メンテナンス中】と走り書きのような紙が貼られていた。
よく見ると押したはずのボタンにもランプがついて無い。
ビルの中にいても聴こえる雷の音にも、そこで気がついた。
(雨か落雷でとまったのかな?)
来るときには動いていたエレベーターを後にして、階段の方に向かう。脚の痛みはあるし、杖もないけどしょうがない。手すりを掴むとゆっくりと一歩を踏み出す。
一歩、一歩、足元を見ながら時間をかけて降りる間に外の雷の音はどんどん大きくなって行く。この近所でも落ちてそうだ。
途中止まって、下を向きすぎてたせいでズレた眼鏡を直そうとしたオレは、頭にギアをつけたままな事に気がついた。
「はっずかし~」
さっき、店員さんが何か言いたげだったのはこれだったのか。
VRあるあるとかでたまに『ギアかぶったまま外出』なんて言われてて、インタビューに答える人みながら、『そんなことないだろう』とか突っ込んでたけど、まさか自分がするなんて。
本当に今日のオレ駄目だな~。
(ビル出る前で良かった)
誰もいないとわかっていても、キョロキョロと辺りを確認しながら、両手を頭の後ろにまわす。
不安定な体制でちょっと手間取りながらも、はずそうとしたその時。
『バリバリバリバリ!!!』
と、今日一番の雷の音がしたと思ったと同時に、
プツン
と辺りが真っ暗になった。
(停電!?)
と考えたのは一瞬の事だった。
(痛い、痛い、痛い)
ガタンガタンと、耳障りの悪い音が聞こえる。
階段を踏み外しオレは気づけば階段を転げ落ちていた。
地面に叩きつけられた振動で踊り場についたことに気づいたが、途中で落とした眼鏡のせいで、ぼんやりとしか周りが見えない。
いや、このぼんやりは視力のせいじゃないかも。
頭の下になんだか生暖かい液体が広がって行くのに気づいたけど、手を動かして確かめることもできない。
15年前より身体が痛い…
(オレ、死ぬのかな)
薄れ行く意識の中でぼんやりと思う。
「しゅ、しゅ…う、しゅ、う…う」
最後に呟いたアイツの名前は、音になっていたのかももうわからない。
ー後悔したくないー
最後に思ったのはそんなことだった。
◇ ◇ ◇
「ーーーー」
「だいーー」
「ーー??」
何か声が聞こえる。
あれっ?オレどうしたんだっけ?
重たい頭で、思い出す…
(そうだ、オレ、階段から落ちて、、)
(生きてる?)
「た…けて」
かすれた声を振り絞る。
(柊に伝えないといけないことがあるんだ、後悔なんかしたくない、死にたくない)
瞼に力を入れて、ゆっくり開けると、こちらに走ってくるいくつかの足がみえた。
その向こうに見えるのは大きく立派な門。
(あれは、ギルドルームのある城下町の門…)
(あれ?オレまだゲームの中だっけ?)
(階段落ちたのは夢?)
(ならログアウトしたら柊に連絡しなくちゃ)
(ゲームの中だとしても、死んだら柊に怒られるだろうな)
重たい頭で色々考えていると、また意識が落ちていく。
(ログアウトだ…)
遠くで、ゲームの世界にはない、救急車の音が聞こえた気がした。
『カラン』
と何かが落ちる音が直ぐ側でしたのにも気が付かず、オレはまわれ右をすると駅までの道を急いだ。
西の空はオレの胸の中のような鈍い色をしていて、近づく嵐を知らせていた。
◇ ◇ ◇
【忘れ物回収したいから、家に寄るぞ】
駅のベンチでタブレットからメッセージを入れると、鞄の中にあいつの家の鍵があるのを確かめてから、『ヨシっ!』と気合いを入れて立ち上がり歩き出す。
今あいつはバスケ部の合宿に参加しているので、家に居ないんだけどな。
『俺がいなくても、いつでも来てくれていい』
って言いながら合鍵を渡されてから3年近くたつけれど、家主留守の家に入るのはやっぱ遠慮してしまい、使う機会がなかなかない、入れっ放しのキーケースは青い鳥の刺繍が使われないまま褪せていっている。
そんな事を考えながらいつもの倍以上の時間をかけてだどりついたあいつの住むマンションの手前で、ここに居るはずのない姿を見つけ立ち止まった。
(合宿中のはずだよな、えっ?帰ってくるなんて連絡なかったよな?)
そんな戸惑いよりも気になったのは、あいつの前にいる小柄な女性の姿。
距離があるからよく見えないけれど、話し込んでいるのはわかる。
そして、その女性の腕を掴むとマンションのエントランスへと二人で入っていった。
『あいつマネージャーと付きあってるんだろ?』
『半同棲らしいね』
『絶倫だって自分でも言ってたんだろ、あんな小柄なマネージャーが抱き潰されてるとか可哀想だよなー』
『でも、あの可愛さならわかる』
『俺も』
『あいつも、いつも「彼女がかわいい」ってのろけてるもんな』
『あー羨ましい、イケメンはやっぱ得だよなー』
先月、試合会場であいつのチームメイトたちに『幼馴染くん』と呼び止められ矢継ぎ早にされた質問を思い出し、痛み始める胸の辺りをギュッと掴む。
『お前、マネージャーと付き合ってるのか? この部屋にも入れてるのか?』
問い詰めたオレに、きっぱりと否定して、この部屋にも誰も入れたことないって言ってくれた。
ーーだけど
オレはあいつにかわいいなんて言われたことなんかないし、はじめて以来オレがどんなに求めてもあいつに一晩で一回以上抱かれたことなんかない。
(お前が絶倫になる、かわいい相手って誰なんだよ?なぁ柊?)
合宿前日にあいつの部屋でそんな話をして、なんだか気不味い雰囲気のまま、並んで眠りにつき、駅であいつを見送った。
『帰ってきたらちゃんと話をするから』
(なぁ、その話はもしかして別れ話だったのか?)
◇ ◇ ◇
気がついたら、電車の中だった。
近づく嵐に帰路を急ぐ人たちでこの時間にしたら車内は混んでいた。
いつもはもう少し遅い時間にみかける制服が多いのをみるに、予想より大きい嵐がくるのかもしれないな。
空いてる席がないならせめて扉付近に移動しようとして、オレは杖を持っていない事に気がついた。マンション近くでした『カラン』と言う音は杖を落とした音だったのか?。
落とした事にも気が付かず、気づけば電車の中って、どんだけオレテンパってたんだよ、ってかあんな場面見たら取り乱すに決まってるだろう。
(部屋に入れてるじゃん、柊の嘘つき)
身体のダルさを感じ、目を閉じると先程の二人の姿がよみがえる。
「あのっ」
前から聞こえた声に目を開くと、女子高生が立ち上がり
「よかったら、座って下さい」
と話しかけてきた。
杖を持っている時はよくかかる声だが、今日は落として持っていない。よっぽど顔色が悪かったのだろうか? 年下の子に気づかわれるくらいに。
本当は座りたいぐらいダルかったのだけど、なんだか自分が情けなくて、
「大丈夫です、よかったらあそこにいる妊婦さんとかわってあげて」
と、目に入ったキーホルダーを指さした。
女子高生は、こちらを気にかけながらも、席を譲ると扉付近に移動していった。
(柊の相手がこの子みたいないい子だったらいのいに)
そんな事を考えながらオレはポールにつかまり、電車の揺れに身を任せた。
◇ ◇ ◇
駅につく直前に降り出した雨は、降りる頃にはバケツをひっくりかえしたようになっていて、すでにバス停には長蛇の列が出来ている。
幸いにも空いてるベンチを見つけると、腰掛けスマホを取り出す。
[着信あり]
のメッセージにドキッとしたが、母さんからだった。
(あいつ今頃あの彼女と過ごしてるはずだから、かけてくるはずないか)
そう思いながら母さんに電話をかける。
「あんた今日出かけるって言ってたけど、雨大丈夫?」
「駅まで帰って来たけど、バスもすごい列だし、大丈夫じゃないかも、それに脚が痛い」
「…っ、お母さん今から職場でるけど、道混んでるから駅まで一時間くらいかかりそうだわ、時間潰せる? VRカフェにでも入って待っててよ」
普段弱音をあまりはかないオレの珍しい言葉に母さんは少し言葉を詰まらせていた。大丈夫だと言っても「母さんが迎えに行きたいから行く」なんて言いながら迎えに来てくれるんだけど、今日はつい弱音が出てしまう。
「うん、あーわかった、着いたら連絡頂戴」
そう言って電話を切ると、オレはバス停に背を向け駅ビルに向かって重たい脚をすすませた。
《VRカフェ》ーー自分専用ギアを持っていれば(貸出あり)ゲームや、リモートワーク、VR漫画喫茶など色々なサービスか利用出来るどんな田舎の駅にも一つはあるお店である。
雨が降る前にと、店を出た客が多かったのか、予約無しでもベッド席が空いており、部屋に入るとともにベッドに大の字で寝転がり大きく息を吐く。
【VRカフェでベッド席入れた、いくらでも待てるから母さん雨に気を付けて安全運転で】
タブレットでメッセージを入れた後、《柊斗》という文字をタップする。
本来合宿から帰ってくるのはあさっての予定だった。
帰る日にちを誤魔化していたならそれまで連絡がくることは無いだろうが、万が一、連絡が来ても動揺して話せる気がしない。
(今だけだから)
そう思いながら《ブロック》をタッチしてタブレットを鞄にしまい、かわりにギアを取り出し頭に装着すると、オレはゲームの世界に意識を沈ませたのだった。
◇ ◇ ◇
《pass through a gate》
通称、《パスゲー》と呼ばれてているこのゲームは、父さん母さんが生まれる前の時代に、ドット絵のカセットゲームとして発売されたRPGゲームで、当時は発売日におもちゃ屋に長蛇の列が出来たらしい。シリーズ作品は時代とともに、対応ハードがかわっていき、発売50周年の記念に満を持して発売されたのが、オンラインVRMMOタイプの今俺がプレイしているゲームである。
発売から10年たっても人気が衰えることがなく、常にランキング上位に入っていたり、SNSを賑わしているのは、もともと人気タイトルだというだけでなく、企業や団体との提携がうまくいっているのも理由だと思う。
例えば、ゲーム内で色んなコンクールを行い、実際それが現実世界でも商品化されたり、有名なカルチャースクールのオンライン教室がゲーム内で開かれていたり。
もちろん本筋のゲームもMMOだけあって、常に新しいイベントが増えていき飽きることも無い。
オレの友達が、中学生の時にゲーム内のプログラミング教室に通った事をきっかけに、今やこのゲームのゲーム会社のプログラマーとして働いていたりもする。
まぁオレもこのゲームで自分の道を見つけた一人なんだけど。
なんて事を思いながら、オレはゲーム内のマイルームと呼ばれる部屋で目を覚ました。
現実世界と比べムキムキのデカい図体が鏡にうつるのを、なんとも言えない表情で見つめるのは毎度のことだ。
最初に決めた姿と名前は個人情報と結びついていて、アカウントはきっちり守られている。
ので、最初に決めた姿を変えることはよっぽどじゃないと出来ないんだよな~。
最初の頃は、
『でかい!強い!かっこいい!』
なんて喜んでいたけど、今は現実との差にむなしくなる事もしばしば。
しかもゲームのモンスター討伐!なんてそっちのけで、生産ゲームとして楽しんじゃってるから、ムキムキにエプロン姿である。そのエプロンの胸部分はハートの形だ。しょうがないだろ、こんなんでも生産成功率80%アップの生産職には夢のような装備なんだから。
それは置いといて、まずはメッセージの確認である。
運営からのお知らせ数件と、フレンドからの個人的な依頼と、あと冒険者ギルド本部からの納品依頼。
それを読んだあとは、所属ギルドのチャットを遡りながら流し読みする。とは言っても、あまり討伐に参加してないオレがチャットに参加することないんだけどな。
母さんが迎えに来るまで1時間、メッセージの確認なんかで10分くらいたってるけど、ギルド本部まで商品の納品に行く時間はあるなと、
門を出現させてオレはギルドのある街へと移動した。もちろんエプロンは脱いでいくよ。
《pass through a gate》
との名前の通り、このゲームには《門》がたくさん出てくる。町や村に入るとき、洞窟や塔に入るときにも、門をくぐる。
門をくぐった先に何があるのかドキドキしたとは、初代が発売された時子どもだった人たちの共通認識だ。
当時は読み込みにかかる時間を重厚な門をあける絵でごまかしてた、みたいな裏話もあるけど。このゲームといえば門が出てくる。
今では、容量がとにかくデカいこのゲーム、町や村、地域ごとに別のサーバーを使っているらしくそのサーバー同士を移動するときに門がでてくる、といっても、データ高速化のこの時代読み込みに時間はかからないんだけど。
さっきオレは、各自のマイルームが収められてるサーバーからギルドがある町のサーバーへと移動したことになるんだけど、まぁこの辺は知らなくてもゲームに支障はないし、他のゲームで言うところのワープを使った感じだ。
んでギルド本部があるところは、ゲームの中心で城もある一番デカい城下町で、そこの門へと出てきたオレは、ギルド本部がある塔へと歩いて行く。
本部へもさらに門で跳べるんだけど、歩いて10分くらいだし、現実世界と違いここは本日快晴、沈んだ気持ちを上げるために、オレは青空の下をしっかりとした足どりで歩いて行った。
目の前に2つの塔が近づいてくる、片方は冒険者ギルド本部、もう片方の塔にはそれぞれのギルドのギルドルームが入っている。
この世界にはあちらこちらにギルドルームが集まった塔があるんだけど、この一番でかい町にある塔に所属ギルドのギルドルームが入ってるのはちょっとしたステータスである。
まぁ移動なんてすぐだからどこの町にあってもゲームには支障ないんだけど、各塔に入れるギルドは30組、しかもこの街の塔はゲームが発売されて最初のログインキャンペーンの抽選で権利が当たるってやつで、全プレイヤー憧れなのである。
実はオレの所属するギルド《スリーポイント》もこの塔にギルドルームがあるんだけどな!(えっへん)
といっても、作戦会議や集まってダラダラ喋ったり、なんかに参加する事が少ないオレが利用することは最近あまりないんだけど。
ログイン、ログアウトもギルドルームじゃなく、マイルームですることが多いしな。
◇ ◇ ◇
「ピロン♪」
ズンズン歩いてあと1分ほどで到着って時に、通知音が聞こえた。
立ち止まり、メッセージを確認する。
「はぁ!?」
『Shoot11さんがログインしました』
それは、フレンドがログインしたら教えてくれる通知で、オレはこの『shoot11』のみ、通知オンにしてある。
『shoot11』は『柊斗』だ。
今、一番会いたくて会いたくないあいつ。
あいつのログインがわかるってことは、オレのログインもわかってるだろう、いつもならこのあとすぐに連絡がくるはず…
あいつは、ログアウトをマイルームやギルドルーム、時々で変えている。もしかしたら目の前の塔にいるかもしれない。
そこから門で移動する可能性もある。あいつはだいたいログインするとオレのマイルームにやってくる事が多いし(許可したフレンド同士はマイルーム間の移動が出来る。オレはshoot11だけだ)
ぐるぐると思考が回る。
心の準備ができていない、会うのが嫌なわけじゃないけど、今は無理、いつも通りにマイルームに来られても困る、
(どうしよう、どうしよう)
考えのまとまらないオレは、フレンド欄を開くと、一番上にある
『shoot11』をタップし、ブロックボタンを押して…しまった。
「はぁ~」
オレ、自分がこんなに弱いと思ってなかった。
聞きたいことは聞いて、言いたいことは言って。
人生何があるかわかんないんだから、逃げて後悔したくないって、いつも思ってたじゃん。
携帯もゲームもブロックして、って卑怯だよな。
きっとあいつも、オレがログインしてるの知って、自分もログインしてるはずだ。この前はなんだかはぐらかされたし、今日もあんな場面見たけど、きちんとあいつの口から何も聞いてないし、話したら誤解かもしれない。誤解じゃなかったとしてもあいつの口から聞きたい。
ー逃げて後悔したくないー
こぶしに力を入れると、「ウン」ってひとりごちて、もう一度フレンド欄を開く。
そしてブロックボタンを解除、か、解除しようと思ったんだよ。
思ったんだよ。
目の前の塔の門が開いて…
『shoot11』の大きな剣を背中に背負った小柄なキャラが、妖精みたいな羽をつけたかわいいキャラに腕をからめられながら…
連れ立って出てくる場面をみるまでは。
思わず、その場でスクショを撮ったオレは
(浮気現場抑えたみたいになってる)
なんて思いながら、マイルームへと扉を開き移動すると、すぐさまログアウトをした。
◇ ◇ ◇
VRカフェのベッドの上で目をあけた時には、全身冷や汗だらけだった。心臓もドクドクと早鐘を打っている。
自分でしなくても、体調の悪さで強制ログアウトさせられそうなほどだ。
そこから起き上がれるまで10分ほどかかった。両手で顔を覆い肩を落とし、そここら立ち上がるまでさらに10分。
それでもまだ母さんが迎えに来るまで時間もあるし、この雨だと遅れるかもしれない。
迎えがくるまでここで待ってるのが一番なのはわかっているけど、ここにいたくない。
部屋を出ると精算をして店を出て、ゆっくりとエレベーターに向かう。
レジで店員さんが何か言いたげだったけど、まぁいいか。
そのままぼんやりエレベーターを待っていたけど、一向に来ないことに気付き顔を上げると、【メンテナンス中】と走り書きのような紙が貼られていた。
よく見ると押したはずのボタンにもランプがついて無い。
ビルの中にいても聴こえる雷の音にも、そこで気がついた。
(雨か落雷でとまったのかな?)
来るときには動いていたエレベーターを後にして、階段の方に向かう。脚の痛みはあるし、杖もないけどしょうがない。手すりを掴むとゆっくりと一歩を踏み出す。
一歩、一歩、足元を見ながら時間をかけて降りる間に外の雷の音はどんどん大きくなって行く。この近所でも落ちてそうだ。
途中止まって、下を向きすぎてたせいでズレた眼鏡を直そうとしたオレは、頭にギアをつけたままな事に気がついた。
「はっずかし~」
さっき、店員さんが何か言いたげだったのはこれだったのか。
VRあるあるとかでたまに『ギアかぶったまま外出』なんて言われてて、インタビューに答える人みながら、『そんなことないだろう』とか突っ込んでたけど、まさか自分がするなんて。
本当に今日のオレ駄目だな~。
(ビル出る前で良かった)
誰もいないとわかっていても、キョロキョロと辺りを確認しながら、両手を頭の後ろにまわす。
不安定な体制でちょっと手間取りながらも、はずそうとしたその時。
『バリバリバリバリ!!!』
と、今日一番の雷の音がしたと思ったと同時に、
プツン
と辺りが真っ暗になった。
(停電!?)
と考えたのは一瞬の事だった。
(痛い、痛い、痛い)
ガタンガタンと、耳障りの悪い音が聞こえる。
階段を踏み外しオレは気づけば階段を転げ落ちていた。
地面に叩きつけられた振動で踊り場についたことに気づいたが、途中で落とした眼鏡のせいで、ぼんやりとしか周りが見えない。
いや、このぼんやりは視力のせいじゃないかも。
頭の下になんだか生暖かい液体が広がって行くのに気づいたけど、手を動かして確かめることもできない。
15年前より身体が痛い…
(オレ、死ぬのかな)
薄れ行く意識の中でぼんやりと思う。
「しゅ、しゅ…う、しゅ、う…う」
最後に呟いたアイツの名前は、音になっていたのかももうわからない。
ー後悔したくないー
最後に思ったのはそんなことだった。
◇ ◇ ◇
「ーーーー」
「だいーー」
「ーー??」
何か声が聞こえる。
あれっ?オレどうしたんだっけ?
重たい頭で、思い出す…
(そうだ、オレ、階段から落ちて、、)
(生きてる?)
「た…けて」
かすれた声を振り絞る。
(柊に伝えないといけないことがあるんだ、後悔なんかしたくない、死にたくない)
瞼に力を入れて、ゆっくり開けると、こちらに走ってくるいくつかの足がみえた。
その向こうに見えるのは大きく立派な門。
(あれは、ギルドルームのある城下町の門…)
(あれ?オレまだゲームの中だっけ?)
(階段落ちたのは夢?)
(ならログアウトしたら柊に連絡しなくちゃ)
(ゲームの中だとしても、死んだら柊に怒られるだろうな)
重たい頭で色々考えていると、また意識が落ちていく。
(ログアウトだ…)
遠くで、ゲームの世界にはない、救急車の音が聞こえた気がした。
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