勇者が俺の所属ギルドから出ていってくれないんだが

アールグレイ

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帝都ギルド編

宿での話し合い3 sideヨウスケ

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話し合いはいい感じで終わったんだけど······


「だから、そもそもレベルの定義として····」


「それなら魔獣をテイムした時に認識に齟齬が····」


「おいおい、そうなるとさっきのえむぴーとやらの説明と合わなくなって·······」


「じゃあ、冒険者自体が職業として····」


·······何これ。


俺、もう4人が何言ってるのか少しもわかんないんだけど。


おまけに俺を挟んで討論するから、俺が席を立つタイミングを完全に見失ってしまった。



あ、やばい。もう10時になる。
さっきメイにアルさんを下まで迎えに行くって言ってたのに。
なんとかして抜け出せないかな······


そう思っていた時。


コンコン、と、ドアがノックされた。


みんなもものすごく驚いて、信じられない、とドアを見つめた。
俺はびっくりしすぎて、テーブルに置いていたコップを3つも倒してしまった。


慌ててメイがドアを開けに行く。


「········あり得ないな·······俺達の誰にも気づかれないで扉の前まで来るなんて·····」


ジークが唸るように言った。


こうして、ここまで来てようやく全員がアルさんの異常性を認識することになった。



メイに連れられて入って来たアルさんはいつものように眼鏡をかけていたけど、服装は見慣れないものだった。


服は全体的にすごく地味で、焦げ茶と黒くらいしか色味がなかった。
おまけに真っ黒のマントみたいなのを羽織っていて、こんな夜に外で見かけたら不審者だと思いそうだ。
でも、アルさんの印象はいつもどういうわけか薄いから、多分、誰にも気づかれないんだろうな。


あ、あと、今気づいたんだけど、アルさんは今は短刀を持っているみたいだった。
マントが翻った時に少し見えたし。


そして、アルさんがテーブルに近づくと、何故かその分だけジークがアルさんから距離を取った。


俺は驚いてジークを見たけど、どうやらジークは無意識らしくて、俺の視線にちっとも気づかずにじっとアルさんの短刀を見ていて、それから少しも目を離そうとしなかった。


「ジーク、気持ちはわかるけど、とりあえず席について。」


メイに促されて、ジークはアルさんを警戒しながらも座った。


おかしいな·····俺はみんながアルさんと友好的に接すると思ってたのに。


一体、今からどんな話し合いが始まるんだよ······


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感想 1

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みんなの感想(1件)

スパークノークス

おもしろい!
お気に入りに登録しました~

2021.08.27 アールグレイ

ありがとうございます!
期待に応えられるよう頑張ります(≧▽≦)

解除

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