元獣医の令嬢は婚約破棄されましたが、もふもふたちに大人気です!

園宮りおん

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113、天空の神殿

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 そう言って、他の神官たちと共に部屋を後にしようとする有翼人の王。

「待って! フェニックス!!」

 私はそう叫んだが、彼は振り返ることなくローナに言った。

「ローナ、留守の間リディアを頼むぞ」

「畏まりました、陛下」

 そのまま部屋を出ていくフェニックスと神官たち。
 私は慌ててベッドから飛び起きた。

「リディア様!」

 ローナの声が後ろで響くけれど、私はそれを振り切るように走る。
 助けてくれたのは嬉しいけど、一刻も早くアレクたちに私が生きていることを伝えたい。
 フェニックスが私をここに閉じ込めるつもりなら、力づくでも帰ってみせるんだから!
 同時に、私のステータスパネルが開いた。

 名前:ルナ・ロファリエル
 種族:人間
 職業:もふもふの聖女
 E・G・K:シスターモード(LV85)
 力:125
 体力:282
 魔力:750
 知恵:720
 器用さ:427
 素早さ:551
 運:327

 物理攻撃スキル:なし
 魔法:回復系魔法、聖属性魔法
 特技:【祝福】【ホーリーアロー】【自己犠牲】
 ユニークスキル:【E・G・K】【獣言語理解】【もふもふモード】
 加護:【神獣に愛された者】
 称号:【もふもふの治癒者】

 リディアの力が目覚める前のステータスに戻ってる。
 あの時に比べて体が重く感じるのはきっとそのせいだわ。
 私はもふもふモードを使う。

<もふもふモードを使用します。獣人化は上級まで使用できますがどうしますか>

「ええ、上級を使うわ!」

 同時に私の体が淡い光に包まれる。
 髪の毛がプラチナブロンドに変わっていくのが見える。
 そして、大きな狐耳と銀色の尻尾。
 銀狐族だった私の前世、リディアの姿。
 ステータスパネルの表示が、黄金の文字で書き換えられていく。

 名前:ルナ・ロファリエル
 種族:人間
 職業:もふもふの聖女
 E・G・K:シスターモード(LV100)
 E・G・K:レンジャーモード(LV100)
 もふもふモード:獣人化(上級)
 力:775
 体力:772
 魔力:1320
 知恵:1520
 器用さ:1130
 素早さ:1270
 運:750

 物理攻撃スキル:聖弓技、聖剣技
 魔法:回復系魔法、聖属性魔法
 特技:【探索】【索敵】【罠解除】【生薬調合】【祝福】【ホーリーアロー】【自己犠牲】
 ユニークスキル:【E・G・K】【獣言語理解】【もふもふモード】
 加護:【神獣に愛された者】
 称号:【もふもふの治癒者】

 純白のドレスと銀色のティアラ。
 魔力で作り上げられたリディアの衣装を身にまとった瞬間、体が羽のように軽くなるのが分かる。
 もう一人の私。

 聖王妃リディアの力。

 私は、フェニックスたちが出て行った部屋の扉を駆け抜ける。
 しなやかで軽やかな体。
 廊下に飛び出すと私は叫んだ。

「待って! フェニックス!! 貴方が駄目だと言っても私は帰るわ! アレクが、みんなが待ってるの!!」

 でも──
 部屋を出た私は、思わずそう叫んだままその場に立ち尽くした。

「そんな……」

 目の前に広がる光景に茫然とする。
 フェニックスと、先ほどの神官たちは翼を広げて空を飛んでいる。
 目の前に広がるのは美しい大空だ。
 思わず声が漏れる。

「嘘……一体どうなってるの?」

 神殿の白い柱が立ち並ぶ廊下。
 そこから見える光景は、私が今、天空にいることを物語っている。
 よく見ると、周りには空に浮かぶ島々が見える。

 幻想的なその光景。

 私は状況も忘れて思わず目を奪われる。
 今、私がいるのは天空に浮かぶそれらの島の一つのようだ。

(この光景、昔見たことがある気がする)

 アレクとのことは思い出したけど、この神殿のことは朧気でしかない。
 でも、確かに以前ここに来たことがある気がする。

 背後から何者かが羽ばたく音が聞こえてくる。
 頬に当たる風。

「驚きましたわ、その強い魔力。有翼人でも、それ程の魔力を持っている者は殆どいませんもの」

「ローナ……」

 振り返ると、ローナが翼を広げてこちらに飛んでくるのが見える。
 そして、まるで天使のように私の傍に舞い降りると言った。

「ですが、リディア様。ここはボルフェレス火山の遥か上空に作られた、天空神殿。有翼人でなければ、ここから地上に降りることはできません」

 確かに、この高さを地上まで降りていくのは無理だろう。
 私の背に彼らのような翼でもなければ。

(アレク、みんな……私、どうしたらいいの?)

 ローナのその言葉に、私は暫く茫然と目の前の光景を眺めていた。
 ううん、弱気になっている場合じゃない。

「ローナ。私、どうしても早く地上に帰りたいの。フェニックスには感謝しているけれど、今すぐにでも私の無事を伝えたい仲間たちがいるの! お願い、力を貸して!」
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