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閑話3

不幸な元冒険者

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 昨日のの報告が坊ちゃんの耳にも入ったらしい。
 「その変スライムつれて来てよ」
 変スライムって・・・・変異スライムですよ?
 「既に別の冒険者が討伐に出てるらしいので失敗しない限り手は出せないですよ」
 HP1のスライムの討伐に失敗する可能性なんてまずないけどな。
 「それなら失敗するか成功した後スライムを譲ってもらうためにも現場に向かえばいいだろ」
 まず失敗しないし成功してたとしてもやつらの目的は捕縛でなく討伐だからスライムを手に入れられないんだが説明しても坊ちゃんは納得しないだろうな・・・・・
 「多分そろそろ討伐終了の情報がギルドに入ってると思うので確認してきますから確認取れたら変異スライムのことは諦めてくださいね?」
 さすがに既に変異スライムが討伐されてると、わかれば諦めるだろうと思い提案をする。
 「なら討伐されてない場合はバルが変スライムのところに行くんだぞ?」
 あ、これ墓穴ってやつか?いや、大丈夫だ。数日かけてCランク冒険者の集団がHP1のスライムを倒せてないわけがない。
 昨日のいやな予感が頭をよぎるが常識的に考えれば討伐されているはずだったのだ・・・・

 「バーンの部隊が壊滅だと?」
 まさか欲をかいて変異スライムの以外にも手を出したのか?
 「まさか変異スライムはまだ討伐されてないのか?」
 まだ討伐されてないなら坊ちゃんが納得しないぞ・・・
 「その変異スライムにやられたらしいぞ?」
 はぁ?変異スライムはHP1だろ?
 物理無効でも持ってたのか?
 たとえ物理無効でもバーン部隊の規模なら魔法使えるのも居るだろ?
 どういうことだ?わけがわからん。
 「これじゃぁ俺がスライム討伐に行かなきゃならないじゃんかよ」
 バーンの馬鹿がどんな油断したかは知らんがこれはリスク高い仕事になりそうだ・・・・
 「既にバーンが失敗したって聞いたやつらが集まってスライム討伐に向かってるぞ?」
 マジか?それなら仕方ないよな早い者勝ちだからな・・・・
 これ絶対坊ちゃん納得しねぇよ。
 「ただその討伐も厳しいと思うぞ」
 ?
 「変異スライムの最新の情報が今届いたんだがな・・・見るか?」
 最新?無駄に煽るがHP1が数日で変化してもたかが知れてるだろ?
 「・・・・変異スライムのヒットポイントハッピャク近くあるだぁとぅ~?」
 HP800ならEランクの集団が最低ラインだぞ?
 「今向かってるやつらのランクは?」
 おやっさんが険しい顔つきになる・・・そういえば討伐が厳しいって言ってたな・・・・
 「Dランク以下の傭兵集団だ」
 傭兵集団ってことはかなりの数だろうが最新の情報を持たずに変異スライムと戦えば良くて部隊の半壊、最悪の場合全滅の可能性すらある。

 ギルドもこれ以上変異スライムは手を出すべきじゃないという方針を決めるらしい。
 現時点ならEランク以上の集団で倒せる可能性があるが、変異スライムはこの数日で急成長をしているのだ。明日にはHP1000超えてる可能性すらある。それらを加味するなら討伐に出せるのはGランク以上の集団が必要になる。
 Gランクは冒険者としての最高ランクで、その上のランクは英雄と呼ばれる勇者等しか存在しない。
 つまり変異スライムの捕縛を頼むなら討伐より難易度が高いので英雄に頼むしかない。
 英雄にスライム捕縛を依頼する?
 ありえない・・・・いくら裕福でも依頼料でお屋敷が傾くぞ?
 さすがに坊ちゃんも諦めるだろ・・・・諦めるよな?
 俺の冒険者時代のランクはEの下位だ。現在の実力はDランクが妥当だろう。
 とてもじゃないが化け物みたいなスライムには手も足もでないだろう。

 
 あの変異スライムはどこまで強くなるんだろう?
 ・・・・・まさか新たな魔王候補?
 まさかな・・・・
 そういえば何故このタイミングで坊ちゃんはスライムを欲しがったんだろう?
 タイミングが絶妙すぎるが・・・・・・考えすぎか?
 坊ちゃんはスライムが駄目ならが欲しいとか言い出すし・・・・


 さて今日も坊ちゃんのに付き合うとするか・・・・
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