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6,言いつけを守れずバレてしまいました。
しおりを挟む夜は流石にラムンさんは自宅へと帰るようで必要最低限のこの世界の話を聞いてラムンさんは部屋を出ていった。
お風呂を借り(日本式のように浴槽にシャワーが完備されてました)寝巻きにと用意されていたガウン?バスローブを羽織りベランダへと出た。
夜風が風呂上がりに丁度いい感じに吹いていてベランダに設置されていた椅子に腰掛け背凭れに身体を預け脱力した。
あー……星空は日本というか地球と変わらないが月が2つあるよ。さすが異世界。見慣れた黄色い月とオレンジがかった月が少し重なって空に存在してます。
「お前は一体何者だ?」
「っ!?」
転移させられ色々とあって疲れていたのかウトウトしていたところに声がかかった。
聞き覚えのある声。いや少し低めの圧のかかった声に少しゾクッとしたね。
「あ、王様……」
「ラムンの次はお前か……あいつはどこにいる。」
「……えっと」
「さっさと答えよ。さもなくば今お前の首を跳ねるぞ?」
「……うーん………はい、話しますのでその物騒な物をしまってください。」
首にチクッと痛みを感じたよ?剣を向けられてるよねコレ。
うん、ラムンさんが良い人すぎて油断してたよ。ここ異世界だもん。警戒しなきゃダメじゃん俺。でも俺何もできないんだけどね…魔法使い方教わってないし。
とにかく両手を上げ、ゆっくりと立ち上がった。敵意はありませんよ~明らか俺より強いし権力あるんだから。
振り替えって王様の顔を見たら王様が驚いた顔をしたよ。
あ、そっか。俺の顔(容姿はわからん)はピコリオさんと瓜二つだもんね。
「…変装か?」
「いえピコリオさんとは別人です。」
「あ?」
ひぃ!怒気をはらんだ声で威嚇しないでほしい!俺生まれてこのかた喧嘩なんかしたことないんだから!萎縮しちゃうよ…
「と、とにかくお話をしましょう?中へはいりませんか。」
「……お前は何者だ?」
「あーえーっと…簡単に言えば異世界人?」
「………」
ゆっくり剣を下ろして鞘に閉まってくれた。あ、聞いてくれる気になったみたい。
俺が先に中に入り、その後ろから王様が付いてくるよう中に入ってきた。
「俺の名前は二ノ宮葵。二ノ宮が姓で葵が名前です。先ほど言いましたが異世界からこちらにやってきました。」
「あいつが呼んだのか。」
「そうですね。急に俺の前にピコリオさんが現れて何も説明されずこの世界に飛ばされました。」
「何故ここに来たのか知ってるのか?」
「大体は。飛ばさてすぐにラムンさんが側にいて説明されました。この世界の事と、王様の事を。」
「ほぅ…なら我が何故ここにきたかわかるな?」
「その前に聞きたいことがあります。」
「……」
いやいやいや!
この流れはヤバイ!
なんとか話を伸ばさないと………
俺、ライオンに喰われるっっっ!
「王様。王様はピコリオさんの事をどうお思いで?」
「あ?」
「その、好意がおありで?」
「あぁ?」
「……違うの、ですか?」
「なんであいつを好きにならねばならん!元々我は奴を抱くつもりは毛頭ない!だれがあんな傲慢な奴を好き好んで抱くかっ!」
「……えぇぇ~?」
王様いわく、発情期を待ち無理矢理抱くつもりだったらしい。ある程度乱暴に扱おうが魔力が高いピコリオさんなら自己治癒が使えて死ぬことはないらしい。
だから俺の勘違いした「好きだから無理矢理ヤらない」んじゃなく「嫌いだが抱かなければならないから発情期で無理矢理抱く」つもりだったらしい。
それまで逃がさないため厳重に結界を張ったらしい。
…うん、これ俺へとフラグ立ったね。俺最低でも一度抱かれなきゃならない流れになってない?
「…ふむ、あいつと顔は瓜二つだが体内に溜まってる魔力や匂いが全然違うな。」
「あ、王様は番の匂いを嗅ぎ分けられるんですよね?ピコリオさんからは番の匂いはしなかったんですか?」
「せん。それどころか、やはりあいつとは相性最悪だった。嫌悪しか抱かなかった。」
うっわー辛辣。
つまり嫌いな匂いだったと。だから発情期に任せて襲おうと。
…こりゃピコリオさん逃げたくなるわ。もしかしたら流血沙汰になりそうだし。
「さて、もうそなたの事はわかった。あいつの身代わりでここにいるのだろう?なら…覚悟はできてるな?」
「…へ?」
カクゴ?なにそれ美味しいの?
いやいやいや!俺、昼間にここに召喚されたばかりで逃げることも、ましてや心の準備なんてできるわけない!
あ、これ詰んだ気がする。
ピコリオさん、ラムンさん、助けて……
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