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第1章 いざ異世界へ
1ー16 ラーヤ村復興のお手伝い⑧
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それから日にちに換算すると3ヶ月。合計五つの家が建てられた。
一軒作るのに1ヶ月使ったが、その一軒を作った事でコツを掴んだらしく後の四軒はあっという間に完成した。
途中木材が足りなくなり応龍とクロウで丸太の調達に行ったりして慌ただしい日々を過ごした。
その間に何件か変わった出来事があった。
まず、アルパーヤの街の近くにある獣族と鳥獣が暮らす村の者達がラーヤ村に移住してきたのだ。
話を聞くと、争い事が起こった時に家を燃やされ食べ物も燃え果ててしまい、今のままじゃ復興どころか餓死してしまうという事で、話し合った結果、ラーヤ村にお世話になろうと話がまとまり遠くから遥々歩いてきたらしい。
ピスパロウが二手に別れ、一つは獣族をラーヤ村へと導く役目、もう一つは・・・
「ピチュチュ、ピピピピ~(お願いします。ここに住まわせてください)」
「・・・え?」
『なんだこ奴らは?・・・あぁ、あのアルパーヤの街に行った時に助けを求めてきた奴か。』
「あのピスパロウたちですか。えっと・・・とりあえず応龍さんはピスパロウさんの話を聞いてみて下さい。私は村の皆を集めてきます。」
それから村人たちを集めて話し合いをして、満場一致で獣族と鳥獣を受け入れる事に決まった。
そしてザクを筆頭にガイン・ラーナの3人でピスパロウと一緒に獣族の者達を迎えに行った。
「・・・此度は我ら獣族と鳥獣ピスパロウを受け入れて頂き感謝致します。私は村長のガーロウと申す。山猫種になります。」
「山猫!!!」
「はい、今では珍しい種族です。」
山猫種に反応したのは四葉だった。目を輝かせながらガーロウに近づく。
「その耳の形や模様はアムールヤマネコの特徴に似てますね。」
「あむーるやまねこ・・・ですか?」
「ガーロウさん、私が住んでた所では絶滅危惧種に属していて滅多に御目にかかれない種なんです。」
ガーロウの特徴は小さな丸みのある耳に普通の猫種の尻尾より短めで太い。
なによりアヤンたち豹種にはいない灰褐色で、耳の裏には白斑があり尾には暗褐色の輪状斑が入っている。
四葉は珍しい動物が好きだったので学校が休みの時は図書館で図鑑を観たり動物園へ足を運んだりしていた。
『おい四葉殿、話が進まぬ。元の位置へ戻れ』
「・・・あっ申し訳ございません」
珍しい種族だと聞いて思わず前のめりになってしまってた。名残惜しそうに渋々ながら元いた位置へ。
満場一致で受け入れる事は決まっていたが、こちらも復興中。まだまだ家が一軒も建てられてない状態に新しい住民を受け入れるのはどうかと村人たちは相談していたが、獣族たち曰く、野宿は慣れてるとか、襲ってくる魔獣(オオカラスなどは除く)がいない事を事前に把握した上で移住するという決断をして今にいたるという。
「こちらは大人が5人しかおらず、人手不足でしたので、復興の手伝いをして頂けるのであれば歓迎いたします。」
「それはもちろんの事。こちらは・・・みての通り男性陣ばかりで・・・女性陣の、殆どは捕虜、または殺されてしまって・・・くっ!」
「・・・心中お察しします。捕虜になった方々はきっと・・・助けられる可能性もあります。・・・どうかお力おとされません様に。」
「はい。・・・はい、そうですね。」
獣族の者達は肩を落とし俯いている。村長のガーロウだけが顔を歪ませながら今後の話に参加していた。
それからシャルルク親子が設計図の説明をして作業を開始する。
するとサクサクと作業が進んだ。
なんと獣族の皆は大工のスキルを持っていた。元々は争いを好まなかった為、森林の中を伐採して小さな村を作った。その時に皆木を斬り倒したり家を建てたりして木工スキルを手に入れて大工師や木こりの職業を獲得して今に至るらしい。
今必要な人材が増えた事によって作業がはかどり、約1ヶ月で一軒家を作り、コツを掴んだら最後、着々と2軒3軒とあっという間に建築ラッシュを迎えた。
獣族の者達も見たことのない見取り図に心踊らされ、四葉が休憩を積極的にとらせなければ延々と家を作り続けている位、夢中で家作りを楽しんでいた。
それから3ヶ月経つ頃には五つの家が建てられた。
次にアヤンとユウリーンとアイリーンの3人。
家族になると口では言ったが互いに何も知らない状態。そこへアヤンの両親が来たことで関係に変換が起こった。
アヤンとアイリーンは女の子同士なので友達感覚で仲良くなったがユウリーンの方は基本無口な為、話題を作れず気まずい状態だった。
「おう!そこにいる小せぇ2匹がお前の家族になった奴らか!」
「ちょっと父上!」
なんの躊躇もなくズカズカとユウリーンとアイリーンに近付く。
アイリーンは今にも泣きそうな顔をしたが、ユウリーンは無表情だった。
「俺はこのバカ娘アヤンの親でロン・シャルルクという。まぁアヤンの家族となれば俺の家族とも言えるからな。これからお前達の祖父になるんだ。よろしくな!」
ニカッと笑いユウリーンとアイリーンの頭を鷲掴みしてクシャクシャと撫で回す。アイリーンは号泣してアヤンの方へ避難して、ユウリーンは無表情かと思ったら怖くて固まってただけだった。
そのあとアヤンの父親を見るたびに2人はアヤンの後に隠れるようになり、父親のロンはショックを受けアヤンは2人との距離が縮まったと喜んでいた。
そして最後に・・・
クロウが最近、四葉に引っ付くようになりました。
**************************
次の展開なんとな~く想像つきますか?
一応クロウくんは、この物語では中心人物になります。
一軒作るのに1ヶ月使ったが、その一軒を作った事でコツを掴んだらしく後の四軒はあっという間に完成した。
途中木材が足りなくなり応龍とクロウで丸太の調達に行ったりして慌ただしい日々を過ごした。
その間に何件か変わった出来事があった。
まず、アルパーヤの街の近くにある獣族と鳥獣が暮らす村の者達がラーヤ村に移住してきたのだ。
話を聞くと、争い事が起こった時に家を燃やされ食べ物も燃え果ててしまい、今のままじゃ復興どころか餓死してしまうという事で、話し合った結果、ラーヤ村にお世話になろうと話がまとまり遠くから遥々歩いてきたらしい。
ピスパロウが二手に別れ、一つは獣族をラーヤ村へと導く役目、もう一つは・・・
「ピチュチュ、ピピピピ~(お願いします。ここに住まわせてください)」
「・・・え?」
『なんだこ奴らは?・・・あぁ、あのアルパーヤの街に行った時に助けを求めてきた奴か。』
「あのピスパロウたちですか。えっと・・・とりあえず応龍さんはピスパロウさんの話を聞いてみて下さい。私は村の皆を集めてきます。」
それから村人たちを集めて話し合いをして、満場一致で獣族と鳥獣を受け入れる事に決まった。
そしてザクを筆頭にガイン・ラーナの3人でピスパロウと一緒に獣族の者達を迎えに行った。
「・・・此度は我ら獣族と鳥獣ピスパロウを受け入れて頂き感謝致します。私は村長のガーロウと申す。山猫種になります。」
「山猫!!!」
「はい、今では珍しい種族です。」
山猫種に反応したのは四葉だった。目を輝かせながらガーロウに近づく。
「その耳の形や模様はアムールヤマネコの特徴に似てますね。」
「あむーるやまねこ・・・ですか?」
「ガーロウさん、私が住んでた所では絶滅危惧種に属していて滅多に御目にかかれない種なんです。」
ガーロウの特徴は小さな丸みのある耳に普通の猫種の尻尾より短めで太い。
なによりアヤンたち豹種にはいない灰褐色で、耳の裏には白斑があり尾には暗褐色の輪状斑が入っている。
四葉は珍しい動物が好きだったので学校が休みの時は図書館で図鑑を観たり動物園へ足を運んだりしていた。
『おい四葉殿、話が進まぬ。元の位置へ戻れ』
「・・・あっ申し訳ございません」
珍しい種族だと聞いて思わず前のめりになってしまってた。名残惜しそうに渋々ながら元いた位置へ。
満場一致で受け入れる事は決まっていたが、こちらも復興中。まだまだ家が一軒も建てられてない状態に新しい住民を受け入れるのはどうかと村人たちは相談していたが、獣族たち曰く、野宿は慣れてるとか、襲ってくる魔獣(オオカラスなどは除く)がいない事を事前に把握した上で移住するという決断をして今にいたるという。
「こちらは大人が5人しかおらず、人手不足でしたので、復興の手伝いをして頂けるのであれば歓迎いたします。」
「それはもちろんの事。こちらは・・・みての通り男性陣ばかりで・・・女性陣の、殆どは捕虜、または殺されてしまって・・・くっ!」
「・・・心中お察しします。捕虜になった方々はきっと・・・助けられる可能性もあります。・・・どうかお力おとされません様に。」
「はい。・・・はい、そうですね。」
獣族の者達は肩を落とし俯いている。村長のガーロウだけが顔を歪ませながら今後の話に参加していた。
それからシャルルク親子が設計図の説明をして作業を開始する。
するとサクサクと作業が進んだ。
なんと獣族の皆は大工のスキルを持っていた。元々は争いを好まなかった為、森林の中を伐採して小さな村を作った。その時に皆木を斬り倒したり家を建てたりして木工スキルを手に入れて大工師や木こりの職業を獲得して今に至るらしい。
今必要な人材が増えた事によって作業がはかどり、約1ヶ月で一軒家を作り、コツを掴んだら最後、着々と2軒3軒とあっという間に建築ラッシュを迎えた。
獣族の者達も見たことのない見取り図に心踊らされ、四葉が休憩を積極的にとらせなければ延々と家を作り続けている位、夢中で家作りを楽しんでいた。
それから3ヶ月経つ頃には五つの家が建てられた。
次にアヤンとユウリーンとアイリーンの3人。
家族になると口では言ったが互いに何も知らない状態。そこへアヤンの両親が来たことで関係に変換が起こった。
アヤンとアイリーンは女の子同士なので友達感覚で仲良くなったがユウリーンの方は基本無口な為、話題を作れず気まずい状態だった。
「おう!そこにいる小せぇ2匹がお前の家族になった奴らか!」
「ちょっと父上!」
なんの躊躇もなくズカズカとユウリーンとアイリーンに近付く。
アイリーンは今にも泣きそうな顔をしたが、ユウリーンは無表情だった。
「俺はこのバカ娘アヤンの親でロン・シャルルクという。まぁアヤンの家族となれば俺の家族とも言えるからな。これからお前達の祖父になるんだ。よろしくな!」
ニカッと笑いユウリーンとアイリーンの頭を鷲掴みしてクシャクシャと撫で回す。アイリーンは号泣してアヤンの方へ避難して、ユウリーンは無表情かと思ったら怖くて固まってただけだった。
そのあとアヤンの父親を見るたびに2人はアヤンの後に隠れるようになり、父親のロンはショックを受けアヤンは2人との距離が縮まったと喜んでいた。
そして最後に・・・
クロウが最近、四葉に引っ付くようになりました。
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次の展開なんとな~く想像つきますか?
一応クロウくんは、この物語では中心人物になります。
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