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番外編…アルトゥン編

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さてどうしてくれようか。まずはウィンザに接近禁止命令を下そうか。

まずはウィンザだ。聞くとかなり年老いてるようでいつ命が尽きるのかわからないらしい。なのでインヴェルノに提案をし、延命措置として魔力を注いだ魔石を渡す事となった。本来はドラゴンと契りを交わせば解決する話だが早速我が側近たちがやらかしてしまったが為、もしかしたら誰とも伴侶を娶らない可能性もある・・・知らない国に来て不安だろうインヴェルノの為にもウィンザは長く生きてもらいたいものだ。

だがウィンザが若返った姿に驚く。白髪が多かった髪が本来の色、焦茶色になり年を取った証の肌の皺が無くなり肌に艶が戻っていった。体格も、服装でよくわからないが余裕があった肩幅や袖の辺りがピッチリになっている。まさに美丈夫な男に若返ったのだ。
・・・若返ったウィンザに興奮したインヴェルノが我以外の男を誉めちぎったのだ。むぅ、気に入らん。大人げないとは思いつつインヴェルノを引き寄せて唇を奪う。見せつけるよう、マーキングするように深く口付ける。そしてインヴェルノを解放しウィンザに威嚇をする。
・・・すると2人が何故か笑い出した。ぐぬ、なんだか居たたまれない不愉快な気持ちになった。
インヴェルノが我に見かねたのか頬に軽くキスをして想いを伝えて、そして謝罪してきた。器が小さい事に気づかされ無様に嫉妬してしまった自分が情けなくなってしまった。


ムスタを護衛として残し廊下へと出る。・・・まずは側近たちを鍛え直すか。

『雷よ』
ゴロゴロ・・・ピシャーン!・ピシャーン!・バリバリバリ~

魔法を使い側近たちを鍛え直す。人形ならすぐ避けられるもののドラゴンの姿だと体積が大きいため先読みして素早く避けないと直撃する。強靭な鱗を纏ったドラゴンでも我が詠唱して放つ魔法には避けねば大ダメージを受ける。


「詰めが甘い。・・・『風よ』」
「ひぇぇ!」
「ぎゃあああー!」

全く・・・鎌鼬ですら避けられないとは。
流行り病の処理や被害が酷かった所へ物資を運んだりと訓練する暇が無かったとはいえ・・・怠け過ぎではないか?

訓練を終わる頃には立ち上がってる者はいなかった。・・・これは酷い有り様だな。終了の合図をし、明日の早朝も訓練をすると告げる。うむ、絶望一色だな。訓練を蔑ろにした罰、そして我が国に招いた逆に無闇に接触した罪。その身に刻んでもらおう。

その夜は付き人2頭も一緒に5人で夕食をとりインヴェルノに寄り添って眠った。懐に踞って眠る我が番には傍にいるだけで癒される。こんなにも安らかに眠るのは何年ぶりだろうか・・・

翌日。
毎日インヴェルノに付き添う事は難しいので代わりにムスタかヴァルコイネンのどちらかを常に護衛として付き添うよう指示をする。インヴェルノの傍にはいつもウィンザが寄り添ってるので常に2人と1頭で移動するようにする。
そして今日、城に仕えてるドラゴン達の紹介をした。・・・インヴェルノは集まったドラゴン達を見て回復魔法を広範囲にかけていた。はぁ・・・我が番はなんとも優しい奴だな。今朝の訓練も手厳しく指導してたので傷も治らないうちに広間へ来たのだろう。執務に携わる者たちは一瞬何が起こったのか理解してなかったが回復してもらったドラゴンたちは一斉にインヴェルノに感謝していた。

大体紹介し終わりウィンザに今後の事を聞くとクロノウス同様、補佐として政務を執り行うと申し出てきた。有難い申し出だ。元々王族の付き人をしていたのだ。マナー等は種族共通だろう。問題ない。


紹介が終わり次は世界樹の元へ行く。すると世界樹の世話をしている者たちが騒いでいた。何かあったのか?近付くにつれ異変は直ぐにわかった。なんと世界樹が金色に輝いていたのだ。

・・・まさか信じられん。なんと我らの子が世界樹に成ったと報告を聞く。しかも金1銀2と卵が成ってると言われた。銀色だと・・・?
思わずインヴェルノに頬擦りした。インヴェルノは困惑はしていたが我の喜びが伝わったのか微笑み撫でられた。

銀色の卵、つまり銀のドラゴンが生まれる証拠である。銀ドラゴンは古代のドラゴンで何億年前に生息していたらしいが今は一頭もいない。それが我が番との初めて契りを交わしたその日に成るとは思いもよらなかった。銀ドラゴンが我が子に授かるとは・・・未来は安泰する。そう確信が持てる程、喜ばしい。


インヴェルノに今後について話す。まず国の母としての役目だ。この世界樹に成っている卵は自分だけでは孵化できない。国の母に魔力を注がれ助けてもらいながら自力で殻を割り生まれてくる。この誕生の手助けをインヴェルノにやってもらわねばならない。
またも我の説明を驚きながらもちゃんと理解し飲み込み慎重に頷いてゆく。
試しに1個、ずっと何年も卵のままで育っているものを選びインヴェルノに孵化を促してもらう。


「では、大切な卵をお借りしますね・・・」
「は、はい!」


そう一言添えて母ドラゴンから卵を慎重に受けとる。・・・丁寧な対応に見惚れる。母への気遣い。大切に卵を受けとる仕草。安心させるような笑顔。どれも説明なく自然とやり遂げる姿はまさに『国の母』。惚れ惚れする。
インヴェルノの後ろで見守る。・・・無事に1頭、新しい命が孵った。インヴェルノは感激してるのか辿々しい仕草で生まれたばかりの子ドラゴンを殻が付いたまま抱き締める。あぁ・・・早く我が子も孵化させ抱き締めてやらせたい。
それから母ドラゴンに子を引き渡す。感極まって破格の笑みを浮かべていた。ああ可愛い。今すぐ抱き締めたいが国民がいる中、そうだらけた姿を見せるわけにはいかない。理性でなんとか留まりインヴェルノに声をかける。簡単にアドバイスをする。まだ惚けてるのか笑みが止まらない様子だった。


名残惜しいが職務が残ってるためムスタを残し背にウィンザを乗せ城へと帰る。うーむ・・・もう少し眺めていたかった。


「アルトゥン陛下。私はこれからどうすれば良いのでしょうか。」
「まずは城へ戻りヴァルコイネンに着いて行け。ルコイに内容を説明してある。一通りの流れを教われ。」
「畏まりました。あの・・・陛下とインヴェルノ様のお子は生まれる時、何か変化とか起きるのでしょうか?」
「ああ・・・我も初めての子であるが故、聞いた話のみで知ってるのだが、親のみがわかる感覚があるらしい。きっとヴェルにも感じるだろう。」
「そうですか。・・・楽しみですね。インヴェルノ様、子ドラゴンを抱き抱えてる時、とても幸せそうでした。」
「ふっ、そうだな。待ち遠しいな。」


他愛ない話をしながら城へと余韻に浸りながら飛んでいく。
そして城へ着くとクロノウスとヴァルコイネンが待っていた。うむ、気を引き締め職務に励もうか・・・


王になりインヴェルノを伴侶に迎えてから何十年と経った。今では様々な街に子供が溢れている。子供は未来の象徴。インヴェルノによって子ドラゴンは無事に生まれ、100年も立てば立派な成龍となり番となる伴侶を探し求める。
子ドラゴンは親の他に街全体で見守り育てられる。子ドラゴンは青年となり学を学び始める。自分に合う仕事を見つけ職を探す。

城の中には3頭の子ドラゴンがいる。金色に輝く鱗を持つ王女のロールァ。銀色の艶やかな鱗を持つ王子のラルジャンとアルギュロス。この3頭は城内を騒がしく走り回り側近達の手を焼かせている。微笑ましい光景だ。


「ロールァ、皆さんを困らせては駄目だよ。」
「あー母様ぁ~!もう大丈夫なんですかぁー?」
「大丈夫だよ。少し遊ぼうか。」
「母上!今日は僕の番です!」
「狡いぞギュロ!昨日はロールァで今日は俺だ!」
「はいはい。じゃあ飛ぶ訓練も兼ねて外へ行こうか。」
「「「はーい!」」」


これもいつもの光景だ。何十年経とうが未だに親離れをしない我が子たち。・・・生まれたばかりの頃はこれ程明るくなるとは思いもよらなかった。

ドラゴンという種族は自分より格下の者には一切寄り付かせず威厳を維持するため威嚇したりする。それは産まれた子であれ、そーゆう認識で産まれてくる為それが自然だった。
・・・だがインヴェルノにとっては大問題だった。インヴェルノ曰く「ベテルギウス王国と変わらない!」と言われ説教を食らった。・・・こんな事、初めてだ。屈辱・・・とまでは思わんがこっちの言い分だってある。


「アルトゥン様の仰ってる事は『差別』です。今は立派な大人で国王のお立場なのでご存知かとは思いますが、このままでは子は立派な大人になれません!」
「聞け!我らだって立場はある。特に我らのような目立つ色は特に狙われやすいのだ。それゆえ無闇に他人との接触は控えるのだ。これは自己防衛の為でもあるのだ。」
「・・・今この平和な時に誰が我が子たちを暗殺しようとするのです?数が減り今は多くの子供達で溢れているのに不粋な真似をする輩がいるとでも言うのですか?そこまで先を考えない愚かなドラゴンがいるのですか?」
「なっ!?それは侮辱というもの」
「初めに侮辱したのは紛れもなく我が子です!自分より弱いから? 魔力が低いから?色が違いから?たったそれだけで見下し、祝福してる者を足蹴りしてるのは誰ですか!!」
「!だがそれは」
「本能!ただ本能に従ったまで!そう言って修正もせず好き勝手にさせるおつもりですか!」
「っ!」


なんなんだ!何故そうまでこだわる?強い生き物は弱い生き物を蹴落とすのは当たり前ではないか。この城に仕える者たちは自分の仕事を全うするから好きにやらせてるし、それは結果的に我にメリットがあるために多少労ったり軽く挨拶したりしている。
我々ドラゴンにとって、それは至極当然の事であり性質であり本能のまま行動にだしているだけだ。
インヴェルノの言うことは確かに一理ある。だが本能で自分より上の者以外に愛想を振り撒かないのは当然であり、むしろ生まれたばかりの子がそう判断した事に誉めてやりたい程だ。


「では極端な話をします。・・・もし流行り病が広がり、我が子たちと下級のドラゴン数頭しか生存しなかった場合、どうしますか。」
「・・・それは兄弟だけで」
「食事も何を食べればいいかわからない。どう人形になればいいかわからない。どうやって空を飛ぶのかもわからない。・・・親に教えてもらう筈の事を産まれてすぐいなくなってしまった場合、それを誰に教わるのですか?」
「・・・そ、それは」
「図書館で勉強しますか?無理でしょう、字も読めないのですから。自分で狩りをして食事を採りますか?無理でしょう、殺るまえに殺られてしまいます。例え魔力が膨大にあったとしても使い方を知らなければ宝の持ち腐れですから。・・・ではどうしますか?」
「・・・近くにいるドラゴンに話をする。」
「その方がほぼ魔力が底辺でも?ドラゴンで一番弱い緑のドラゴンでも?」
「・・・そうだな。ああ、我ならきっとそうする。」


そうだな。・・・迂闊だった。インヴェルノは聡明である。そして誰よりも他人の事を考えている。そして先を読み明るい未来になるよう行動している。
そうか、これは単にドラゴンのプライドだな。なんたるちっぽけな・・・自尊心。自分へのおごり。うぬぼれ。慢心な態度だな。


「わかってもらえましたか。国の王は民をまとめ、不安を払拭するため威厳を保たなければなりません。そのため誰よりも強く、尊敬される存在で在らねばなりません。ですが子は違います。自立するには余りにも幼くか弱い存在です。それ故、近くの者達が立派な大人になる為に手を貸さねばなりません。・・・ですがそれを拒んでしまえばきっと成長する為の機会を失うも同然なのです。」
「ああ・・・あいわかった。ヴェル、我が番、この誤った考えに気づかせてくれて感謝する。」
「いえ・・・僕が伝えたい事を拒みもせず聞き入れてもらい有難うございます。」


こ奴は・・・!
いつもこうだ。低姿勢!自分には低い評価をするくせにいつも周りに気を配り誰よりも先に変化に気付き声をかける。そして今のように間違った事を根気強く説得する姿勢。・・・我が番は本当に女神のようだ。流石は我が国の母。いつも惚れ惚れする。


それから1頭ずつ論すように話しかけ誰に対しても親しく接するよう心掛けよと説得する。子たちには難しいだろうに、だがインヴェルノの必死さが伝わったのか一生懸命話を聞いて頷いていた。・・・そうだ、我が子らにはインヴェルノの血も流れてるのだ。柔軟性はきっと受け継いでるはずだ。・・・うむ、子育てはインヴェルノに任せれば立派な跡継ぎに育つだろう。


そしてその日の夜はかなり熱い時を過ごした。インヴェルノが愛おしくて愛おしくて何度も求めてしまった。
インヴェルノの声、甘い嬌声は魅力的でずっと聞いていたい程だ。鼻から抜けるような妖美な声、イイ所を突いた時の喘ぎ声、どれも我にとって魅力的で気持ちが高ぶり興奮する。
そしてインヴェルノの身体は我に快楽しか与えてこない。甘い匂い、手に吸い付く柔肌、しなやかな腰、そして我を包み込む熱い中・・・
あんな小さな身体なのに我のモノを受け入れ必死に応えてくれる健気さ。どれもこれも愛おしい。

ずっと我のもの。一生我のもの。死が二人を別つまで・・・ずっと一緒だ。



今ではインヴェルノがどうしてあんなに説得するように我に論してきたのかがわかる。我が子は皆、生き生きと成長している。インヴェルノに言われた通り誰にでも嫌な顔一つせず親しく接している。たまに悪戯で大人を困らせてるがそれは愛嬌だな。くくく・・・またクロノウスを困らせておった。あまりクロノウスをからかわないでもらいたいのだがな。あ奴は最近腰を痛めたらしいからな。若い者の体力には着いていけない位、年を取ってるのだから。
だが予想外な事に、我が子らは体格もしっかりして学も学びしっかりしてきているのに、未だに母に甘えておる。かなりべったりとな。
もうインヴェルノよりかなり大きくなり、昔はインヴェルノが子らを抱き抱えていたのに今はその逆だ。何故か子が親を抱え取り合いっこしておる。インヴェルノは抱っこしている子を撫で繰り回し甘やかしてるので、話しかけに甘えたいがため取り合いっこしている。はぁ・・・なんとも情けない姿・・・あの中に次期国王になる者がいるのだと思うと先が思いやられる。まぁ微笑ましい光景ではあるがな。
最後は我が仲裁に入りお開きになる。流石に我が子らは我に逆らう事はしない。まだ力の差が有り過ぎるからな。まぁそのうち我と同等かそれ以上になるか・・・ああ、子らの成長は待ち遠しいな。

インヴェルノが我の傍にいる限りこの国は安泰そのものだな。



完。

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のち、番外編…その後を何話か書き完結しようと思います。もう少しお付き合いして頂けると有難いです。

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