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第26話 武寅の憂鬱
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武寅sideで2話程進めます
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小虎を万理衣に預けた後、気になって仕方がなく何も手をつける事ができなかった。
初めて見た万理衣の獣人の姿は魅力的で美しかった。手を掴まれ空へと飛び立った時、優越感に浸った。
そして屋敷に着くと小虎が万理衣に抱き着いた。・・・弟であれ少しイラついた。
「尾麟の名にかけて小虎くんを無事に送迎させてもらいます。」
そう言って微笑まれた。仕方ないな。呼ばれたのは小虎なわけで俺じゃない。
始め、聞いた時には信じられなかった。小虎が麒麟組の組長に気に入られた・・・なんて聞かされても信じられなかった。麒麟組は噂でしか聞いた事がなく実在するのかすら疑わしかった。
だが先月、万理衣に会って小虎を助けてもらい、麒麟組の組長に会い、それでやっと信じる事ができた。しかも小虎を狙った鎮西組が麒麟組によって潰されたという極道の仲間も驚きのニュースになった。
11時を回り小虎を抱き抱えながら万理衣が帰って来た。寄り道するところがあると言って小虎を受け取るとすぐ闇の中へ消えていった。
次の日、万理衣に会いたくなり店が定休日という事なので日が沈んで間もなく万理衣の所へ訪れた。
店には結界?が張ってて悪しき者は店に辿り着けないと始め出会った頃に言われてたが、俺は何故か店に認められいつでも店に来れるようになった。
繁華街を通り、スナック店の横道を通り、すぐに曲がり角を曲がると店に辿り着く。
案の定出入口には定休日と書いてある貼り紙が貼ってあり中は電気はついてなかった。2階の方を見ても同じく電気はついてなかった。
・・・前に小虎を誘拐未遂事件から北御座組の事もあり緊張が解けないまま、それが原因か不眠症になり仕事に支障を来すほど身体が弱っていった。
そして、いつの間にか店へと歩んで行き丁度万理衣が閉店準備をしている時に出会い、万理衣がタオルを持って近付いてきたので思わず抱き締めてしまった。
雨が降ってるのに気付かず外出してしまってたらしくスーツはびっしょりだった。
店に入り明るい所で万理衣は俺の顔を見て驚かれた。余程酷い顔をしていたのだろうか。
お茶を出してもらい風呂をわかしてもらった。てきぱき動く万理衣の姿をずっと見ていると、仮面をしているがなんとなく目が合い、なんとなく心配しているような雰囲気を感じとれた。
優しいというかお人好しの万理衣を見て笑みをこぼす。
それから服を借り、万理衣のベットに座り万理衣が風呂を上がるのを待つ。そして一緒に横になる。背中を向けて横になった万理衣に腕枕をさせてもらい抱き締めた。シャンプーと、シャンプーと違う甘い匂いがして凄く落ち着いた。
万理衣に名前を呼ぶように言うと答えてくれ、こちらに振り向いてくれて背中に腕を回して互いに抱き付く感じになる。
暖かくて万理衣の優しい声で名前を呼ばれ、いつの間にか眠りについた。
それから万理衣がいないと寝付けないと結論付け、万理衣の迷惑にならないよう限界ギリギリの2~3日に一度、閉店時間を狙って万理衣の元へ行くようにして睡眠を取るようにした。
ある日、閉店時間を過ぎ店に訪ねると出入口が閉まってた事があり、裏口から入れてもらった事がある。その時に嬉しいことに裏口のスペアキーを預けてくれた。万理衣がいない時でも勝手に中に入っても良いと言われ顔には出さなかったが嬉しさで内心ガッツポーズをしていた。
話を戻し、スペアキーを使い裏口から中に入った。
・・・すると部屋全体から万理衣特有の甘い匂いが充満していた。いつも嗅いでる匂いよりもっと濃厚なロイヤルハニーの様な匂いが充満していた。
なんだこの匂い。こんな事、この店にきて初めての事だ。
そして何故か身体が火照り始めた。何故だ?
何度か幹部が屋敷に女を連れてきて欲求を解放しろと言われ定期的に抜いている。
でも、この甘い匂いを嗅いだ瞬間血が騒いだ。
・・・ところで万理衣は外出してるのか?
「万理衣?万理衣、いないのか?」
返事は帰ってこない。だが2階から布が擦れるスススっと音が聞こえた。・・・まだ寝ているのか?
2階へ行く。
・・・すると次第に匂いが更に濃くなっていった。
そして万理衣の部屋に着きノックをする。
声をかけると辛そうな途切れ途切れに声が聞こえた。中に入ってくるなと言われたが心配になり中に入る。
すると万理衣の姿に驚愕する。
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小虎を万理衣に預けた後、気になって仕方がなく何も手をつける事ができなかった。
初めて見た万理衣の獣人の姿は魅力的で美しかった。手を掴まれ空へと飛び立った時、優越感に浸った。
そして屋敷に着くと小虎が万理衣に抱き着いた。・・・弟であれ少しイラついた。
「尾麟の名にかけて小虎くんを無事に送迎させてもらいます。」
そう言って微笑まれた。仕方ないな。呼ばれたのは小虎なわけで俺じゃない。
始め、聞いた時には信じられなかった。小虎が麒麟組の組長に気に入られた・・・なんて聞かされても信じられなかった。麒麟組は噂でしか聞いた事がなく実在するのかすら疑わしかった。
だが先月、万理衣に会って小虎を助けてもらい、麒麟組の組長に会い、それでやっと信じる事ができた。しかも小虎を狙った鎮西組が麒麟組によって潰されたという極道の仲間も驚きのニュースになった。
11時を回り小虎を抱き抱えながら万理衣が帰って来た。寄り道するところがあると言って小虎を受け取るとすぐ闇の中へ消えていった。
次の日、万理衣に会いたくなり店が定休日という事なので日が沈んで間もなく万理衣の所へ訪れた。
店には結界?が張ってて悪しき者は店に辿り着けないと始め出会った頃に言われてたが、俺は何故か店に認められいつでも店に来れるようになった。
繁華街を通り、スナック店の横道を通り、すぐに曲がり角を曲がると店に辿り着く。
案の定出入口には定休日と書いてある貼り紙が貼ってあり中は電気はついてなかった。2階の方を見ても同じく電気はついてなかった。
・・・前に小虎を誘拐未遂事件から北御座組の事もあり緊張が解けないまま、それが原因か不眠症になり仕事に支障を来すほど身体が弱っていった。
そして、いつの間にか店へと歩んで行き丁度万理衣が閉店準備をしている時に出会い、万理衣がタオルを持って近付いてきたので思わず抱き締めてしまった。
雨が降ってるのに気付かず外出してしまってたらしくスーツはびっしょりだった。
店に入り明るい所で万理衣は俺の顔を見て驚かれた。余程酷い顔をしていたのだろうか。
お茶を出してもらい風呂をわかしてもらった。てきぱき動く万理衣の姿をずっと見ていると、仮面をしているがなんとなく目が合い、なんとなく心配しているような雰囲気を感じとれた。
優しいというかお人好しの万理衣を見て笑みをこぼす。
それから服を借り、万理衣のベットに座り万理衣が風呂を上がるのを待つ。そして一緒に横になる。背中を向けて横になった万理衣に腕枕をさせてもらい抱き締めた。シャンプーと、シャンプーと違う甘い匂いがして凄く落ち着いた。
万理衣に名前を呼ぶように言うと答えてくれ、こちらに振り向いてくれて背中に腕を回して互いに抱き付く感じになる。
暖かくて万理衣の優しい声で名前を呼ばれ、いつの間にか眠りについた。
それから万理衣がいないと寝付けないと結論付け、万理衣の迷惑にならないよう限界ギリギリの2~3日に一度、閉店時間を狙って万理衣の元へ行くようにして睡眠を取るようにした。
ある日、閉店時間を過ぎ店に訪ねると出入口が閉まってた事があり、裏口から入れてもらった事がある。その時に嬉しいことに裏口のスペアキーを預けてくれた。万理衣がいない時でも勝手に中に入っても良いと言われ顔には出さなかったが嬉しさで内心ガッツポーズをしていた。
話を戻し、スペアキーを使い裏口から中に入った。
・・・すると部屋全体から万理衣特有の甘い匂いが充満していた。いつも嗅いでる匂いよりもっと濃厚なロイヤルハニーの様な匂いが充満していた。
なんだこの匂い。こんな事、この店にきて初めての事だ。
そして何故か身体が火照り始めた。何故だ?
何度か幹部が屋敷に女を連れてきて欲求を解放しろと言われ定期的に抜いている。
でも、この甘い匂いを嗅いだ瞬間血が騒いだ。
・・・ところで万理衣は外出してるのか?
「万理衣?万理衣、いないのか?」
返事は帰ってこない。だが2階から布が擦れるスススっと音が聞こえた。・・・まだ寝ているのか?
2階へ行く。
・・・すると次第に匂いが更に濃くなっていった。
そして万理衣の部屋に着きノックをする。
声をかけると辛そうな途切れ途切れに声が聞こえた。中に入ってくるなと言われたが心配になり中に入る。
すると万理衣の姿に驚愕する。
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