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番外編…他視点

お兄様はやっぱりお兄ちゃんだった④

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ついに高等部へと進級しました!ついに乙女ゲーム開始です!



代表挨拶は勿論ユーリオン王太子殿下です。うわぁ~スチル通りの背景にテンションMAXです!ミーハーの様に「キャーーー!ユーリオン様ぁ~~~!」みたいに叫んでみたいです!

でも貴族が殆ど通ってる学園。大声を出す令嬢は一人もおりません。そんな端ない事はできませんよ、はい。

お兄ちゃんに教えてもらったりして成績は優秀の部類に入りシナリオ通りSクラスへ。仲の良い令嬢も一緒で一安心。これで楽しい学園生活を送れるってものよ!

さらに今日からお兄ちゃんと一緒に馬車に乗って登園できるし!それが何より嬉しい!


でも、多分それは始めのうちだけじゃないかな~と予想する。何故ならユーリオンが学園の始業式の日に、久しぶりにお兄ちゃんと一緒に登園できると喜んでたら………ユーリオンにお兄ちゃんを攫われちゃった。ふぇぇぇ~ん!

でも、代わりと言っては何ですがアレキウスと一緒に登園する事になりました。うふふ~嬉しい!



実は………!
アレキウスに告白されました!時期は私が高等部に入るニヶ月前。もう嬉しくて即答しちゃった!………その後気を失ったけど。

でもそんな想像してたロマンチックな感じに告白はされてないんだよね。なんせ……ラッキースケベのような出来事がきっかけで、それに勢い余って告白の流れに行っちゃいましたって感じだったからね。


………やっぱり私を妬む人もチラホラ居たわけで。ほんの細やかな嫌がらせなんだけど塵も積もれば何とやら………地味に傷つく。
それが2年以上続けば開き直り自分で対処できるものは対処した。友達にも助けてもらったりして孤立する事なく進級が確定した時、最後の足掻きとばかりに階段から突き飛ばされてしまったの。
そこでヒーローの登場。タイミングバッチリ、アレキウスが階段を登ってる所に私が落ちてくるのを察して駆けつけてくれて助けてくれた。
………ここまでは胸キュンシーンで終わる所なんだけどね。

階段って場所が悪かったね。アレキウスが私を受け止めた、までは良かったんだけど、何を油断したのか足を滑らせ真っ逆さま。抱きこまれた私は無傷………では済まされなかった。

普段やらない事をしたのが悪かった。

一緒に落ちる!せめて頭だけは守らなくては!……と思いアレキウスの頭上へ腕を伸ばしたら………すぐ床だったらしく頭上を守るまでもなくバターン!と倒れてしまったんだよね。………で、必死にアレキウスの頭を守ろうと前のめりになった私はすぐ床だったことを知らず勢い余って……………

何故かアレキウスにキスしてしまったんだよね。

胸にアレキウスの頭を抱込もうとしたんだけどね。間に合わず中途半端に抱きついてしまい、勢い余って口と口がくっついてしまいました。しかも衝撃を覚悟するため目を閉じての行動だったので今の現状に追いつかず暫く硬直してしまったので数秒ほど口付けしたまま………


アレキウスも予想外の出来事に何も動けず互いに身動きできずチューしたまま数秒………

互いに頭が働き始めたら急いで互いに距離を置き互いに誤り三昧。そしてアレキウスが「責任を取る!結婚しよう!」と言われ私は「はははははいぃぃぃ~!」と返事をした後、キャパオーバーし暗転した。…………気がついたら自分の部屋にいた。


で、後日。アレキウスに呼び出され個室を借り話し合いタイム。………嬉しいことにアレキウスは私と初めて会った時から(確かアレキウスが8歳で私が6歳の時かな?)一目惚れしてくれてたらしく、でもお兄ちゃんという鉄壁の壁があったため告白すらするタイミングがなく、とにかく自分磨きしてお兄ちゃんに認めてもらってから告白するつもりだったらしい。

「大嫌いな勉学に励んで励んで………なんせアキラは馬鹿は論外だって言われたからな。薬草齧って徹夜して机に齧りついたよ。ま、お陰で俺は脳筋と言われる事がなくなったけどな!」

「そ、そうなのですか……!」


やはりお兄ちゃんの影響は絶大らしい。乙女ゲームのアレキウスはお馬鹿だったのに。でも天然キャラは変わらないし明るい性格も変わらない。ただ馬鹿が頭良くなった感じに、もう欠点が克服され敵無しの状態になった感じね。


………で、最近はお兄ちゃん、ユーリオンに付きっ切りでよく私を任されてたから近いうちに告白しようとしてた時にこの展開。ファーストキスを奪った責任という大義名分(←多分、違う)をきっかけに今しかない!と思い告白したというわけらしい。

はぁ~良かった………責任感で告白してきたんじゃなくって。罪悪感からのお付き合いなんて絶対上手くいかないイメージだし、なんか嫌だし。
でも、そんな前から好きだったんなら少しは態度に表してくれても良かったのに…………いや、今思い返せば結構アレキウス、アピールしてたかも?

とにかく傍に寄り添ってたし。お兄ちゃんの目を掻い潜って私の手を握ったりとボディタッチしてきたりしてたし。てかお兄ちゃん並に私に構ってきてたし。
………今思い出せば色々と………うん。これは単に私の鈍さで気付かなかっただけみたい。お兄ちゃんの事言えないわ。今では血の繋がりはないんだけど、やはり性格はどこか似てるみたい。うふふ。


「ただ………今アキラウルに俺がルーチェに告白したなんて知られたら多分、俺ルーチェに近寄れなくされそうな気がするんだよな。」

「確かにそうですわね。…………で、でしたら、お兄様に内緒でお付き合い、しませんか?」

「!………え、じゃあ告白の返事は本当にっ………!」

「はい。私もアレキウス様をお慕いしております。とても嬉しいです。夢みたいです……」

「ほ、本当………?マジか…やった…………やったぞーーー!!うおぉぉぉお!!」


わぁ………アレキウス、雄叫び上げちゃった。
でも、今すっごく幸せだなぁ。

思わず私からアレキウスに抱きついた。そしたらチョット骨が軋んだんじゃないかと思う程ギュゥゥゥっと抱き締めてくれた。あぁ嬉しいっ!

人生初!彼氏ができました!それをお兄ちゃんに言えないのが残念だけど。けど言う時期を間違えると本当にお兄ちゃんがアレキウスと会わせないよう隔離されそうっ!



それからバレないよう物陰で抱き締め合ったり、キ、キスしたりしてスリル満点なお付き合いが始まった。


__________




実はアレキウスもユーリオンが異常な程お兄ちゃんに執着してるのが気になってたらしくソワソワしてたから、多分を付けてユーリオンはお兄ちゃんを好きで恋人にしたいんじゃないかと話したら「なるほど。」と納得した様子だった。やはり心当たりがあるようだ。


「殿下はアキラウルの前だけ素を見せてる気がしてたんだ。」

「そうなんですか?」

「ああ。アキラウルがどうしても殿下の側を離れなきゃならない時があって、アキラウルがいない時の殿下は何処か落ち着かなくて、でもアキラウルに言うみたいに傲慢な態度や我儘とか言わなかったんだ。ただ堂々と自信に満ちた態度をとっててな………。長年連れ添ってる俺だからわかるがアキラウルがいない間ずっと落ち着かない様子だったんだ。」

「まぁ……………!」



なんて初々しい態度なんでしょう殿下様!これぞまさにBでLな展開!俺様な攻は実は見栄を張ってるだけでいつも不安が押し寄せてくる。だが唯一気を許した世話焼き受の近くでは安心して全てを更け出し甘えてる。
あぁ………お兄ちゃん、いやお兄様、早くユーリオン殿下の愛を受け止めてあげて!そして同性婚を認めてもらい他国にある男性でも身籠れる秘薬でお兄様が子を生んで………………



あぁぁ!夢が膨らみますわぁ~~~~!!!




____________




それから時が過ぎユーリオンが剣技大会に優勝し、国王陛下に同性婚を新たに認めるよう提案していた。………将来、お兄ちゃんがこの国の王妃となる事がほぼ決まったわね。


そして私達は………


キンッ!キンッ!……ヒュン、ヒュン!……キンッ!キンッ!ドスッ…………ガッ、ガッ、ドサッ……………


「はぁ~~~!まだアキラウルと互角かぁ~~~………」

「ふぅ…………まったく、互いの戦い方を熟知した相手との戦いは大変ですね。」


只今、お兄ちゃんとアレキウスが戦っていた。アレキウスがお兄ちゃんに私との交際を認めてもらうため決闘を申し込みお兄ちゃんが受けてたったのだ。

結果は五分五分の引き分け。今は互いに力尽きて地面に座り込んでいる。

ただ………お兄ちゃんが私に振り向き苦笑いを浮かべて目配せしてきた。お兄ちゃんの目配せの意味を理解し「ほ、本当に……?」と声を零したらお兄ちゃんが頷いてくれた。

『仕方ない。アレキウスとの交際を認めよう』

思わず疲れてるだろうお兄ちゃんに抱きついた。「お兄ちゃん有難う!!凄く嬉しい!」といつもの口調で言ってしまったがお兄ちゃんが嬉しそうに抱きしめ返してくれたので問題ないみたい。令嬢としてはアウトだけど。
そしてどさくさに紛れてアレキウスもお兄ちゃん巻き込んで抱き着いてきたが瞬時にお兄ちゃんに蹴られて離された。…………お兄ちゃんって細身に見えるのに、どこにそんな力があるんだろう?っていつも思う。細マッチョなんだろうなお兄ちゃん。



そして良い出来事はまだまだ続いた。

なんと現王妃様がご懐妊したらしい!

なんでも、ユーリオンの想い人が同性という事が明らかになった事をきっかけに陛下が子作りに専念したらしく見事に身篭らせたらしい。
………その話を聞いたお兄ちゃんが遠い目をしてたのは何故だろう?「さすが王族。やはりアレは血筋だな……」と呟いてたけどアレ・・ってなんのことだろう?



それからまたしばらく経ち、少しトラブルがあったが無事ユーリオンが外堀を埋め尽くしてお兄ちゃんを手に入れたみたい!正式にお兄ちゃんがユーリオンの伴侶になると公開され、歓迎ムード一色になった。

………この国では同性愛には消極的でおおっぴらに宣言できずにいたけど、次期国王の伴侶が同性となれば少しずつ同性婚が浸透していくようになればいいね。







それから2年後。

私は学園を卒業し、アレキウスと結婚する事になった。

アレキウスはユーリオンの護衛騎士ではなく次期宰相として日々お義父様に扱かれている。
アレキウスは次男というのもあり公爵の後を継ぐ必要はないので、私の家に婿として籍を入れる事になっている。そして宰相であるお義父様の後を継ぐためアレキウスは学園卒業後お義父様の後に付き仕事を覚えている最中なのだ。

この国は宰相や大臣など、重役職は家系が引き継いでいる。そうする事で余計な権力争いを防ぐためらしい。

私も前世では会計書紀をやってたので計算など書類の事はお手の物だ。アレキウスの役にたてるよう独自で勉強している。




……………そして3年後にアレキウスとの子を授かり、その数年後にお義父様は宰相を退きアレキウスが宰相となり、ユーリオンとお兄ちゃんとアレキウスの三人がこの国を平和を維持するよう国の大黒柱のように支えていった。



・・・・・・・



『俺様は王太子である~暗い過去から癒やしの光を~』

ヒロイン:ルーチェ・シルフリーフ

ルート:護衛騎士長の息子、アレキウス・ギーラムルート

エンド:ハッピーエンド



・・・・・・・





##########

これにて妹ちゃん視点完結になります。

次は王太子、ユーリオン視点になります。ユーリオン視点に初体験?の話を入れようかと思います。ガッツリ18禁入れますのでご注意ください。


ユーリオン視点が終わった後、後日談を書きたいなと思ってます。


ここまで読んでいただき有り難うございました。


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感想 6

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