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番外編…他視点

兄様の伴侶様

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これはアキラウルとユーリオンが結婚した後の何年後かの話です。
未来はこんな感じかな~的な感じに書きました。



############



僕はエルアーク・ウ・セヴェル、10歳。この国、セヴェル王国の第2王子だ。

僕には18も年上の兄がいる。名前はユーリオン兄様。この国の王太子だ。そしてその兄様には伴侶がいる。

アキラウル・シルフリーフ。名前の響き通り男性・・だ。

この国は数年前に同性婚を認められている。外国では認められている国もあるが大半は異性婚が主流で同性婚できる国はまだ僅かだ。

兄様の伴侶は男性のアキラウルに決まっている。
毎年行われている剣技大会で兄様が優勝して褒美にアキラウルを伴侶にと願ったと聞いている。それに僕の父様である国王陛下が法律を変え同性婚を大々的に認めるよう改正してしまったのだ。もうこの時点で父様の兄様への溺愛度がわかる。
さらに、王太子妃となる者が同性となると世継問題が発生するので、うちの両親は子作りに専念し僕が生まれたらしい。………幼い頃にそう言われ、始めは理解できなかったが今なら理解できる。同性同士では体を繋げる事はできるが子はできない。だから俺が生まれて間もなく「この国は安泰だ」と呟かれたらしい。………なんとも複雑な感じだ。

僕は何故子供も作れない男を伴侶にしたのか理解できなかった。まな板な胸、決して柔らかくない筋肉だけの体、甘くない低い声、どれも魅力的に感じない。

今までは………





「おや?エルアーク様ではないですか。」


朝、いつもより早く起きてしまい部屋を出て中庭に行くと、そこにアキラウルがいた。


「おはようアキラウル。………っ!?」


アキラウルは朝練をしていたのか髪を上に1つに結び上半身は裸で下半身はラフな薄い生地のパンツを履いていた。
同性なのにアキラウルのその姿に見惚れてしまい硬直してしまう。

白銀色の真っ直ぐな絹のような柔らかそうな髪に、程よい筋肉がついており、色白な肌に汗を滴らせ、頬は少し赤みを帯びている。そしてなにより背中から腰までの曲線がなんとも艶かしい……


ふと目に入ったタオルを持ちアキラウルに持って行く。そして僕に合わせてしゃがむアキラウルの顔にタオルを押し当てた。押し当てた時アキラウルから「ぶっ!」と意表を突かれたような声が漏れた。


「アキラウル、朝方は冷え込みが酷いので汗を拭いたほうがいいよ。」

「ふふ、ありがとうございます、エルアーク様。」


目に入りそうになってた汗玉をタオルでそっと拭いてあげると慈悲深い笑みを浮かべてお礼を言われた。それをみて僕の顔が熱を持ってるのに気付き、赤くなった顔を見られたくなくて横に顔をずらした。

ぼ、僕は女性が好きだ。ただアキラウルが特別なんだ。あ、兄様の伴侶に選ばれるくらいだから綺麗なのは当たり前なんだ。
そう自分の中で言い聞かせながらチラッと横目でアキラウルの体を観察する。

な、なんかソワソワして落ち着かなくなってきた。


「それで、こんな朝早くエルアーク様はどうしたのですか?」

「あ………早くに目が覚めて散歩してたんだ。アキラウルは?」

「私は軽く運動してました。あ、ではエルアーク様、私の相手になって頂けませんか?」

「え、僕?」


にっこりと微笑まられた………



数十分後。




「はぁ……はぁ……はぁ……」

「ふぅ……やはり相手がいた方が身が引き締まって良いですね。お疲れ様ですエルアーク様。」



つ、辛い……アキラウルはいつもこんな鍛錬をしてるのか?
僕は木刀でアキラウルは素手なのに、僕が有利なはずなのに、向かって振りかざして攻撃してるのに、いつの間にか目の前にいたアキラウルが消え、いつの間にか土に尻餅をついていた。………何度も何度も挑むが結果は同じ。木刀を躱され反撃を喰らい尻餅をつく。
僕もいつの間にか上半身裸になって汗だくになっていた。服なんて着てられなかった。汗で濡れて気持ち悪くなり脱いでいた。
…そうか、実体験しなければ何故上半身裸になってたのかわからなかった。アキラウルはてっきり裸になって体を動かすのが好きなのかと思ってしまっていた。
それにこの中庭は朝日が入りやすく朝の散歩には良い場所なのだったな。だからこんな汗だくに………


「アキラウル……これは一体何をしていたの?なんだかもの凄く疲れたんだけど……僕、剣技には自信、あったんだけど……」

「ああ……これはこの世界に馴染みのないものですね。……合気道と言います。主に武器を持たず体術のみで相手の攻撃に対する防御技・返し技の形をとる、まぁ護身技ですね。ご興味がお有りでしたらお教えしますよ。」

「あいきどう………聞いたことがない。アキラウルは本当に物知りだな。」


僕がそう言うとアキラウルが目を細め嬉しそうに笑った。あ、この笑顔は本当に嬉しい時の顔だ。


アキラウルは何面もの顔を持っている。主に二通り、「社交界での愛想笑い」と「親しき者に向ける心からの微笑み」とある。僕は生まれた時からアキラウルを見ているから何となくわかる。「あ、作り笑いしてるな」って感じに。
小さな頃からアキラウルは僕の傍にいて、何故かアキラウルに「できれば私の事は呼び捨てで呼んで下さい。」と言われた。未来の国王妃に敬称無しは良くないんじゃ……と、そう言ったら「ではエルアーク様が学園に通うまでで良いので……」と何故か淋しそうに言って(強請って?)きたので呼び捨てで呼んでいる。………僕はアキラウルに家族認識されてるようだ。


「じゃあやってみ「ウルー!アキラウルーどこにいるー!」………あ、この声は……」

「はぁ………あのクズ。」


………ん?なんかアキラウルから不穏な空気が………?

と、思ってたらすかさず服を着せられアキラウルもいつの間にか服を着ていた。……早業。



「こちらですよユーリオン様。」

「ウル!なぜ朝になるといつも寝室がもぬけの殻なのだ!俺が目覚めるまで待、て…………ん?なんだエルではないか。どうして此処に?何故アキラウルと一緒にいるんだ?まさか逢びk……………うおっ!?」

「何勝手に勘違いしてんだ馬鹿。エルアーク様を侮辱するのはどうかと思うぞユーリ?ほんと、お前は王太子なのか?お花畑のその脳ミソなんとかしろ。」



………わぁお。これが噂の「黒貴公子」。初めて見たよ。
アキラウルのドスの聞いた低い声に黒いオーラ。そして目にも止まらない速さで兄様に殴りかかってる。兄様もそれに素早く反応して避けてるし。兄様もそれはそれで凄い。
いつもアキラウルの優しい所しか見てないから凄く新鮮。さらに口調が……。敬語なしの口が悪い。


王城で働く侍女や従僕たちが口囁くのはいつもアキラウルの事ばかり。みんな曰く「この国の裏の支配者」とかなんとか。
アキラウルは宰相、パルバハムの息子でアキラウルは次期宰相になるはずだったとか。それを兄様が外堀を徹底的に埋め尽くしてアキラウルを王太子妃にしたとか。


「もうすぐ陛下が退任してお前が国王になるんだぞ?いい加減その脳内お花畑をなんとかしろ。」

「仕方がないだろう!俺は常に脳を支配してるのはアキラウルの事ばかりだk…………ぐっ!」


あ、今度は鳩尾に入った。兄様、痛そう………
そうしてるうちに黒いオーラが消え失せ僕の方に振り向いてきた。……あ、いつもの優しい笑みだ。


「いい加減にしろお馬鹿。エルアーク様の教育上これ以上聞かせられん。………さぁエルアーク様。中に入り風呂で汗を流しましょう。」

「え?あ、うん……」

「アキラウル!なんだその汗を流すとか!まさか本当に────」

「いい加減にしろ!この、クズ王子!」


バキッっと音を立ててアキラウルがユーリオン兄様の頬を殴っていた。………これも日常茶飯事だ。兄様の頬が赤いのが数日、治ったと思ったらまた頬が赤くなってたりしている。………ああ、頬が赤いのはアキラウルの怒りを買った証拠なんだな。なんか、兄様って性格がとても残念なんだよね。
兄様はアキラウルを本当に愛しているんだが、独占欲が酷く、心が狭い。アキラウルの事になると視野が狭くなるんだよね。
アキラウルがいない、王太子の仕事を徹してる時は正に理想的な立派な王太子なのに…………非常に残念なんだよね。だからみんなに陰口を叩かれるんだよ。いや、その陰口も強ち間違ってないところが………う~ん。



朝食の時は家族皆で必ず摂っている。これは周りの貴族たちにとって珍しい光景らしい。僕には生まれた時から当たり前のような光景なので周りの反応が不思議でならない。


午前中、勉学が終わり家庭教師が出ていくと、入れ替わりにアキラウルがやってきた。


「お疲れ様ですエルアーク様。この後の予定はありますか?」

「珍しいねアキラウルがこちらにくるなんて。今丁度休憩に入ったばかりで、特にこの後の予定はないよ。」

「そうですか。宜しければこの後うちの妹がやってきてお茶をするのですが、ご一緒にどうかとお誘いに来たのです。」


アキラウルの妹、ルーチェ・シルフリーフ。ルーチェ様は孤児出身らしく、アキラウルが孤児院で引き取り養子にした、全く血の繋がってない兄妹。
でもアキラウルは妹のルーチェ様を溺愛している。その理由を前に聞いたことがある。するととんでもない返事が返ってきた。

『私とルーチェは前世・・の記憶があり、前世では私とルーチェは本当の血の繋がった兄妹だったからです。』

そう言われ僕はアキラウルが何か変なものでも食べて頭がおかしくなったのかと疑った位衝撃をうけた。その反面、どこか納得する部分が多々あった。


「お兄様~!」

「ルーチェ~!」


そう、この過度なスキンシップだ。傍から見れば溺愛カップルの様なやりとりだ。
まず抱き締め合う。そして互いに目を合わせ互いに蕩けた顔で語り合うのだ。相思相愛に見られても可笑しくない。会話内容だって………


「ルーチェ今日は何していた?」

「中庭でお母様とお友達とお茶会を開いてました。近々ラミリスちゃんが近所の工房で働いている長男と結婚するみたいです。」

「そうかそうか。もうそんな歳だな。」

「お兄様は何を……………」


………互いに自分の近況を話し合うのだ。普通、座って茶を啜りながら話せば良い事を未だに抱き合って立ったまま話してるのだ。
これを恋人と言わずして何なのだろう。

だがその二人に親愛なる感情はあるが恋人同士にあるはずの純愛はないようだ。それに……


「お母様~アキラ叔父様~」

「あぁ、ラムーサも一緒に来たのか。」

「はい。ラムったらずっとお兄様に会いたがってて勉学が疎かになる程なんですよ~!」

「ははっ!それは嬉しい事だ。ほらラムーサ、高い高いしてやる。」

「わぁ~い!」


ルーチェ様の息子、ラムーサ。
そう、ルーチェ様はギーラム公爵家の次男であるアレキウスと結婚している。ルーチェ様はもう結婚しているのだ。
アキラウルは本当にルーチェ様に恋愛の感情は一切なかったようだ。ただ、ルーチェ様が結婚するまでアキラウルが鉄壁のガードで過保護に保護していたようだが。

そして何よりアキラウルが子供の世話の仕方が何より手慣れている・・・・・・のだ。普通貴族は子供には淡白な所があり、兄弟でさえ後継争い等で仲が悪いというのにアキラウルは子供の扱い方が上手いのだ。
ラムーサは良い例だ。アキラウルに思いっきり飛びついて抱っこされて高い高い?されている。『叔父』とは言うがルーチェ様とは血が繋がってないので『家族』と言うだけで全くの赤の他人なのだ。それなのに体全身で甘えている。アキラウルもそれを受け止め甘やかしている。

…………羨ましい。


それが無意識に顔に出ていたらしくラムーサの後に僕もアキラウルに抱きかかえられ上へと上げられていた。……あ、結構楽しいかも。


ひと仕切り戯れたのち紅茶が準備されており席に付き興奮を冷ますように茶を啜った。
………後に王子たるもの抱っこされて喜ぶなんて、と恥ずかしくなったが後悔も怒りも湧かなかった。これもアキラウルの気遣いなのだろう。


12歳から学園へ通うため、様々な課題を出され、更に僕の婚約者をと上層部の奴らが騒ぎ立てているので、正直、精神的にも疲れが溜まっている。それでか今朝あまり寝付けず早起きしてしまった。

……僕のこの変化にいち早く気付くのが父様でも兄様でもなく、このアキラウルなのだ。

きっと僕が生まれた時から傍にいてくれて、僕が落ち込むとすぐに察知して何かと世話してくれる。駆けつけて抱き締めてくれたり甘いお菓子を食べさせてくれたりする。……父親より父親らしいアキラウルを僕は尊敬している。

しているんだが………


「アッキラ、ウル~!あんまりラムーサに構わないでくれよ~?最近俺といてもアキラウルの事ばかり話してくるから嫉妬心メラメラしちまうよ~」

「なんだアレキウス、サボりか?父上の下から離れて大丈夫か?」

「も~聞いてくれよ~流石アキラウルの親父って感じでさ~………俺に容赦ないのなんの……ルーチェ~癒やしてくれ~」

「ルーチェに近寄るな阿呆。お前に許されたのは結婚までだ。触るな阿呆が移る。」

「ひ~どいっ!ルーチェ助けてくれ~」

「ふふふ。アレキウス様、お仕事は大丈夫なのですか?」

「パパさぼり~?」

「ラムーサ!?パパはサボったりしてないからな??ただママとお喋りに……」

「さっさと戻れサボり魔。さっさと帰らないと奴が「アレキウスずるいぞ!どこ行った!」…………はぁ。」


これはユーリオン兄様の声?って事は………



「アレキウス!それにアキラウルに妹に子供か!………って、何故アキラウルがエルアークを抱き上げてるんだっ!今すぐ下ろせ!」

「…………………ハァ、煩い。」



あ、今気付いたがまたアキラウルの腕の中にいた。正確にはアキラウルの片腕に座らされたかんじになってる。…………いつの間に?
見た目に反してアキラウルって力持ちだよな。僕もだいぶ大きくなったんだけどな……。


それから賑やかになって数分後、宰相と護衛騎士長がやってきて終息した。
アキラウルが「ルーチェとの一時が…」と呟いついた。……兄様いわくアキラウルは「シスコン」らしい。
そして兄様とアレキウスは頭に鉄拳が下されていた。……痛そう。二人で「なぜ皆アキラウルに甘い!」と抗議したら「アキラウルはもう職務を完璧に終えてるからだ。」と返ってきていた。

「あの街の旱魃の対策案は?」
「もう答案済みだ。旱魃については新たに井戸を掘り木を植え暫くは国が支援する事で解決済みだ。」

「新たな騎士募集は?」
「それも解決済みだ。人手不足の所には新たに平民から募集をかけ、受かった者は学園の卒業生から指導を受け騎士試験を受けさせ人手不足を解消する案が可決された。」

「ではあれは?隣国からのあの無理な請求は?」
「……はぁ、あれも解決済みだ。互いの国に王子または王女を留学させ知識を互いに吸収する構造になった。」

「全く………お前らは何も聞いてないのだな。アキラウルはちゃんと自分のすべき事を片付け娘と茶会を開いてるのだ。………お前らは勿論、終わってるだろぅな?」

「「うっ………………」」



こんなやりとりがあった。……正直、兄様が宰相に叱られてる姿、見たくなかった。幻滅、とまではいかないが、やはり兄様への憧れの姿があるわけで、それが崩れ落ちてしまったような感じがある。
チラッとアキラウルを見てみれば、二人を呆れたような疲れ切ったような顔をして眺めていた。………あ~うん、アキラウルに同情してしまいそう。
だって、あの二人が将来国の一番上とその一つ下の位に立ち、国を引っ張っていかないといけない重要人物なのに………この姿はナイ。これでは幼い僕でも「将来大丈夫?」と思えてしまうくらい、あの大人二人が情けなく見えるよ。

やはりアキラウルはみんながいう「裏の支配者」みたいだ。うん、でもアキラウルがいればこの国は大丈夫じゃないかな。そんな気がするんだ。


「アキラウル、僕はもう部屋に戻るよ。」

「……あ、エルアーク様……。こ、こんな大人の醜態を見せてしまい、申し訳ございません。では私がご一緒します。」

「え、ルーチェ様は?」

「ルーチェにはあの阿呆、失礼、アレキウスがいますので大丈夫です。ルーチェとはまたゆっくりできますので。さぁ、部屋まで戻りましょう。」

「うん。有難う。………でも、そろそろ下ろしてもらえないかな。重たいでしょ?」

「ん?いえ?エルアーク様はまだまだ軽いですよ。それに、今しかこうして抱き上げる事ができませんから。」


ニコニコ笑顔で言われ、これ以上何も言えなくなった。
そう、僕はお茶を啜った後また抱き上げられている。丁度ユーリオン兄様が来たあたりから………


でも、父様にもこれ程長く抱き締めてもらえた記憶がないので、ちょっと嬉しかったりする。




そして次の日、僕は少し時間が空いたのでアキラウルを連れて中庭へ散歩しようと誘いに行ったのだが、何故かアキラウルは寝室から出てこれないらしく会うことができなかった。
何故かと護衛の人に聞いたら「大人の事情です」と口籠りながらも教えてくれた。………大人の事情って何の事だろう?



………それは後、何年後かに意味を知った。本当に、兄様は独占欲がお強いようだ。


僕も兄様の様に一途になれる相手と出会いたいな……それはアキラウルの様な聡明で淑やかな可愛らしい女性がいいな………



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