隠れゲイが夢見た結果

やの有麻

文字の大きさ
上 下
3 / 3

後編

しおりを挟む


口を塞がれ鼻で息をするが追いつかず酸欠になりながら公爵様に身を任せて数分………
いや、数分どころか数時間が経ってる、それくらい時間の感覚がわからなくなり、一度達し落ち着いた身体に熱が再発したかのように身体が疼き全身汗だくになっていた。


「ん、は、ぁ…………」
「あぁ、なんて顔をしてるんだ。淫らで清らかで目に熱が込もってて……とても魅力的だ。」
「ふ、あ………ぁ、公爵様………」
「ねぇカズーリ、君も僕のことを呼び捨てしてほしいのだが。」
「?」
「リュートリムスと。いや、リューでいい。さぁ呼んでくれ」
「公爵様……それ、は……」
「さぁ呼んで。そうしたら君に褒美をやろう。」


ゆっくり私の中に埋めてた指を引き抜かれ、それを引き止めようとするかのように後孔がキュッと締まった。そんな自分の体の反応に戸惑いながら公爵様の顔を伺っている。

公爵様は何を言ってる?……褒美?なんの?

私の顔に感情が現れてたのか魅惑的な笑みを浮かべて……後孔に何か硬い熱いモノが充てられた。


「さぁ……僕の名前を呼ぶんだ。呼んだら、代わりに褒美をやろう。…………今まで体感したことの無い天国のような快感を与えよう。さぁ………リューと呼ぶんだ。」


まるで悪魔の囁きのような甘美な響きを含んだ声が耳に心地よく響いた。そして無意識に、言われるがままに呼んでしまった。
「リュー………さま」と。


「よくできました。」
「っ!?ぅあ、あ、あああっ!?」


リューと呼んだ途端、公爵様の目が、先程まで慈悲深い優しい眼差しをしていたのが、まるで………獲物を捉えたというようにキラリと光ったようにみえた。
そして指とは全く違う熱く立派なものが私の中に一気に押し入られ、指で届かなかった奥をリズミカルに抜き差しされ、馴れた頃には奥までみっちりと埋められてしまった………

それからされるがままに公爵様に翻弄され………あれ?これ墓穴を掘ったのでは?とやっと疑問に辿り着いたが…………後の祭り。判断が遅れた事の末路は………


『あれ…?なんか既視感が………』


私が意識を途切れる直前に違和感を覚え、覚えたがそのまま少し湿ってしまった白いシーツに埋もれるように気を失った。






************





『ん……はぁ、あ、んんんっ!……ぅあ、ああっ!』
『とても綺麗だカズーリ。君の中は暖かくて包み込まれて、とても気持ちがいいよ。』
『も、無理でっ………リューさま…も、やめっ………ぅああっ!?』
『そんな事言っても、今止めたら君が苦しむだけだよ。………ふぅ、大丈夫、僕意外と忍耐強いんだ。最後まで付き合うよ。』
『あ、ああっ!』




ぉぉぉおおお思い出したっ!!!
これ、予知夢でみた展開だ!

そうだ。私と公爵様の死相を見る前、公爵様と淫らな行為をしてる夢を見たんだった!
墓まで持っていこうと記憶の片隅に追いやってたのを……今、思い返す羽目になるとは………

あれは私の願望からの妄想かと思ってたが……あれも予知夢だったとは。


「起きたかい」
「ぅ………」


悶え身動ぎしたところで後ろから声がかかった。声の主は勿論、公爵様だ。
何故か背中から抱き締められ一緒に寝ていたようだ。悶絶したい気分だ。

「水を持ってこよう」と言ってベッドから起き上がる気配を感じ、私も身体を起こそうとした。が………動かなかった。脳から体へ「動け」と信号を発してるのにも関わらず体が全く動かないでいた。

人生、初めて全身筋肉痛を味わった。



2日ほど休暇をもらった。
公爵様が直接団長に伝えたらしく、ゆっくり休んで体を癒せと言われた。
………満身創痍にした張本人が何を抜け抜けと………と毒を吐きたかったが、それが顔に現れてたらしく苦笑いされてしまった。………自分は悪くないと思う。
介抱してくれたのは有り難いが、途中から好き勝手された気がするので間違ってないと思う。


「ずっと僕の警護をしてくれたんだ。2日くらい休みを貰っても問題ないだろう。」
「…………」
「ふふ。そんな不満そうな顔をしないでくれ。………また、襲いたくなるから。」
「っ!?」
「初めてなのに激しくして悪かったね。」
「!!」
「介護は僕がすべて行うからゆっくり休むといい。」
「ぐっ………」


あ、穴があったら入りたい…………





*************




「おはようございます」
「おぅ………充実した休日はとれたか?」


アルクレスのそのニヤニヤした厭らしい笑いが何時もより一段とイラッときた。
拳を強く握り奴の顔面に目掛けて向かった。向かったはずなのだが………


ヘニョ……………パシッ!………ポスン。


「「………………………」」


踏ん張りが効かず殴りかかろうと向かったが弱々しいパンチになり簡単に手で受け止められてしまった。終いには何もない所なのに躓きそうになり抱き止められてしまった。


「…………」
「ブッ!」
「くっ………」
「アハハハーーー!!おまっ!どーした?そんなに宰相様の相手は凄かったのかっ!」
「お前ぇ~……………その口を物理的に閉ざしてやろうかあーーー!!!」
「ギャハハハハーーー!!!」


身体を支えられてる状態で威勢を張っても無意味な事は重々承知の上だが声を荒らげずにはいられなかった。
まだ早朝の時間。日中よりは人が少ないとはいえ私と公爵様と行為を及んだ事を大声で言われてしまえば溜まったもんじゃない!




あの後、休暇の2日間ずっと公爵家でお世話になった。2日もあれば、いや1日ゆっくり休めば体調は万全になった。
……………だが、流れに流されてまた公爵様と致してしまいまたダウンした。………解せぬ。
さすが宰相様って感じだ。言い包められ2度目のベッドイン。発情でもないのにグズグズにされ抱き潰され前回よりは身体に負担がなかったが…………ただ一言。

凄かった。

ただその一言に悉す。






「まぁ冗談は後だ。………お前に移動の任が届いてる。」
「ん?」
「………お前は、宰相専属の護衛官に移動だそうだ。」
「は?」
「良かったな!これからは四六時中ずっと宰相様と一緒にいれるぞ!」
「………………………」


何故、こうなった?




「これから宜しく。カズーリ。」
「……………公爵様」
「公爵様だなんて他人行儀だな。昨日まで僕の名前を熱く呼」
「やめてください、それ以上言わないでくださいリュートリムス様。」
「ふふ。まぁ…妥協点だな。これからは僕のことは名前で呼ぶように。」
「………………はい。」


何故、こうなったのだ?誰か説明してほしい。





***********



数日後。


宰相がだした法案は無事に可決され、来年から裕福な貴族に税が課せられる事となった。その為、隠し財産など各所取り調べが入り財務省で働いてる宦官達がてんやわんや忙しそうに働いている。もちろん、宰相である彼も朝早く王城へ出向き遅くまで働いている。最近は宰相専用の執務室で寝泊まりしたりもしてる。そうまでして詰めなきゃ書類の山で部屋が埋まってしまいそうになるからだ。唯一、仮眠室(ほぼ寝室化)には必要最低限の物しか置いてないので今はそこが安息の地と化してる。

…………そして、何故か私もそこで寝泊まりする羽目に。
宰相は、前世で言う『筋肉フェチ』みたいだ。癒やしと称して胸を揉んできたり、私を下敷きにして覆い被さり仮眠したりと良いようにされている。………これは護衛の仕事ではないよな?私、間違ってないよな?この世にセクハラという言葉があるのかわからないが、とにかく毎日セクハラされている。
何度か弄られてるせいか、最近は胸が、乳首が敏感になってきて困る。後ろから抱きつかれ首元に公爵様の顔を埋められた時なんて物凄くドキドキするし、キスなんかされた時には…………腰にクるものがある。
やはり………これは護衛の仕事ではないよな?


私は今でも公爵様に好意を寄せている。公爵様に抱かれた時は天にも昇る思いだったし、あの公爵家に世話になった時は甘やかしてもらえて嬉しかった。
だが、公爵様から少なからず好意は寄せてくれてるとは思うが………私の好意とは違う意味だろう。
なぜなら、公爵様から何も言われてないからだ。やる事はやってるが何も言われてない。言われてる事と言えば「体が綺麗だ」とか「肌がきめ細やかだ」とか身体の事ばかりで「好きだ」とも「愛してる」とも言われたことはない。

…………公爵様は私の事をどう思ってるのだろうか?







さらに数日経ったある日、やっと公爵様が休日をもぎ取り、夜遅くに久々の公爵家へと護衛し、やっと開放してもらえると気を抜いたら………何故か公爵様に屋敷へと引きずられ浴室へと放り投げられた。事前に連絡がいってたのか何処からか数人の侍女があらわれ素早く服を脱がされ綺麗に洗われ身支度をされた。

………………………?

促されるままある一室に案内され、中に入ると公爵様も風呂に入ったのかバスローブ姿でソファーに座って寛いでいた。


「あの、公爵様………?」
「ふふ、すまんな。少し話がしたくてね、強引であったが寝支度させてもらった。」
「はぁ………」
「さぁ向かいにあるソファーへ座ってくれ。美味しいワインがあるんだ。一緒に飲もう。」
「…………はい。」


意味がわからず、とりあえず恐る恐るソファーに腰掛けた。すると公爵様が私の目の前に置かれてたグラスにワインを注いでくれた。…………有難く一口。うん、美味。

話とは一体なんだろう……?とてもリラックスして穏やかな顔をしてるから悪い話ではないとは思うが……生憎、どんな話をするのか見当がつかず、何の話をするのか不安が募る。


「一応、確認の為聞くけど、カズーリは今恋人はいないね?」
「………はい。」
「僕と前に身体を重ねたけど、あの日が初めての性行為なんだよね?」
「っ!?」


な、何故今その話を!?
他に兄弟がいるか、自分が何番目の子か、跡取りがいるのか、そして今まで第3部団隊での仕事内容や団長との馴れ初め、寮生活の流れなど様々な私についての質問をぶつけられた。………まるで面接みたいだ。


「あと、これだけは確認しときたいんだけど………」
「はい。」
「君は今…………好意を寄せてる者はいるか?」
「っ、…………は、はい。」
「その人に告白しないのか?」
「え、と…………公爵様、一体何の」
「私的な事なのは承知してる。だが、教えてくれるか?」
「……………私の想い人は、身分が遥かに高く………想いを告げる事はせず見てるだけで十分ですので………告白は致しません。」
「ふぅん………なら、その君の想い人が君に告白してきたら?」
「えっ!?い、いや………それはないかと。」
「何故?」
「………公爵様がいつも私にいうように、私はとにかく体形がガッシリとして背も高く力もあります。こんな可愛げもなければ面白味もない私に告白する者はおりません。」
「…………」
「若い頃は女性や小柄な男性が私に想いを寄せてくる者もおりましたが………相手の事も知らずに軽いことは言えず、いつも、お断りしておりました。」
「………ふむ。」
「ですので………私は生涯国に仕えると自身で誓っておりますので、私は誰とも付き合うつもりはありません。」
「そうか。…………………ようわかった。」
「…………………」


虚しい。なんで私は想い人にこんな話をしてるのだ?


「僕の昔話を聞いてもらっても良いか?」
「…………はい。」


公爵様がワインを口に含みながらゆっくり語りだした。



16の頃、気になる相手ができた。始めは好奇心だった。よく自分を木陰から壁際から覗き見してくる奴がいて興味が湧いた。視線を感じては姿を探すが全く見当たらず、ただただ一方的に見られていた。
ある日の行事に、視線の主を見つけた。そいつは1つ年下の平凡な男だった。話しかけるわけでもなければ厭らしい目で見るわけでもなく、ただただ観察されてるかのようにずっと見てきていた。
またある日、その彼に話しかける機会が巡ってきた。今日は一段と暑い日で汗を拭くタオルが手放せない程暑かった。たまたま水場に行った時彼を見つけたんだ。顔を洗いタオルで顔を拭いていたんだが、彼が誰かに呼ばれ駆け出して行ってしまったのだ。話しかける間もなくいなくなってしまい残念に思ってたが、彼がいた水場に先程使ってた彼のタオルがあり、どうやら忘れてったようで、これは絶好の機会だと思い、そのタオルを持ち彼のいそうな場所へと行った。

『忘れ物だよ』
『え?…………あっ!そのタオル……』
『君のだよね。水場に行ったらタオルの置き忘れがあって、君が走ってその場から去ってくの見たから、もしかしたら君のかと思ってね。』
『あ、有難うございます。』
『うん、どういたしまして。』

彼は顔を真っ赤にして俯きながらタオルを受け取り逃げるように走り去ってしまった。もう少し話をしたかったのだが………残念。
だが………たったそれだけの会話、それだけの触れ合いに僕は高揚感が湧いたんだ。
それから彼が気になって気になって仕方がなくなった。けど彼は内気なようで彼からは視線を感じるだけで一切話しかけてこなかった。彼からの視線は感じるのに姿を探しても見つからなくてね………ふふ、まるで隠れんぼをしてるようだったよ。
そして初めて話してわかった事がある。彼の目に熱が籠もっていた。もしかしたら彼は僕の事を好いてるのかと思い当たった。
僕の住んでた所はね、あまり同性で恋愛するのは認められなくてね、むしろ同性愛者だと知られると周りに忌み嫌われてしまう程、禁忌とされていたんだ。だから彼は僕を好いてても誰にも知られてはならないと心を硬く閉ざしてしまってたんだと思う。
気になる子はただ好いた者を陰から覗いて眺めて満足しているようだった。僕も、気になるだけでどうこうする気がなかったからそのままにしてたんだ。

………だがある日、最悪な出来事が起こった。
僕はある書物に夢中になって周りを気にせず目的地まで読みながら歩いていた。
けたたましい音が鳴り響き、気付いたら何かに突進され地面に倒れていた。何が起こったのか混乱する中、大きな音がした方へと目を向けたら………

そこには、気になってた彼が全身血だらけになって倒れていた…………




「……………………………」


私は今、何を聞かされてるんだ?まるで………私の前世の出来事を物語の様に聞かされて────


「ねぇカズーリ………前世、って………あると思うかい?」
「っ!」
「僕はあると思う。誰だって寿命がくれば死に、また新たな生を受けて誕生する。まれに前世の記憶を持ったまま生まれてきてもおかしくはないと思わないか?」
「………公爵様、は……その、前世の記憶が………?」
「ある。はっきりと、ね。名前は……………神宮じんぐう龍都りゅうと。日本という国で学生をしていた。」


神宮龍都………日本…………まさか、そんな事って………


「ジングウ、センパ、イ……………」
「君も前世の記憶があるよねカズーリ。君の前世の名前は……………受水うけみず和里かずり、じゃないか?」
「!」


受水和里…………そう、そうだ。それが私の前世の名前だ。
つまり、ほんとうに公爵様はあの僕が好意を寄せていた想い人………?


「カズーリ、君は僕の事、どう思ってるんだ?まだ、自分の気持ちに蓋をするのか?」
「わ、私は────」


言っていいのだろうか。素直に言ったら、公爵様は受け止めてくれるのだろうか………





*************




結論からいうと、私の気持ちは受け止めてもらえた。そして公爵様も私を好いていると嬉しい返事が返ってきて晴れて恋人になった。そんなわけで昨日はとても盛り上がったわけだが………

……………今は素直に伝えた事を後悔している。何故ならは────



「すぐにナンテラー伯爵家に連絡しろ。」
「畏まりました。」
「あと陛下にも報告する。あと他国であの実を入手しろ。」
「はい。」
「衣装係を近いうちに呼べ。すぐにカズーリの採寸を測り何着か服を創らせる。あと装飾店にも連絡しろ。何種類か持参せよと伝えろ。」
「わかりました。」
「あと────」
「公爵様。」
「名前」
「り、リュートリムス様、あの」
「敬称もいらん。なんだカズーリ?何か飲むか?」
「あ、はい。…………あ、いえ、それより何を?」
「ん?決まってるじゃないか。君は今日から僕の妻になるんだ。」
「……………は?」
「あぁ違うな、まだ婚約すらしてないな。まず伯爵家に交際の許可をとらなくてはな。あと陛下にも知らせて………」
「………………………………………………」


え、聞いてないんですけど。婚約?妻?え、私が妻?いや、同性同士で受け身が妻の立ち位置になるのは致し方ないが………納得できない。

話し合いがしたく意見を言おうかと思った矢先、にっこりと微笑まられ「万事うまくやる」と言われ、「僕との結婚は嫌か」と今度はしょんぼりとした姿で訴えられ……………私は口を閉ざし撃沈する他なかった。

うちは伯爵でリュートリムス様は公爵なので少し身分差があるが、そこはリュートリムス様が何とかするらしい。まぁ………大丈夫だろう。

公爵家から帰宅すると両親と長男が直ぐ様駆けつけて来て事情を説明しろと血相を変えて催促された。
順に公爵様との関係を護衛から~と話し始め、次第に互いに親しくなり~とある事件から急接近して騎士団から公爵様専属の護衛官に昇進した~までを話した。…………兄の奥さんが目をキラキラ輝かせて前のめりで私の話を聞いてたのには少し引いてしまったが、まぁ女性はこうゆう恋物語?的な物は大好きだから仕方ないのかもしれない。

公爵家から急に書状が届き、父が最初に読み『そちらの第三男、カズーリ・ナンテラーと婚約したい』と短文で書かれていて、内容のインパクトが大きすぎて思考処理が追いつかない状態になり暫く動けずに固まってしまった。次に長男が読み仰天し後ずさりした所に末の娘がいて娘の足を踏んでしまい、娘が大泣きして…………我が家は大惨事になったようだ。

なんか、騒がせてしまい申し訳ない…………


「まぁまぁ!玉の輿じゃない!カズーリは公爵様の婚約を受け入れたのでしょう。」
「はい、母上。」
「なら問題ないでしょう。ねぇ旦那様。」
「う~む…………カズーリ、本当にいいのか?お前が公爵家の一員になるって事は………それなりに責任が付くぞ。」
「はい。」
「………………なら、許可しよう。了承の返事をしよう。近いうちに顔合わせもあるだろう。ダリは新しい服を準備しなさい。コムールも準備をするぞ。」
「わかりました父上。」
「うふふ~、早く公爵様のお顔を拝見したいものですわぁ~。」


はぁ………母は呑気だな。




**************



『や、はっ……激しっ、んあぁぁ!』
『やっと僕のものになったんだ。蜜月を堪能しよう我が妻カズーリ』
『あっ、あっ、あぁっ!』
『昼は僕の護衛として………夜は僕の妻として…………ずっと傍にいろ。カズーリ……君を愛してる。』
『リューっ!あぁ……わ、わたし、も……あ、愛────』




ガバッ!


「はぁ………はぁ………はぁ…………っ、はぁぁぁ~~……」


また生々しい夢を見てしまった。
今度は互いにタキシードの姿で中途半端に服を脱いで致してた夢だった。………私はそんなに欲求不満なのか?いや、これもまた未来の起こる出来事なのだろう………破廉恥な。


でも、そうか……これが予知夢、正夢になるのなら私は確実にリュートリムス様と式を上げ、あの人の伴侶になるのだな。
しかも前世の、私の想い人の記憶を持って転生した彼と生涯ずっといる事ができるのだな。
なんとも夢をみてるような心地だ。いや今この時が夢だと言われたら納得しそうだ。

だが、廊下からけたたましい音が聞こえ、ここは正に現実で、公爵様と婚約したのは夢でないと目を覚ましてくれる…………





「カズーリ!!い、今!外に公爵様がっ!!」
「わかりました。準備して参ります。」


今日も公爵様の傍に行き、公爵様を一生護衛しよう………






_____________

これにて完結。
あと、公爵リュートリムスの視点と後日談を少し書こうかと思ってます。
ちなみに後日談は………男性妊娠、出産話が入ってます。苦手な方はリュートリムス視点でストップしてくださいね。

ここまで読んでくださった方々、お付き合い有難うございました。
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

みあ子
2021.12.22 みあ子

初めまして読ませて頂きました!

ガチムチ受け好きなのでとても楽しめました!日は空いておりますが、後日談楽しみにしております!

素晴らしい作品をありがとうございます😊

解除

あなたにおすすめの小説

屈強な男が借金のカタに後宮に入れられたら

信号六
BL
後宮のどの美女にも美少年にも手を出さなかった美青年王アズと、その対策にダメ元で連れてこられた屈強男性妃イルドルの短いお話です。屈強男性受け!以前Twitterで載せた作品の短編小説版です。 (ムーンライトノベルズ、pixivにも載せています)

悪役令嬢の兄、閨の講義をする。

猫宮乾
BL
 ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。

オメガに転化したアルファ騎士は王の寵愛に戸惑う

hina
BL
国王を護るαの護衛騎士ルカは最近続く体調不良に悩まされていた。 それはビッチングによるものだった。 幼い頃から共に育ってきたαの国王イゼフといつからか身体の関係を持っていたが、それが原因とは思ってもみなかった。 国王から寵愛され戸惑うルカの行方は。 ※不定期更新になります。

宰相閣下の絢爛たる日常

猫宮乾
BL
 クロックストーン王国の若き宰相フェルは、眉目秀麗で卓越した頭脳を持っている――と評判だったが、それは全て努力の結果だった! 完璧主義である僕は、魔術の腕も超一流。ということでそれなりに平穏だったはずが、王道勇者が召喚されたことで、大変な事態に……というファンタジーで、宰相総受け方向です。

俺がイケメン皇子に溺愛されるまでの物語 ~ただし勘違い中~

空兎
BL
大国の第一皇子と結婚する予定だった姉ちゃんが失踪したせいで俺が身代わりに嫁ぐ羽目になった。ええええっ、俺自国でハーレム作るつもりだったのに何でこんな目に!?しかもなんかよくわからんが皇子にめっちゃ嫌われているんですけど!?このままだと自国の存続が危なそうなので仕方なしにチートスキル使いながらラザール帝国で自分の有用性アピールして人間関係を築いているんだけどその度に皇子が不機嫌になります。なにこれめんどい。

屈強冒険者のおっさんが自分に執着する美形名門貴族との結婚を反対してもらうために直訴する話

信号六
BL
屈強な冒険者が一夜の遊びのつもりでひっかけた美形青年に執着され追い回されます。どうしても逃げ切りたい屈強冒険者が助けを求めたのは……? 美形名門貴族青年×屈強男性受け。 以前Twitterで呟いた話の短編小説版です。 (ムーンライトノベルズ、pixivにも載せています)

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

【完】姉の仇討ちのハズだったのに(改)全7話

325号室の住人
BL
姉が婚約破棄された。 僕は、姉の仇討ちのつもりで姉の元婚約者に会いに行ったのに…… 初出 2021/10/27 2023/12/31 お直し投稿 以前投稿したことのあるBLのお話です。 完結→非公開→公開 のため、以前お気に入り登録していただいた方々がそのままお気に入り登録状態になってしまっております。 紛らわしく、申し訳ありません。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。