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高年期[一学期編]
子鷹狩家にて①…訪問
しおりを挟むあーたーらしいー朝が来た。きーぼーうのあーさーだ・・・よろこーびに胸をひーらけ、大空あーおーげ~・・・
はい無理ー!!!希望なんてありゃしない!朝なんて来なければいいのに!
・・・文句を言いつつ仕方なく昨日届いたメイド衣装を着て・・・何故か侍女さん達が張り切って僕に化粧&髪を整えてくれた。
ここにいる侍女さん達は、いつもは真菜の付き人たちだ。事情を話して準備を手伝ってもらってるのだ。
・・・何故こんなに侍女さんが張り切ってるのだろう?
「前から薫風兄様の飾りつけができるって亜瑠が喜んでたのよ。・・・まさかまた兄様が女装するなんてね。」
「真菜・・・あんまり家族に見せたくないからほっといてくれないか?」
「ふふっ。お似合いではないですか兄様!姉が2人いるみたいです!」
「真菜・・・」
あーもー!我が妹は可愛い!もう好きなだけ見ていってくれ!・・・あ、亜瑠ってのは真菜の付き人ね。
・・・扉の側でクスクス笑ってる流依兄さん。そんな所で覗いてないでこっちくればいいのになぁ。
「似合ってるよ薫風。」
「「流依兄さん(様)!」」
「そうだね、2人揃ってると姉妹みたいだな。」
「・・・兄さんまで・・・」
「薫風兄様は何でも似合いますわ!」
「真菜・・・あぁ我が妹は可愛い!」
「やだっ!薫風兄様ったら!」
へへへと笑う真菜!うん、可愛い。
それから着々と準備をさせられ子鷹狩家へ行く事になった・・・うぅぅ、行きたくない。
車で送ってもらい子鷹狩くんの家へ。同じ侯爵家なので立派な家が建てられていた。・・・どこぞの王宮のようだよ。
「お待ちしておりました八乙女さ、ま・・・?」
「お招き有難うございます。八乙女侯爵家次男の薫風と申します。」
「・・・ようこそ子鷹狩家へ。・・・あ、の、失礼ですがその、女性、で?」
「ん?・・・ああ、いいえ。こちらは・・・その、ら、爛様の指定された制服と申しますか・・・僕は歴とした男性です。申し訳ございません、みっともない姿を見せてしまって。」
「っ!い、いいえ!こちらこそ申し訳ございません。・・・そ、それではご案内致します。」
執事さんらしき年配の男性がお出迎えしてくれた。・・・うん、鏡で確認したけど、確かに女性、に、見えるよね。
「爛様はまだご就寝しております。・・・起こしに行って頂けますか。」
「え、早く来すぎましたか?」
「いえ・・・爛様は朝が弱いお方なのです。起こさなければ普通に夕刻までご就寝しております。」
「ええ~・・・あの無愛想クールな子鷹狩先輩がねぇ・・・こんな欠点があるなんて・・・あっ!」
あ、ヤバい、本音がでちゃった・・・あーほら執事さんがポカンとしちゃったよ。
とにかく子鷹狩くんの部屋へと案内してもらった。
執事さんがドアをノックする。もちろん返事はなかった。「失礼致します」と言って中へ・・・僕だけね。執事さんは廊下で待機しているらしい。ドアを開けただけで中に入ってこなかったよ・・・何故?
ベットの膨らみを見る。・・・俯せで抱き締めるように枕の裏に腕を回していた。
・・・ん?裸?裸族かっ!え~嫌だなぁ・・・襲われたり、しない、よ、ね・・・?
「子鷹狩先輩、朝ですよ。」
「・・・」
「子鷹狩先輩。・・・爛せんぱーい?・・・爛さま~?」
「・・・クー・・・Zzz」
「おーマジで起きない。どうしよう。揺さぶる?」
「・・・」
「爛様ぁ~・・・起きないと僕帰りますよ~・・・」
冗談?仄めかして体を揺すってみようと思う。・・・それにしても広いベットだなぁ~。失礼してベットの上へ。これ、キングサイズはあるな。一人にしては広くないか?
「爛様~・・・おーい。ご飯冷めちゃうよ~?」
「・・・ん~・・・」
おっ!あともう少しかな?
「子鷹狩先輩ー。爛先輩ー。爛様~?」
「・・・誰だ?」
「ひえっ!!?・・・ブッ!」
低い声に驚いて四つん這いになってた体を起こしたら急に腕を引っ張られバランスを崩し顔からベットにダイブした感じに俯せで倒れてしまった。
「・・・薫風似のメイドか?・・・ここで何をしてる・・・?」
「う~僕ですよっ!薫風ですよ子鷹狩先輩!」
「・・・・・・ん?」
ちょっと!折角の衣装が台無し!化粧もさっきので台無しになってないか!?・・・てか背中のファスナー下げないでほしいっ!
「かおる・・・?・・・っ!薫風かっ!」
「そうですよ子鷹狩先輩!この衣装、子鷹狩先輩がうちのクラスの女子に作らせたんでしょ!?」
「あ?・・・衣装?・・・・・・?」
うわぁ~まだ寝ぼけてるの?・・・これ、さっきの執事さんに目を覚まさせる効率のいいやり方教えてもらえば良かったな・・・もう遅いけど。
「目を覚ましてください子鷹狩先輩。・・・いい加減どいてくれませんか?」
「・・・本当に薫風か?・・・ちょっと調べさせてくれ」
「・・・は?」
・・・ちょっと、無い胸をまさぐらないでほしいのですがっ!朝から襲われたくないですよ?
お願いだから腕を固定して裸を密着させないでほしい・・・え、マジどうしよう?どうすればいい?
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