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高年期[一学期編]
またお兄に心配をかけてしまった
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大人数が来るのを好まない克典は無理矢理僕を起こし、そそくさ皆を別宅から追い出した。僕は何故か克典の腕の中だけど・・・
風間くんは克典の情報をブツブツ呟きながら頭の中で情報処理してるらしい。銀徹さんはその傍らに居て相づちしていた。・・・愛翔さんと流依兄さんは僕を押し付けないで抱っこしてる克典を挟み撃ちして僕の心配をしている。
この機会だから話し合いたいと思い流依兄さんに手紙を書く。
「(話をしたいから、僕の部屋に銀徹さん、愛翔さん、陽南さんを呼んでほしい。)」
「・・・陽南さんって花塚さん?花塚さんも呼ぶの?」
「(・・・いつか兄さんにも話す。今日はこの3人と話がしたい。お願いできる?)」
「・・・はぁ。まぁ薫風がそう言うなら手紙を送ってあげるよ。・・・でもちゃんと話してね。」
「・・・(ニッコリ笑って返す)」
それから風間くんは自分家の車で帰った。・・・帰り際、頬にチューされました。・・・う、うん。心配かけたみたいだし、これくらいは・・・許すよ。
僕は克典の腕から流依兄さんの腕の中へと引き渡された。皆・・・そんな軽々と僕を抱っこされると・・・なんだろう?軽く凹むんですが。
流依兄さんの腕に移動する直前、克典が耳元で悪魔の囁きを呟いてきた・・・
「・・・これからは薫風に意識してもらえるよう沢山会いに行くからね?楽しみにしてて・・・」
ゾワッ!としたよ?ゾワッ!っと・・・!?
・・・目をつけられた?なんか狼に狙われた憐れな兎、の状態?同い年だから3年間一緒?しかも進級後は成績によってクラスが決まるとか・・・
ええぇ~・・・
い、いや・・・克典は策士みたいだけど成績は・・・うん、そんな上じゃない事を祈ろう。
「克典くん?あぁ文化祭前のテストの成績は薫風の次に名前あったんじゃないかな?」
「・・・!?」
僕の次?・・・って事は学年2位って事!?
あー・・・詰みました。はい、本気で成績落とそうか考えとかないとなぁ~・・・
そして帰宅。また、久々に家に帰った気分。あー我が家だけが心の拠り所・・・
「じゃあ僕は自室にいるからね。何かあったら呼んで?」
「・・・(微笑んで頷く)」
「じゃあ五十嵐秘書、愛翔くん、・・・ゆっくりしてって。」
「あぁ。」
「有難う流依くん。」
流依兄さんにベットに寝かせてもらい2人に声をかけて出ていった。
「さて、どこから話そうか・・・」
「(私が亡くなった後の話が聞きたいんだけど・・・夕立、いや朝立負美は本当に女性を殺して自害したの?)」
「っ!?・・・花彫、どこからそんな話を・・・?」
「(本人から聞いた。奴からペラペラ喋ってきたんだ。・・・実刑が下り3年間刑務所にいたらしいね)」
「そうですよ。大体合ってます。・・・ですが、奴は脱獄したんです。刑務所に送られ1年と少し経った頃に、ね・・・。」
「・・・え゛?」
「そうだ。・・・俺は密かに奴がずっと刑務所に大人しくしてるか何度か確認してて、脱獄したと聞いた時は警察は本当に無能だなと思ったよ。・・・実刑3年ってのも納得できなかったのに、更にそいつを逃がすなんて・・・」
銀徹さんの顔がっ!・・・険しくてかなり怖いよっ!それに声も、多分・・・子供が聞いたら震え上がりチビっちゃうレベル!怖っ!
「・・・そして、朝立はどうやって情報を手に入れたのか花彫が突き飛ばされ亡くなった事をしり、更にはその突き飛ばした女性を探し当て・・・滅多刺しにして殺してしまったそうです。・・・そして花彫、貴女の墓石の前で首を切って自害していたそうです。」
「っ!?」
は?僕の墓石のそばで自害したの?・・・うわっ想像したくない!どんだけ執着してるんだよっ!気持ち悪い!
「警察は本当に使えない。墓石は直ぐに処分して花彫の骨は・・・俺達のマンションに祭壇を買い、そこにずっと飾っていたよ。」
「・・・っ。」
「・・・花彫・・・すみません不愉快な話をしてしまって。」
ゆっくり2人が僕を抱き締めてくれた。・・・兄さんは悪くない。悪くないけど涙が出てきた。あいつは一体僕に、私に何の恨みがあるんだっ!?奴は私を愛してる、運命だとこ言ってるが絶対違う!あいつは歪みすぎだから!
そしてあいつと出会ってから不幸が続きすぎた。退職、恋人との別れ、他にも細かな不幸が続き最終的に突き落とされ生涯に幕を閉じた。・・・残されたお兄たちには辛い思いをさせてしまったなぁ・・・
しみじみお兄達の想いを受け止めていると、廊下からバタバタバタと慌ただしい足音が聞こえ、ガチャ、バァーン!と僕の部屋のドアが勢いよく開いた。そして現れたのは・・・
「薫風くん大丈夫ですか!!!まさか対象者以外に襲われるとは思いも、よ、ら・・・ず?・・・あら?」
「「・・・」」
荒い息を吐きながらヒロインご登場~!なんとも場の空気を一気に壊したねぇ~シビアスな空気をね~・・・こう、バリーン!とね。ドカーン!かな?とにかくお兄二人が唖然としてるんだよね。僕を抱き締めたまま(笑)
*********
ちなみに花彫が強姦されて4年後に朝立は刑務所行きになりました。証拠などが不十分だった為・・・という事で、詳しくは突っ込まないでいただけると有難いですm(__)m
風間くんは克典の情報をブツブツ呟きながら頭の中で情報処理してるらしい。銀徹さんはその傍らに居て相づちしていた。・・・愛翔さんと流依兄さんは僕を押し付けないで抱っこしてる克典を挟み撃ちして僕の心配をしている。
この機会だから話し合いたいと思い流依兄さんに手紙を書く。
「(話をしたいから、僕の部屋に銀徹さん、愛翔さん、陽南さんを呼んでほしい。)」
「・・・陽南さんって花塚さん?花塚さんも呼ぶの?」
「(・・・いつか兄さんにも話す。今日はこの3人と話がしたい。お願いできる?)」
「・・・はぁ。まぁ薫風がそう言うなら手紙を送ってあげるよ。・・・でもちゃんと話してね。」
「・・・(ニッコリ笑って返す)」
それから風間くんは自分家の車で帰った。・・・帰り際、頬にチューされました。・・・う、うん。心配かけたみたいだし、これくらいは・・・許すよ。
僕は克典の腕から流依兄さんの腕の中へと引き渡された。皆・・・そんな軽々と僕を抱っこされると・・・なんだろう?軽く凹むんですが。
流依兄さんの腕に移動する直前、克典が耳元で悪魔の囁きを呟いてきた・・・
「・・・これからは薫風に意識してもらえるよう沢山会いに行くからね?楽しみにしてて・・・」
ゾワッ!としたよ?ゾワッ!っと・・・!?
・・・目をつけられた?なんか狼に狙われた憐れな兎、の状態?同い年だから3年間一緒?しかも進級後は成績によってクラスが決まるとか・・・
ええぇ~・・・
い、いや・・・克典は策士みたいだけど成績は・・・うん、そんな上じゃない事を祈ろう。
「克典くん?あぁ文化祭前のテストの成績は薫風の次に名前あったんじゃないかな?」
「・・・!?」
僕の次?・・・って事は学年2位って事!?
あー・・・詰みました。はい、本気で成績落とそうか考えとかないとなぁ~・・・
そして帰宅。また、久々に家に帰った気分。あー我が家だけが心の拠り所・・・
「じゃあ僕は自室にいるからね。何かあったら呼んで?」
「・・・(微笑んで頷く)」
「じゃあ五十嵐秘書、愛翔くん、・・・ゆっくりしてって。」
「あぁ。」
「有難う流依くん。」
流依兄さんにベットに寝かせてもらい2人に声をかけて出ていった。
「さて、どこから話そうか・・・」
「(私が亡くなった後の話が聞きたいんだけど・・・夕立、いや朝立負美は本当に女性を殺して自害したの?)」
「っ!?・・・花彫、どこからそんな話を・・・?」
「(本人から聞いた。奴からペラペラ喋ってきたんだ。・・・実刑が下り3年間刑務所にいたらしいね)」
「そうですよ。大体合ってます。・・・ですが、奴は脱獄したんです。刑務所に送られ1年と少し経った頃に、ね・・・。」
「・・・え゛?」
「そうだ。・・・俺は密かに奴がずっと刑務所に大人しくしてるか何度か確認してて、脱獄したと聞いた時は警察は本当に無能だなと思ったよ。・・・実刑3年ってのも納得できなかったのに、更にそいつを逃がすなんて・・・」
銀徹さんの顔がっ!・・・険しくてかなり怖いよっ!それに声も、多分・・・子供が聞いたら震え上がりチビっちゃうレベル!怖っ!
「・・・そして、朝立はどうやって情報を手に入れたのか花彫が突き飛ばされ亡くなった事をしり、更にはその突き飛ばした女性を探し当て・・・滅多刺しにして殺してしまったそうです。・・・そして花彫、貴女の墓石の前で首を切って自害していたそうです。」
「っ!?」
は?僕の墓石のそばで自害したの?・・・うわっ想像したくない!どんだけ執着してるんだよっ!気持ち悪い!
「警察は本当に使えない。墓石は直ぐに処分して花彫の骨は・・・俺達のマンションに祭壇を買い、そこにずっと飾っていたよ。」
「・・・っ。」
「・・・花彫・・・すみません不愉快な話をしてしまって。」
ゆっくり2人が僕を抱き締めてくれた。・・・兄さんは悪くない。悪くないけど涙が出てきた。あいつは一体僕に、私に何の恨みがあるんだっ!?奴は私を愛してる、運命だとこ言ってるが絶対違う!あいつは歪みすぎだから!
そしてあいつと出会ってから不幸が続きすぎた。退職、恋人との別れ、他にも細かな不幸が続き最終的に突き落とされ生涯に幕を閉じた。・・・残されたお兄たちには辛い思いをさせてしまったなぁ・・・
しみじみお兄達の想いを受け止めていると、廊下からバタバタバタと慌ただしい足音が聞こえ、ガチャ、バァーン!と僕の部屋のドアが勢いよく開いた。そして現れたのは・・・
「薫風くん大丈夫ですか!!!まさか対象者以外に襲われるとは思いも、よ、ら・・・ず?・・・あら?」
「「・・・」」
荒い息を吐きながらヒロインご登場~!なんとも場の空気を一気に壊したねぇ~シビアスな空気をね~・・・こう、バリーン!とね。ドカーン!かな?とにかくお兄二人が唖然としてるんだよね。僕を抱き締めたまま(笑)
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